磯野真穂のレビュー一覧

  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    偶然の出会いから始まった二人が、互いの意思で関係を築いていく姿が印象的だった。

    病気になると、自分自身を「患者」というカテゴリに当てはめ、その枠の中で安心しようとしてしまうことも可能だが宮野さんはそうしなかった。自分は病気ではないものの、どこかで「〇〇な人」という立場に自分を収めてしまっている感覚があり、その折り合いをつけることの難しさを改めて考えさせられた。

    二人のやり取りや距離感がとても自然で温かく、互いを尊重しながら関係を深めていく様子が心に残った本だった。

    0
    2026年05月13日
  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    映画化すると聞き、積読になっていたものを急いで読んだ。
    プロジェクトヘイルメアリー然り原作知っておきたいタイプ。

    とにかく「すごいものを読んだ」という気持ちになった。
    あれを読んでこんな激浅な一言でしかまとめることができない自分の語彙力、表現力の無さを恨みたくなる。

    哲学に生きる人が、人類を研究する人が、研究人達が、死を身近なものとして捉えたとき
    こんな発想や考え方になるんだなというのを見せて頂いたような感じがした。
    哲学者や人類学者の引用もよく出てくるのだけれど、理解・共感できるものもあれば
    私の知識では全く解釈が難しいものもあった。
    往復書簡の中でこんな重厚感のあるやり取りをしてた

    0
    2026年04月28日
  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【目次】
    1便 急に具合が悪くなる
    2便 何がいまを照らすのか
    3便 四連敗と代替療法
    4便 周造さん
    5便 不運と妖術
    6便 転換とか、飛躍とか
    7便 「お大事に」が使えない
    8便 エースの仕事
    9便 世界を抜けてラインを描け!
    10便 ほんとうに、急に具合が悪くなる

    がんの転移により死に直面しながら生きる哲学者と、人類学者の往復書簡。
    ほとんど交流がなくても、なぜか通じる人というのはいる。言葉を大事にする二人が、言葉を紡ぎ続ける。約束は相手への信頼。二人の出会いは僥倖かもしれない。

    0
    2026年02月12日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    コロナ後になって、あの日々を折に触れて思い返す。ほんとに大変だった。その最中に発信するのは、かなり勇気や覚悟がいる部分もあっただろうと思う。よく読んでいる著者たちの、その時の考えを読めたのは、貴重だなと思う。

    0
    2026年01月21日
  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    病に面した哲学者、宮野真生子と人類学者、磯野真穂の往復書簡。人は何のために生まれ、どう生きるのか、どう死んでいくのか、人間の根源的な問いと答えが、死を前にした2人によって深く語られて行く。どんどん難しくなって行く2人の問答は、正直ついていけないところもあったが、2人が魂の奥深いところで言葉を紡いでいる迫力に押されながら読み進めた。
    印象に残っている表現は、
    ガンになったのは不運ではあるが不幸ではない。不運は点であり、不幸は線である。不運をどのような線に伸ばして行くかが大事
    というところ。

    0
    2025年12月22日
  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    宮野さんは患者という役割になることなく、磯野さんは患者として接することもなく、お互いに真剣に相対する関係がうらやましい(とはいえ、そうなりたいという羨望の意味はなく)と感じた。
    正直、抽象的なところは良く分からなかったけれど、誰かと出会う、つながる、ということを改めて考えてみたり。


    印象に残ったところは以下
    ・選ぶとは
    それはあなたが決めたことだから、ではなく、選び、決めたことの先で「自分」という存在が産まれてくる。
    選択とは偶然を許容する行為で、選択において決断されるのは、当該の事柄でなく、不確定性/偶然性を含んだ事柄に対応する自己の生き方。
    偶然を受け止めるなかでこそ自己と呼ぶに値する

    0
    2025年11月24日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

    Posted by ブクログ

    自分らしさの要件は、①規範への抵抗、②内発的動機づけ、③社会的な承認、があること(p.163)。私たちは『「自分らしさ」が確かに存在するのだという信念』(p.192)を必死であたためることで、無や空虚さと距離を取れるし、自分として生きることへの微かな希望と救済を感じられるのだと思う。

    0
    2025年11月16日
  • 急に具合が悪くなる

    Posted by ブクログ

    往復書簡というかたちで展開される、哲学者の宮野真生子と人類学者の磯野真穂のやりとり。

    毎回のお手紙のタイトルのユーモアがよい。

    主治医に今後の治療方針について「もし先生(の家族)が同じ状態だったらどうするか」
    という質問を投げかける母親に、それはルール違反だと腹を立てる宮野真生子は、医者にとって良い患者。聞きたくなる質問ですよね、これ。医者としての意見じゃなくて、一人の人間として主治医に。

    専門セクター(医者)、民間セクター(家族や友人)、民俗セクター(代替療法)の間で振り回される患者は、身の回りでも見たことがある。これは自分の身に起きた時ぜひとも思い出したい。

    病気になったことは不運

    0
    2026年02月12日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

    Posted by ブクログ

    こういう視点もあるのか…という意味で興味深く読みました。データの客観性に対して懐疑的(人類学というのがそういうものなのかもしれません)な立場であればそういう風に考えるのだな…ということは分かりましたが、個人的にはちょっと同意できませんでした。あと、「同調圧力」に関する考察に関してはなるほど、と思いました。

