中野剛志のレビュー一覧

  • 新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

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    例示が多く少し長いが、良著。
    何に苛かされているのか、の解像度を上げることができたように思う。
    Politically correctness への不快感。
    いろんな分析があると、面白かった。

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    2024年02月23日
  • 新しい封建制がやってくる―グローバル中流階級への警告

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    本書は新しい封建制がやって来ると言うが、古い封建制と、「新しい」封建制とは、それぞれ、土地から利益を上げる仕組み、情報から利益を上げる仕組み、との違いがあり、それらの違いと類似点を見極めることが重要だと思う。

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    2024年01月07日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    現在の経済学者に対しての批判が多いけど、経済の仕組みについてわかりやすく書いてあった!税の仕組みとか特に面白く読めた!何事も鵜呑みにするのではなく、こういう批判も理解してから考えないとな〜と思いました。

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    2023年12月26日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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    「企業のウォーク(woke)には気を付けろ」という主張か。

    (個人のwokeは民主主義的にあって良いが)企業のwokeは損得勘定に則ったもので、民主主義に対する改善意識によるものとは限らないので、寧ろ民主主義には害を為す。

    企業のwokeは、会社の利益最大化を目指す活動手段である。主義主張への共感・賛同よりも「大衆の多くの支持を得られるか」か判断のポイント。
    なぜなら、wokeな企業のCEOの報酬は極端に高くて貧富の差を助長しており、その企業の多くは租税回避策により税金を納めていない。つまり、民主主義的に正直とは言えない行為を平然と行っていて、woke本来の問題意識に従った行動をする人物・組織と言えないからである。
    経済的に見るとwokeは新自由主義をベースにす企業が民衆に自社の商品を買わせるための手段の一つということ。

    一方で、右派保守主義者(グループ)や保守的宗教団体から見ると、wokeな行動は自分の価値観存在意義への攻撃となる。古くからの良き伝統(と本人は思っているモノ)のために反撃すべきであり、実際にSNSやメディアでヒステリックに意見を発信し、結果として民衆の分断を煽っている。
    従って、企業のwokeは社会全体への利益という観点からはマイナスになっている。
    また、保守党派が伸びても減税政策による恩恵を受けられるので、wokeな企業にとっては全然痛くない。

    企業のwokeな行動や情報発信から単純に良い事を言う会社と見なす事無く、その裏にある狙いを意識し全面的に信頼を安易に与えないように注意が必要である。

    個人的に感じていたSDGsに賛同する企業の胡散臭さも、企業のwokeの胡散臭さに通じていて、SDGsで儲ける気満々な姿勢が透けて見えるからと納得。
    「やらない善意より、やる偽善」という考え方もあるが‥

    30年程前の大学時代に『アメリカでは優秀で社会を良くしていこうという若者が政治家を目指さずに企業家(スタートアップから起業)を目指している』という話を聞いた事があるが、そんな元〝wokeな若者〟の罪滅し的な行動という一面もあるような気がしたが、そんな甘い考えは持っていないかと瞬時に自己否定。

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    2023年11月26日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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    日常生活において「○○に関心があります」と言っておきながらも、何のアクションを取らない人に疑問を感じていたが、この本を読んで、この人たちのことを言っているのかと、納得した。

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    2023年09月30日
  • 新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

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    1970年代から上流階級のエリート層が上からの改革により、新自由主義に基づくグローバル化推進策が徐々に取られることよって、庶民層との新しい階級闘争が生じた。それに対する庶民層からの反発として、ブレグジットやトランプ大統領の誕生など、下からのポピュリストの反革命が生じている。
    ニュースを見て、世の中がおかしな方向に動いているとの実感があったが、ようやく構造が理解できた気がした。解決のためには、労働組合などの様々な中間単体を再生し、庶民層の利益や見解を代弁し、政治に反映させる拮抗力か必要とのこと。
    様々な物事は、振り子のように動きバランスをとるものなので、今は振り子が元に戻ろうとしている過渡期という事だと思う。

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    2023年06月11日
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道

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    2種類あるインフレ。「消費意欲が旺盛で生産が追い付かず値段を上げる」「資源など生産のベースとなるものの調達手段が突如失われ、品薄となり物価が上がる」。前者は比較的経済が良好な状態。政府は消費が過熱な時のみ財政と金融を引き締めればよい。後者は危機的な状況。棄損した生産力をカバーすべく積極財政で投資を促す。対策は真逆だ。両者の区別がつかず誤った判断に至ったFRB。その行くつく先は世界の混とん。経済学は未発達な学問。人々を幸せに導けていない。”節約”が常に正しいとは限らない。財政赤字は経済が健全である証拠。

