中野剛志のレビュー一覧

  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

    Posted by ブクログ

    「財政赤字は悪」という日本の大手メディアの偏った論調に違和感があり読んでみた。


    本書によれば、財政赤字とは単に、政府支出を通じて民間部門に通貨を供給しているだけに過ぎず、高インフレ(デマンドプル・インフレ)になっていない限り問題はないという。

    具体的な理由についても分かりやすく解説されており、読んでいる最中は全て腑に落ちる、いや、むしろ「目から鱗が落ちる」内容。でも、自分の言葉で要約しようとすると難しい・・・だからこそ、経済の話、特にマクロ経済は色んな論者がいて、世論も「赤字=ダメ」みたいに単純な論理がまかり通り、思考停止に陥りやすいのだろう。

    国家としての金融政策の難しさ(世論の理解

    0
    2024年08月15日
  • 日本経済学新論 ──渋沢栄一から下村治まで

    Posted by ブクログ

    渋沢栄一からの日本経済思想の流れについて。軸がハッキリしていて、論旨が明確。中野剛志氏らしい、MMTへの我田引水的な論理誘導もあるような気がしたが、それはそれで、私は否定派ではないのでノイズなく読む。渋沢栄一の思想には、プラグマティズムとナショナリズムの二つがあり、この日本経済学を支える柱をそれぞれ人物から導き出す。

    後期水戸学が渋沢の論語と算盤のルーツ。単純にこの事をもってナショナリズムと言うのでは無い。引き合いに出すのは、経済ナショナリストであるフリードリヒ・リスト。ドイツにおける鉄道建設事業の先駆者だが、交通インフラの発達とそれによる近代産業社会の成立は、国内各地の人々の間のコミュニケ

    0
    2024年05月17日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

    Posted by ブクログ

    名前はなんとなく知っていても、実際に原書を読んだことはない(ハードルが高い)ような社会学の古典を、わかりやすく解説してくれる。述べられている通り、長く読み継がれる古典には深い洞察があり、現代に当てはめても十分納得できる内容であることが理解できた。内容の大枠が掴めたことで、逆に興味が増し、原書にもトライしてみたい気持ちになった。

    ただ一点、最後の堺屋太一批判が少々引っかかった。視点が逆だの、まるっきりわかっていないだの、個人的に恨みであるのかと。笑
    自分の主張の正しさの論拠の一つとして述べているが、結果論として後からアレコレ言うのは簡単で、この部分はなくてもよかった気がする。

    著者は非常に優

    0
    2024年04月29日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

    Posted by ブクログ

    【星:4.0】
    前作の「基礎知識編」ほどのインパクトはなかった。
    また、本書もMMT理論全面推しなのかと思ったが、そうでもない感じである。

    言っていることは一貫していて、財政赤字が増えても日本は通貨発行権を持っているので、自国国債でのデフォルトはない。このデフレ時代には緊縮財政ではなく積極財政でといった論調である。

    ただ、この本の面白いところは、経済の話を中心に据えつつ、経済の観点から国際情勢、政治情勢など幅広い内容となっているとことだと思う。

    そして、視点の中心をMMT理論という新しい経済学に置いているので、色々な物事に対するこれまでとは異なる見方を見につけられた気がする。

    ただ、こ

    0
    2024年04月24日
  • 新しい封建制がやってくる―グローバル中流階級への警告

    Posted by ブクログ

    有識者と呼ばれるアカデミックなエリート層と、テック企業を中心とする一部の上位の「新しい貴族」となった富裕層と、「新しい農奴、奴隷」となったその他大勢との溝は、経済格差や人種差別、LGBTQ、クリーンエネルギー、教育、少子化など、様々な問題が顕在化すればするほど、さらに大きくそして深くなっていく。
    そして民主主義勢力の大きな脅威となって台頭してきた、中国やロシアなどの権威主義的な国家。
    「封建制」という言葉の、新たな認識を突き付けられたような一冊。

    0
    2024年03月28日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

    Posted by ブクログ

    最近流行りの財務真理教というのは、経産省と財務省の暗闘と解釈することも出来る。確かに筆者は経産官僚だが、それを割り引いて読めば良いだろう。
    奇跡を起こすため、日本の全国民に読んでもらいたい本。

