【感想・ネタバレ】変異する資本主義のレビュー

あらすじ

覇権国家・アメリカの衰退。「超限戦」をしかける軍事国家・中国の台頭。そして、先の見えないパンデミック。世界が凶暴化するなか、そのリスクに対応すべく「資本主義」が変異し始めている。「地政経済学」で、その実相を深く洞察するとともに、日本が晒されている「危機」を浮き彫りにする一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

積極財政は単に需要を刺激するだけなら高インフレのリスクがあるが、公共投資が技術開発など供給力の強化に向けられるのであれば、高インフレは回避されるだけでなく、将来の経済成長が可能となる。不況下では企業は設備投資や研究開発投資を控えるので生産設備の増加や技術革新によって生産性を向上させる機会が失われ、供給力も落ち込む。すると、不況が終わった需要が回復したとしても供給が不足しているため経済成長が起きないという「履歴効果」という後遺症。需要が十分にあって労総市場がタイトな「高圧経済」の下では、企業は積極的な投資を行い生産能力を拡大するとともに、技術開発投資や企業も活発に行われる。雇用機会も十分にあり労働市場がタイトであるため、労働力はより生産的な市場へと移動する。要するに、積極的な財政金融政策は高圧経済を創り出す長期的な経済戦略。低金利下では債務返済の費用は低くなり、財政支出による便益は資金調達の費用を上回りやすくなる。構造改革によって供給力が高まってもそれに伴う需要の増大がなければ、かえってデフレ圧力が発生する。デフレ、すなわちインフレ率がマイナスになれば、実質利子率(=名目利子率-インフレ率)は上昇する。実質利子率の上昇は需要を一層減退させるので更にデフレが悪化するという悪循環が生じる。モノやサービスを供給すれば必ず売れる、すなわち「供給が需要を生み出す」という「セーの法則」は実際にはあり得ない。ニーズのないものを売り出したところで売れるはずがない。つまり、需要が供給を生み出している、なので、「逆セーの法則」が真。資金需要があれば、貨幣は銀行によって創造され、供給される。投資が、先立つ貯蓄に制約されることはない。その反対に、企業によって行われる投資が貯蓄を作る。国債は民間貯蓄によってファイナンスされていない。国債をファイナンスしているのは中央銀行が創造した準備預金(日銀に設けられた民間銀行の日銀当座預金)。銀行が国債を購入すると、銀行保有の日銀当座預金は、政府の日銀当座預金に振り替えられる。政府が公共事業の発注に当たり企業に政府小切手で支払い、企業は取引銀行に小切手を持ち込み、銀行は小切手相当額を企業の口座に記帳(新たな預金の創造)し、日銀へ代金の取り立てをする。それを受け、政府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座勘定に振り替えられる(日銀当座預金が戻ってくる)。すなわり、民間銀行の日銀当座預金は減っていない。1960年代までの完全雇用を目指すケインズ主義的な政策は労働者階級の地位を向上させ、インフレをもたらした。インフレは貨幣価値の減少を意味するから、債権者(もっぱら資本家階級)には不利に働き、債務者(もっぱら労働者階級)には有利に働く。また賃金インフレは資本家の利潤を圧迫した。新自由主義による低インフレ政策、すなわちFRBの高金利政策により海外資本が高い金利を求めて米金融市場に大量に流入。加えて国内金融市場の規制緩和により金融市場は一層膨張。結果として不安定化、不確実性が高まった。高い不確実性+高金利の環境下では、企業はより短期間で投資回収し、かつ高いリターンを求め、経営者は資金を生産設備から金融資産へと振りむけるようになった。金融部門の支配力が強まり、企業の利益配分は株主有利、労働者不利→労働者所得の低下→消費需要抑圧へ。そして、企業は短期利益重視・株主重視となり、資本ストックへの投資が抑圧された。金融化(株主利益最大化)は需要サイドと供給サイドの両面から長期停滞をもたらす。グローバリゼーションによるアウトソーシングは国内経済の成長や国内労働者の所得の向上には寄与しない。労働者階級の社会的パワーの弱体化へ。この金融化が「債務主導消費レジーム」と「輸出主導重商主義レジーム」へ。