中野剛志のレビュー一覧

  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

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    変動相場制の下では、自国通貨を発行する政府は、自国通貨建て国債に関し、返済の意志がある限り、債務不履行に陥ることはない。α銀行が借り手のA社に貸し出す場合、現金をA社に渡すのではなく、A社の預金口座に額を記帳するだけ。政府は通貨を発行し、租税の支払い手段として定める。税は、通貨の価値を保証するために必要。政府は税を徴収するため、徴収する前に支出して国民に通貨を渡しておく。つまり、政府支出が先に会って徴税はその後。財政赤字は単に政府支出を通じて民間部門に通貨を供給しているだけ。民間銀行の日銀当座預金を供給したのは日銀であって、民間預金を原資としていない。MMTは、財政赤字を無尽蔵に膨らませると、供給が需要に追い付かなくなって高インフレになる、と主張している。財政支出の伸びと名目GDPの成長率の間には極めて高い相関関係がある。GDP=消費+投資+政府支出+純輸出。日本経済がデフレに突入したのは、まさに公共投資が減少し、消費税率が5%へと増税された後の1998年。低所得者の方が高所得者よりも消費性向が高い、すなわち所得に占める消費の割合が高いため、所得をより低所得者へと再配分すると、消費需要が拡大し、成長を促進する。日本のGDPの6割が個人消費。日本企業がダメだから日本経済が低迷しているのではなく、デフレを放っているから日本企業は積極的な投資が難しくなり、その結果、魅力ある製品やサービスを生み出せなくなった。通貨の供給量が増えたからインフレになるのではなく、はんたいに、デマンドプル・インフレが信用創造を通じて通貨の供給量を増やす。世界恐慌から得られる教訓として、経済政策は、インフレでは資本主義、デフレでは社会主義。生産増強以外にインフレ収束の途はない。積極財政によって増加した民間投資や公共投資は、まずは「需要」の拡大として現れるが、数年後あるいは数十年後に遅れて、「供給」を強化する効果を発揮する。所得税や法人税は、景気が良くなってインフレ気味になると、自動的に税負担が重くなり、インフレを抑制する効果が現れるという「自動安定化措置」の機能があるが、消費税にはない。コロナ禍では、低所得者の主な雇用先である対人サービスが大きな打撃を受けたため、低所得者の経済被害がより大きくなり、格差が拡大した。イエレン提唱の「高圧経済」。「供給は常に需要を生み出す」というあり得ない前提である「セーの法則」を基にした新古典派経済学。「いい加減にセーの法則」(笑)。短期的視野に基づく赤字の削減は、それが教育のような人的資本への投資の削減になる場合には、対GDP比の債務を増加させる。「国債残高/GDP」が1以上の場合、分母と分子が同じ額だけ増えると、分数は小さくなる。ある部門の収支の赤字は、別の部門の収支の黒字。誰かの債務は誰かの債権。国内民間部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0。90年の財政黒字は民間部門がバブルにより債務を増大させたことの裏返し。財政(政府部門)の黒字化とは、民間部門の赤字か、つまりバブルの発生による過剰債務の裏返し。GDP=消費+投資+政府支出+輸出-輸入。財政政策は、デフレなら政府支出を増やしてインフレにし、インフレが行き過ぎたら政府支出を減らしてインフレの高進を防ぐ。「コストプッシュ・インフレ」の対策は供給能力の拡大だが、投資なくして供給能力を拡大することは不可能。積極財政を行わなければ、供給能力が強化されないので、将来、コストアップ・インフレが起きやすくなる。

