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世界が物価高騰に襲われている。この高騰は、景気の過熱に伴う「デマンドプル・インフレ」ではなく、景気後退・政情不安を招く「コストプッシュ・インフレ」の性格が強い。その背景にあるのは、グローバリズムの終焉という歴史的な大変化だ。このようなときには安全保障の強化や財政支出の拡大が必須だが、それらを怠ってきた日本は今、窮地に陥っている。世界秩序のさらなる危機が予想されるなか、もはや「恒久戦時経済」を構築するしか道はないのか。インフレの歴史と構造を俯瞰し、あるべき経済の姿を示した渾身の論考。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年02月11日
同様のテーマを扱った書に「世界インフレの謎」という本があるが、それと比較して本書の方がよりシンプルですっきりと理解しやすい。しかも本書では経済学にとどまらず政治学、社会学、地政学など幅広い分野から総合的に分析を行い迫力ある警鐘を鳴らしている。我々は新自由主義、グローバリゼーション、リベラリズムといっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月03日
先ず、現状の日本をどのような状態と捉えているか。その原因は何か。状態が良くない場合、その対策は。このような論旨で解決策まで提起するのが本著。論理展開を開始する第一の切り口が、リベラルなグローバリズムの終焉という事だ。
データの説明が分かりやすい。貿易開放度とはGDPに占める輸出入合計の比率だが、つ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月16日
2種類あるインフレ。「消費意欲が旺盛で生産が追い付かず値段を上げる」「資源など生産のベースとなるものの調達手段が突如失われ、品薄となり物価が上がる」。前者は比較的経済が良好な状態。政府は消費が過熱な時のみ財政と金融を引き締めればよい。後者は危機的な状況。棄損した生産力をカバーすべく積極財政で投資を促...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月28日
昨年12月に刊行されたので、もうすぐ1年というところである。著者の書籍は初めて読んだが、その指摘がその後に起こった変化を含め現状をよくとらえている点に驚いた。
まず冒頭に「グローバリゼーションはリーマンショックで終わっていた」という衝撃的な主張が。確かにリーマンショック後、ロシアのジョージアやクリ...続きを読む
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