いずれも資本ストックへの投資が不足する。これが長期停滞の要因。いずれも賃金を抑圧し、労働者階級の政治的。社会的パワーを弱体化させるものであり、金融階級にとっては望ましいレジーム。よって、金融階級は政治的パワーを使ってこれを維持しようとする。これを解消するためのハインの5つの処方箋。政府による確実な需要の創造。とりわけ、インフラ、技術、教育、研究開発に焦点を当てた公共投資や産業政策。労働者階級のバーゲニング・パワーの拡大。日本がやってきた政策と真逆。もはや経済の問題ではなく「政治」の問題。TPPをはじめとする経済連携協定は「輸出主導型レジーム」を強化するだけ。輸出主導レジーム国は供給過剰によるデフレコストを自国で支払わず他国へ「失業の輸出」として支払わせ、積極的な財政政策による国内消費拡大や生産抑制という調整コストを支払わずにいる。他方、米という債務主導レジーム国は他国の過剰生産や過剰貯蓄のはけ口、という植民地状態となっている。長期停滞を克服するためには労働者階級のパワー回復と金融階級のパワー抑制が必要。戦後は大戦と冷戦という2つの戦争が二つの間のパワーシフトを起こしていた。新自由主義から経済ナショナリズムへ。グローバリゼーションの反省から財政政策、産業政策は安全保障政策の一部であるという転換。この「経済政策の静かな革命」を可能にしたのは、中国のハイブリッド軍国主義という地政学的な脅威。「地域覇権」は、周辺国を軍事力や経済力で脅し、国内政治にまで介入し、文化にまで影響を及ぼすものであり、中国は既にそうなっている。ハイブリッド戦によるグレーゾーン状態の創出。「超限戦」。新兵器の概念ではなく、「兵器の新概念」。狭義の「兵器」の境界を超え、経済制裁であれ、金融市場の操作であれ、サイバー攻撃であれ、敵国首脳のスキャンダルの暴露であれ、敵に対して物質的、精神的打撃を与えることができたら、それは何であれ「兵器」。中国のハイブリッド戦は、間接的であり、じわりと漸進的に遂行され、準軍事組織や民間組織を広範に活用する。直接的な衝突を避ける。これに対し、米とその同盟国は、いわゆる「平時」において中国の政治戦に対抗することは、中国を刺激して武力衝突の引き金を引くのではないかと恐れがちになり、有効な対抗策を講じる機を逸してしまう。ロシアや中国が行っている、情報操作や偽情報の流布でタコ荒野国際社会の世論や感情を動かし自国の優位を獲得しようとする、他国の社会を傷つける「シャープ・パワー」の行使。ハイブリッド戦における非軍事手段として、金融戦、貿易船、資源戦、経済援助戦、制裁戦といった「エコノミック・ステイトクラフト」。政府ではなく政党がビジネスに深く入り込んで広範な支配を及ぼしているのが中国。領域の境界を曖昧にするというハイブリッド性。官と民、フォーマルとインフォーマルも曖昧。軍事と経済も曖昧。軍民融合の範囲が極めて広くかつ曖昧。戦時統制経済と平時経済体制の融合という「ハイブリッド軍国主義」。中国はハイブリッド軍国主義をがとれるのに民主主義国にはできない非対称性。非均衡の原則。「輸出依存度に関する非対称性」とは、「経済制裁の有効性に関する非対称性」。すでに戦争を開始している中国と、未だ平時にあると思い込んでいるアメリカと日本。中国はこれまで輸出主導レジームで成長してきたが、輸出主導レジームは持続不可能であり内需主導へと切り替えないといけない。しかし、内需主導あるいは賃金主導の経済システムは、格差を是正し、特権階級・支配階級の社会的パワーを弱め、労働者階級の社会的パワーを強めなければならない。しかし、一党独裁支配体制の下では転換不可能。それゆえ、成長は鈍化。すると中国共産党はその体制の正当性の重点を経済成長からナショナリズムへ移す。世界大戦で軍事費の増加により財政支出は拡大。しかし、前後は軍事費削減の代わりに社会福祉費が増え、国家予算の規模が戦前の水準には戻らないという「置換効果」。国民は選挙のたびに国の在り方を決定する主権者などとおだてられるが、実際の国の在り方は、国内政治の利害関係や国際政治のパワーバランスに制約されているのであり、経済成長一つとっても、主権者の思い通りにはならない。この現実の複雑さから目を背けて安易な解決策にすがったところで、一時的に爽快感が得られるだけであって、この残酷な世界から逃れられるわけではない。知は力なり。

