磯野真穂のレビュー一覧

  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    ネタバレ

    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにもあるように現金給付は一律じゃなくてもよかったんじゃないかと思う。ブレイディみかこさんのページにあるように普段質問しなかった子がオンラインだと質問するようになったみたいな予想していなかった変化は今後も起こるだろう。

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    2020年09月22日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    摂食障害に造詣の深い筆者の作だったので購入しました。
    しかし、読んでみると摂食障害の方はもちろん、現代社会に生きる全ての人々に向けられた本でした。
    個性的であれ、と言いながら、自由に振る舞うと、わがままだ、うざい、と疎まれる。
    周りからの評価に晒され、苦しんでいる全ての人々について書かれた本です。
    体重を気にしている方々にも「食事を数字で考え始めたら要注意」など重要な助言がたくさんあります。
    ぜひお手にとって、読んでみて下さい。

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    2020年09月07日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    ・痩せている方が絶対的に良い
    ・痩せ型の人は自己管理が出来ており、肥満の人は出来ていない

    そんな考えは自分の中から生まれたと思っていたが、社会からそう思わされていたという視点に気持ちが楽になった。勿論健康を害するほどの肥満は問題ではあるが。

    また、社会が「自分らしさ」を推奨する一方で
    承認欲求が低い(ように見える)人を賞賛する傾向にあり、それらが相反する事柄である旨を適切に言語化していたのも興味深かった。

    最も衝撃を受けたのは予防医学に関する記述である。予防医学は病気になっていない人の身体に積極的に干渉し、病気の原因が自己管理不足にあるという考え方を促進する恐れがあるという点だ。予防医学

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    2020年05月24日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。

    今、まさに摂食障害に悩んでいる10代20代の人たちにもいいと思うし、日々のSNS演出に疲れた大人たちにもいいと思う。他者から「よびかけられる」ことで自分を認識する、タグ付けの関係、点としての人間関係からラインとしての人間関係の構築へ。食べることは生きること、生きることは人と関わること。

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    2019年11月27日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    経済学などの観点から医療を分析した本は
    これまでもあったが、文化人類学からの
    アプローチ。

    現代の、必ずしも「治すための医療」とは異なる
    医療が生み出す、複雑な局面を切り取る
    意欲作。

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    2017年09月03日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画が先、この本が後。

    読んだら哲学と人類学。
    でも自分にはミステリー。
    だって、映画とは全然違うやりとりが展開しててガクッ。
    監督の頭の中は監督自身のテリトリー。

    何がどうなってあの素晴らしい脚本になった?


    ……自分、不器用なんで韻を踏むのはこのへんで限界です笑笑
    映画版にますます興味が湧きました。

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    2026年08月30日
  • 急に具合が悪くなる

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    私は長年病気を患っていて、でも付き合うしかない病気でありこのままこの苦痛を毎日感じながら生きていくことにたまに絶望的な気持ちになっている。
    だが私を間近に捉えたことがなく、死について頻繁に考えるが死が近付いていると感じたこともないので、壮絶な命に纏わる書簡だと思った。
    これは当事者にならないと分からない感覚なのだろうなと思った。
    確かに私も急に具合が悪くなることはあるし、仕事上だったらそれを伝えたら私はその仕事から外されるだろう(その人がいないと始まらない仕事をしてない人は皆そうだろう)。プライベートでそれを伝えたら「じゃあリスケする?」となるだろうけど、リスケした所で代案日が大丈夫な保証はな

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    2026年08月20日
  • 急に具合が悪くなる

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    映画がよかったので原作も手に取ってみたところ、かなり別物!映画はこの本に影響を受けたのかもだけど、原作がこれとは言わなくていいのではと思ったほど。
    もちろん本がよくないわけではなく、別の良さって感じだった。

    ガン闘病をする哲学者である宮野さんと、人類学者の磯野さんが、往復書簡を交わしながら、生きるということを突き詰めていく。
    宮野さんは、「一人の打算ではなく、多くの点たちが降り立つ世界を想像し、遠い未来を思いやること、そのとき、私たちは初めてこの世界に参加し、ラインを引き、生きていくことができるのではないでしょうか」と言う。
    これは最近読んだ利他についての本の考えにもつながるなと思った。届く

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    2026年08月17日
  • 急に具合が悪くなる

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    また読みたいと思える本。

    病を負い「急に具合が悪くなる」可能性があると告げられた哲学者と、人類学者の書簡の記録。

    病状が進むにつれて、書簡の内容に深みが増してゆきまるで5年ほどの歳月にかけたやり取りをみている気がした。
    実際は数ヶ月にわたる10回のやり取りだった。

    死を宣告された人の葛藤や、人との関わり方、
    生き方全てが詰まっている本。

    また読み直したい。

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    2026年08月16日
  • 急に具合が悪くなる

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    哲学者と人類学者の会話の文章が難しくて理解不能ながらなんとなくで読み進めた。そんな事をこんなに深く考える必要ってあるのかなぁとかその答えを出してどうなるのとか色々思った。でも最後のよくわからないけど直感的みたいな事でそうでしょって腑に落ちた。本気の選択は、目の前に二又の道があっても行く道は一本しか見えない。

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    2026年08月10日
  • 急に具合が悪くなる

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    ネタバレ


    - ヘルスケアシステムの構造は政治(国家や個人)と宗教の構造とも似ていて、国家を信頼できないと宗教に縋る(というよりもこれは両立できるが)という民族セクター的な役割があるように思う
    - 選ぶことは一見合理的に自分が選択しているようで、実はそのように合理的に選択できてると思わせるような社会システムになっているという点は、今後aiが発達しそこにエビデンスを求めるようになってくるとより顕著になるし、massive attackのライブを見て改めて感じだが、アルゴリズムによってインプットされる情報に偏りが出るとこれは全て私の意思とは言えないし、そういったaiやアルゴリズムに塗れた人たちと関われば、脱

