片山杜秀のレビュー一覧
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ここ数年、精力的に執筆活動を加速させている片山杜秀氏。従来は主として音楽評論・政治評論を手掛けてきた(特に『未完のファシズム』が名高い)ので、本書のように単なる「政治」カテゴリーに収まらない――なんてったって西田幾多郎や小林秀雄までもが論及されている――ある種、畑違いの著作は珍しい気がする。
タイトル(ちなみに、この本のタイトルは、おそらく映画『12人の怒れる男』をもじったものだろう)にもあるように、この本は、11人の著名な思想家達を一章ずつ取り上げて、その代表的著作を丁寧に――しかし時には掻い摘みながら――紐解いて、彼らの思想の核心に迫っていく日本近現代思想の入門書である。似たような類書はい -
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吉田松陰。欧米列強は日本にたいして船など高額なもの売る。値は張るが、資金は貸してやるという。しかし借金が返せない場合、日本の土地に租借権を要求。部分的に植民地にしてしまう。徳川幕府は米と通商を結ぼうとしているが、隙あらば侵略を仕掛ける欧米列強のやり方に無防備すぎる。p.26 水戸学では日本を守るのは侍(エリート)であり愚民は反乱を起こさないよう統治するという発想だが、日本を守るためには身分関係なく教育しなければならない。p.28▼丸山まさお。天皇はヒトラーのような独裁者ではない。天皇は万世一系の血統で威光を発しているのでり、天皇自身が主体ではない。天皇は自らの意志によって何かをする気持ちがない
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4人の作家がそれぞれ宗教についての学びの深い本を1冊ずつ取りあげて紹介・解説している本。とりわけ各章末の考察欄が非常によい。
「宗教は社会や家庭と対話を重ねながら価値観をすり合わせて共に成熟していくことが重要」
「宗教に対して疑いがあって当然、逆に100%疑いがない方が危うい」
「信仰は信じる・信じないの間で揺れ動くが、離れられないと思った時に本物になっていく」
「論理を超えた妄信があるからこそ宗教と呼ぶ。」
「宗教には体感できる非日常性がなければならない。」
「念仏とは与えられるもの(与格的)であり、自分の無力さに絶望し祈ろうという気さえ起きないようなときに初めて他力が開かれる」
要約する -
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「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」、「歴史は繰り返される」など歴史を学ぶことの重要性を問う言葉や文面は多く存在する。私も学生時代は歴史の授業が好きで、大学は法学専攻だったが一年次は西洋史や宗教史などの授業が1番面白かったのを記憶している。歴史といえば山川出版の教科書に慣れ親しみ、用語集などは凡そ試験では過去大学入試出題頻度の最も低いレベルまで暗記したりしていた。歴史を学ぶなら日本史は自国の歴史を深く知るという点では馴染みやすく日本のよく知る地理と相まって、聖地巡礼とまではいかないが、旅行する際の一つの楽しみにできたりする。だが私は世界史が大好きだった。地球という広大な土地で地球の裏側で発生
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音楽評論家としてテレビに登場する片山杜秀氏。
本業は思想史研究であり、明治から戦後にわたって名を馳せた11人が選ばれ、著者が考察して本質に迫っていくスタイルをとる。吉田松陰から始まり丸山眞男までが論述されていくが、小林秀雄、西田幾太郎、丸山眞男が印象に残った。
小林秀雄曰く、何でも科学的に説明できると信じる人が増えると世の中はダメになる。わからないものはわからないまま直視する。理論に頼る無謬主義に警鐘を鳴らし、直観による判断、間違えたら修正する柔軟性を重視している。昨今の◯◯の壁といった、お互いに通じ合えない頑な傾向を喝破している。西田幾太郎は、純粋経験という概念で、事実に従って知る、理屈で分 -
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帯や紹介文には「最強の入門書」と銘打っているが、全く入門書ではない。切り口は、岡田史観と片山思想。この2人が書いた本を、何冊か読んでいない人にとっては敷居が高そうな内容だった。
私は岡田氏の本は数冊、片山氏の本は多く読んでいる。それらと比べると、落としどころやまとめ方が弱い。それは対談だからだ。対談では意見が異なる場合でも、自説を強く主張せず、双方の意見の中間点でまとめる傾向がある。
互いに主張をぶつけ合えば討論会のような面白さは生まれるが、その分、議論は収拾がつかなくなる。テレビ番組であればそれでもよいが、本では結論をまとめる必要がある。結果として強く言い切れず、妥協的な結論に落ち着き、全 -
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本書の元の記事は、2000年から2008年までレコ芸に連載していた「傑作!?問題作!?」である。その全100本の記事の内、前半の50本が「片山杜秀の本 1 音盤考現学」に、後半の50本が本書に納められている。
1枚のテーマ・ディスクに対する記事なので、落とし所は限られてくる。そういう場合でも、取り上げられている盤がもっと良いものであれば(作曲家、あるいは演奏家がもっと良いものだったら)、もっと面白い話が展開されたのではないかと思われ、もったいないというか、残念という様な気がした。つまり、たまにはテーマ・ディスクに、話題になった盤や、名演や名盤と言われる様な盤があれば、華やかな話題になったので -
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ネタバレ司馬遼太郎の「坂の上の雲」は、私の一番好きな本の一つです。(もっとも読んだのは大昔ですが・・・)
その本を月刊文藝春秋で、佐藤優と片山杜秀の対談で取り上げていたものが出版されたので、どんな対談か楽しみにして手にした次第です。
この「坂の上・・・」は筆者(司馬遼太郎)が、第4巻のあとがきで「この作品は、小説であるかどうか、じつに疑わしい」述べているように、通常の小説ではない。
通常の長編小説の延長線上で見れば、構成上の破綻があるし、その点では失敗作といえるかもしれないが、司馬の作品の中では「竜馬がゆく」に次いで人気が高く、累計で2000万部近く売れています。
何故かと言えば、読んだ人なら分かり