【感想・ネタバレ】国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年09月16日

今の日本経済、世界経済が置かれている現状とその原因がすんなりとわかる。

国民が互いに協力し、支え合って、良いものを生み出していく力、それこそが国力。通貨はその手段。

これからの日本が向かうべき方向を示してくれています。

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Posted by ブクログ 2012年02月29日

ほんとうに地に足のついた理路整然とした論理で国力というものを分析した著作だ。

はじめに国家ありきで、民度の高い市民社会も国家というものがあればこそ共存できるという考え方。

新自由主義の弊害を乗り越えて経済ナショナリズムが今後日本で如何に発展していくか注意ぶかく政治を見守っていかねばならない。

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Posted by ブクログ 2012年01月28日

TPP亡国論の著者の本

小さい政府を志向しているものの危機に際した国家の役割はやはり重要であると震災でも実感させられた中で(ふがきなさは目立つが…)新自由主義の方向に突っ走るのはどうなんだ?と考えさせる一冊。

はっきり言えば普段「頼りない!」「関わらんといて!」とオカンに言ってる割には「朝起こし...続きを読むて朝飯作って!」と言ってる反抗期の子供みたいな状態が今の日本国民では?

上記の本よりも難解で何度か読まないと完全理解には至りそうもないのは自分のキャパの問題か…

ただ、他の論者より「伝えようとしている」のでわかりやすいのは確か。

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Posted by ブクログ 2012年02月19日

とても為になりました。知識のない私でもわかりやすかったです。
グローバリゼーションといって、国境なき市場、自由市場がよしとされている現在において、国の介入は自由主義をおびやかすをいわれているが、それは間違い。国家という力をもって市場を開拓し、時には国の中の企業を守り・・・とグローバルの中の国力という...続きを読むのは大切だ、というのがこの本の内容です。とても納得できました。

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Posted by ブクログ 2011年12月22日

 本書を読み終わって、これは経済書でもあるのだろうが、世界経済の現状を鋭く分析し、日本が今後進むべき道を指し示した政治的イデオロギーの書でもあると驚嘆した。すごい本である。
 本書はまず「危機に直面する世界」で、グローバル経済と経済危機について考察している。経済がグローバル化した世界では「国家が労働...続きを読む市場の規制を緩和しなければ、国内ではなく海外へと投資するようになってしまう。それを恐れる国家は・・・労働市場の規制を緩和し・・・賃金を引き下げたりできるように・・・構造改革を実施するようになる」と語る。そしてその構造改革は、必然的に労働賃金の低下を招き、デフレへとつながる。本書は、「グローバル経済」と「構造改革」とそれを裏打ちする「新自由主義思想」、その結果の「労働賃金の低下」と必然的に「デフレ」を招く等の諸関係を整合的かつ論理的に主張しており、それは説得力がある。
経済危機の背景である世界経済の「グローバルインバランス」についてもわかりやすく主張している。アメリカが過剰な消費で経常収支の赤字を積み上げ、東アジアの新興国と中東諸国が経常黒字を抱える世界レベルの経常収支不均衡の構造は、持続可能性がない構造だったというのだ。そうであるならば2008年のリーマンショックから現在に至る世界経済の危機は、必然だったというわけか。本書では、その根本的解決策として「リバランス」すなわち世界レベルの経常収支不均衡構造の是正しかないとしているが、現在の世界はそれに失敗しているとしている。どの国も自国での経済危機と失業率の増大を抱えて輸出増を目指しているが、今までのアメリカのように巨大な貿易赤字を積み上げてきた国が新たに出現でもしない限り、実現不可能だ。本書では、詳細な考察のもとに、「現在の世界的な危機は、かつての世界恐慌時より深刻」と結論する。この一見出口がない危機に対して、本書ではその解決策として「経済ナショナリズム」を提唱している。
「経済ナショナリズム」とは、あまり聞いたことがない言葉だと思った。本書は「国家」と「国民」「国力」等について、歴史を含めて精緻な論理を展開するが、その内容は決して退屈ではない。これは、過去の「右」と「左」の概念を超えていると感じた。経済ナショナリズムの内容では「国家(ステイト)」と「国民(ネイション)」を区別することが重要だと主張する。「国家(ステイト)」は法の支配や権威によって人民を統合する。国民は「国民(ネイション)」共同体の一種だという。ここまで根源的に思考しなければ、世界経済の現状と危機は理解できないというのだ。これはイデオロギーだと思ったが、斬新にも感じた。
そして「経済ナショナリストはネイション内における資本家階級と労働者階級の対立を招くような経済政策を採用しない」「経済ナショナリストが選択するのは、同じ国の資本家と労働者が相互に協力し、利益を分かち合うような政策理念なのである」と語る。著者が動画の中で、PTT賛成論者に対し攻撃的に「売国奴!」と罵る姿があったが、このような理論的基礎が背景にあったのかと思わず頷いてしまった。
本書では「我々に残された選択肢は、国民国家をより良いものに改善し、国民国家の力をもって、グローバルな諸課題を解決する」「資本主義をグローバル化するのではなく、その反対にナショナル化していく、つまり国民のものとする」と主張する。じつに説得力のある素晴らしい主張ではないかと思った。
まだまだ多くの議論を経る必要はあるだろうが、堅牢な論理と激しい攻撃性、冷徹な知性と、人間に対する深い愛情やロマンに満ちた本を久しぶりに読んだ。思わず読後にもう一度読み直してしまった。本書を絶賛したい。

