片山杜秀のレビュー一覧

  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    数年前から全体主義について、ボチボチ読んでいるところ。きっかけは、トランプ大統領の就任とか、移民問題とか、ヨーロッパでのポピュリズム的な動きとか。

    まずは、全体主義が一番徹底していたと思われるナティスドイツを学んで、その後、共産主義国を経由して、日本にたどり着く予定だったのだが、ナティズムを読むな...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    大正期の健全な軍事ドクトリンが存在した日本陸軍がいかに変容して堕ちていく様を、実に分かり易く紹介されてますな。酒井鎬次みたいなマイナーだけど超有能な将官とかの紹介があるのは実に面白い。
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    石原莞爾 「持たざる国日本の世界戦略」満州国を育て世界最終戦争に備える
    満州でソ連経済をモデルに高度成長を実現 日本の資源・産業基地

    明治政府の制度設計の誤り
    元老による属人的な国家運営 組織ではなく個人に依存 
    兼務体制 伊藤博文 東條英機

    シェリーフェン戦略(独参謀総長) 短期決戦主義→早期...続きを読む
  • 国の死に方
    国の死に方 (新潮新書)
    (和書)2013年07月27日 23:24
    片山 杜秀 新潮社 2012年12月15日


    地震 津波 原発事故 の三重苦の日本において

    大日本帝国が滅び、そして日本国が滅ぼうとしているのではないか!ということが書かれている。

    僕は、国が滅んでも人間は残ると思っている。...続きを読む
  • 革命と戦争のクラシック音楽史
    著者の専門分野である政治思想史と音楽を重ね合わせたもので、世界史の頭の中の再整理もできて非常に面白い。
    オスマン・トルコの影響は、言われてみるとそのとおりだが、見落としがちの視点。
  • 平成音楽史
    小澤評に大笑い。
    オペラなんか得意そうじゃないのに国立歌劇場の音楽監督に平気でなっちゃう、とか、言ってはいけないことを平気で言っちゃってます。
    つか、あれって、ニューイヤーの商業的成功はさておき、誰も幸せにならない大失敗プロジェクトじゃなかったんですかねぇ。
    五族協和の体現者、ってのも、虚構でしかな...続きを読む
  • 現代に生きるファシズム(小学館新書)
    p160の「念力主義」は、確かにねぇ、と笑ってしまった。

    頭が足りない奴に限って、他人に向かって「気合いが足りん」とか言うんだよな…
    そこで一言、「だったらお前がやって見せろ」は、未完のファシズムでは最大の禁句だ、と…
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
     至高の芸術のシンボルと考えられるクラシック音楽も実は世間の荒波にもまれてできあがったものであることをこの本は分かりやすく示してくれた。結果としてクラシック音楽に親しみを持てるようになったのがこの本を読んだ収穫といえる。
     またこれはヨーロッパの中世から近代に至る思想史や思潮と言ったものを概観するの...続きを読む
  • 現代に生きるファシズム(小学館新書)
     ファシズムに関する対談本。

     「ファシズム」と「ナチズム」の違いについては初見。ファシズムが普遍性を持つのに対して、ナチズムはあくまで土着的。ファシズムほどの広がりは持たない、との事。

     さらに、情勢判断・決断に対して合理的思考ではなく、美を基準にしてしまうと甚大な被害を招く、という点にはハッ...続きを読む
  • 平成音楽史
    片山さんと山崎さんの会話がリアルで聞こえてくる。声を出して笑ってしまった。
    このお二人ならではのオフレコ談義、自分自身の平成音楽史も振り返ってみることとなる。
  • 平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム
    片山杜秀氏が相変わらずの切れ味を発揮。

    良質で安価な労働力を際限なく求める資本主義と、そこに国民を参加させるための仕掛けとしての民主主義は足並みをそろえてきた。という論。
    グローバリズムと国民国家は対立する、という論調を片山氏は採っていない。

    でも、もうわが国(というか世界どこでも)、国家は成長...続きを読む
  • 歴史という教養
     歴史に学べとはよく言う常套句だが、学び方にも様々ある。温故知新こそが肝要というのが本書の主張だ。
     過去を美化しすぎたり、逆に矮小化して発展史観の具としたり、はたまた運命論のごとき諦念の材料とすることは筆者に言わせれば教養ではないのだという。過去は繰り返さないし、そこに理想があるわけでも、古代生物...続きを読む
  • 平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム
    【幕引きに思う】数多くの災害等に見舞われ、「平らかに成る」という意味とは異なる様相を見せた感のある平成。波乱に満ちたその時代を精神史という形で描き出した作品です。著者は、音楽評論家としても活躍する片山杜秀。

    平成、そしてその後の時代に対してもかなり悲観的な見方になっているのですが、憂世の文章にはな...続きを読む
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 「五箇条の誓文」で解く日本史
    五箇条のご誓文からデモクラシーやグローバル化への対処に議論を繋げ天皇制故に元老不在では決められない政治と政治不信が広がり民主主義は治安維持法とセットでないと展開出来ず背伸びしては自滅的になる日本人を描く。筆者の他の作品のまとめっぽくて面白い。
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    勝てるはずのない戦争に突入したのは、日本軍の過剰な精神主義が原因、との通念に違う角度から光を当てる本。

    ヨーロッパが焦土と化した第1次世界大戦。日本は日露戦争の教訓を生かし、兵士を無駄死にさせない最先端の砲撃戦を実践していた。本来は物量戦が望ましい。それはわかっている。しかし「持たざる国」日本では...続きを読む
  • 平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム
    本書は『平成精神史』という題名だが、内容に関しては「思想史的な観方で考えてみる平成」ということになるのだと思った。

    後から振り返って好い時代でも好くない時代でも、とりあえず生きて来た訳だ…過ぎた時代は「こうだったのではないか?」と考える対象になるばかりのことだが、次の時代は未だ何がどうなるか、自身...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
     太平洋戦争における日本軍の「バンザイ突撃」や「玉砕」に見られる非合理的な精神論主義は一体どこから来たのか。

     それを知りたければ本書を読みなさいということであるが、レビューに当たりざっくりと、本当にざっくりと要約すれば以下の通りになる。

    ・戦争の本質をよくわからないまま日露戦争をがむしゃらに戦...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    なんでタイトルが「未完のファシズム」なのかと思ってたけど読んで納得した。
    日本人、まとまりない。w
    太平洋戦争については言わずもがなドラマやアニメ、漫画や小説にもなってるので
    はぁ~当時のお偉いさんはなんて全員バカだったんだ!と
    思ってたけど
    考えていたのね、それぞれだけど。
    ただ全くまとまらないと...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    「持たざる国」が「持てる国」に勝てないことは簡単な理屈。それは皇道派も統制派も皆分かっていたこと。満州事変のA級戦犯=石原莞爾ですら「持てる国」になるまで日本は戦争をしてはならないと考えていた。しかし思想的軍人は排斥され、いつしか「持たざる国」でも「持てる国」を怖気づかせることで勝ち目が出るという無...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...