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    2023年03月16日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    ・デフレはモノが売れない。モノよりカネの方が価値がある状態。将来に悲観的になり個人も企業もカネを貯める。カネの価値がどんどん上がるならローン借りづらい。返す額増えるから。

    ・デフレ脱却には公共支出増やしたり税金減らしたり財政赤字を進める。

    ・国はお金いくらでも刷れるから財政赤字になっても大丈夫。ハイパーインフレにならないよう気をつければいい。その調整弁が税金や金利。

    ・銀行の貸出量は預金額ではなく、借り手の需要に左右される。国がお金刷って、借り手の需要増やせば、銀行の貸出は増え、貨幣供給が増える。

    ・家計の常識と国の財政の常識は直感とは異なるから理解得づらい。

    ・自国通貨建ての国債は返済不能に陥ることはない。ギリシャとかは外貨通貨建て(ユーロ)を返せなくなった。

    ・税金は政策手段や格差是正にも使える。消費税は一律だから増税すれば格差広がる。

    ・ビットコインは現金と違って供給量に制限があるから、貨幣の価値アップ=物価ダウン、デフレを引き起こす。

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    2023年02月11日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    基礎知識編が面白すぎたので、続編である本書も読んでみた。
    非常にわかりやすく書かれているので、面白く読ませてもらったが、言っている事は、基礎知識編とあまり変わらないように感じた。
    基礎知識編を二回読んだ方が良かったかも。

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    2023年02月08日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

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    ネタバレ

    ソクラテス論法=相手の主張の前提をつく。同意できる部分から一歩一歩確認しながら論を進める。
    シャーロックホームズの「白銀号事件」何もしないことが問題。
    自国通貨建ての政府債務/GDPは持続可能性の指標とする意味はない。財政赤字の上限はインフレ率によるべき=機能的財政。
    政府への貸し出しの原資は民間の預金、ではない。政府の貸し出しが民間の貯蓄を生む。
    通貨の価値は納税義務があるから。政府の徴税権力が貨幣価値を担保している。=税は通貨の価値を保証するために必要。税は財源確保の手段ではなく、政策の実施のために必要である。消費税の効果は消費を減らすこと。
    政府は支出のための財源として税を徴収する必要はない。財政の赤字は民間の黒字。政府が国債を発行すると民間貯蓄は増える。
    家計貯蓄は一般政府総債務と並行して増えた。
    自国通貨建て国債はデフォルトしない=国債を買わなくなって金利が高騰することはない、と同義。
    デマンドプルインフレとコストプッシュインフレを区別する。
    MMTは、供給力が限度になる。供給力以上に通貨を供給すれば高インフレになる。

    プラグマティズム=柔軟な考え方。結果を見て判断する。ドグマティズム=教条主義、原理主義。
    公共工事が増大したのは90年代前半だけ、後半以降は減少。需給ギャップを埋めるだけでも価値がある。
    分配なくして成長なし、は正しい。分配は成長を促す。成長してから分配、では永遠に分配できない。
    成長戦略は規制緩和や自由化ではない。供給力が増えてもデフレ圧力を発生させるだけ。デフレは格差を拡大する。インフレは格差を是正する。
    構造改革は、労働者の力を弱める改革だった。
    魅力ある商品を生み出さないから低迷、ではなくデフレだから積極的に投資できず、低迷。
    家計の金余り、は政府の経済運営の失敗を表す。
    量的緩和で国債を買い入れても、財政支出を拡大しない限り通貨の供給量は増えない。インフレが通貨の供給量を増やす。量的緩和がインフレを起こすのではない。
    インフレを抑えるのは生産力増強以外にはない。

    積極財政で増加した投資はまず需要のかくだいとして現れる。しかし数年後は供給力の拡大として供給を強化する。供給力を拡大しないものが無駄な投資。デフレときは、それでも需要を増やす分意味がある。
    法人税、所得税は景気が良くなると税収が増える=スタピライザーが組み込まれている。消費税にはこの効果はない。
    MMTでは、就業保障プログラムでスタピライザーの役割を提案している。
    大恐慌の時、フーバー大統領は健全財政を重視して増税して悲惨な目にあった。日本の浜口内閣も同じ。橋本内閣の財政構造改革も同じ。
    ドイツやフランスはユーロを発行できないので財政健全化には意味がある。コロナでは付加価値税は引き下げた。
    金融政策、財政政策、構造改革の3つの中で何をやるか。構造改革で生産性が上昇すれば、供給力が高まってますますデフレ化する。金利が0%のときに、リターンが10%ある公共投資を行うのは効率がいいはず。
    新しい見解:低金利時には、財政出動は民間投資を阻害しない、むしろ呼び込む。支出先が効果的であれば継続するべき。各国の協調が望ましい。
    不況になると設備投資を控える。その結果供給力が落ち込み、回復時に供給力も上昇しない。金融危機による一時的な落ち込みの後遺症が起きる。
    セイの法則を前提にすれば、財政出動が民間投資を呼び込む根拠はない。しかし現実は構造改革しても、いつまでたっても需要も供給も回復しない=逆セイの法則のようなもの。需要不足が供給も需要も減らす。