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Posted by ブクログ 2011年11月17日

モノと情報が、国境を超えて移動を続ける事象であるグローバル化が顕在化している現代において、国家とはもはやただの枠組みにすぎないという議論が活発である。それを示す具体的な例として、多国籍企業は国家の意思とは関係なく、自らの利益最大化のために市場を求める主体であるし、NGOもまた自らの理念によって、国家...続きを読むの思惑に左右されずに活動するのである。従来は国際政治における最高位の主体として考えられてきた国家というアクターは、このような動きが活発になっている現代では、もはやただの枠組みでしかないように考えることはごく自然である。
一方で、グローバル化が様々な問題を引き起こしてきたのは紛れもない事実である。2008年のリーマンショックのように、グローバル化が進み、国家同市の境界線がなくなった現代世界では、ある一カ国における限界突破は、瞬く間にあらゆる国に波及するのである。このような問題点が指摘される中で、私たちは問題の解決方法をこれまで通り、グローバルな分野に求めるべきなのだろうか。この点において、筆者はナショナリズムを主張する。
筆者の主張するナショナリズムは、「ネイション」を理念化したものである。ネイションとは、「歴史、制度、文化、生活様式や行動様式を共有する政治共同体」(p228)であり、ナショナリズムは人々を統合し、ネイション全体の長期的発展のためにそれを動員するのである。ネイションは経済発展によって自らを強化することができ、この過程で生み出される政治力と経済力が「国力」となる。この国力の強化を目指すことが「経済ナショナリズム」であると筆者は定義する。
この経済ナショナリズムを高めるのは、「ネイションの能力」を目的とする。ネイションの能力とはネイション自身が何かを行う能力である。この点、グローバル化の特徴の一つと言えるような、他国市場の搾取とは異なる。筆者によって、後者は「ステイトの支配力」として、ネイションの能力=国力と分けて分類される。
グローバル化の中では、国家は自らが資本主義化し(国家資本主義)、富の獲得競争を行う。これは前述の議論でいう「ステイトの支配力」であり、筆者がいうナショナリズムとは異なる。この点において、筆者が主張する経済ナショナリズムは、従来のナショナリズムとは異なり、他国を侵略する際のイデオロギーではないため、協調の可能性は十分あり得るのである。
筆者はこのように定義した上で、国力を高めるための政策として、日本はまず外に対する防衛線をはることや、ケインズ主義的政策によってデフレから脱却することを主張している。