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    2026年09月25日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    政府は通貨を発行し、それを租税の支払い手段として定めることにより、通貨に納税義務の解消手段としての需要が生じる。それが通貨の価値。その通貨は政府が発行(支出)したもの。よって、支出が先、徴税は後。税を軽くすると、納税のための需要が減って通貨価値は下がるため、インフレ圧力が発生。「賃金誘導型」成長戦略=「アメ型」成長戦略。「利潤主導型」成長戦略=「ムチ型」成長戦略。アメ型は強い交渉力を持つ労働組合が経済成長の源泉。企業側にとっては制約だが、これがあるからこそイノベーションへと進む。また、「国境の壁」という制約が海外移転や移民労働者流入を阻止するという「制約」を活用する手法。インフレへ。「ムチ型」は人件費抑制、効率化。労働組合弱体化、そしてグローバリゼーション。人件費抑制はが外国人労働者で埋め合わせ。人件費の底辺戦争。デフレへ。国内需要が減っても海外で儲ける。労働者の賃金は上がらず、一部の投資家や企業だけが儲かり格差拡大。トリクルダウンは起きない。米では株主重視の経営観や制度改革が利益配分を労働者から奪った。企業経営者と労働者の所得格差の拡大。生産性の低下。消費者は負債へ依存。金融市場の発達によりこれが可能に。資産バブルの崩壊、金融危機へ。日本のバブル崩壊は金融政策というマクロ政策の失敗なのに、日本的経営が否定されるというミクロの視点が注目されてしまった。そして米の失敗を模倣し「構造改革」へ。雇用重視vs株主重視(オリックス)。ROEは、分子の当期純利益を増やさなくても株主還元により分母の自己資本を減らせば、簡単に数値の改善が可能。インフレ(貨幣価値減少)は格差を縮小させる効果。デフレ(貨幣価値拡大)は格差を拡大させる効果。よって、富裕者層、投資家、経営者はインフレを非常に嫌がる。ムチ型によるゼロサム状態では、労働規制の緩和や民営化は利益が労働者や市民から企業経営者へ移るだけ。現実の世界には、政府の介入や規制が一切なくともうまく機能する「市場」など存在しない。平成日本は、規制が多くも強くもなく、複雑でもないのに、勘違いして「規制緩和」をやって政府の介入を弱めた。「市場」と呼ばれているものも、政府が整備する制度。PFIによる「低廉かつ良質な公共サービス」では儲からないし、儲けてはいけない事業。公共部門より資金調達コストは高く、独占事業となり、長期にわたるため、公共の監視コストもかかる。PFIは幻想にすぎない。レント・シーカーはデフレで民意に充満しているルサンチマンを利用して、ルールや規制を自分たちに都合よく変えてしまう戦略をとる。レント・シーカーは、正当な「特定の利益」に対し、一律に「既得権益」とレッテルを貼り、不当な利益であるかのように印象付け、そのルールや規制がなくなれば、既得権益がなくなり、あたかも国民全体が豊かになるかのように喧伝する。「規制の中には不当なものもある」を、「規制は不当である」という話にすり替え、規制緩和派を「改革派」と呼んで応援し、「守旧派」「抵抗勢力」というレッテルを貼って追放する。この「改革」は、既得権益をレント・シーカーに移しただけで国民一般が豊かになったわけではない。ルサンチマンにとらわれた国民はムチ型成長戦略を支持したい気持ちに駆られる。人々は、「自分に痛みが来ない時」だけ、「痛みを伴う改革」を支持する。誰もが自分以外の既得権益の打破を求める結果、各業界の規則権益は、改革派によってそれぞれ個別撃破されていく。「日本人であること」は大きな「既得権益」。グローバル化を徹底すれば、移民を受け入れることになり、いずれ、日本人であるという「既得権益」をなくすことになる。我が国の「与党審査」のようなものは欧米には存在しない。官僚の「予測的対応」「忖度」。70年代までのアメ型では、官僚は政治の指示に従って政策を実行するだけでは間に合わず、政治の領域にも踏み込んで面倒な利害調整に多大な労力を注ぐ必要。ムチ型は、企業や経営者を厳しい競争にさらしておけばよいだけなので、官僚は面倒な利害調整に関わる必要はなく、若手の「吏員型官僚」は「改革派官僚」へ。改革派を装ったレント・シーカーは、デフレ下でたまったルサンチマンを利用し、「日本は官主導の国」とでっち上げ、官僚パッシングを流行らせた。経済界は「財政健全化が重要」というが、それなら法人税は減税ではなく、むしろ増税を主張すべき。しかし経済界は「国際競争力の強化」という別の論理にすり替えて、法人税減税を正当化。消費増税でデフレ圧力が強まっても、人件費を抑制でき、国内需要が減少しても海外の需要を取りに行けばよいので困らない。財政健全化こそが少子化・人口減少の原因。民間部門がバブルで債務を増やしまくれば、政府の債務が減って財政が健全化するのは当然。国債の償還の原資は、国債借り換えなので、その原資は「その将来世代に属する人々の中で国債を保有する者」となり、将来世代の納税者から国債保有者へと同じ世代の国民の間でお金が移っているだけ。理財局が言う通り、国債は「将来世代へのツケ」ではなく、「未来への贈り物」。政府の債務は民間の債権。つまり、国債は、国民の「資産」。「認識共同体」財務官僚たちは、財政健全化論を精神論や道徳論で考えている。肥大化したエリート意識。「センメルヴェイス反射」。インフレを過剰な民主主義のせいにする間違った議論の大きな影響力。保守派は民主主義の過剰を是正したい。新自由主義者はインフレを抑制したい。インフレ=民主主義の過剰。よって、保守派は信じ油主義と結ばれた。マルクス主義に幻滅したリベラル派は、資本主義体制そのものの構造的な問題に正面から取り組むことを放棄し、関心の中心を「階級」や市民社会や団体のような「集団」から「個人のアイデンティティ」へと移した。国家や社会や文化の支配から「個人を解放」することがリベラル派の使命へ。国家や社会の制約から「解放」して自由に活動させるという新自由主義と親和性が高くなった。今日のリベラル派は、女性の社会進出や移民の流入を歓迎するが、それによる労働者の供給過剰、賃金抑制や失業といった構造的問題にはだんまりを決め込み、男性やマジョリティに属する労働者の悲痛な声を代弁しよとしない「偽善」を宿す。リベラル派は、弱者保護の身振りをして「アイデンティティ」の問題を声高に論じながら、実は「勝ち組」の側に立っている。新自由主義に背を向けるという点で、本来の保守派と本来のリベラル派は手を組みうる。エリートたちも、「財政健全化は不可欠」「グローバル化は避けられない」「自由貿易でなければ繁栄は望めない」「規制緩和で経済は成長する」といったフェイク・ニュースを信じ込み、ばらまき続けてきた。NAFTAによりメキシコ農業は米からの安価なトウモロコシの輸入により壊滅し、困窮したメキシコ人は不法移民として米に流入したため、米の労働者の実質賃金は伸びなくなった。グローバル化の時代には国家主権はもはや通用しない=グローバルの時代には民主政治はもはや通用しない⇒グローバル化とは民主政治の否定。グローバル化、国民国家、民主政治の3つを同時には実現できない「トリレンマ」。グローバル化と民主政治は両立しない。ユーロ加盟国は、不況対策として、積極財政によってインフレ(ユーロ価値の下落)を起こすことができない。ユーロの価値を維持するため、国民に失業と賃金抑制を強いている。国際条約を使って民主政治を制限すればグローバル化の徹底は可能。国際条約をムチ型成長戦略のために用いるべきではない。それは国際条約によって民主政治をすり抜けようとする国際条約の悪用。現代民主国家において通貨価値を保証するのは「徴税権力=民主政治」。MMTは経済政策を「民主化」すべきと主張している。デフレに経路依存性がある。イデオロギーにも経路依存性がある。令和の政策ピボット(方針転換)で大事なのは、本来の保守派(右派)と本来のリベラル派(左派)は、反新自由主義という経済政策において手を携えられるはず、ということ。