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    2026年08月04日
  • 急に具合が悪くなる

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    宮野真生子さんの本を読み、偶然性とは何かを考えた。人は生まれてから死ぬまで、無数の選択の中を生きている。その一つひとつは、別のあり方もありえたはずのもので、決められた必然などほとんど存在しないのではないか。

     私自身、国試浪人を経験し、失敗が続いたとき、もう人生は終わったと本気で思った。看護師に向いていないのではと悩んだ。だが今、十数年目を迎えている。あの失敗は、振り返れば人生の一つの点でしかなかった。そこから私は自由な選択をいくつも重ね、その積み重ねが今の自分になっている。決して楽な現状ではないけれど、どうにか生きてこられたという手応えが、静かな自信になっている。

     意味は出来事そのもの

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    2026年08月02日
  • 急に具合が悪くなる

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    かわいい表紙を本屋さんで見つけ、気になっていた本。カンヌ映画祭で主演の岡本多緒さんが最優秀女優賞を受賞されたので読んでみました。
    かわいい表紙とは裏腹に、私には少し難しくて、さっと読んだだけでは理解できませんでした。
    それでも宮野さんの『エース』としての毅然とした哲学と磯野さんの『妹』としての真っすぐな熱い思いを感じ、『偶然』や『約束』についてもっと知りたいと思いました。
    最後の最後まで誇り高く哲学に向き合う宮野さんの姿に心が打たれました。

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    2026年08月01日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    神保町の共同書店「PASSAGE」でたまたま出会った本。ケアに関心があったので読んでみようと購入。独特の文体で最初は少し読みづらさを感じたが、中身はとても面白い。「人を動かす力は暗喩より直喩」とか、「思考と感覚の二分法をこわすというより両者を貫通し、往来すること」とか、「"自分らしい"には社会的承認が必要」とか、唸るような気づきが詰まっていた。その先の「私たちらしさ」とはなにか。魂や運命を言葉でうまく表現しているのも素晴らしい。対話しても面白そうな本。

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    2025年11月24日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    私はシンデレラ体重とは程遠く、何ならちょっと肥満寄りの体型になりかけている今日この頃だが、なぜだか今まであまり痩せたいと思ったことがなく、真剣に痩せる努力をしたこともなかったので、終始ピンとこないことも多かった。世の若い女性たちはそれほどまでに痩せたいと思っている、いや思わされているのか…

    医療文化人類学者の磯野真穂さんのご著書(共著も含む)は3冊目になる。ちくまプラマー新書ということもあり、健康を害するほどに痩せたがる若い女の子たちに向けて諭すように書かれている。

    他者から承認され「選ばれる」ために未成熟な「かわいい」にとどまろうとせず、早くから大人になることを怖がらないでほしいと語る著

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    2025年11月24日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    面白かった。やや、難しい書き方も多かったけれど。自分的に言い換えれば、「生きることの密度はどのようにして決まりうるのか」というテーマなのかなと思う。

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    2025年08月31日
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること

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    面白かった。
    思考法の転換がいかに大事であるか最近実感している。
    インターネットが普及したことによって、点としての他者と自分という側面が顕著になっている節があると感じる。広い社会では点として人を認識しないと色々と手間であり、多様な他者を理解するのは時間がかかる。数字や客観的な肩書きで個人を「タグ付け」した方が楽である。
    しかし、私たちはそのような社会の中で家族や友人に限らず、リアルで具体的な関わりの関係を築く。この中では「ラインを描く」ことを意識しやすいのではないか。そして、そのような関係が私たちの日々をつくる。
    食べ物にまつわる摂食障害にまつわる、根本的な問題ついて、深く知ることが出来た。

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    2025年04月22日
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学

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    医療者も悩みながら目の前の患者さんに対応してること、丁寧に描かれていました。
    とても読み応えのある内容、おすすめです。

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    2024年11月21日
  • コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート

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    「「責任を取る」とは、なぜ自分がそれをやったかを説明できることだと思う」
    介護施設いろ葉の施設長の言葉からは、責任者としての覚悟がひしひしと伝わってくるが、果たして当時、日本の国としてのリーダーにその“覚悟”は有ったのだろうか。そもそも地域の事情を汲まない一斉休校や非常事態宣言を出す意味はどこにあったのか。
    安倍氏亡き今となってはそれを確かめるためには関係者の記憶や議事録等に頼るしかないけれど、
    同じ轍を踏まないために、“説明”を求め続けたいし、自分も自身のリーダーとして何があったか、その時どう考え行動したかを忘れないようにしたい。


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    2024年07月12日
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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    テーマが深く、集中して読まないと筆者の言いたいことがなかなか頭に入ってこない。が、それは単に読者の私の集中力のせいであり、すぐに頭に仕掛かり中や納期に迫られる仕事に神経がついてしまう様な私には合わなかった。だが、本書のテーマは冒頭申し上げた様に深く考えさせられるものだ。
    もし私が何らかの病気を患い、明日死の宣告を受けたらこれまでの自分の人生を振り返り、良かった、充実した人生だったと納得がいくだろうか。まだやり足りないことが沢山あり、ここで死ぬのは嫌だと最後まで治療法を探し生に執着するだろうか。読み終わった瞬間に頭を過ったのはこの思いだった。私が生きている上で、仕事でもプライベートでも様々な人(

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    2024年01月14日