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Posted by ブクログ 2023年05月27日

世界中の経済活動が相互に繋がった世界。ウクライナ紛争やスーダンの内戦、干魃や洪水などの災害が世界のどこかで発生すると、原材料の高騰や輸送手段が停滞して混乱を招くなど、現代社会はグローバル経済の名の下で綿密に絡み合っている。一方アメリカやイギリスでナショナリズムを鼓舞するような指導者が現れ、自国最優先...続きを読むを謳う政権が第1党になるなど、閉鎖的にブロック経済に向かう流れもある。とは言え一度絡み合った世界から抜け出すのは難しい。日本もTPP参加を積極的に進め、遅れてやってきた自由経済圏競争の流れに飛び込もうとしている。最近ニュースでも環太平洋諸国による強固な連携を強調することが多い。これはひとえに中国の南下政策への牽制の意味ではあるが、中国の経済力にものを言わせた覇権主義に対抗するためには、太平洋を囲む各国が経済的に連携・協力する事なしにこれを防ぐことはできない。
本書はそのようなグローバル化する世界経済において、国力をベースとした経済ナショナリズムの優位性を説いていく。ナショナリズムというと、一時ニュース映像でも見かけた、国民の愛国心を煽って政府が国家一体の施策を強行するといった危険なものではない。ましてやナチスドイツ、帝国時代の日本とは全く違う。
経済ナショナリズムそのものも複数の学説があり、自由主義に対抗する保守貿易などの閉鎖的鎖国政策を指すわけではなく、国としての政治・経済・文化・技術などの国が持つ能力を国力として蓄え伸ばすことを優先するものである。国が富む上では大きく力を以ってして他国から搾取・支配することによってもたらされるものと、自らが国力中でも経済を強靭化して富を作り出す方法があるが、後者について述べている。
そもそも国自体に軍事力や経済力などが無ければ他国を支配するなど無理な事であるから、内部に力をつける考えは当然と言えば当然ではある。本書は能力を備えずにグローバル化する政府の方針には批判的だが、基本的に低生産性と独自の島国的な閉鎖社会を持つ日本が無策のまま世界に出ればどの様な結果になるかは火を見るより明らかだろう。
筆者は後半そのような独自の文化圏や国民性を持つ日本において、今後どのように国力をつけて経済的な発展をすべきかヒントをくれる。経済的には失われた30年を経て、給料も経済も上向きする事なく停滞してきたが、日本は能力を失ったわけではない。寧ろそうした国民性は他国に比べてまだまだ強みであるし、米や酒、和牛にロボット、アニメなど先行している分野を強みとして生かしていく事で、本当の意味での国力を強化すべきと説く。
労働者は皆、日本の給与水準が低いと嘆いているが企業の技術革新力や対外的な競争力低下を見れば

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Posted by ブクログ 2023年01月29日

ネイション(国民)とステイト(国家)の違い、経済ナショナリズムの定義やらなんやら前半は難しかった。
後半は明快で、
 ・新自由主義、グローバル化、構造改革の時代は終わり
 ・他国はステイトの力(軍事力、資源力)が強いがネイションの力は弱い
 ・日本はその逆、まさに経済ナショナリズム思想にふさわしい状...続きを読む
 ・問題は経済自由主義のイデオロギーが上記を妨げていること。財政健全化など。
 ・日本の危機の真因はこのイデオロギーの支配から脱せないこと
 ・ここをパラダイムシフトしないといけないし、それができるのは国民の力のほかにない

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Posted by ブクログ 2013年10月27日

著者のテレビでのコメントなどから興味を持って読みました。

現在のデフレから脱却し活力を取り戻すために、どうすべきかといった内容をわかりやすく説明した本でした。

国民の力は弱体化したままなのか、他国にいいようにされてしまうのか

10年20年先の日本のがどうなっているか、気になりますね。

読み切...続きを読むるまでにだいぶ期間が空いてしまったので、
もう一度読み返してみたいかな。

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Posted by ブクログ 2013年05月26日

TPP亡国論で知って、若者受けしそうな経済学者ということで興味持って読んでみた。「国力」というものをネイション(国民)とステイト(国家)に分けて、ステイトがネイションの利益の為に動いている様を国民国家と呼び、それが国力を構成している、と。ふむ。
そのステイトが自国民の為に動く主義を経済ナショナリズ...続きを読むムと言うのだ!とかとにかく煽動的な単語が多かったw新自由主義に基づく「小さな政府」により地方自治体へと権力が分散することでステイトとしての集中的な機能が果たせなくなっているので、大きな政府に戻して公共事業を増やすべきだ!とかw
各国が自律していくことで、結果的にグローバル・インバランスが是正されると。要は地に足をつけた国民生活目線の経済政策を、でもそれを行うのは中央権力で、金を落とす先は国内で、まずはネイションを保護することから、ということかな?相変わらず経済のコラムはよく分からん。

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Posted by ブクログ 2012年08月27日

日本は経済自由主義から経済ナショナリズムにパラダイムシフトするべき、という話。
そして、経済ナショナリズムとは、「ネイションの能力」としての国力の維持と強化を目指す政治経済思想だそうです。
他にも、経済ナショナリズムが採るべき政策や、ケインズ主義政策との関係などについて、リーマンショックや東日本大震...続きを読む災を踏まえた論考を示しており、この本はきっと時代を捉えた本なんだろうな、と思わせられました。ただ、いかんせん経済に疎い私には分からないところも少しありました。経済学部の友達と意見交換しながら読むとかなり面白いと思います。
近い内に再読します。

