中野剛志のレビュー一覧

  • MMT現代貨幣理論入門

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    ネタバレ

    中野剛志さんの本で概要を聞いていたので、かなり長く感じたが、いろんな批判に対して丁寧に説明しようとしている内容。
    このレベルで基本書と言われると、専門書はどのレベル??と困ってしまう。
    最後の解説がシンプルにまとまってるので、先に読んでから読んでみても良いかもしれない。

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    2020年01月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主権と中央銀行を持つ国の政府は、まず貨幣を創造し、次にその貨幣で納税義務を課す。均衡不要で予算制約なしに支出できる。課税プロセスで、公共・民間に有益な活動を促進する。政府は最低給での就業保証プログラムを実施することで、再分配に代わる不平等是正を行える。

    残り物のオマケ程度の位置づけだった税が、まず最初に来るとは。税制の在り方が、社会の活動の方向性を決めるとは。不換・電子情報時代の理論とのことですが、いつまで有効なのだろう。

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    2019年12月18日
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム

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    ・イスラム教には、教義上、西洋で自明の価値観(両性の平等、表現の自由、LGBTの尊重等)を認めないところがある。
    ・西洋では、リベラル思潮及び過去の植民地政策等への反省から、他人種・他宗教を批判することに極端に神経質である。
    ・上記2つの帰結として、イスラム教移民について、難民ではなく経済移民であっても拒否することができず、移民先において同化しようとしなくても同化を求めることができず、テロが頻発する事態になっている。

    以上がこの本の主な論点です。一つ目は重要な問題提起であり、「娘に(必要ないとして)体育を学ばせることを拒否する移民の父親」にどう対応するかは、日本も考えなければならない問題だと

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    2019年12月07日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。

    さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこ

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    2019年12月02日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主流の理論が間違っている
    キーストロークだから大丈夫
    ...の2点しか頭に残らない。
    ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。

    理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。
    既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか)

    最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開につい

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    2019年09月15日
  • 日本破滅論

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    決めるのが政治でなく、議論するのが政治。なるほどと思う。
    フレーズで洗脳し闇雲に決めることに、違和感を覚えた。その理由も、そこにある気がした。
    しかし、しょーもない議論に時間を使うのは勘弁願いたい!

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    2019年03月17日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    『経済はナショナリズムで動く―国力の政治経済学』(2008年、PHP研究所)の加筆修正版です。

    著者は、東日本大震災によってネイションへの共感、同朋意識が高まったことを受けて、危機を克服するために健全なナショナリズムにもとづく「国力」をただしく理解するべきだと主張しています。さらに、グローバル経済に抗して、経済ナショナリズムの立場からケインズ主義的な政策を擁護しています。

    近年になって、戦後民主主義を牽引してきた丸山眞男は国民国家論者として、また大塚久雄は国民経済論者として、厳しい批判を受けています。他方で、彼らの思想はむしろ保守の立場からこそ、戦後民主主義という現代のわれわれの直下にある

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    2018年10月24日
  • 保守とは何だろうか

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    「保守」が新自由主義と結託している現状を「保守」の混迷とみなす著者が、イギリスの詩人であるコールリッジの政治経済思想の再評価をおこなうとともに、著者自身の考えるほんとうの「保守」像を論じている本です。

    本書における新自由主義に対する批判には、説得的だと感じたところもすくなくはないのですが、たとえばマルクス経済学者でありながらハイエクの思想の積極的な側面を評価する松尾匡が述べていることと共通するところも多く、この議論だけでは「保守とは何だろうか」という問いをタイトルに掲げる理由にはなりえないように思います。

    他方、本書の「序章」には、1958年に丸山眞男がおこなった「政治的判断」という講演に

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    2018年09月29日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    表紙の写真で分かるように、エマニュエル・トッドが表看板の本だが、彼が語る場面は、他の著者よりそう多いわけではない。

    グローバリズムが経済的繁栄をもたらすという理論は、じつは根拠がなく、逆に世界に不公平と混乱をもたらす元凶であることを、座談会およびそれぞれの論文でわかりやすく説いた本。

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    2017年09月01日
  • 脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克

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    有意差 釣鐘状 社会通念上 近代イデオロギーが生み出しているタブー そう、「私が言ってるんじゃなく、実験データが言ってるんだから」って開き直れる。それがサイエンスの魅力でもあると思います。 外見こそ情報のかたまりである 迷妄 人間の世界も、「他者のリソース(資源)を奪う」という点では攻撃性が持つ意味は同じです。 惹起じゃっき 不安感情を抑える脳内物質セロトニンの合成能力が、女性は男性の三分の二ぐらいしかないのです。 シャーデンフロイデ=メシウマ感情=他人の不幸で飯がうまい=他人の不幸は蜜の味 類似性と獲得可能性 陰惨な権力闘争 近代的人間観を覆す鼎談ていだん 包含 人間は生物学的にナショナリズ

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    2017年06月10日
  • 反・自由貿易論

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    ヘクシャーオリーン定理は厳しい前提条件がある。

    南米の輸入代替戦略の失敗と、東南アジアの輸出主導型戦略の成功は本当か。
    自由貿易帝国主義が世界を分断化したのではないか。
    世界恐慌の悪化の原因は保護主義にあるのか。

