磯野真穂のレビュー一覧

  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    全国の思春期の女の子に配りたい。

    やせたい気持ちを否定するのではなく、
    「どう付き合っていくか」という切り口なのが好き。
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    この本の素晴らしさは後書きにあると思う。本書を購入された際に後書きを見てほしいが、ここでは簡単なサマリを備忘録的に残しておく。

    人は相互理解をスムーズにするために共通規範を導入し、お互いの意思疎通で齟齬が生じないように調整している。例えば、ビジネスメールでは「いつもお世話になっております」と冒頭に...続きを読む
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    20年前の自分に読ませていたら、頼りないタグを追い求めることにエネルギーを消費せず、踏み跡を刻む他者との出会に目を開くことができたのではないか。

    とはいえ、今の自分を振り返れば唯一無二の私のラインがそこに確実にあり、そのムダの多いうねった線にも愛着を感じられるくらいの年の取り方ができていると気づく...続きを読む
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    物事を簡単に語って済ませてしまわない知性。
    何度も読み返してみたい。そんな本との出逢いに感謝します。
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    他者の視線がわたしの身体に入り込む

    タグ付けする関係性を越えるには
    タグ付けする関係性に飛び込み、そこから共にラインを引く関係性を構築して行くこと

    わたしらしさにも、他者の承認が必要ということにもたしかにと思う。

    奇しくも同時に読んでいた「ナチスのキッチン」とも共通点を見いだす。
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学
    医療人類学者・磯野真穂さんの著書。インタビューを通して、医療者の苦悩や葛藤が描かれていて、人類学的視点から考察されている。

    特に気になったのは、医学と医療の違い、そして「患者中心の医療」のこと。

    ・・・

    p163 「医療者の仕事の根幹は、モノとしての人間を徹底的に標準化することで体系づけられた...続きを読む
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    良書。ターニングポイントで読み返したい一冊。「自分らしさ」の考察は、先日読んだ『ダイエット幻想』の内容から発展したもの。日本人の遺体に対する考えに関する項では、原爆で亡くなった曽祖父と大叔母を「火葬できた」事に感謝していた曾祖母の言葉を思い出した。
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    ダイエットがテーマではあるが、文化人類学の見地から、他者との関わり方、自分とは何か、幅広い思考の手助けとなる良書。昨今のコロナ専門家との距離感の参考にもなる。
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    優しくて、丁寧な内容だった。「正しく考える」「正しく生きる」ということを少しでも窮屈に感じたことがある人であれば、読むことで少し自由になる(これまで立脚していた点が、さまざまある点のうちの一つに過ぎず、他にも立脚できる点があることがわかる)のでないかと思った。

    情報経験だけでなく直接経験を多く持ち...続きを読む
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    他者と関わりながら生きるとは、どういうことなのか?
    一見当たり前のような問いの本質は、人間とは?生きるとは?という人生観につながってる。
    本書では様々な事例を元に、この哲学的な問いに丁寧な補助線が引かれていく。
    医療における私たちが感じる選択の難しさや、様々な文化を持つ民族の考え方、コロナ禍で日々私...続きを読む
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    この本は、全体を通して「手ざわり」がテーマになっていると思います。
    まず、ひとりの医師としてこの本を読んで、自分は目の前の患者の生活を過度に医療化してしまっていないだろうかと、振り返るきっかけになった。エビデンスや統計学的情報を絶対的「正しさ」として振りかざして、その人のもつ経験や物語、「手ざわり」...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにも...続きを読む
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    摂食障害に造詣の深い筆者の作だったので購入しました。
    しかし、読んでみると摂食障害の方はもちろん、現代社会に生きる全ての人々に向けられた本でした。
    個性的であれ、と言いながら、自由に振る舞うと、わがままだ、うざい、と疎まれる。
    周りからの評価に晒され、苦しんでいる全ての人々について書かれた本です。
    ...続きを読む
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    ・痩せている方が絶対的に良い
    ・痩せ型の人は自己管理が出来ており、肥満の人は出来ていない

    そんな考えは自分の中から生まれたと思っていたが、社会からそう思わされていたという視点に気持ちが楽になった。勿論健康を害するほどの肥満は問題ではあるが。

    また、社会が「自分らしさ」を推奨する一方で
    承認欲求が...続きを読む
  • ダイエット幻想 ──やせること、愛されること
    夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。

    今、まさに摂食障害に悩ん...続きを読む
  • 医療者が語る答えなき世界 ──「いのちの守り人」の人類学
    経済学などの観点から医療を分析した本は
    これまでもあったが、文化人類学からの
    アプローチ。

    現代の、必ずしも「治すための医療」とは異なる
    医療が生み出す、複雑な局面を切り取る
    意欲作。
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    テーマが深く、集中して読まないと筆者の言いたいことがなかなか頭に入ってこない。が、それは単に読者の私の集中力のせいであり、すぐに頭に仕掛かり中や納期に迫られる仕事に神経がついてしまう様な私には合わなかった。だが、本書のテーマは冒頭申し上げた様に深く考えさせられるものだ。
    もし私が何らかの病気を患い、...続きを読む
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    コロナ禍の数年前、未来がわからない時に書かれた文章を一応社会が再び動き出した時に読む。そこには色々な気づきがあると思いました。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
    この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そ...続きを読む
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    難しいテーマを平易に描いてる。はずだがそれでも私には難しい。
    統計学的人間観はとても大切。だが取り扱い方が上手い人は少ない。長生きすれば幸せなのか、には答えられないので。
    正しく恐れる、って時に弊害生むのね
    自分らしさ、は周囲の環境があって初めて決まる。観測するから、何が他者に比べユニークかがわかる...続きを読む