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2026年07月13日

Posted by ブクログ

 昨年11月に発刊されたものであるが、現在読んでも充分新しい。現在の国際的な政治や経済の動向がとてもよく分析されており、とても腑に落ちる本である。
 日本人の多くは、未だにアメリカが日本を守ってくれると思っているが、もはやアメリカの首脳部は東アジアの地域覇権は既に中国が握っている事実を認めている。台湾有事は時間の問題だろうが、アメリカがそれを阻止できるわけがないのである。
 それにしても、この10年間で中国のハイブリットな国力は増大した。日本やアメリカは戦争しているという意識はなかったが、中国は総合的なハイブリット戦争をひたむきにやっていた。気づいた時には経済力でも軍事力でも全く敵わない中国となっていた。

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2022年05月15日

購入済み

日本の大きな選択肢

新型コロナウイルスのパンデミックと、中国のハイブリッド軍国主義の台頭。この二つがもたらす構造的な変化によって、世界で新自由主義が終わりを迎え、社会主義化——政府の経済社会への関与の強化と積極財政——へと変異を遂げていくだろうというのが本書の主張。
グローバリズムの進展のなかで長期停滞に陥っている日米先進諸国のありようを、経済学・政治学・地政学・国際関係論など幅広い分野の賢人の所見を駆使して解き明かしている。以前からMMT(現代貨幣理論)を国内に紹介し、議論をリードしている著者の立場とも整合する。世界で同時に起こっているこの変異に、日本がついてゆけるのか、本当に心細い。

#アツい #タメになる #怖い

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2022年05月12日

Posted by ブクログ

「地政経済学」を提唱する中野剛志氏の近著。本書は中野氏の主著「富国と強兵 地政経済学序説」の抄訳、アップデート版と言えると思う。
アメリカの経済政策が転換された背景の分析を通して、不愉快な現実が描き出されている。
経済政策に興味がある方は必読。

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2022年03月12日

Posted by ブクログ

現在の世界情勢を把握するための最適のブリーフィング。文書交通費を使って全ての国会議員に配布すべきだ。

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2022年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新型コロナウィルスのパンデミックと中国の軍事的、経済的台頭を総合的、理論的に解釈・説明するとともに今後のあるべき経済政策の姿が述べられている。主張をサポートする海外の知識人のコメントが豊富に引用されており、説得力のある内容となっている。特に気になったのは、最終章で外国人労働者の規制緩和は難しくなるだろうと述べられている点である。一方、現実は規制緩和の方向で動いていくことが報道されている。この期に及んで、今だに新自由主義的な政治を行うのか、この本の言及する"社会主義"的な政治を行うのか重要な分水嶺であると思われるため、現在の政治を評価する上での貴重な一冊であると考えられる。