    0
    2024年03月06日
  • 経済と国民 フリードリヒ・リストに学ぶ

    Posted by ブクログ

    フリードリヒ・リストは「自由放任」を批判して、「保護貿易政策」の必要性を主張した。本著は、そのリストから学ぼうとするもので、‟貿易自由化の問題点“について、リストの理論を援用したものだ。

    自由貿易が望ましいとした主張として有名なものは、リカードの定理。二つの国が自由貿易を通じて相対的に得意とする産業分野に特化することで、両国とも経済厚生を高めることができると言う比較優位論である。しかし、リカードの定理は、二つの国で1つの生産要素のみが存在する、労働は完全雇用されている、運送費用はゼロである、などの前提条件の上に成立するもので、現実には、あり得ないと著者は述べる。また、一般的に高所得者よりも低

    0
    2024年03月05日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

    Posted by ブクログ

    頭が良くなるかどうかは別として内容はとても面白い。ホントか?と疑いたくなる気がするものの話の筋は合う。これも多くの人に読んで貰いたい。

    0
    2024年02月04日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

    Posted by ブクログ

    感想や読書メモが残してなかったため、再読。
    基本編に引き続きとても分かりやすい文章で、MMTや新自由主義、インフレとデフレ、レントシーキングなどについて、「アメ型成長戦略」「ムチ型成長戦略」を軸に書かれている。
    ただ、筆者の思想というか特定の人への批判が強いので盲目的になるのもなあといった印象を受けた。
    そこを差し引いても、新たな視点をわりと容易に得られるのでおすすめ。

    0
    2024年01月13日
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    循環貨幣理論と現代貨幣理論。政府はお金をいくらでも生み出せる。政府が支出しなければ貨幣も生まれない。支出が先で、税収は後。税金は財源ではない。財政赤字はむしろ正常な状態。政府の支出に資金制約はない。ヒトとモノの実物資源が制約だ。いくらお金があったとしても、物理的存在量には限りがある。財政破綻など起きない。やってくるのはデフレ継続の供給能力破壊。需要に対する供給の好循環。それが築けるかが問題なのだ。お金は機動的に使うもの。知らぬは大罪。理解しようとしないのは極悪人。失われた30年。いくつの命が失われたことか

    0
    2023年12月23日
  • 新しい封建制がやってくる―グローバル中流階級への警告

    Posted by ブクログ

    新しい階級闘争と一緒に東洋経済で解説されていたので、入手。新しい階級闘争と結構被っているが、あっちは欧米、こっちは日本含めたアジアにも言及している。新自由主義とリベラルが結びついて「意識高い」(意識高い系ではない)層が、経済的、政治的、文化的に正論はいいことだを振りかざして来る有様が解説されている。こんな本を読んでいる時点で筆者も「意識高い系」に分類されちゃうのかもしれないが、それでも昨今抱いている違和感(LGBTqとかグリーンディールの欺瞞とかパレスチナ問題に対するアメリカの態度とか)に対して、明確に文字化してくれている。

    0
    2023年12月07日
  • 新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

    Posted by ブクログ

    東洋経済にて、新しい封建制がやってくると合わせて紹介されていたので入手。いわゆる「西側」諸国(ぶっちゃけ欧米)を今までリードしてきている新自由主義が何をもたらしているか、を解説する。基本思想が強者総取りのところに更にテクノロジーによる支配を加速させて、少数のテック貴族によって多数の下流層(中流層は下流層にに叩き落される)が支配され、民主主義が蔑ろにされていく現状が語られている。そのような状況だからこそ、トランプのようなデマゴーグがそういった層のニーズをすくい取って伸びていく、と解説される。筆者は多元民主主義(地方の有力者に率いられた集団が多数ひしめき合う状況)の復活を提示しているが、テックオリ

    0
    2023年12月07日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

    Posted by ブクログ

    中野さんの著書らしく、緊縮財政に対しての反論がしっかり書かれており、読み応えがあった。また、自分とは違う意見に対して闇雲に否定するのではなく、ソクラテスのように問答によって互いの意見をブラッシュアップさせる技法は参考になった。

