磯野真穂のレビュー一覧

  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。

    今、まさに摂食障害に悩んでいる10代20代の人たちにもいいと思うし、日々のSNS演出に疲れた大人たちにもいいと思う。他者から「よびかけられる」ことで自分を認識する、タグ付けの関係、点としての人間関係からラインとしての人間関係の構築へ。食べることは生きること、生きることは人と関わること。

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    2019年11月27日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    経済学などの観点から医療を分析した本は
    これまでもあったが、文化人類学からの
    アプローチ。

    現代の、必ずしも「治すための医療」とは異なる
    医療が生み出す、複雑な局面を切り取る
    意欲作。

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    2017年09月03日
  • 急に具合が悪くなる

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    小さい時に、哲学ってどういうもの?と聞いて、当たり前のことを難しく考える学問、と親か兄妹に答えられたのを覚えている。まさに、死が迫り来る、急に具合が悪くなる可能性について、時に明るく面白く、時に真剣に熱く、語り合う往復書簡はだんだんと手に汗握る様相となってくる。難しくて理解できないところもある。でも、偶然、腑に落ちると腑に落とす、選ぶ、決める、タイミング、そういった言葉のひとつひとつを吟味し考え抜き、お互いの気持ちも思いはばかりながらも正直に交わされていく往復書簡はとても読み応えがありました。映画もよかったけれど、映画よりずっと深い。お二人の結びつきが羨ましくさえ感じました。迷いが生じた時に、

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    2026年07月19日
  • 急に具合が悪くなる

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     哲学者・宮野と医療人類学者・磯野の同年代の2人の女性が交わした20通の往復書簡。
    それは宮野が癌宣告を受けて、講演に行けなくなる可能性があるということで磯野へ連絡したことから始まる。死とは何か、何のために生きているのか、を問う宮野に対して磯野が応答するという形で進み、わずか3か月ほどの交流が二人の間の歯に衣着せぬざっくばらんな会話で進む。宮野は九鬼隆三の「偶然とは何か」の研究者であり、偶然、不運、しかし不幸ではない!などの対話が興味深い。宮野が引用するハイデガーの「死はたしかにやってくる。しかし今ではないのだ」(存在と時間)という言葉が意味深長に響く。そして彼女は「私の生は途中で打ち切らざる

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    2026年07月17日
  • 急に具合が悪くなる

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    乳がんが転移し、有効な治療法もなく、余命を生きる哲学者・宮野真生子と、そんな彼女と出会い、どういう訳か書簡のやり取りをする事になった医療人類学者・磯野真穂。
    二人はもともとはお互いにもっと色々な話題を取り上げようとしていたつもりが、やはり話題は宮野のガン患者としての生き方、死への向き合い方についての話となっていく。
    死に向かう患者に寄り添うとか、なんかそういうありがちな話を想像していると痛い目に合います。
    ここで交わされる書簡に書かれていることは、もっと直球です。しかも豪速球の。しかも、一度では読み取れないくらい情報量が多いし、哲学の素養がないと理解しようとしても難しいかもしれない。

    これは

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    2026年07月14日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画化された作品なので、物語かと思いきや、手紙のやり取りを綴った作品。内容はかなり哲学的な内容に踏み込んでいて、難しいと感じる箇所もあったが、実際の患者による思いの吐露によるものであり心を打つ内容だった。

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    2026年07月11日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画を観て、もともと原作とはずいぶん違うとは聞いていたけど(そもそもアカデミックな内容の往復書簡なのだ)、読むとエッセンスが随所にあって、セリフのひとつひとつにもっと深い意味やニュアンスがあったのかなと思う。
    妖術の話が出てくるあたりから話にドライブがかかってくる。
    映画パンフの磯野さんのインタビューで、京都滞在のシーンは原作では7.8便あたりに当たると言っていたので、どういうことかと思ってたけど、そういうことか。
    宮野さんの精神力もすごいが、磯野さんの踏み込む力もすごい。これ、学者さんだからこんな対話が可能なのだろうか。

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    2026年07月08日
  • 急に具合が悪くなる

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    大人になるほど、物事を「経験に基づく確率」で考えるようになります。

    成功する可能性はどれくらいか。
    失敗するリスクはどれくらいか。

    もちろん大切な考え方です。

    でも人生には、確率だけでは決められないことがあります。

    この人と仕事をする。
    この人の言葉を信じる。
    この人と共に生きる。

    経験値に基づく確率論で考え、最終的には誰を信頼するかという考えに切り替える事があります。

    この本は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。

    偶然性を巡る対話と論理と信頼の往復の過程が最初はゆるやかにはじまり、終盤に行

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    2026年07月05日
  • 急に具合が悪くなる

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    理系の自分には難しい内容でした。ただ、必死になって生きて、最期まで諦めずに哲学者として人生に向き合う姿は感極まります。また、それを伴走者のように見守り、支えていく人類学者にも拍手を送りたい。

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    2026年06月30日
  • 急に具合が悪くなる

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    2026年10冊目
    旅の方法と、コミュニケーションの方法を重ねて、会話がどんどん深くなっていく流れがとても興味深かった。濱口監督がこだわる、「偶然」や「運命」を掘り下げて考え続ける素晴らしい書簡だった。