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    2026年08月28日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    「需要不足/供給過剰」がデフレ。「需要過剰/供給不足」がインフレ。需要は「消費」と「投資」。消費も投資も減り、需要はさらに縮小してデフレが解消されない。デフレとは持っているおカネの価値が上がって、人々はモノよりもカネを欲しがるようになる。デフレ下では、消費者は浮いたお金があっても、支出ではなく貯蓄に廻す。インフレはその逆。経済成長はインフレが前提。合成の誤謬。デフレ対策として、企業間競争を抑え、生産性は向上させない、保護主義。「構造改革」はインフレ対策であってデフレ対策ではない。競争を激しくして競争に負けた企業の淘汰を進めると、失業者という「遊休資産」が増え、国の経済はかえって非効率になる。企業経営と国の経済運営は全く別物。デフレの時は「大きな政府」が望ましい。「借用証書」が貨幣のはじまり。「信用/負債」の関係。貨幣とは負債の一形式。貨幣を創造するということは、負債を発生させること。銀行は、貸し出しによって預金という貨幣を創造し、借り手が債務を銀行に返済すると、預金通貨は消滅する。銀行が預金集めに奔走するのは、自行の資金繰りを円滑にするためであり、貸し出しの原資を集めている訳ではない。貨幣全体の8割以上は「預金通貨」。銀行は手元にある預金を貸し出すのではなく、その反対に貸出しが預金を生み出す。いくら中央銀行がマネタリーベースの量を増やしても、借り手の方に資金需要がない限り、銀行の貸出し(すなわち預金通貨の創出)は増えない。「紐では、引けるけど、押せない」。国債発行(財政赤字)が通貨(預金)供給量を増やす。政府の日銀当座預金と銀行の日銀当座預金の間での振替にすぎない。政府の財政赤字は、それと同額の民間部門の貯蓄を生み出す。自国通貨建ての国債は返済不能に陥ることはあり得ない。ユーロを採用した国は、自国通貨の発行権という特権を放棄したために破綻する可能性のある存在となった。財政破綻しない政府であれば、債務を完全に返済しきる必要もなく、「借り換え」を永久に続ければよい。財政赤字の制約を決めるのは、インフレ率(物価上昇率)。デフレの時には財政赤字に制約はない。税金は物価調整の手段であって財源確保の手段ではない。インフレが行き過ぎるのを防ぐために存在。格差の拡大は、需要を減少させ、経済成長を阻害する。(国内民間部門の収支)+(国内政府部門の収支)+海外部門の収支(海外から見た)=0。経常収支の黒字化は、輸出によって相手国の市場と雇用を奪う、つまり、自国の利益のために他国を食い物にする「近隣窮乏化政策」。誰かの債務は誰かの債権。金利がゼロ近くまで下落すると投機的需要が無限に大きくなり、金融緩和の効果がなくなるという「流動性の罠」。「ノーベル経済学賞」と呼ばれている賞は、実は、ノーベル賞ではない。供給は常に需要を生み出す、という「セーの法則」など、現実には存在しない。主流派経済学の「セーの法則」を前提とした一般均衡理論は、「供給過剰/需要不足」を説明できない。MMTとは「財政赤字の大小はインフレ率で判断すべきだ」という考え方。「就労保障プログラム」とは、公的部門が釈迦的に許容可能な最低賃金で、希望する労働者を雇用し、働く場所を与える」という政策で、景気変動を緩和し、物価を安定させつつ、完全雇用を可能にするアイデア。TPPの経済効果算定に用いられたCGEモデルは、貿易自由化である産業で失われた雇用は瞬間的に別の産業による雇用に置き換わるという、失業による損失を計算しないモデル。GATTの下では、各国は補助金や福祉政策なその補償的な措置を講じた。すなwち、貿易自由化が進めば進むほど、政府の規模は小さくなるのではなく、逆に大きくなった。GATT下での貿易自由化は、むしろ「マイルドな保護貿易}だった。戦後日本の貿易依存度はアメリカと同様、10~15%で、「戦後日本は貿易立国だ」というのは神話に過ぎず、日本はアメリカと同様、内需大国。19世紀末から20世紀初頭に「グローバリゼーションは高くなり、大戦で途絶し、戦後は「脱・グローバリゼーション」へ。1980年以降、世界は再びグローバリゼーションへ。なぜなら、各国ともインフレ対策が課題だったから。1980年以降の本格的な自由貿易により、経済成長率は低下し、格差は拡大していった。商品の移動は労働者の移動の代用。

