磯野真穂のレビュー一覧

  • 急に具合が悪くなる

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    ネタバレ

    最初は学者同士の高尚な言葉のやり取りなのかなあ〜とさら〜っと読んでいたら、途中から二人が交わす言葉ににのめり込んでいった。
    特に、合理的な判断によって選択し自己責任が問われる社会において、偶然性を問い言語化してくれたことで少し心が軽くなった。また、多様性とか、人への寄り添い方とか、なんとなく感じていた違和感を問い直してくれた。
    たった数ヶ月の出来事とは思えない、読み応えのある往復書簡。読んで良かった。

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    2026年05月27日
  • 急に具合が悪くなる

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    哲学者と文化人類学者の往復書簡。
    死ぬという生き物として根源的で最終地点にリアルに向かっていくなかで感じられたこと、思考、を互いにわたしあう。引用の哲学は一目ではわからないものもあったけど、自分と向き合うというのは、時間がかかるし、その時点でわからないことも多い、とてもゆっくりとした営みなのだなと思った。いまここに心を向けることが、さまざまなものが溢れる現代でどれだけ難しいのか、困難の当事者関係者になったときにどれほど難しいのか。とても伝わる文章だった。自分ならあっという間に構造のなかに取り込まれてしまいそう。この本を読んで、自分の心が少しでも立体的に、隙間を産み出すことができていたら嬉しい

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    2026年05月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    がんに冒された哲学者と文化人類学者の往復書簡。6月に公開される濱口竜介監督の映画原作。
    全10回のやりとりのうちとくに前半の5回までを興味深く読んだ。終わり近くになるとちょっと俺には難しい内容になったので流し読み。

    なぜ他ならぬ自分が病気にならねばならないのか、という偶然性について。
    玉石混淆な治療法を勧めてくる身近な人たちの善意というノイズについて(山崎元さんも同じことを書いていた)。
    不運の原因として妖術を用いるアゼンデ人の知恵について。
    不運を受け入れることで始まる不幸について。
    自分のためというより残された人に迷惑をかけないために行われる終活について。
    このへんの話が印象深い。

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    2026年05月01日
  • 急に具合が悪くなる

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    「急に具合が悪くなる可能性がある」と医師から言われた哲学者と人類学者の往復書簡。それは単なる偶然の集積なのか必然なのか。
    今年公開予定の濱口竜介監督の映画、どんなものになるのかまったく想像ができないけど、これを映画にするのは、濱口竜介いないんだろうな…とも思う。めちゃくちゃ楽しみ。

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    2026年04月23日
  • 急に具合が悪くなる

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    その人が大切な存在になればなるほど、その人に「さようなら」をいう日の手触りがより確かになっていく

    がんに罹り、医者から「急に具合が悪くなるかもしれない」と言われた哲学者と、「偶然」にも彼女と意気投合した人類学者の往復書簡。哲学者が人生の終わりに何を語るのか、みたいな大それたものではなくて「どんな感じ?」みたいな問いかけから、理知とユーモアを交えた対話が始まる。
    二人の関係性が徐々に変わっていく面もあって、なんや胸がきゅっとなる。このタイミング、この関係性の二人だからこそ交えることができた言葉の数々。

    興味深い言説は色々あったんだけど、一番は関係性のラインの話。例えば病気の人に相対するシチュ

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    2026年03月17日
  • 急に具合が悪くなる

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    余命わずかな哲学者と人類学者の手紙のやり取り。哲学の難しい議論もありつつ、なぜ(how でもwhy でもなくなぜこの人、この私が)この状況にいるのかが問われる。また病人という役割になってしまい、その他の自分が失われる危険について語られる。
    この人の場合、哲学者という立場でのアウトプットを続けることに救われているようだ。でも何も語る手段を持たない一般人はこういう時どうしたらいいの、とも思ったが、人それぞれ病人以外の自分を保ち続けることを模索すべきなのかも。
    冷静で論理的なやり取りの影に、友人としてのLINEや妄想に近い思い入れ、切迫した最期の様子が垣間見られ、感傷を許さない中で友情の深さが心を打

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    2026年03月08日
  • 急に具合が悪くなる

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    お二人とも、文化人類学と哲学を専門的に研究されていた方なので、正直「ええと?」となった部分はあれど、最後は泣きそうになりながら読んだ。
    死、という淵に向かっている宮野さんは、その現実から決して目を逸らそうとせず、磯野さんとのやりとりを通じて、「その時の自分の心」と向き合い、言葉を繋ごうとする。そして磯野さんも。死に向かう宮野さんを見守る自分と向き合い言葉を繋げる。宮野さんの余命宣告がなければ、決して紡がれなかった言葉たちに敬意を払い、その残滓だけでも胸に刻みたいと思った。

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    2026年01月04日
  • 急に具合が悪くなる

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    自らがガンを患う哲学者宮野真生子さんとと文化人類学者磯野真穂さんの、病気になった人(当事者)とその周辺についての往復書簡。
    死というものがあまりにもリアルなとき、当事者とその周りにいる人々に何が起こるのか、それはなぜ起こるのか、違う関係性の作り方はあるのか、みたいなことが書かれている。
    対話の内容として気づきみたいなものももちろんあるけれども、後半になるにつれて宮野さんの具合が本当に悪くなっていって、その時に近づいていくリアルさがある中で、ご本人から綴られる言葉、磯野さんから贈られる言葉の凄みのようなものが印象に残った。
    宮野さんが本当に最後の最後まで本書の校正やチェックなどをしていた様子も描

