磯野真穂のレビュー一覧
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この本を通じて、私はコロナ禍での日本社会の対応が、どれだけ多くの混乱や不確実性を生んだかを再確認しました。県外リスクの指摘やアクリル板の設置、さらには国民の気の緩みが感染拡大を招いたという論調など。様々な対策や指導が行われましたが、それらが果たしてどれほど有効だったのか。
日本人がそのような状況下で、身体的に「基本だ」とすり込まれた行動様式は、理論や合理的な考えが入り込む余地を失わせ、感情や不安に基づく対応が優先されるようになったのではないかと感じました。
さらに、「あなたの無自覚な行動が人を殺す」というフレーズが、まことしやかな説得力があり、戦時中の日本国民の感情と重なる部分があると感じま -
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この本の素晴らしさは後書きにあると思う。本書を購入された際に後書きを見てほしいが、ここでは簡単なサマリを備忘録的に残しておく。
人は相互理解をスムーズにするために共通規範を導入し、お互いの意思疎通で齟齬が生じないように調整している。例えば、ビジネスメールでは「いつもお世話になっております」と冒頭に書くのがマナーになっているが、この一文があるだけで「私はちゃんとビジネスマナーを分かってますよ」と相手に伝えるシグナルになり、相互理解を円滑にするきっかけになっている。そして、共通規範はコミュニケーションの予測可能性を与える。ビジネスメールのフォーマットが決まっているから、読み手は簡単に内容を理解で -
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医療人類学者・磯野真穂さんの著書。インタビューを通して、医療者の苦悩や葛藤が描かれていて、人類学的視点から考察されている。
特に気になったのは、医学と医療の違い、そして「患者中心の医療」のこと。
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p163 「医療者の仕事の根幹は、モノとしての人間を徹底的に標準化することで体系づけられた医学という知を、それぞれの患者の人生にもっとも望ましい形でつなぎ合わせ、オーダーメイドの新しい知を患者と共に作り出していくことにある。」
p164 「医療者の仕事は医学を医療に変換すること。」
まさにこれは患者中心の医療のことじゃないかと思って読み進めると、やはりエピローグにもまとめられていた。 -
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優しくて、丁寧な内容だった。「正しく考える」「正しく生きる」ということを少しでも窮屈に感じたことがある人であれば、読むことで少し自由になる(これまで立脚していた点が、さまざまある点のうちの一つに過ぎず、他にも立脚できる点があることがわかる)のでないかと思った。
情報経験だけでなく直接経験を多く持ちたくなった。また、内心怯えながらでも、多くのものや人に出会い続けて、ラインを積極的に引き続けていきたいと感じた。
個人的な備忘のために以下少し要約を記載。
味わい深い内容なので、また読み直したい。
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「自分らしさ」と聞くと一般的には、自らの内部にある考えや思い -
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・痩せている方が絶対的に良い
・痩せ型の人は自己管理が出来ており、肥満の人は出来ていない
そんな考えは自分の中から生まれたと思っていたが、社会からそう思わされていたという視点に気持ちが楽になった。勿論健康を害するほどの肥満は問題ではあるが。
また、社会が「自分らしさ」を推奨する一方で
承認欲求が低い(ように見える)人を賞賛する傾向にあり、それらが相反する事柄である旨を適切に言語化していたのも興味深かった。
最も衝撃を受けたのは予防医学に関する記述である。予防医学は病気になっていない人の身体に積極的に干渉し、病気の原因が自己管理不足にあるという考え方を促進する恐れがあるという点だ。予防医学 -
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夢中で読んだ。読みたいことがすべて書かれている、まさにjust for meな本。ダイエットというタイトルではあるけど、自分と他者との関係性、社会的まなざし、選び選ばれの構造、かわいいの定義、それでも人生には他者が必要ということが文化人類学的視点で丁寧に語られている名著。
今、まさに摂食障害に悩んでいる10代20代の人たちにもいいと思うし、日々のSNS演出に疲れた大人たちにもいいと思う。他者から「よびかけられる」ことで自分を認識する、タグ付けの関係、点としての人間関係からラインとしての人間関係の構築へ。食べることは生きること、生きることは人と関わること。 -
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乳がん末期の哲学者と文化人類学者の往復書簡。
少し前にポッドキャストエキスポというイベントに行き、たまたま磯野さんがお話しされいるのを聴いたのだがそれが面白かった。その後に興味を持ち磯野さんのポッドキャスト、からだのシューレを聴いてみたところ、本が映画化されカンヌ映画祭で賞を獲ったというお話をされていた。気になって読んでみた。
哲学者の視点で、患者になりきってしまうことへの抵抗、出会いのこと、死に接しても未来を見て生きること、お互いの関係性の大切さが書かれていた。宮野さんの専門である偶然性を軸に、偶然であるが故に、出会いとは、生きるとはなんなのかということが書かれていた。
時間が限られて来てい