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    2026年08月17日
  • 基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

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    ミラン論文は、単純に切り捨てられる議論ではなかった。

    大胆な政策提案だけを見ると、強引な議論にも見えます。
    しかし本書を読むと、ミランは想定される批判やリスクを踏まえながら、かなり周到に論理を組み立てていることが分かります。だからこそ著者が指摘する理論的な欠陥も重要で、ミラン論文を「正しいか間違いか」だけでなく、どこまで筋が通り、どこで前提を誤っているのかという視点で読めるようになりました。

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    2026年08月16日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    面白い。
    確かに、と思うことがたくさんある。
    現在世界中で起きていることを見て、どこの国はどうなっているとか、自分はじゃあ今の環境、組織でどうするか、将来的にどういう方向に向かわせていくべきなんだろうかと考える土台になる。
    管理系の職種であればこういう知識が必要になると思うと、学ばず止まってる暇はないと思う。少し世界が広がりました。

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    2026年08月07日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    入門 シュンペーター
    資本主義の未来を予見した天才
    著:中野 剛志
    出版社:PHP研究所
    PHP新書 1414

    「資本主義・社会主義・民主主義」とイノベーションに焦点をあてた、シュンペータの経済発展の理論を論ずる
    社会構造を変革し、イノベーションを起こすには、シュンペータの経済学が必要である

    本書は、シュンペータの1942年に発表した「資本主義・社会主義・民主主義」を中心に扱っていて、産業組織論、企業戦略論など、戦後に新しい方向性を与えました。

    シュンペータは、イノベーションを定義し、重要な示唆を多方面に与えました。

    経済発展の理論での解説から入ります。静学とは、需要と供給が均衡した状態で、経済発展がおきない状況であり、動学とは、経済が発展していく状況であるとのべています

    イノベーションとは、この動学を意味していて、新結合というのがイノベーションの出発になっています。

    もともと均衡を扱うことで計量経済学を論じてきたが、イノベーションが起きると、その市場均衡は崩れてしまう

    均衡のみをあつかっていた、古典経済学では、イノベーションは理解ができないといっています。

    貨幣と銀行:シュンペータも、ケインズもその認識は一致しているとの前置きがあり、銀行とは、無から貨幣を創造する機関と位置付けています。貨幣の創造とは、貸付資金繰りの改善ではなく、信用創造といっています。

    借り手に、返済能力があり続ける状態であれば、銀行はその借り手に貨幣を供給しつづけます。これが、信用です

    イノベーションの進展については、この信用創造が必須の要件とかたっています。

    日本の経済が長らく停滞を続けている原因の一つとして、緊縮財政を展開しているが故に、この信用創造が行われていないことであると示唆しています

    これを貨幣循環理論といっています。

    不確実性の高まりや、デフレは、企業の資金需要をなくしてしまうので、民間銀行における信用創造を機能不全にしてしまう。これを、資本主義が機能不全になると言い換えています

    イノベーションを生み出す革新的企業の条件とは
     ①戦略的管理
     ②組織的統合
     ③資金著調達コミットメント
    が必要となります。

    最近のアメリカ経済の低迷は、開業率が半減したことであると指摘します。
    そして、アメリカの失敗を模倣してしまったことが、日本経済低迷の原因です

    もともと、アメリカ経済を牽引し、イノベーションを促してきたのは、アメリカ政府です
    今日のIT産業を含めたイノベーションの原点はアメリカの産業政策です

    これに比べて、日本では、企業も政府も企業者としてのイノベーションを推進していなかったことが、アメリカを模倣してきたにも関わらず、イノベーションがおきなかった原因です。