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Posted by ブクログ 2012年02月20日

リーマン・ショック以降はグローバル化や新自由主義(市場原理主義)はもはや有効ではなく、国民国家の国力を重要視する経済ナショナリズムの有効性を説いている。ナショナリズムという言葉の毒抜きを含め、経済素人の私は面白く読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2012年01月04日

反TPPの旗手として注目を集めた中野剛志氏の既刊書の加筆・改訂版を読む。グローバル化によりネイションの能力が弱体化した世界中の国民国家はステイトの支配力を強め他国から富を収奪しようとする国家資本主義へと走ると。分かり易い納得の解説。

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Posted by ブクログ 2012年01月01日

ナショナルとネイションとの違い。国力とは。国とは何か、何をすれば国家の力は上がるのかを考えさせる良書である。

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Posted by ブクログ 2011年11月11日

 新書サイズでとても読み易い。理想の『国力』とはどのようなものか、分かり易く解説してくれている。
 現在EUが陥っている危機や、東日本大震災からの復興に対してこれから日本はどのようにして立ち向かっていくべきなのか等、現実の事情と照らし合わせてくれているので飽きずに読むことが出来た。また、今までいかに...続きを読む言葉のイメージだけで物事を捉えていたかを思い知らされた気がする。当たり前ではあるが、構造改革とかグローバル化とかが必ずしもその国の国民にとって良いことではない。グローバル化した企業と国民の利益は、既に大きく乖離し始めているという構造や、貿易における保護主義の実態(単に既得利益を守るだけでなく、デフレ時や世界不況時には国内産業や国民経済を守る有効な措置になる)、また日本における財政破綻の懸念は杞憂であることなどを知ることができ、大変勉強になった。「世界の流れだから」という安易な気持ちでグローバル化を看過する前に、これからは自分の中で一呼吸おけそうである。

 国の経済を成長させるのは孤独な個人の利益追求ではなく、社会に属し共同体にアイデンティティを持つ動物としての人間の活動によるものである。自らも、微力ながらこの国における『国力』の一部として、まずは東日本大震災で損なった様々なものを復興する力の一端になれることをこれからは望みたい。

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Posted by ブクログ 2011年11月07日

(111107)
国が積極的に動くことも重要であるというお話。「経済ナショナリズム」ってのは、若干社会主義のようなイデオロギーかとも思われるが、そういうわけではないらしく、ネイション(国民)の利益或いはネイションの能力向上を第一に考えたものであるようで。。。かなり抽象的なものな気がする。

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Posted by ブクログ 2011年08月01日

まったく納得いかないことがあった。
答えは簡単だ。
ステイツとネーションの違いだ。
これを混同すると、国の理解が複雑になるというほどこの二つは違う。
日本、アメリカ、中国、EUそれぞれに、ステイツとネーションがいる。
日本はやれる。
やらなければならない。
それを強く意識することができる本だ。

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Posted by ブクログ 2011年07月31日

ややアカデミックな経済思想の本ですが、述べていることは決して難解ではありません。国民の団結が巨大な力を生み出す経済ナショナリズムの重要性について書かれているだけです。

ではなぜ本書は書かれたか?というと、新自由主義やそこから生み出されたグローバリズム・自由貿易至上主義などの国家の枠組を解体する方向...続きを読むのイデオロギーがいまだ一定の支持を得ているからで、特に日本では「グローバル化の時代だから」「今どき国益でもない」という言葉がかっこよく聞こえてしまう土壌がいまだ根強くあります。

要するに本書は「グローバル化の時代だから」という典型的な国家軽視の主張に対する全力の反論であると言えます。

個人的には、国際機関などの国家の枠組を超えて活動する機関が実は国家による信認を背景に成り立っているという指摘などは非常に面白かったです。

東日本大震災を経て国民の団結力が必要とされる現在、グローバリズムに代表されるイデオロギーに騙されないために教養として読んでおいて損はないと思います。

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Posted by ブクログ 2018年10月24日

『経済はナショナリズムで動く―国力の政治経済学』(2008年、PHP研究所)の加筆修正版です。

著者は、東日本大震災によってネイションへの共感、同朋意識が高まったことを受けて、危機を克服するために健全なナショナリズムにもとづく「国力」をただしく理解するべきだと主張しています。さらに、グローバル経済...続きを読むに抗して、経済ナショナリズムの立場からケインズ主義的な政策を擁護しています。

