磯野真穂のレビュー一覧
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痩せている方が美しい。痩せなくては…。
可愛くあらなくては…。
これは私たちにかけられた一種の呪いである。
本著ではその呪いのありかをあぶり出し、言語化し、その価値を問いかけている。
そして本当に自分がなりたいと思う自分とはどんな形をしているのか?
著者のそんな問題提起メッセージや問題提起が伝わってくるようだった。
美醜の呪いに囚われている人の解放の一冊だと思う。
本著の中に出てきた「あなたは大人になっていい。」の一文にはかなり痺れた。
ダイエットに関する文化や先人の考察にも触れられており、文化的な美醜の歴史の読み物としても面白かった。 -
Posted by ブクログ
前半の議論が結論にどうつながっていくのか、難しくてわからなかったが、「統計」とか自分の体験の外側にあるものに関する話がつながっていくのかなと思った
終章の話がとても印象に残った
自己は他者との関わり(出会い)のなかで生まれてくる。統計など予測可能なものではなく、予測不可能で不確定な偶然を受け入れる(なかったことにしない)ことで、自己は変容しうる。そして他者との関係(→自己)を変えるには、これまでと同じ相互行為を続けるのではなく、関係の変化や規則の崩壊の可能性を恐れずに新たな「投射」をする必要がある。
孫引きではあるが、自己は最初からあるのではなく選択をした先で生まれるという話も刺さった -
Posted by ブクログ
文化人類学者(のサブジャンルである「医療人類学者」)である著者が、コロナ禍を分析する本。本書が主に採りあげるのは、3年経って理解が進んでも撤去がままならなかった「アクリル板」、ウイルスが行政区画を意識するわけでないのに想定された「県外リスク」、現代の医療の専門家までも懸念事項として挙げた(緊急事態宣言解除後の)「気の緩み」。これを第5章で総括するにあたり「ハビトゥス」という概念で説明する。ハビトゥスとは、「社会化の過程で個々人の身体に埋め込まれた、言葉や振る舞い、さらには趣味のような心的傾向を生み出す装置」(p.170)。
また、本書補論4として「緊急事態宣言」を「雨乞い」と結びつけ、コロナ禍の「禍」に言及する文章がある。“人流の抑制”とか“夜の街”とか“メリットがデメリットを上回る”とか…、それまで普段使っていなかった言葉でもって人々を誘導しようとする感じは、私は感覚的に「何だか嫌な感じ」くらいにしか捉えていなかったが、これらの耳に馴染みのない言葉こそが、心に訴える呪文、すなわち「ハビトゥス」だったか。
思えば、この手の呪詛は私にも効きすぎるほどに効いていて、中でもスーパーコンピュータ「富岳」の飛沫拡散計算は、効果テキメンだった。個包装せずに棚に並べるパン屋や、威勢の良いラーメン屋(注文を受けたら「〇〇入りましたー!」と店員が声を張り上げる)には、私は未だに入れない。「頭」でなく「身体」に訴えるものだけに、これは長引くのだな。 -
Posted by ブクログ
コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受けてしまうことによって、ワクチン注射を打った人たちの体内で悪いウイルス・菌が増殖をしてしまい、その悪いウイルス・菌を周り・周囲や日本中にばらまいてしまうことになるという説を信じています。
そしてコロナ以前にはわたし自身では、「何とかコツコツと学び続けてさえいけば、生きていく道はあるのではないのかな」「学び続けてさえいくことが出来たならば、道は開けるのではないのかな」とぼんやりと考えていて、毎日平均6〜8時間くらいはなにかしらの学習をし続けていたのですが、今は自分なんかがいくら何かやっていっても格差、階級とかがどんどんと開いていって固定化していき、何も希望ややる気がでないような心境です。
鎌田實
人と人との関係であれば、フィジカルディスタンシング、ソーシャルコネクティング(物理的に距離を取り、社会的につながること)が大切になってくる。どうすれば、「離れてつながる」ことが実現できるのかを考えていかなくてはなりません
まえがき
第1章 人間とは生命とは
養老孟司
福岡伸一
角幡唯介
五味太郎
第2章 歴史と国家
ユヴァル・ノア・ハラリ
情報を得て自発的に動くことのできる人間は、警察の取り締まりを受けて動く無知な人間にくらべて危機にうまく対処できます。
ジャレド・ダイアモンド
イアン・ブレマー
大澤真幸
藤原辰史
長期戦に備えよ―歴史が伝えること
中島岳志
藻谷浩介
山本太郎
伊藤隆敏
第3章 社会を問う
ブレイディみかこ
斎藤環
東畑開人
磯野真穂
荻上チキ
鎌田實
人と人との関係であれば、フィジカルディスタンシング、ソーシャルコネクティング(物理的に距離を取り、社会的につながること)が大切になってくる。どうすれば、「離れてつながる」ことが実現できるのかを考えていかなくてはなりません
第4章 暮らしと文化という希望
横尾忠則
坂本龍一
柚月麻子
あとがき -
Posted by ブクログ
ネタバレ自動車事故を恐れるからといって自動車を禁止しない。
アルコール依存症が問題になるからといって禁止しない。
何をリスクとみるのかは何を基準にするべきか。
心房細動と抗血栓療法。出血のリスクを引き受けても抗血栓薬を飲み続けるべきである。飲まなければ必ず心房細動を起こすわけではない。皮下出血を起こしやすくなる。しかし血液サラサラの言葉に惹かれて薬を飲む。血液サラサラは、試してガッテンが最初に使った。
HIVやBSEは、合理性を欠いたパニックがみられた。
ゴンドラ猫の実験=自由に動けない猫は、ゴンドラを降りた後あちこちにぶつかる。=身体体験がないまま情報体験に反応して生きることは生命たりうる所以を骨抜きにする。情報発信者の意図のままに想像力が操作される。
震災時には、仮葬として土葬し、2週間後に掘り起こして火葬にした。冷たい土の中に閉じ込めておくことが耐え難かった。遺体を運ぶ車はトラックではなく、新車を含む10台の霊柩車らしく改造された車をつかった。
コロナのときは、有名人の死が、恐怖をあおるために報道された。
万が一、という留保が過剰反応を作り出している。万が一の連鎖が痛ましい死を作り出す。
大衆は、暴力的な事件を記号として喜んで消費する=ほどよい室温になったワインのように供されるのなら、大衆はそれを好んで飲む。
スマホ脳とファクトフルネス。どちらも狩猟採集民族である人類が今でも残っていることを主張の根拠としている。糖質制限食も同じ。=石器時代への幻想。パレオファンタジー。
農耕開始から1万年は十分な時間であるという主張もある。高地で生活したり、乳製品を効率よく消化する能力はここ数千年である。『私たちは今でも進化しているのか』マーリーン・ズック
平均人の病いの語り。=一般化可能性がある、が客観的事実として認識されやすい。
どんなときも。世界に一つだけの花、=自分らしく、自分らしさ、が強調された。
自分らしさ、を説明するとトートロジーになりやすい。
=大勢がそのようなもの、に対して抵抗すること。内発的に動機づけられていること。しかし、社会の規範を超えない範囲であること。
自殺は、自分らしいとは言われない。死ぬことは、家族との関係性の中で起こること。
統計学的人間観=平均人という概念を支える。
個人主義的人間観と関係論的人間観。
宇宙人と交流することは可能か。関係性をもつことができるか。
共存の枠=互いの間に規則性が生成される。挨拶はその規則性にはめるためのきっかけになる。