    終章では、シュンペータがいう、創造的破壊を論じています

    シュンペータは、共産主義の失敗から、資本主義も崩壊すると考えたのではなく、資本主義が成功するからこそ、その成功に崩壊するだろうと考えました

    その先には、社会主義があります。シュンペータの主張は、段階的に資本主義が社会主義に移行するというものです。

    まず

    私有財産制度+契約の自由 ⇒ 商業社会

    商業社会+信用創造 ⇒ 資本主義

    ※資本主義の底流にあるものは、合理主義的個人主義の精神です。

    資本主義の合理主義的精神は、反英雄的である
    資本主義の精神とは、合理主義的、世俗的、平和主義的、国際主義であると、論じています

    資本主義の社会主義への移行とは、経済システムにおける公共セクターの役割が大きくなっていくことと定義しています。

    社会主義への移行ステップにあらわれるのは、①インフレ、②社会化 です

    19世紀イギリス 所有者資本主義
    20世紀アメリカ 経営者資本主義
    20世紀後半日本 集合資本主義(日本的経営) 

    社会主義の進展をあらわすものとして、グローバライゼーションしているにもかかわらず、各国の政府は、小さくなるどころか、より大きくなっていることからもわかります。

    現在の状況は、酸素吸入器付きの資本主義と記載しています

    政府の積極的な経済介入のおかげで、現状を維持している資本主義という意味です

    著者は、シュンペータを読み直せというのが結論です。イノベーションの原点に返れというが本旨でしょうか。

    目次

    第1章 どんな人がイノベーションを起こすのか
    第2章 資本主義とは何か
    第3章 なぜ日本経済は成長しなくなったのか
    第4章 創造的破壊とは何か
    第5章 企業の成長戦略
    第6章 どんな企業がイノベーションを起こすのか
    第7章 シュンペーター的国家
    第8章 資本主義は生き延びることができるのか

    ISBN:9784569856186
    判型:新書
    ページ数:336ページ
    定価:1400円(本体)
    2024年11月29日第1版第1刷

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    2026年07月18日
  • 変異する資本主義