近年になって、戦後民主主義を牽引してきた丸山眞男は国民国家論者として、また大塚久雄は国民経済論者として、厳しい批判を受けています。他方で、彼らの思想はむしろ保守の立場からこそ、戦後民主主義という現代のわれわれの直下にある「伝統」をただしく継承するために見なおされなければならないにもかかわらず、そうした仕事はいまだ十分になされているとはいいがたいように思っていたのですが、本書が提示する経済ナショナリズムの立場は、こうした問題設定に親和的な立場であるように思われ、個人的にはおもしろく読みました。

ただ、「国力」によって実現されるべきものはなんなのかという問題への取り組みが欠けている点については、すこし不満を感じます。たとえば丸山は福沢諭吉を評価するにあたって、個人主義者であることにおいて国家主義者であり、国家主義者であることにおいて個人主義者であるところに、彼が理念と現実とのあいだで折り合いをつけようとしていたことを見ようとしていますが、本書における「国力」についての議論からは、そうした問いかけが欠けているように感じてしまいました。

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Posted by ブクログ 2012年12月27日

経済ナショナリズムという新たな視点を提言。相変わらずの独特の説得力で、引き込まれてしまう。日本の強みと弱みをよく考えられた面白い考察。読んでみて下さい。

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Posted by ブクログ 2012年03月16日

『TPP亡国論』は、読み易かったし、説得的だった。しかし、本著は、概ね論旨は説得的だが、細部がどうも引っかかる点があるな。

p.14-5 天皇制持ちだすとやっぱり経済ナショナリズムって、ってなことにならないのかなー, p.67=核の抑止力で「現在」の国際秩序が成り立ってるって一体...

Poli...続きを読むtical Economy的な観点から見れば、至極アタリマエのことしか書いていない。ナショナリズム論も同様。

昨今の新自由主義に対抗するアジテートとしてはその通りなんだが、これがいわゆる主流派経済学のイデオロギーに対する有効な理論になりえているのかは、この新書だけでは判断できない。やはり、『国力論 経済ナショナリズムの系譜』を読まないとダメかも。

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Posted by ブクログ 2012年01月01日

ネイションとステイトの違いを定義し、経済ナショナリズムについてわかりやすく解説。なぜ筆者が経済ナショナリズムを擁護しているのかがわかりやすく書かれている。
グローバル化と日本の発展を考えてどこかに矛盾があるのではないかと考えていた私には、こういう見方があったのかと納得されられるところがあった。
日本...続きを読むが長期的なビジョンを持って戦略を描いていけるか、誠に考えさせられる。

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Posted by ブクログ 2011年10月11日

 なんのきっかけで購入したか失念。

 中野さんは、経済産業省を経て、現在、京都大学の先生。

 読み終わって、ちょっと悩む。

 国民の利益や国家の必要性を正面から説明し、東日本大震災にももっと国家が前面にでるべきだという主張は、魅力的。

 経済自由主義、グローバリズムもそれがこれまで国...続きを読む民の富の増加と幸福の実現に比較的つながってきた、ましな制度だと思うから、自分はいままでも賛成してきた。

 中野さんのいう「経済ナショナリズム」は、究極的に国民の利益を考えるべきという主張には同感できるが、その手法でうまく経済運営できるのか、という実践論について、不安が残る。

 中野さんは国家の政策として、経済自由主義が軽視してきた、「産業政策」「技術政策」「国土政策」「環境政策」「農業政策」にもっと国が国力をかけて資源を配置すべきという。(p147から)

 そのとおりだと思うが、経済自由主義者からみると、「産業政策でも技術政策でも、国が関与したものは何もうまくいっていない、むしろ、民間が国に反旗をひるがえした自動車産業などでうまくいっているじゃないか」と、実態論で批判している。

 このあたりの議論をもう少し、自分でも詰めてみたい。中野氏の本ももう少し読んでみたい。

 もしかしたら、国家政策として大化けするかも。

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Posted by ブクログ 2011年08月27日

頭がよすぎるんですかね、この方。私には難しかった。もっとわかりやすく書いてもらえたらなぁ・・・

ネイションンとステイツの違いは、とか言われても(笑

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