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2021年11月27日

Posted by ブクログ

大きな政府、財政政策、ハイブリット
2021年9月に書かれていることが少しずつ現実になっているように感じる

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

バイデン政権の経済ナショナリズムへの政策転換を丁寧に説明しつつ、中国の(経済・軍事などの)ハイブリッド軍国主義の台頭から、今後の世界は新自由主義・小さな政府から、社会主義(生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度。あくまで経済学的な定義)・大きな政府に向かうであろう。
というのが本書の趣旨。

経済を軸に、地政学、外交、軍事などの要素も考察しながら論じられており、何度か繰り返して読まないとこの結論に至る理由が完全には理解できませんが、「本書で定義する社会主義」に向かうであろう。とする予測は、本書が出版された2021年11月以降、ロシアのウクライナへの侵攻によって、ますます強まっているようにも思います。

また、小さな政府を追求した日本は、骨太な国の政策を議論できる国体ではなくなっているという指摘は、非常に重たいです。

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2022年06月13日

Posted by ブクログ

経済って、壮大な社会実験のようなものなんだなと。

日本のように自国通貨を発行できる国では、どれだけ国債を発行しても財政は破綻しない。赤字財政の拡大によって民間貯蓄は増える。
これがMMTってやつですか?…と思ってググったら、著書中野剛志氏のダイヤモンドの記事が出てきたのでやはりそういうことらしい。
なんだか狐につままれたような感覚だが説得力はある。

中国のハイブリッド軍国主義という地政学的な脅威が、金融階級の政治的支配の打破による金融化の是正、そして長期停滞からの脱出の足掛かりとなる「経済政策の静かなる革命」を可能にした。
新自由主義に対する民主主義の勝利は、民主的プロセスやエリートの侃侃諤諤の議論ではなく、権威主義国家の覇権の脅威から生まれるというのはなんとも皮肉。

いずれの経済システムも、純粋な資本主義と純粋な社会主義のどこかにある。
赤字財政の拡大による、「社会をより良くする」(気候変動対策、感染症対策、貧困対策、防災インフラ整備…)ための資金投下。外国人労働者の受入抑制による労働力不足の慢性化がもたらす労働者の交渉力・賃上げ圧力の高まり。
それらが導くありようは「社会主義」化が進んだ資本主義の変異体である。センセーショナルだが納得感があった。

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2021年12月08日

Posted by ブクログ

経済や世界史をある程度知っていないと読みにくかった。大半がアメリカの話で占めている。また再挑戦したい本。

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2022年09月25日

Posted by ブクログ

もうすぐ私の58回目の誕生日を迎えますが、コロナ騒動が始まってから早いもので2年が経過しました。テレビのニュースを見ていると、つい最近まではコロナ一色、最近はウクライナ情勢がそれに加わることになりました。このような重大な出来事の影で、世界においては着実に変化が起きているようです。自動車の電動化もそうですが、もっと大きなところで、この本のタイトルにあるように「資本主義が変化している」のではと思っていました。

この本は昨年末(令和3年末)に読み終わって、レビューを書くのを忘れていた本です。3ヶ月前に気になったポイントを振り返りながら、この本を振り返って、今後5年間でさらに変わっていくであろう「資本主義」について考えてみたいと思いました。

以下は気になったポイントです。

・シュンペーターによれば「資本主義」とは、物理的生産手段の私有、私的利益と私的損失責任、民間銀行による決済手段の創造というという特徴を備えた産業社会である。他方「社会主義」とは、生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度である。そして現実の経済システムは、純粋な資本主義と純粋な社会主義の中間形態である。また資本主義はその本質からして、過程である、言い換えれば、資本主義は不段に変異し続けるものである(p3)

・バイデン政権は大方の予想に反して成立直後から画期的な経済政策を打ち出した、第一弾は、米国救済計画と称する1.9兆ドル(200兆円)もの大型追加経済対策。ワクチンの普及などの医療対策に加えて、一人最大1400ドルの現金給付(年収8万ドル以上の高所得者を除く)や、失業給付の特例加算、3000億ドルの地方政府支援などから構成されている(p21)トランプ政権下で発動された経済対策と合わせるとその規模は、5.8兆ドル(名目GDP比較で28%)(p21)