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    2023年02月07日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    中野氏の本は好きで読んでいる。本著は社会科学について分かりやすく解説した本。現代の日本政治においてどのように社会科学を活かせばいいのか?また組織形成においても参考になる本だった。
    ただ、深く理解するには再読の必要があるかも。

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    2023年01月31日
  • 真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学

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    色んな企業について取り上げた一冊。

    老舗の企業の方が新興のベンチャーより上というのは考えとしては理解できるものの、それではいつまで経っても新興のベンチャーは育たないと思った。

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    2023年01月22日
  • 変異する資本主義

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    経済や世界史をある程度知っていないと読みにくかった。大半がアメリカの話で占めている。また再挑戦したい本。

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    2022年09月25日
  • 脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克

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    国家や政治の在り方、保守・左翼論壇の潮流などを社会学的な考察を元にその当事者である人間を脳科学的に分析し、ニーチェを始めとした哲学の引用をスパイスにして議論が進みます。対談なので深く考察された世界観などは望むべくもないですが、断片的ながらも様々な展開を楽しむ中で多くの気付きを得ることができました。
    それにしても、適菜収氏の安倍元首相に対する罵詈雑言は品性を疑うレベル、本書の冒頭で人は見かけで判断できるとの議論があったので、適菜収氏の写真を検索したところまさに。。。w

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    2022年08月25日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

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    前回とほぼ似たような内容

    2021年企業物価指数は前年同月比9.2%で41年ぶりの高水準
    ところが消費者物価指数は前年同月比マイナス0.6%
    これは「コストプッシュインフレ」が起きていると考えられる

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    2022年05月07日
  • 変異する資本主義

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    もうすぐ私の58回目の誕生日を迎えますが、コロナ騒動が始まってから早いもので2年が経過しました。テレビのニュースを見ていると、つい最近まではコロナ一色、最近はウクライナ情勢がそれに加わることになりました。このような重大な出来事の影で、世界においては着実に変化が起きているようです。自動車の電動化もそうですが、もっと大きなところで、この本のタイトルにあるように「資本主義が変化している」のではと思っていました。

    この本は昨年末(令和3年末)に読み終わって、レビューを書くのを忘れていた本です。3ヶ月前に気になったポイントを振り返りながら、この本を振り返って、今後5年間でさらに変わっていくであろう「資本主義」について考えてみたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・シュンペーターによれば「資本主義」とは、物理的生産手段の私有、私的利益と私的損失責任、民間銀行による決済手段の創造というという特徴を備えた産業社会である。他方「社会主義」とは、生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度である。そして現実の経済システムは、純粋な資本主義と純粋な社会主義の中間形態である。また資本主義はその本質からして、過程である、言い換えれば、資本主義は不段に変異し続けるものである(p3)

    ・バイデン政権は大方の予想に反して成立直後から画期的な経済政策を打ち出した、第一弾は、米国救済計画と称する1.9兆ドル(200兆円)もの大型追加経済対策。ワクチンの普及などの医療対策に加えて、一人最大1400ドルの現金給付(年収8万ドル以上の高所得者を除く)や、失業給付の特例加算、3000億ドルの地方政府支援などから構成されている(p21)トランプ政権下で発動された経済対策と合わせるとその規模は、5.8兆ドル(名目GDP比較で28%)(p21)

    ・少なくとも言えるのは、経済政策の背景にある思想や理論に関していえば、アメリカにおいて、1980年代初頭のレーガン政権以来の抜本的な転換が進みつつあるというのは間違いない。静かなる革命と評すべき大転換である(p52)

    ・自然利子率がゼロを下回る水準にまで低下した理由は、投資性向を抑制し貯蓄成功をあげる構造的な力が働いているからだろう、例えば先進諸国の人口減少、資本財価格の低下、必要資本量の減少をもたらす技術革新によって投資需要が減退した。(p62)