    イギリスがはしごを蹴り外した。
    イギリスの穀物法は、他国を農業生産に釘付けするための保護主義の産物だった。

    今は関税よりも非関税障壁のほうが重要。
    為替は関税よりも影響が大きい。
    現代は、関税よりも、ルールと為替。

    グローバル化は生産性向上のための投資を鈍らせる=海外へ工場を移転したほうが速い。

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    2017年03月22日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    「グローバル資本主義によって経済は成長する」と信じられてきましたが、実際のデータを客観的に眺めてみれば、真実はまったく逆であって、「グローバリズムは成長を鈍化させる」
    グローバル資本主義を推し進める人々は、ビジネスに自由さえ与えれば富も雇用も創出され、最大限の成長があると信じてきた
    アメリカにしても日本にしても「国による産業保護」という規制が成長を生ん
    アメリカが、実は世界で最も強力な産業政策を行っているのです。インターネットにせよ、半導体にせよ、航空機にせよ、研究開発を支援したのは国防総省や軍などの政府機関
    グローバリズムは国境を前提にしないものであって、国境が存在することを前提とした上で、

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    2016年11月22日
  • 官僚の反逆

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    『政治の世界には、確かに、利害の対立や妥協がつきものである。しかし、政治には対立や妥協があるからこそ、議論が行われるのであり、言論の自由が意味をもつのである。

    もし、関係者の間に対立や妥協がなく、すべて、規則に従って官僚制的に事を運べばよいのであれば、そもそも言論が自由である必要などない。政治的な対立や妥協がなく、不確実性のない統治体制とは、自由なき官僚制的支配にほかならない。』

    思っていたより抽象的な議論。ウェーバーがどうとかが読みたかったわけじゃないんだよなぁ〜。

    官僚による官僚制の否定が官僚化をより強固なものにし、自由な民主国家を弱め国力の弱体化を招くロジックが、本当に正しいのか良

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    2016年11月05日
  • 脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克

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    期待を持たせるタイトルで、若手論客白熱の討論10時間とのことだが、他人にたいする批判を3人で一緒になってしている感が強い。専門的な情報が披露され参考にはなるが、建設的な前向きの意見や示唆が少ない。異なった意見を戦わせて、議論を深めて欲しかった。

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    2016年10月26日
  • 脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克

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    ネタバレ

    楽屋話の印象を持ちました。読者を意識した鼎談ではなかったように感じました。新書であるから仕方ないのかも知れませんが、説明が足らなくて自分たちの博学さを披歴しているような発言が鼻に突きました。著者の紹介のあとに、「本書の内容は著書個人の見解であり、所属組織とは関係ありません。」と、わざわざ断り書きがあるのを変に勘ぐってしまいました。読んでいて退屈でした。著者のほかの著書に期待しましょう。

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    2016年02月20日
  • TPP 黒い条約

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    7名の方々がTPPについて反対の方向で書いているので、合意に至ってしまった現在、どうなっていくのか非常に気になる。
    また、新聞・マスコミが取り上げる内容がいかに偏っているかを改めて認識。一般市民が得られる情報って限られるので、「興味を引くための内容」を掲載するのではなく、「国民が知っておくべき内容」を載せて欲しいものです。

    個人的には、
    ・施 光恒さんの「棲み分け型の多文化共生」という考えが好き。
    各国、各地域毎にそれぞれ自前のやり方があり、それらを尊重しながら、各国と交流する。良いところは積極的に学んで自国に合うように翻訳して還元する。
    ・やはり「日本良さって何だろう?」ともう一度考え直し

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    2015年12月31日
  • TPP亡国論

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    必ずしもTPPが悪いとは思わないが、TPPの隠された要素、国際取引きの見えざる部分の知識補充には良いと思う。

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    2014年09月21日
  • 保守とは何だろうか

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    国家の富強こそが、政府の財源の本質である。159
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    コールリッジは言う。国家とは、穀物の山のような、個人の単なる集合体ではない。かといって、国家は、有機的生体のように、全体がすべてで、個人を国家全体の中に埋没させてしまうようなものでもない。国家とは、無機物と有機体の中間にある概念である。すなわち、個人は国家の一部でありながら、同時に個人としても存在しうる。そういう個人が「国民」であり、そういう国家が「国民国家」なのである。

    それと同じことを説明するため、コールリッジは「常

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    2014年07月29日
  • TPP亡国論

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    TPP参加が、わが国の国益に深刻なダメージを与えるという危惧を、各種のデータを示しながら論じた本。

    日本の関税障壁は、すでに韓国やアメリカよりも低く、TPPに参加して「開国」しなければならないという意見は当たらないと、著者は論じています。また、日本経済の最大の問題はデフレであり、TPP参加による貿易の自由化は、むしろデフレを加速させる恐れがあると語られています。

    構造改革の必要性や財政赤字の縮小などといった、常識として受け入れられている議論が、じつはそれほど自明のものではないという主張も展開されており、私自身はその真偽について判断することはできませんが、こうした意見もあるのかと、興味深く読

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    2014年04月11日
  • TPP 黒い条約

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    衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか?

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    2013年10月24日