    0
    2023年12月03日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    民主主義と新自由主義は相容れない関係なのか
    考えさせられる内容でした
    政治よりもお金に関心のある人が
    大多数であるという現状もあります

    0
    2023年11月20日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    昨今の企業主導SDGsとか、製品名を出さずに疾患啓発CMを出す製薬会社に胡散臭いものを感じる人は特に面白いはず

    Work(目覚めさせられた)を”意識高い系”とした訳者に拍手

    ふてぶてしいなとも必要悪だとも感じるところが難しいけど

    0
    2023年11月11日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

    Posted by ブクログ

    何かで聞いたことがあったMMT(Modern Monetary Theory)の唱道者である著者が、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』に続いて書いたもので、おそらく内容的にも同じことが書かれてあるのでしょう。

    これからの政策で必要なことは、
    ①財政支出を拡大して、デフレを脱却すること。つまり緊縮財政から積極財政へと転じること。
    ②これまでの「ムチ型(企業利潤主導型)成長戦略」から、「アメ型(賃金主導型)成長戦略」へと転換すること。
    とまとめにある。

    とにもかくにも、デフレは悪だと。
    そして、一見放漫な政策と思えるMMTこそが、このデフレ脱却には効果があると。
    MMTは、

    0
    2023年10月19日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    日本でもたまに話題になるグリーンウォッシュ、いわゆる「やっていないのにやってるふり」です。

    ところがアメリカではそれどころではありません。それが儲かる仕組みとして成り立っているそうです。しかも、「意識高い系」の会社が、SDGsやESGがうまくいかなければいかないほど儲かるという悪夢のような構造になっています。

    SDGsやESGに対する何か底知れぬ違和感について、少しだけ分かった気がしました。

    あと、日本の資本主義はこのレベルに達しておらず、滅ぼす対象の「民主主義」もそもそも怪しいので、ただただ世界から取り残されていくだけ、と寂しい状況らしい。やっぱり、戦って勝ち取ったのと、敗戦で与えられ

    1
    2023年10月08日
  • 保守とは何だろうか

    Posted by ブクログ

    「政府はすでに財政削減を行っています。しかし,政府は,公共支出の運営を学習しなかったがために,財政削減による即時の問題解決を期待し,あるいは,財政削減が困窮を次第に累積させていくことを知らないのです。」

    この本は19世紀を生きたコールリッジという人の思想を中心として,時代の趨勢とその結果から保守の態度を明らかにしようとするもの。上記の文はそのコールリッジのもので,これによれば,日本の自称保守政権が数世紀の歴史に対する無学を露呈していることになる。統計的方法だけでなく,デフレといった経済現象の解釈も明示的でない時代の慧眼。貨幣や国債の精確な理解。為政者や御用学者は経世済民が分かっていないのでは

    0
    2023年09月28日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

    Posted by ブクログ

    シリーズも3作目だけに、言っていることは常に同じながら、言い回しや譬えや構成がすっきり整理されている印象。一般向けである以上、ある程度の単純化であったり、立場が異なる者への皮肉が混じることはあるだろうが、それがだんだん濃くなってきているところは、やや気になるが。とはいうものの、今後著者が、世界や日本の経済トピックにどのようなコメントをつけていくのはには興味がある。トラスの辞任劇とかアメリカの高インフレと利上げ政策とか。

    0
    2023年08月28日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

    Posted by ブクログ

    シリーズ前2冊を読んでいたので、主張自体にはそれほど目新しいものはなかったのが正直なところです。本書は、主に財務省事務次官の矢野さんの論文を中心に、緊縮財政派の主張をとことん論破しています。全著を読んでいても、それはそれで楽しめるものでした。レトリックばかりで結局理論的には何が言いたいのかさっぱりわからない矢野論文に対して、中野さんのツッコミは理路整然としています。

    権威の意見を鵜呑みにせず、自分で考える力をつけよう、というのが主なメッセージですが、それはつまり矢野さんを始めとする人々に考える力がないと暗にディスっています。最後の問題として、矢野さんは実は間違っていることを自分で分かった上で

    0
    2023年08月27日