    ・長期停滞を脱するにはどのような処方箋があるか、一般的な経済政策は、金融政策・構造改革・財政政策の3つである。金融政策は長期停滞下では名目利子率がゼロ下限に達している、構造改革によって供給力が高まってもそれに伴う需要の増大が同時になければ、返ってデフレ圧力が発生してしまう。残されたのは、財政政策、すなわち公共投資・民間投資を促進して、支出を拡大することしかない(p64)

    ・銀行は信用創造によって、いわば無から貨幣(預金)を生み出すことができるので、貸し出しに必要なのは、事前の資金ではなく、信用できる仮手の存在だけということになる、企業によって行われる投資が、貯蓄を作る。ということは、過剰貯蓄によって利子率が下がるとか、貯蓄不足によって利子率が上がることはあり得ない(p76)

    ・政府が赤字財政支出をするにあたって国債を発行しその国債を銀行が購入する場合、銀行は中央銀行に設けられた準備預金を通じて買う、これは中央銀行が供給したものであって、銀行が集めた民間預金ではない。そして政府が赤字財政支出を行うと、支出額と同額の民間預金が生まれ、民間貯蓄は増える、従って財政赤字によって国債金利が上昇することはあり得ない(p80、82)従って、対GDP比の政府債務残高という指標は特に意味がない(p85)

    ・バーゼル規制においては、自国通貨建て国債については格付けのいかんにかかわらず、信用リスクをゼロにすることができるとされている。従って、日本、アメリカ、イギリスは国債を自国通貨建てで発行していることからデフォルトの可能性はない。しかしユーロ加盟国は自国通貨を放棄しているのでデフォルトのリスクはある(p86)

    ・日本が財政支出を拡大すべき理由は、インフレ率が極めて低いかマイナスだからで、かつ財政支出を拡大すべき分野(貧困対策、防災インフラ整備、パンデミック対策、化学技技術振興など)がいくらでもあるから、プライマリーバランスの赤字も財政運営の指標としては何の意味もない(p89)

    ・企業組織が株式市場に対して優位であれば、経済は価値創造的、イノベーティブなものとなる。それが逆転し、株式市場が企業組織に対して優位になれば、イノベーションは鈍化し、価値は創造されなくなる(p111)その結果、企業組織の行動原理は、かつての内部留保と再投資から、削減と配当へと変化した(p114)

    ・冷戦の緊張が緩和しソ連が脅威で亡くなったので、共産化を恐れて自国の労働者を保護し国民に福祉を供与してきたが、その必要性が薄れたのである、金融階級は、労働者階級に配慮しなくても良くなった(p159)

    ・バイデン政権による経済政策のパラダイム転換は、新型コロナウィルスと中国という外的脅威が駆動していると言って良い(p167)

    ・もしパンデミックが長期化するならば各国の資本主義経済は、かつてない大きな政府を有したものへと変貌する。対GDPの政府支出が6割以上となればこれは社会主義と言った方が良いかもしれない(p294)

    ・新型コロナウィルスと中国のハイブリッド軍国主義の台頭により、世界は社会主義化(政府の経済社会への関与の強化と積極財政)へと変異を遂げていくだろう(p301)

    2022年3月27日作成

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    2022年03月27日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    基礎知識編と同じ内容が書いてあります。

    異なるのは下記の4つの要素によって認識が歪められていると主張しています。
    「レント・シーキング活動」、「認識共同体」、「センメルヴェイス反射」、「経路依存性」
    これらによって、これまでの日本の経済政策に誤りがあるのに転換させることができていないと主張しています。
    (海外諸国に関してもですが)

    人間の脳はとても不合理である。
    その一言に尽きる書籍です。

    最終的に、ではどうすれば著者の指摘の通り日本人の経済政策に関する考えを切り替えて、デフレ脱却に向けた行動に移すことができるのか、
    著者は「新時代へのピボット戦略」=行き詰まった際の方針転換 こそが必要だと主張します。
    代表例として「令和の政策ピボット」や「薔薇マークキャンペーン」を挙げています。

    これはとても弱い主張に感じます。
    基礎編、戦略編、500ページ程を使って日本政府の政策の誤りに対して、どのように今後対応すればデフレが脱却できるのか、に対しての回答があります。

    しかしながら答えがわかっているのに実行するのがとても難しいと戦略編の200ページあまりを使い説明したのにも関わらず、どう考えをピボットさせて実践すれば良いのかがありません。
    そんなんこっちのが正しいんだから考えればわかるっしょ!的なニュアンスなので。