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    2025年12月23日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    神保町の共同書店「PASSAGE」でたまたま出会った本。ケアに関心があったので読んでみようと購入。独特の文体で最初は少し読みづらさを感じたが、中身はとても面白い。「人を動かす力は暗喩より直喩」とか、「思考と感覚の二分法をこわすというより両者を貫通し、往来すること」とか、「"自分らしい"には社会的承認が必要」とか、唸るような気づきが詰まっていた。その先の「私たちらしさ」とはなにか。魂や運命を言葉でうまく表現しているのも素晴らしい。対話しても面白そうな本。

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    2025年11月24日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    私はシンデレラ体重とは程遠く、何ならちょっと肥満寄りの体型になりかけている今日この頃だが、なぜだか今まであまり痩せたいと思ったことがなく、真剣に痩せる努力をしたこともなかったので、終始ピンとこないことも多かった。世の若い女性たちはそれほどまでに痩せたいと思っている、いや思わされているのか…

    医療文化人類学者の磯野真穂さんのご著書(共著も含む)は3冊目になる。ちくまプラマー新書ということもあり、健康を害するほどに痩せたがる若い女の子たちに向けて諭すように書かれている。

    他者から承認され「選ばれる」ために未成熟な「かわいい」にとどまろうとせず、早くから大人になることを怖がらないでほしいと語る著

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    2025年11月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    ガンで余命いくばくもない哲学者の宮野さんと、人類学者の磯野さんの往復書簡。互いがキャリアを積んできた哲学や人類学の知見を交えながら、病を抱えて生きることにまつわる偶然と必然や運命論などなど、対話を重ねて行く。この対話、もっといつまでも続いていてほしかった。宮野さん、最期までかっこ良すぎる。磯野さん、ボールを受け止め続けたこと、尊敬します。

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    2025年11月07日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    面白かった。やや、難しい書き方も多かったけれど。自分的に言い換えれば、「生きることの密度はどのようにして決まりうるのか」というテーマなのかなと思う。

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    2025年08月31日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    面白かった。
    思考法の転換がいかに大事であるか最近実感している。
    インターネットが普及したことによって、点としての他者と自分という側面が顕著になっている節があると感じる。広い社会では点として人を認識しないと色々と手間であり、多様な他者を理解するのは時間がかかる。数字や客観的な肩書きで個人を「タグ付け」した方が楽である。
    しかし、私たちはそのような社会の中で家族や友人に限らず、リアルで具体的な関わりの関係を築く。この中では「ラインを描く」ことを意識しやすいのではないか。そして、そのような関係が私たちの日々をつくる。
    食べ物にまつわる摂食障害にまつわる、根本的な問題ついて、深く知ることが出来た。

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    2025年04月22日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    医療者も悩みながら目の前の患者さんに対応してること、丁寧に描かれていました。
    とても読み応えのある内容、おすすめです。

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    2024年11月21日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

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    「「責任を取る」とは、なぜ自分がそれをやったかを説明できることだと思う」
    介護施設いろ葉の施設長の言葉からは、責任者としての覚悟がひしひしと伝わってくるが、果たして当時、日本の国としてのリーダーにその“覚悟”は有ったのだろうか。そもそも地域の事情を汲まない一斉休校や非常事態宣言を出す意味はどこにあったのか。
    安倍氏亡き今となってはそれを確かめるためには関係者の記憶や議事録等に頼るしかないけれど、
    同じ轍を踏まないために、“説明”を求め続けたいし、自分も自身のリーダーとして何があったか、その時どう考え行動したかを忘れないようにしたい。


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    2024年07月12日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    テーマが深く、集中して読まないと筆者の言いたいことがなかなか頭に入ってこない。が、それは単に読者の私の集中力のせいであり、すぐに頭に仕掛かり中や納期に迫られる仕事に神経がついてしまう様な私には合わなかった。だが、本書のテーマは冒頭申し上げた様に深く考えさせられるものだ。
    もし私が何らかの病気を患い、明日死の宣告を受けたらこれまでの自分の人生を振り返り、良かった、充実した人生だったと納得がいくだろうか。まだやり足りないことが沢山あり、ここで死ぬのは嫌だと最後まで治療法を探し生に執着するだろうか。読み終わった瞬間に頭を過ったのはこの思いだった。私が生きている上で、仕事でもプライベートでも様々な人(

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    2024年01月14日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。

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    2023年10月04日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
    この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝

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    2023年04月28日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    難しいテーマを平易に描いてる。はずだがそれでも私には難しい。
    統計学的人間観はとても大切。だが取り扱い方が上手い人は少ない。長生きすれば幸せなのか、には答えられないので。
    正しく恐れる、って時に弊害生むのね
    自分らしさ、は周囲の環境があって初めて決まる。観測するから、何が他者に比べユニークかがわかる

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    2023年04月23日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    教授にお薦めされて。
    少なからず、自分には「痩せて承認欲求を満たしたい」と思う心があるから読んでみた。

    「選ばれる側の女同士の競い合い」からくるダイエットや、そのキリの無い競争から抜けるためには「大人になる」必要がある、という話が印象に残った。

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    2022年11月08日