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    2026年06月29日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画が先です。
    本は抽象的な表現が多く字面をすべり読みしてなんとか。自分ごとに当てはめられることもあるようなことも。フワフワした感想しか書けない。

    演出家と介護施設のディレクターという設定にした濱口監督の発想に改めて感心する。
    抽象的な表現が多くあり消化しきれてないが「魂の分け合い」、確かに。

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    2026年06月27日
  • 急に具合が悪くなる

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    九鬼修造すごいな。原始偶然や、間主体性の開示により根源的社会性を構成するのくだりなど、フランス現代思想っぽい。映画も観たい。

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    2026年06月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    濱口竜介監督の最新映画公開にあわせて拝読。
    カンヌで女優賞を受賞したニュースを見た時、面白いタイトルだなと思うとともに、原作があると知り気になって予約した。

    本書はイベント開催をきっかけに出会った2人の往復書簡をそのまま載せたものである。
    死というのは誰もがいずれ経験するものであるが同時に、健康なうちは身近なものとしては認識しづらい。著者のひとり、宮野さんは自分ががん患者としていつ具合が悪くなりどれくらい余命があるかもわからないという状況だからこそ、そうした目線から語られることは学ぶべき点も多かった。
    特に、患者という属性についての話。宮野さんは患者でありながら、患者という属性以外にちゃんと

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    2026年06月23日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    神保町の共同書店「PASSAGE」でたまたま出会った本。ケアに関心があったので読んでみようと購入。独特の文体で最初は少し読みづらさを感じたが、中身はとても面白い。「人を動かす力は暗喩より直喩」とか、「思考と感覚の二分法をこわすというより両者を貫通し、往来すること」とか、「"自分らしい"には社会的承認が必要」とか、唸るような気づきが詰まっていた。その先の「私たちらしさ」とはなにか。魂や運命を言葉でうまく表現しているのも素晴らしい。対話しても面白そうな本。

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    2025年11月24日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    私はシンデレラ体重とは程遠く、何ならちょっと肥満寄りの体型になりかけている今日この頃だが、なぜだか今まであまり痩せたいと思ったことがなく、真剣に痩せる努力をしたこともなかったので、終始ピンとこないことも多かった。世の若い女性たちはそれほどまでに痩せたいと思っている、いや思わされているのか…

    医療文化人類学者の磯野真穂さんのご著書(共著も含む)は3冊目になる。ちくまプラマー新書ということもあり、健康を害するほどに痩せたがる若い女の子たちに向けて諭すように書かれている。

    他者から承認され「選ばれる」ために未成熟な「かわいい」にとどまろうとせず、早くから大人になることを怖がらないでほしいと語る著

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    2025年11月24日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    面白かった。やや、難しい書き方も多かったけれど。自分的に言い換えれば、「生きることの密度はどのようにして決まりうるのか」というテーマなのかなと思う。

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    2025年08月31日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    面白かった。
    思考法の転換がいかに大事であるか最近実感している。
    インターネットが普及したことによって、点としての他者と自分という側面が顕著になっている節があると感じる。広い社会では点として人を認識しないと色々と手間であり、多様な他者を理解するのは時間がかかる。数字や客観的な肩書きで個人を「タグ付け」した方が楽である。
    しかし、私たちはそのような社会の中で家族や友人に限らず、リアルで具体的な関わりの関係を築く。この中では「ラインを描く」ことを意識しやすいのではないか。そして、そのような関係が私たちの日々をつくる。
    食べ物にまつわる摂食障害にまつわる、根本的な問題ついて、深く知ることが出来た。

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    2025年04月22日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    医療者も悩みながら目の前の患者さんに対応してること、丁寧に描かれていました。
    とても読み応えのある内容、おすすめです。

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    2024年11月21日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

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    「「責任を取る」とは、なぜ自分がそれをやったかを説明できることだと思う」
    介護施設いろ葉の施設長の言葉からは、責任者としての覚悟がひしひしと伝わってくるが、果たして当時、日本の国としてのリーダーにその“覚悟”は有ったのだろうか。そもそも地域の事情を汲まない一斉休校や非常事態宣言を出す意味はどこにあったのか。
    安倍氏亡き今となってはそれを確かめるためには関係者の記憶や議事録等に頼るしかないけれど、
    同じ轍を踏まないために、“説明”を求め続けたいし、自分も自身のリーダーとして何があったか、その時どう考え行動したかを忘れないようにしたい。


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    2024年07月12日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    テーマが深く、集中して読まないと筆者の言いたいことがなかなか頭に入ってこない。が、それは単に読者の私の集中力のせいであり、すぐに頭に仕掛かり中や納期に迫られる仕事に神経がついてしまう様な私には合わなかった。だが、本書のテーマは冒頭申し上げた様に深く考えさせられるものだ。
    もし私が何らかの病気を患い、明日死の宣告を受けたらこれまでの自分の人生を振り返り、良かった、充実した人生だったと納得がいくだろうか。まだやり足りないことが沢山あり、ここで死ぬのは嫌だと最後まで治療法を探し生に執着するだろうか。読み終わった瞬間に頭を過ったのはこの思いだった。私が生きている上で、仕事でもプライベートでも様々な人(

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    2024年01月14日