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    積極財政は単に需要を刺激するだけなら高インフレのリスクがあるが、公共投資が技術開発など供給力の強化に向けられるのであれば、高インフレは回避されるだけでなく、将来の経済成長が可能となる。不況下では企業は設備投資や研究開発投資を控えるので生産設備の増加や技術革新によって生産性を向上させる機会が失われ、供給力も落ち込む。すると、不況が終わった需要が回復したとしても供給が不足しているため経済成長が起きないという「履歴効果」という後遺症。需要が十分にあって労総市場がタイトな「高圧経済」の下では、企業は積極的な投資を行い生産能力を拡大するとともに、技術開発投資や企業も活発に行われる。雇用機会も十分にあり労働市場がタイトであるため、労働力はより生産的な市場へと移動する。要するに、積極的な財政金融政策は高圧経済を創り出す長期的な経済戦略。低金利下では債務返済の費用は低くなり、財政支出による便益は資金調達の費用を上回りやすくなる。構造改革によって供給力が高まってもそれに伴う需要の増大がなければ、かえってデフレ圧力が発生する。デフレ、すなわちインフレ率がマイナスになれば、実質利子率(=名目利子率-インフレ率)は上昇する。実質利子率の上昇は需要を一層減退させるので更にデフレが悪化するという悪循環が生じる。モノやサービスを供給すれば必ず売れる、すなわち「供給が需要を生み出す」という「セーの法則」は実際にはあり得ない。ニーズのないものを売り出したところで売れるはずがない。つまり、需要が供給を生み出している、なので、「逆セーの法則」が真。資金需要があれば、貨幣は銀行によって創造され、供給される。投資が、先立つ貯蓄に制約されることはない。その反対に、企業によって行われる投資が貯蓄を作る。国債は民間貯蓄によってファイナンスされていない。国債をファイナンスしているのは中央銀行が創造した準備預金(日銀に設けられた民間銀行の日銀当座預金)。銀行が国債を購入すると、銀行保有の日銀当座預金は、政府の日銀当座預金に振り替えられる。政府が公共事業の発注に当たり企業に政府小切手で支払い、企業は取引銀行に小切手を持ち込み、銀行は小切手相当額を企業の口座に記帳(新たな預金の創造)し、日銀へ代金の取り立てをする。それを受け、政府保有の日銀当座預金が銀行の日銀当座勘定に振り替えられる(日銀当座預金が戻ってくる)。すなわり、民間銀行の日銀当座預金は減っていない。1960年代までの完全雇用を目指すケインズ主義的な政策は労働者階級の地位を向上させ、インフレをもたらした。インフレは貨幣価値の減少を意味するから、債権者(もっぱら資本家階級)には不利に働き、債務者(もっぱら労働者階級)には有利に働く。また賃金インフレは資本家の利潤を圧迫した。新自由主義による低インフレ政策、すなわちFRBの高金利政策により海外資本が高い金利を求めて米金融市場に大量に流入。加えて国内金融市場の規制緩和により金融市場は一層膨張。結果として不安定化、不確実性が高まった。高い不確実性+高金利の環境下では、企業はより短期間で投資回収し、かつ高いリターンを求め、経営者は資金を生産設備から金融資産へと振りむけるようになった。金融部門の支配力が強まり、企業の利益配分は株主有利、労働者不利→労働者所得の低下→消費需要抑圧へ。そして、企業は短期利益重視・株主重視となり、資本ストックへの投資が抑圧された。金融化(株主利益最大化)は需要サイドと供給サイドの両面から長期停滞をもたらす。グローバリゼーションによるアウトソーシングは国内経済の成長や国内労働者の所得の向上には寄与しない。労働者階級の社会的パワーの弱体化へ。この金融化が「債務主導消費レジーム」と「輸出主導重商主義レジーム」へ。いずれも資本ストックへの投資が不足する。これが長期停滞の要因。いずれも賃金を抑圧し、労働者階級の政治的。社会的パワーを弱体化させるものであり、金融階級にとっては望ましいレジーム。よって、金融階級は政治的パワーを使ってこれを維持しようとする。これを解消するためのハインの5つの処方箋。政府による確実な需要の創造。とりわけ、インフラ、技術、教育、研究開発に焦点を当てた公共投資や産業政策。労働者階級のバーゲニング・パワーの拡大。日本がやってきた政策と真逆。もはや経済の問題ではなく「政治」の問題。TPPをはじめとする経済連携協定は「輸出主導型レジーム」を強化するだけ。輸出主導レジーム国は供給過剰によるデフレコストを自国で支払わず他国へ「失業の輸出」として支払わせ、積極的な財政政策による国内消費拡大や生産抑制という調整コストを支払わずにいる。他方、米という債務主導レジーム国は他国の過剰生産や過剰貯蓄のはけ口、という植民地状態となっている。長期停滞を克服するためには労働者階級のパワー回復と金融階級のパワー抑制が必要。戦後は大戦と冷戦という2つの戦争が二つの間のパワーシフトを起こしていた。新自由主義から経済ナショナリズムへ。グローバリゼーションの反省から財政政策、産業政策は安全保障政策の一部であるという転換。この「経済政策の静かな革命」を可能にしたのは、中国のハイブリッド軍国主義という地政学的な脅威。「地域覇権」は、周辺国を軍事力や経済力で脅し、国内政治にまで介入し、文化にまで影響を及ぼすものであり、中国は既にそうなっている。ハイブリッド戦によるグレーゾーン状態の創出。「超限戦」。新兵器の概念ではなく、「兵器の新概念」。狭義の「兵器」の境界を超え、経済制裁であれ、金融市場の操作であれ、サイバー攻撃であれ、敵国首脳のスキャンダルの暴露であれ、敵に対して物質的、精神的打撃を与えることができたら、それは何であれ「兵器」。中国のハイブリッド戦は、間接的であり、じわりと漸進的に遂行され、準軍事組織や民間組織を広範に活用する。直接的な衝突を避ける。これに対し、米とその同盟国は、いわゆる「平時」において中国の政治戦に対抗することは、中国を刺激して武力衝突の引き金を引くのではないかと恐れがちになり、有効な対抗策を講じる機を逸してしまう。ロシアや中国が行っている、情報操作や偽情報の流布でタコ荒野国際社会の世論や感情を動かし自国の優位を獲得しようとする、他国の社会を傷つける「シャープ・パワー」の行使。ハイブリッド戦における非軍事手段として、金融戦、貿易船、資源戦、経済援助戦、制裁戦といった「エコノミック・ステイトクラフト」。政府ではなく政党がビジネスに深く入り込んで広範な支配を及ぼしているのが中国。領域の境界を曖昧にするというハイブリッド性。官と民、フォーマルとインフォーマルも曖昧。軍事と経済も曖昧。軍民融合の範囲が極めて広くかつ曖昧。戦時統制経済と平時経済体制の融合という「ハイブリッド軍国主義」。中国はハイブリッド軍国主義をがとれるのに民主主義国にはできない非対称性。非均衡の原則。「輸出依存度に関する非対称性」とは、「経済制裁の有効性に関する非対称性」。すでに戦争を開始している中国と、未だ平時にあると思い込んでいるアメリカと日本。中国はこれまで輸出主導レジームで成長してきたが、輸出主導レジームは持続不可能であり内需主導へと切り替えないといけない。しかし、内需主導あるいは賃金主導の経済システムは、格差を是正し、特権階級・支配階級の社会的パワーを弱め、労働者階級の社会的パワーを強めなければならない。しかし、一党独裁支配体制の下では転換不可能。それゆえ、成長は鈍化。すると中国共産党はその体制の正当性の重点を経済成長からナショナリズムへ移す。世界大戦で軍事費の増加により財政支出は拡大。しかし、前後は軍事費削減の代わりに社会福祉費が増え、国家予算の規模が戦前の水準には戻らないという「置換効果」。国民は選挙のたびに国の在り方を決定する主権者などとおだてられるが、実際の国の在り方は、国内政治の利害関係や国際政治のパワーバランスに制約されているのであり、経済成長一つとっても、主権者の思い通りにはならない。この現実の複雑さから目を背けて安易な解決策にすがったところで、一時的に爽快感が得られるだけであって、この残酷な世界から逃れられるわけではない。知は力なり。

