富国と強兵―地政経済学序説

富国と強兵―地政経済学序説

3,960円 (税込)

19pt

4.8

衰退著しい覇権国アメリカ、混乱する中東、クリミアを強引に奪取するロシア、東シナ海、南シナ海で挑発行為をやめない中国。
パワーバランスが大変動する今、「地政学」という、古めかしく、禍々しいニュアンスすら伴った言葉が現代に蘇ってきている。
一方でこれまでの地政学的思考だけで、世界を分析し、生き抜くことは非常に困難だ。
経済が地政学的環境にどのような影響を与えるのか、またその逆についても考察を及ばさなければならない。そうしなければ国際政治経済のダイナミズムを理解できず、戦略を立案することもできない。そこで、地政学と経済学を総合した「地政経済学」とも呼ぶべき新たな思考様式が必要となる。
本書では、「地政経済学」とは、「富国」と「強兵」、すなわち経済力と政治力・軍事力との間の密接不可分な関係を解明しようとする社会科学であることを示し、地政学なくして経済を理解することはできず、経済なくして地政学を理解することはできないことを明らかにする。
『TPP亡国論』で日米関係のゆがみを鋭い洞察力でえぐり出した著者が、資本主義終焉論と地政学が復活する今と未来を読み解く渾身の書き下ろし大著。
ポスト・グローバル化へ向かう政治、経済、軍事を縦横無尽に読み解く気宇壮大な21世紀の社会科学がここにある!

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富国と強兵―地政経済学序説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    本書を読むと経済学という学問がいかに人間社会からかけ離れた社会科学であるかが良く分かる。そもそも経済学が大前提としている「経済人(エコノミックマン)」という考え方自体が現実とはあっていないのだ。人間は合理性があるかどうかだけを基準に物理的に動く原子のような物体では決してない。人間は社会あるいは人と人

    2
    2022年02月08日

    Posted by ブクログ

    自分にとって本書の意義は2つある。
    まず、軍事と経済が両輪であることを古今東西の多数の事例とともに再確認できる。
    次に、国際関係論と経済学双方のリベラリズムのバーチャル性がよく分かる。そして対案提示される、空間・時間・人間の3つの「間」のリアリティに則した学問群を学べる。主なものは地政学、現代貨幣理

    0
    2024年03月05日

    Posted by ブクログ

    経済は集団行動。政治も同じく。地政学的環境による。
    集団行動を科学するアイデアはマッキンダーの地政学から。
    経済は地政学なしでは語れない。逆もまたしかり。なので地政経済学。
    大きなトレンド転換は地政経済学の環境大変化が必要。
    ケインズを再評価+新自由主義批判。
    地政学、経済学、それぞれの国の実情を踏

    0
    2021年08月09日

    購入済み

    難解だが大筋として刺激的

    戦争とは、文明間対立の究極的形態である。第一次産業革命を発端とした、人類史上最大の生産性の飛躍による無限経済成長は、資本家階級と労働者階級の対立を必定とした。中野剛志氏は、現代の経済・政治・軍事に渡る世界的な対立の変遷の歴史を、陰謀論に触れずに、広く公開された学術情報のみを用いて、緻密な解説を構築す

    0
    2020年03月09日

    Posted by ブクログ

    現役官僚が著者とは到底思えないほど、専門的な本。本書の主題である、地政経済学とは、富国と強兵、すなわち経済力と政治力・軍事力との間の密接不可分な関係を解明しようとする社会科学。地政学なくして経済を理解することはできず、経済なくして地政学を理解することはできない、というのが地政経済学の大命題。
    学生の

    0
    2017年11月13日

    mac

    ネタバレ 購入済み

    中級者以上の人向け

    政治、経済、地政学の予備知識がある程度ないと読了は困難だと思います。
    一部ご紹介します。
    ・経済とは、一定の軌道を持った人々の集団行動に他ならない。
    ・デフレとは、国民が消費や投資を縮小させる(貯蓄や借金返済を優先させ、お金を使わなくなる)方向へと向かう集団行動だ。(その結果、所得が手に入らな

    0
    2022年09月30日

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