    0
    2025年01月01日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

    Posted by ブクログ

    コロナ禍はコロナ対策としての正義が闊歩した。それに対する検証としてアフターコロナの今として書かれた書。あの時は仕方なかったではなく、繰り返さないためにはどうしたら良いかとのことだが、著者は医療が力を持ちすぎたとの評価だが、持ちすぎたのではなく、政府が医療に全て責任を押し付けようとしたのが現状であり、そもそも有事に対応できない公衆衛生体制、医療体制でなかったことに関して、理解があるのか知らないのか、その部分の評価が全くなく、片手落ちな総括な気もする。ただ今、国としてきちんと総括をしておくことが必要だが、総括はされるのだろうか。

    0
    2024年10月19日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

    Posted by ブクログ

    基本的に医学の論理が人の思考行動規範に良くも悪くも多大な影響を与えてしまったコロナ禍を、人類学の眼差しから見つめ直す重要性はわかるし、問題意識も概ね合意できる。
    一方で、緊急事態宣言を雨乞いの儀式に準えて「感染にも降雨にも周期性があり、〜周期に合わせて儀式を行えば、すなわち宣言を発出すれば、それら周期に人間が関わったという実感を作り出すことができる」という指摘はあまりにも視点が一面的すぎて少し辟易した。
    失敗の本質を安易に引用して当てはめるには、特に政治と専門家側から見た像を無視しすぎている

    0
    2024年08月23日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

    Posted by ブクログ

    コロナ禍を自分とは違う観点から見つめ直してみたくて読みました。

    考え方は概ね理解できましたが、気持ちの面でうまく整理できませんでした。

    本書を読み、コロナ禍の印象はここの体験で大きく変わるのかもしれません。
    だからこそ、本書のように専門領域からの分析と発信が大切なのだと思いました。

    0
    2024年06月14日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

    Posted by ブクログ

    血圧を下げる薬を飲むことへ抵抗がある患者さん自身が、納得することが大事であるから、最適解である薬を無理に渡すのではなく、遠回りでも別の治療法からアプローチしていく話は、どの分野でも同じ状況にあると思う。
    近道に見える遠回りも、遠回りに見える近道もあるのだと感じる。

    0
    2024年04月13日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
    わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
    コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受けてしまうことによって、ワクチン注射を打った人たちの体内で悪いウイルス・菌が増殖をしてしまい、その悪いウイルス・菌を周り・周囲や日本中にばらまいてしまうことになるという説を信じています。

    そしてコロナ以前にはわたし自身では、「何とかコツコツと学び続けてさえいけば、生きていく道はあるのではないのかな」

    0
    2023年10月23日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

    Posted by ブクログ

    ダイエットが高じて拒食に至る、そういう人の考えを見直す契機になる本です。
    ダイエットなんかしなくていいよ、って慰めを期待したニコにはあてはまりませんでした。そこまでの覚悟は無いし、そんなに切羽詰まってもいない。

    ただ、だれのためにダイエットしてキレイに可愛くなりたいのって。
    そこんとこ、よーく考えてみようっていうのには激しく共感。
    ここでも自分軸って大事なんだなってことですわ。

    0
    2023年03月11日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

    Posted by ブクログ

    ここでは「医療」をテーマに論じられているけれど、
    この「医療」を「心理学」に置き換えても本書の議論は通じる。

    著者とは近い問題意識を持っているように思える。

    人を「数」で捉えることはどこまで可能なのか、
    他から切り離された個人は存在し得るのか、

    人類学的な視点からの考察、大変勉強になりました。

    0
    2023年01月22日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    様々な分断が派生したコロナ禍において、民の声が政治の力へと昇華されているのか、疑問が浮かぶ。為政者の判断はもちろん過ちも含まれよう。しかしそのまま看過するのではなく、修正していく判断力が現在も問われ続けている。さらに大切なのは私たち有権者の関心であり、声あげる人を中傷するのではなく、その選択肢に取り組んでみる姿勢が大切ではないか。誰も未来の結果なんてわからない。ならば、否定は現状の惰性でしかない。そこに救われる道程があるのだろうか。過ちよりもタチが悪い。

    0
    2022年12月01日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自動車事故を恐れるからといって自動車を禁止しない。
    アルコール依存症が問題になるからといって禁止しない。
    何をリスクとみるのかは何を基準にするべきか。

    心房細動と抗血栓療法。出血のリスクを引き受けても抗血栓薬を飲み続けるべきである。飲まなければ必ず心房細動を起こすわけではない。皮下出血を起こしやすくなる。しかし血液サラサラの言葉に惹かれて薬を飲む。血液サラサラは、試してガッテンが最初に使った。

    HIVやBSEは、合理性を欠いたパニックがみられた。
    ゴンドラ猫の実験=自由に動けない猫は、ゴンドラを降りた後あちこちにぶつかる。=身体体験がないまま情報体験に反応して生きることは生命たりうる所以を

    0
    2022年11月29日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    色んな分野の様々な人がそれぞれの意見を述べていて面白い。

    在宅勤務が可能な仕事は「弱者」の低賃金労働に支えられることによってしか成立しない。

    「会う」ということの暴力性。会って圧力をかけた方が、会わないより物事が進む。リモートは物足りない。

    0
    2022年08月16日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2021年8月発行の本。
    盛んに出版されたコロナ関係の本も、結局のところ、喉元過ぎれば熱さを忘れるのが人間だからあと2年もしたらすっかり忘れ去られてしまいそう。

    0
    2022年05月08日