磯野真穂のレビュー一覧

  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    ・痩せている方が絶対的に良い
    ・痩せ型の人は自己管理が出来ており、肥満の人は出来ていない

    そんな考えは自分の中から生まれたと思っていたが、社会からそう思わされていたという視点に気持ちが楽になった。勿論健康を害するほどの肥満は問題ではあるが。

    また、社会が「自分らしさ」を推奨する一方で
    承認欲求が低い(ように見える)人を賞賛する傾向にあり、それらが相反する事柄である旨を適切に言語化していたのも興味深かった。

    最も衝撃を受けたのは予防医学に関する記述である。予防医学は病気になっていない人の身体に積極的に干渉し、病気の原因が自己管理不足にあるという考え方を促進する恐れがあるという点だ。予防医学

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    2020年05月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    愛の本より、愛の本だし、友情の本より友情の本だし、哲学の本より、哲学の本だ。
    言葉を通じて、知性というものが、人生にもたらす素朴で深くて美しい意味を持つことを教えてくれる。
    堅苦しい学問の壁を軽々と超えて、出会い、ほとばしる。
    誰かと出会い、誰かと生きるって、最高だな。

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    2026年06月25日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。

    今、まさに摂食障害に悩んでいる10代20代の人たちにもいいと思うし、日々のSNS演出に疲れた大人たちにもいいと思う。他者から「よびかけられる」ことで自分を認識する、タグ付けの関係、点としての人間関係からラインとしての人間関係の構築へ。食べることは生きること、生きることは人と関わること。

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    2019年11月27日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    経済学などの観点から医療を分析した本は
    これまでもあったが、文化人類学からの
    アプローチ。

    現代の、必ずしも「治すための医療」とは異なる
    医療が生み出す、複雑な局面を切り取る
    意欲作。

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    2017年09月03日
  • 急に具合が悪くなる

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    2026年10冊目
    旅の方法と、コミュニケーションの方法を重ねて、会話がどんどん深くなっていく流れがとても興味深かった。濱口監督がこだわる、「偶然」や「運命」を掘り下げて考え続ける素晴らしい書簡だった。

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    2026年06月29日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画が先です。
    本は抽象的な表現が多く字面をすべり読みしてなんとか。自分ごとに当てはめられることもあるようなことも。フワフワした感想しか書けない。

    演出家と介護施設のディレクターという設定にした濱口監督の発想に改めて感心する。
    抽象的な表現が多くあり消化しきれてないが「魂の分け合い」、確かに。

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    2026年06月27日
  • 急に具合が悪くなる

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    九鬼修造すごいな。原始偶然や、間主体性の開示により根源的社会性を構成するのくだりなど、フランス現代思想っぽい。映画も観たい。

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    2026年06月24日
  • 急に具合が悪くなる

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    濱口竜介監督の最新映画公開にあわせて拝読。
    カンヌで女優賞を受賞したニュースを見た時、面白いタイトルだなと思うとともに、原作があると知り気になって予約した。

    本書はイベント開催をきっかけに出会った2人の往復書簡をそのまま載せたものである。
    死というのは誰もがいずれ経験するものであるが同時に、健康なうちは身近なものとしては認識しづらい。著者のひとり、宮野さんは自分ががん患者としていつ具合が悪くなりどれくらい余命があるかもわからないという状況だからこそ、そうした目線から語られることは学ぶべき点も多かった。
    特に、患者という属性についての話。宮野さんは患者でありながら、患者という属性以外にちゃんと

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    2026年06月23日
  • 急に具合が悪くなる

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    偶然なんて存在しないと思っていた。

    けれど本書を読んでいると、必然には勇気と覚悟と偶然が必要で、そうして初めて必然になるのだと感じた。だから偶然は存在し得るのだ。

    まるで マルティン・ハイデガー や 九鬼周造 の哲学が、驚くほどわかりやすく言語化されているようだった。

    そしてそれが往復書簡という体をなしているのがまた凄い。

    『急に具合が悪くなる』とは、本来は偶然ではなく必然の出来事なのだろう。けれど、その出来事をどこかで偶然と思い込みたい。そんな希望が、この本全体に通低音のように鳴り続けている

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    2026年06月20日
  • 急に具合が悪くなる

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    偶然を必然として引き受ける覚悟について。

    約束とは死の可能性や無責任さを含んだうえで、本来とれるはずのない決定的態度をそれでも今表明すること。未来であり、あなたへの信頼が約束のベースであり、運命を手繰り寄せるのだということ。

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    2026年06月15日
  • 急に具合が悪くなる

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    ネタバレ

    カンヌ国際映画祭で話題になった映画の原作本。哲学者の宮野真生子さんと文化人類学者の磯野真穂さんが交わした往復書簡。
    宮野さんは乳がんを患っており、その病気が進行していく中で、『急に具合が悪くなるかもしれない』ことを軸に「生きること」「死ぬこと」「病気になること」「他人との関係」などについて二人が率直に語り合っていた。読む前から宮野さんが42歳の若さで亡くなっていたことは知っていたので、闘病記的なものかな、と思っていたら全然違ってて、人はどうやって他者と生きるのか、みたいな内容だった。ただ、哲学者と文化人類学者のやりとりだけあって、文章が難しかった。
    しかしながら全体を通して医療従事者との関わり