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    2026年07月13日
  • 基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

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    巻末に「最低限必要なことは、この目の前の厳しい現実を直視し、その本質をつかむことである。そのためには、これまでの通説や主流派の理論あるいは支配的イデオロギーを疑い、あらゆる知識や理論を動員しつつ、議論を繰り返し、考察を深めなければならない」とあるが、これは政治家や学者に任せておけば済む話ではない。
    イラン戦争勃発により、アメリカのパワーがますます減退していくことが確実となった今、属国的立場にある日本はどのような針路取るべきか。
    自分なりの考え方を形成するために有用な書籍。

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    2026年06月13日
  • 政策の哲学(集英社シリーズ・コモン)

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    難解だったが、読んだ価値はあった。
    主流派経済学については「経済人の仮定」や、「貨幣循環論法」、「現実から遊離したドグマ的言説」など理解しがたい学問だと思っていた。
    よって、本書で「主流派経済学は似非科学」だと断じてもらって非常にスッキリした。残る問題は「政治経済の世界で幅を利かせている似非科学者たちをどう排除するか」ということだろう。
    科学的に議論できない人たちが相手である以上、我々一般市民が賢くなって「世論」で駆逐するしかないのだろうな。

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    2026年05月17日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    副題にあるように“現代の問題を解決しうる名著の知恵”が盛りだくさん。
    古典の名著を分かりやすく解説した入門書なので、原典を読まなければ、と思うのだが、この入門書でもかなり歯ごたえがあったので、読めるのかかなり不安。
    紹介されていた本を既に何冊か購入済みなのだが。

    兎にも角にも、今の日本の状況はかなり危険であることが分かった。
    自分にできることは何なのか考えたい。

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    2026年03月16日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    シュンペーターが正しく理解されていないこと、日本の政策決定者が適当にしか物事を考えていないことだけはよくわかった。
    高度成長期以降の日本人がいかに考えない、いい加減な人間だったのかと思わずにはいられなかった。

    反面教師として、せめて正しく知る努力はしたいと思う。

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    2025年12月20日
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み

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    『どうする財源』が暴く、日本財政の不合理と財務省の罪

    戦後日本の財政運営をめぐる“常識”が、いかにして国の未来を縛り、衰退を招いてきたのか――。中野剛志氏の著書『どうする財源――貨幣論で読み解く税と財政の仕組み』は、その根本原因として、財務省による財政規律信仰と、それを無批判に受け入れてきた日本社会の病理を鋭く告発する一冊である。

    著者が最も強調するのは、「貨幣とは負債である」という事実に立脚した、現代貨幣理論(MMT)的視点だ。政府が支出すれば、民間の預金が増える。つまり、財政赤字とは、民間の黒字なのだ。こうした貨幣の本質を無視し、「赤字は悪、黒字は善」とする財務省の均衡財政論は、前近代の領主の家計簿的発想にすぎないと、著者は喝破する。

    実際、日本は1997年から2017年にかけて、先進国の中で唯一、ほとんど財政支出を増やさなかった国である。成長を放棄したも同然のこの姿勢こそ、失われた30年を招いた元凶ではないか。アメリカや欧州諸国が、インフラ投資や社会保障の拡充に国家予算を投じ続けたのに対し、日本だけが「財政再建」の名のもとに縮小均衡を選び続けた。その裏にあるのが、財務省主導の「財政法第四条」の解釈であり、国債発行への過剰なアレルギーだ。

    しかもその「健全財政」の理念には、皮肉にも戦後の“戦争放棄”の精神が潜んでいるという。赤字=戦争の道と結びつける論理は、あまりに感情的で非合理的であり、経済政策においてはむしろ有害ですらある。朝日新聞などが国債発行を「戦争への道」と結びつける報道を続けるのも、まさにこの思想の延長線上にある。