    著者の言うように人間の脳はとても不合理だからそうなってるわけですよね?
    それじゃあ誰も変われないじゃないですか。

    著者の主張するところの、レント・シーキング活動及び認識共同体によってつくられた常識が経路依存性によって形つくられ、センメルヴェイス反射によって拒絶反応を示す現段階においてどう解決するのかが弱すぎます。
    結論が「ピボット」です。
    で何か変わるわけがないでしょう。

    デフレ対策に関しては、経済学者ではなく、心理学者や行動経済学者の領域かと感じます。
    ぜひタッグを組んでもらいたいと感じました。

    行動経済学者が語るMMTに関する書籍も漁ってみようと思います。

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    2021年05月08日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    ネタバレ

    『経済政策というものは、どうやって決まっていくのか?おおざっぱに言って、二つの説がある』
    ・「思想決定説」
    発想の元となっている思想が、経済政策を決めている。経済政策が180度間違っているのは、経済思想が180度間違っているから。したがって経済政策を改める戦略とは、思想を改める戦略である。
    ・「政治決定説」
    背後に、政策を動かしている勢力がいる。その勢力が、自分たちの得になるように政策を決めている。180度間違った経済政策が実行されるのは、一部の間違った政策によって甘い汁を吸うことができる勢力が政治を動かしているからだ。したがって経済政策を改める戦略とは、政治を改革する戦略である。

    『合成の誤謬(ごびゅう)』
    ミクロ(個々の企業や個人)の視点では正しい行動でも、それが積み重なった結果、マクロ(経済全体)の世界では、好ましくない事態がもたらされてしまう現象。
    デフレ下での支出の切り詰めという正しい行動が、さらなる需要縮小を招き、デフレが続く。
    このデフレという合成の誤謬を回避するためには、誰かがデフレなのに支出を拡大するという経済非合理的な行動を起こさなければならない。
    それは誰か?それは、『政府』にほかない。

    『一国の成長戦略には、二つのタイプがある』
    ・「賃金主導型」(アメ型)
    賃金の上昇を労働者に対するアメにして、国民経済全体を成長させようとするもの。積極財政。
    ・「利潤主導型」(ムチ型)
    解雇や賃下げの脅しを労働者に対するムチにして人件費を抑制し、企業がより稼げるようにし、経済を成長させようとするもの。緊縮財政。
    平成からのデフレ日本にはアメ型の政策が必要なのにムチ型の政策を進めてきた。
    なぜか?ムチ型で利益を得る人がどこかにいる…


    デフレ脱却には財政支出を拡大して、アメ型の成長戦略を実施し、緊縮財政から積極財政へ転じる。
    そして議論を通じて人々の考え方『思想』を動かし、そして『政治』を動かし、経済政策を動かす。
    民主政治とは、本来、そういうものであるべきである。


    「基礎知識」の続編。内容はぐっと本格的になり専門用語もいくつか出てきて難解になり、
    付箋だらけに。
    中〜後半にかけて、実名で経済学者をバッサリしているのは、基礎知識と同様。
    MMTがよくわかる付録付き!これが凄くわかりやすく、たくさん出発されているMMT関連本を読むよりオススメ。

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    2021年04月19日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    基礎知識編の補足説明のようであまり発見感はなかった。確かに膨大な財政赤字を考えずにインフレになるまで積極財政を行ってみるというのは革新的でおもしろい。問題はこれまでの発想を大胆に転換させて実行できるかどうか。円の価値が暴落するリスクも大いにあると思う。いずれにせよ賃金主導型の労働者保護を重視した社会への転換が求められていると改めて思った。

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    2021年04月11日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    貨幣の本質=債務証書と、GDPの恒等式をシステム思考的に突き詰めた、みたいな感じ?
    そんな簡単なことでいいの?とも思うし複雑だなとも思う。

    本質的な役割で見たら、貨幣は債務証書。政府が発行する通貨は、まず政府が負債として支出し、後に税金や罰金などで受け取って償還される。政府は、中央銀行の負債に数字を追加する…「キーストローク」で支出する。
    なるほど。

    政府の赤字は民間の黒字。貿易の黒字は政府か民間どちらかが赤字。
    ゼロ金利は投資を刺激しない。
    政府は完全雇用を目的に赤字支出せよ、失業者を直接に雇用せよ、そこまでがMMTだ、と。

    純粋に、経済の仕組みに関わるところと、熱く語る思想的主張が混ざってて繰り返しも多い…かも。

    巻末の松尾匡先生の解説がわかりやすい。

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    2020年07月18日