・少なくとも言えるのは、経済政策の背景にある思想や理論に関していえば、アメリカにおいて、1980年代初頭のレーガン政権以来の抜本的な転換が進みつつあるというのは間違いない。静かなる革命と評すべき大転換である(p52)

・自然利子率がゼロを下回る水準にまで低下した理由は、投資性向を抑制し貯蓄成功をあげる構造的な力が働いているからだろう、例えば先進諸国の人口減少、資本財価格の低下、必要資本量の減少をもたらす技術革新によって投資需要が減退した。(p62)

・長期停滞を脱するにはどのような処方箋があるか、一般的な経済政策は、金融政策・構造改革・財政政策の3つである。金融政策は長期停滞下では名目利子率がゼロ下限に達している、構造改革によって供給力が高まってもそれに伴う需要の増大が同時になければ、返ってデフレ圧力が発生してしまう。残されたのは、財政政策、すなわち公共投資・民間投資を促進して、支出を拡大することしかない(p64)

・銀行は信用創造によって、いわば無から貨幣(預金)を生み出すことができるので、貸し出しに必要なのは、事前の資金ではなく、信用できる仮手の存在だけということになる、企業によって行われる投資が、貯蓄を作る。ということは、過剰貯蓄によって利子率が下がるとか、貯蓄不足によって利子率が上がることはあり得ない(p76)

・政府が赤字財政支出をするにあたって国債を発行しその国債を銀行が購入する場合、銀行は中央銀行に設けられた準備預金を通じて買う、これは中央銀行が供給したものであって、銀行が集めた民間預金ではない。そして政府が赤字財政支出を行うと、支出額と同額の民間預金が生まれ、民間貯蓄は増える、従って財政赤字によって国債金利が上昇することはあり得ない(p80、82)従って、対GDP比の政府債務残高という指標は特に意味がない(p85)

・バーゼル規制においては、自国通貨建て国債については格付けのいかんにかかわらず、信用リスクをゼロにすることができるとされている。従って、日本、アメリカ、イギリスは国債を自国通貨建てで発行していることからデフォルトの可能性はない。しかしユーロ加盟国は自国通貨を放棄しているのでデフォルトのリスクはある(p86)

・日本が財政支出を拡大すべき理由は、インフレ率が極めて低いかマイナスだからで、かつ財政支出を拡大すべき分野(貧困対策、防災インフラ整備、パンデミック対策、化学技技術振興など)がいくらでもあるから、プライマリーバランスの赤字も財政運営の指標としては何の意味もない(p89)

・企業組織が株式市場に対して優位であれば、経済は価値創造的、イノベーティブなものとなる。それが逆転し、株式市場が企業組織に対して優位になれば、イノベーションは鈍化し、価値は創造されなくなる(p111)その結果、企業組織の行動原理は、かつての内部留保と再投資から、削減と配当へと変化した(p114)

・冷戦の緊張が緩和しソ連が脅威で亡くなったので、共産化を恐れて自国の労働者を保護し国民に福祉を供与してきたが、その必要性が薄れたのである、金融階級は、労働者階級に配慮しなくても良くなった(p159)

・バイデン政権による経済政策のパラダイム転換は、新型コロナウィルスと中国という外的脅威が駆動していると言って良い(p167)

・もしパンデミックが長期化するならば各国の資本主義経済は、かつてない大きな政府を有したものへと変貌する。対GDPの政府支出が6割以上となればこれは社会主義と言った方が良いかもしれない(p294)

・新型コロナウィルスと中国のハイブリッド軍国主義の台頭により、世界は社会主義化(政府の経済社会への関与の強化と積極財政)へと変異を遂げていくだろう(p301)

2022年3月27日作成

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2022年03月27日

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