    中野氏はまた、日銀が政府に支払われた利子を最終的に国庫に納付しているという仕組みにも注目する。つまり、国債の金利負担は「国の借金」としても、実質的には政府内で完結する循環であり、「国民へのツケ」では決してない。さらに、バーゼル規制においても、自国通貨建ての国債は信用リスクゼロと見なされているにも関わらず、国内では未だに「国債暴落」「財政破綻」の危機が煽られ続けている。

    著者はこうした現状を、機能的財政(Functional Finance)への理解不足として批判する。財政は予算制約ではなく、「実物資源」(人手、技術、設備など)の制約によって運営されるべきなのだ。つまり、インフレ率や供給能力こそが財政運営の基準であり、単なる収支バランスに縛られる必要はない。

    こうした視点に立てば、日本の防衛費が20年以上ほぼ横ばいであること、中国がその間に軍事費を5倍に拡大したことが、いかに異常であったかが分かる。国民の命と安全を守る防衛すら、「財源がない」という空虚な言い訳で先送りされてきたのだ。

    総評:財務省主導の国家縮小路線にNOを

    『どうする財源』は、単なる経済書ではない。これは、国家のかたちと未来のビジョンを問う、極めて政治的な書物である。そして、その矛先は、何よりも財務省という「見えざる支配者」に向けられている。

    “破滅するまでバラマキを続ける!?”などという論法で、あらゆる財政出動を封じる財務省のプロパガンダは、もはや論理ではなくイデオロギーである。真に必要なのは、「国債=借金」という刷り込みから脱し、財政を通じて国民の豊かさと安全をどう守るか、という現実的な議論であろう。

    中野剛志氏の本書は、その出発点を我々に提供してくれる。
    いまこそ、財務省の“財政神話”に冷静なメスを入れる時である。

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    2025年12月19日
  • 基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

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    相変わらずキレッキレ
    たぶんそうだろうな~って感じてたことがしっかり分析されて言語化されてる。ワイの直感も的外れではないって確認できて嬉しい。

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    2025年11月14日
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム

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    過度なポリコレにより、日本には入って来ない情報がこんなに沢山あるのかと驚いた。特にイギリスのロザラム事件など。

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    2025年10月29日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    日本ではアクティビストが大活躍で、多くの企業が自社株買いと高配当により、アクティビティスト達に利益を上納し、彼等が去った後は、株価低迷と余裕資金不足により、イノベーションと成長が阻害されている。また、株価上昇により,一見成功しているように見える企業も恩恵を受けているのは株主と倫理観を失って株式報酬を謳歌する経営者達だけで、労働分配率の低下による消費低迷を招いている。そろそろこの悪循環に気付くべきだと思う。

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    2025年08月16日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    今年読んだ中では一番かもしれない。これほど短く要点をついてシュンペーターをまとめてある本はないのではないか。イノベーションに関する研究者の1人として学ばされることの多すぎる本であり、シュンペーターについてきちんと勉強して来なかった自分を恥じた。

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    2025年08月01日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    シュンペーターの思想を解説した入門書。
    解説が分かりやすいだけでなく、フレッド・ブロックやウィアリアム・ラゾニック、マリアナ・マッツカートなど現代の思想家への影響力を示すことで、「古い=役に立たない」という偏見を否定するなど、構成も考え抜かれている。
    資本主義の自壊的な死を予言したシュンペーターは間違いなく天才だが、その思想を平易な言葉で解説する中野氏の能力も驚嘆に値する。
    日本の衰退を招いた主流派の経済学者たちではなく、中野氏のような人物に所得倍増計画を主導した下村治氏の役割を担ってもらうことはできないのだろうか・・・。

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    2025年07月30日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    確たる解答が存在するのかは於いておくとしても、現行の資本主義経済の是非に疑問を持ち、なんとはなく非主流派経済学の議論などを読み漁っている身からすると興味の尽きない議論が続く。
    ひとまず理解を深めるべく、本著の再読やシュンペーターの著作をあたりたいところだが、一般的な理解とシュンペーター理論との乖離という点では、骨太の方針における創造的破壊の誤用問題などは最たる例か。著者の解釈を一方的に信奉するつもりはないが、思考を練り上げるという過程で考える題材として非常に面白いと思う。

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    2025年06月28日
  • 入門 シュンペーター 資本主義の未来を予見した天才

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    日本論として読めました。少し俗っぽく断言しているのも、キャッチーにポジションを取っていると解釈され、特定のカラーを押し付けているとまでは言えないという感じに、洗脳されると思います。ごちそうさまでした。

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    2025年06月23日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    著者は、1990年頃、19歳のときにデュルケームの「自殺論」を読んだと言っていた。
    偶然だがそのころ高校生だったおれも、地元の本屋で見つけて読んでいた。
    そしてその後、郵政民営化とか構造改革はやばいって思ってたけど、そう感じていただけでうまく言葉にはできなかった。
    なるほどなあ・・・やっぱ直感は正しかったなと思った。

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    2025年04月13日