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    2026年06月15日
  • 急に具合が悪くなる

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    ネタバレ

    濱口竜介監督の映画が話題で読んでみた。末期がんを患う哲学者と医療人類学者の、死の1−3か月前の往復書簡。磯野真穂さんといえば、「コロナ禍と出会い直す」が話題で、医療者の常識に対して医療人類学の観点から批判的に捉えている人だと思っていたが、本作はとても面白かった。どうしても出版されているものなので綺麗事に感じるやり取りも多かったのだけれど、明らかに具合が悪そうな人を目の前にした際に、私達が陥るアンタッチャブルなコミュニケーション不全を分析し、その先へと思索を重ねていく往復書簡はとても臨場感があって、ライン=動的な応酬であった。濱口監督の映画の中で、どのように表現されているのか、映像の中に宿る表現

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    2026年06月08日
  • 急に具合が悪くなる

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    乳がん末期の哲学者と文化人類学者の往復書簡。
    少し前にポッドキャストエキスポというイベントに行き、たまたま磯野さんがお話しされいるのを聴いたのだがそれが面白かった。その後に興味を持ち磯野さんのポッドキャスト、からだのシューレを聴いてみたところ、本が映画化されカンヌ映画祭で賞を獲ったというお話をされていた。気になって読んでみた。
    哲学者の視点で、患者になりきってしまうことへの抵抗、出会いのこと、死に接しても未来を見て生きること、お互いの関係性の大切さが書かれていた。宮野さんの専門である偶然性を軸に、偶然であるが故に、出会いとは、生きるとはなんなのかということが書かれていた。
    時間が限られて来てい

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    2026年06月07日
  • 急に具合が悪くなる

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    先月のカンヌ国際映画祭で女優賞を獲った「急に具合が悪くなる」の原作本です。
    がん患者で哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんによる10回の往復書簡、そこには鬼気迫るものがあった。この映画、絶対見てみたい。

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    2026年06月06日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    神保町の共同書店「PASSAGE」でたまたま出会った本。ケアに関心があったので読んでみようと購入。独特の文体で最初は少し読みづらさを感じたが、中身はとても面白い。「人を動かす力は暗喩より直喩」とか、「思考と感覚の二分法をこわすというより両者を貫通し、往来すること」とか、「"自分らしい"には社会的承認が必要」とか、唸るような気づきが詰まっていた。その先の「私たちらしさ」とはなにか。魂や運命を言葉でうまく表現しているのも素晴らしい。対話しても面白そうな本。

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    2025年11月24日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    私はシンデレラ体重とは程遠く、何ならちょっと肥満寄りの体型になりかけている今日この頃だが、なぜだか今まであまり痩せたいと思ったことがなく、真剣に痩せる努力をしたこともなかったので、終始ピンとこないことも多かった。世の若い女性たちはそれほどまでに痩せたいと思っている、いや思わされているのか…

    医療文化人類学者の磯野真穂さんのご著書(共著も含む)は3冊目になる。ちくまプラマー新書ということもあり、健康を害するほどに痩せたがる若い女の子たちに向けて諭すように書かれている。

    他者から承認され「選ばれる」ために未成熟な「かわいい」にとどまろうとせず、早くから大人になることを怖がらないでほしいと語る著

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    2025年11月24日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    面白かった。やや、難しい書き方も多かったけれど。自分的に言い換えれば、「生きることの密度はどのようにして決まりうるのか」というテーマなのかなと思う。

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    2025年08月31日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    面白かった。
    思考法の転換がいかに大事であるか最近実感している。
    インターネットが普及したことによって、点としての他者と自分という側面が顕著になっている節があると感じる。広い社会では点として人を認識しないと色々と手間であり、多様な他者を理解するのは時間がかかる。数字や客観的な肩書きで個人を「タグ付け」した方が楽である。
    しかし、私たちはそのような社会の中で家族や友人に限らず、リアルで具体的な関わりの関係を築く。この中では「ラインを描く」ことを意識しやすいのではないか。そして、そのような関係が私たちの日々をつくる。
    食べ物にまつわる摂食障害にまつわる、根本的な問題ついて、深く知ることが出来た。

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    2025年04月22日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    医療者も悩みながら目の前の患者さんに対応してること、丁寧に描かれていました。
    とても読み応えのある内容、おすすめです。

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    2024年11月21日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

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    「「責任を取る」とは、なぜ自分がそれをやったかを説明できることだと思う」
    介護施設いろ葉の施設長の言葉からは、責任者としての覚悟がひしひしと伝わってくるが、果たして当時、日本の国としてのリーダーにその“覚悟”は有ったのだろうか。そもそも地域の事情を汲まない一斉休校や非常事態宣言を出す意味はどこにあったのか。
    安倍氏亡き今となってはそれを確かめるためには関係者の記憶や議事録等に頼るしかないけれど、
    同じ轍を踏まないために、“説明”を求め続けたいし、自分も自身のリーダーとして何があったか、その時どう考え行動したかを忘れないようにしたい。


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    2024年07月12日