片山杜秀のレビュー一覧

  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―

    Posted by ブクログ

    日本が太平洋戦争に突入してしまった要因を、第一次世界大戦に求めて研究している。当時の軍人たちの思想や現実問題が絡み合い、なかなかにややこしい本。

    太平洋戦争突入は「軍部の暴走」で一括りにされることもあるが、実際はそんな単純な図式ではないということが語られる。資源を持たず、国力も大国に比べれば非常に弱い日本が、技術革新で物量が物を言う近代戦に精神性だけで勝てるはずがないと皆分かっていながらも、最終的には精神論や「玉砕」思想に偏ってしまっている。

    それにしても、宗教から派生して終末思想のような思考に飛び火し、それが戦争・戦術の動機づけになるようなエピソードがあり、日本でもかつてそんなことを考え

    0
    2026年07月20日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

    Posted by ブクログ

    「トッドの人類史入門」という意味不明なタイトルがついているが、本書の要諦は、その国の立場、ものの見方、考え方を、家族類型に基づいて紐解いた地政学といった感じ。あのクソロシア、おそロシアでさえ、彼らの道理に照らせば合理的な判断に見えてくる。合点がいっても、腑に落ちない(共感できない)というなんとも気持ち悪い読後感。ただ、この気持ち悪さを丸呑みできないと、外国と渡り合っていくことはできないということは理解できた。でも、気持ち悪い。やっぱり日本に定住させていい外国人は、この辺の気持ち悪さを踏まえて決めなくてはいけない。

    0
    2026年07月04日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

    Posted by ブクログ

    エマニュエル・トッドさんが来日された契機に、インタビュー、対談を行われた記録と、最新の著書などからの著者の思想についてまとめられています。戦争状態に近づいているかとみられている世の中についてのトッドさんの意見。人類学者としての視点。それを紹介される日本側からみた現在の世界について知ることができます。西洋といった見方では知ることができなく、地域としてのその家族構成とその類似点から導きだされる現状把握と未来の姿に、今までとは違った視点から世界を見ることの利点と必要性を感じさせられます。その視点からみた日本の現状と危険について知ることから、進むべき道と、進んではいけない道について考えることができます

    0
    2026年06月07日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

    Posted by ブクログ

    トッド人類学のおおまかな考えがわかって他の本のとっかかりとなった。
    西洋絶対主義を全否定しており、家族観に根付く人類学的観点から各国を捉えていて、面白い。

    0
    2026年04月28日
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる

    Posted by ブクログ

    タイトルにベートーヴェンとあるが、ベートーヴェンはちょこっとしかでてこない。この本は、あくまでも西洋史を辿りながら音楽史の変遷を語る本である。グレゴリア聖歌からワーグナーあたりまで。
    クラシック音楽は好きなので、音楽家の生きた時代を知ることは楽しい。ここ数年、歴史の本を少し多く読むようになったことで、前よりも音楽史の流れがわかるようになったこと(なった気がすること)は嬉しい。

    芸術ってやっぱり自己表現なんだなと改めて思う。創作者の内から滲み出てくるもの。自分ではコントロールできない衝動や、そのように作らざるを得ない感覚があるのではないか。
    そしてまた、その滲み出た自己表現はオリジナルであるよ

    0
    2026年01月30日
  • 歴史という教養

    Posted by ブクログ

    12月に入ると会社やらバンド仲間やら、学生時代の同級生やらと飲んではかりの忘年生活に入る。中学あたりの同級生ともなれば、会っても年に一回ぐらいだから、毎度の同じ話題を口にしていても、何だか新鮮で飽きも来ない(決してそれ以外も飽きてる訳ではない)。丁度仲間内じゃ最高峰の大学まで行くような秀才君の口から、社会人になってからまた大学に通いたくなったとの発言が出た。学びの対象を聞けば、歴史だという。途端に酔って良い気分(饒舌になるのにアルコールは無関係)になった私の口から、私が感じる歴史の面白さについて怒涛の言葉が発せられた。自分が改めて歴史好きだと気付いたし、他の同級生も同じく歴史は好きだと言うから

    0
    2025年12月17日
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 「五箇条の誓文」で解く日本史

    Posted by ブクログ

    自民党の高市早苗氏が内閣総理大臣となり、お隣中国とのちょっとしたイザコザはあるものの、国民からの人気は絶大(今のところは)、何かこの国を良い方向へと導いてくれるのではないかという、淡い期待を抱いてしまう。高市総理は何と言っても日本最初の女性総理であるし、かつて絶大な人気を誇り、その存在感を対世界に対しても発揮してきた今は亡き安倍元総理の面影を思い起こさせる。期待はしてみたいが、またいつもの様に裏切られたら嫌だから、がっかりしない様に冷めた目で見ている自分がいる。とは言え、この先の日本の在り方、超高齢社会、エネルギーや食料の確保と自給自足、地方の過疎化や都市への一極集中、そして災害やサイバーテロ

    0
    2025年12月12日
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    対談しているご両人ともに、クラシック音楽についての碩学であることはまちがいないのであるが、ともするとそれが互いの妄想を語るときもあって(特に片山氏にその傾向が強い)、「いくらなんでもそれはないんじゃない?」と思えることも多々あった。

    0
    2025年12月03日
  • 生き延びるための昭和100年史(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    とても読みやすく勉強になりました。昭和100年と言う視点が面白いと思いました。もう100年になるのかと感じながら買いました。戦前から戦中戦後にかけての日本の歴史が中心です。日米同盟があるのでアメリカの歴史も入ってきます。日本の総理大臣やアメリカの大統領がたくさん登場します。会話形式なので非常に読みやすかったです。ただずっと手元に保管をしておくと言う本ではなさそうです。なぜならば、数年すれば色あせるそういった類の新書であるからです。

    0
    2025年10月13日
  • 歴史は予言する(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    週刊新潮のコラムの書籍化。
    未来を見通すために過去を振り返る、著者独自の視点で切り取る"今"が小気味良い。

    0
    2025年09月15日
  • 国の死に方

    Posted by ブクログ

    何か、明確な主張のある本を想定していたので、肩透かしを食らった気持ちはある。どうも連載ものをまとめた本とのことなので、自分の下調べ不足かもしれない。
    ただ、要所要所で面白い論考はあった。

    0
    2025年08月02日
  • 歴史は予言する(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    概要
    「1秒遅れの時計は永遠に合わない。しかし、止まっている時計の針は必ず合う」。現代人はインターネットやSNSを駆使して「最新の情報」を追い求めるが、すべての情報はどんなに速くても「1秒遅れ」で届く。一方、止まった時計は一日に二度、正確に“今”を指し示す。未来を見通すには、現在を追いかけるより過去を振り返るほうが有効なこともある。週刊新潮の看板コラム『夏裘冬扇』待望の書籍化。

    FMの「クラシックの迷宮」やN響のプログラムに連載されていた「N響百年史」で馴染みがあるが、著作を読むのはおそらく二度目のはず。マニアックな視点が面白い。

    0
    2025年07月26日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

    Posted by ブクログ

    『西洋の敗北』がとても面白かったので、理解を深めるために本書をAudibleで聴いた。『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』などからの引用が多く、そのたびに出典の書名も音読されるのが非常に苦痛だった。

    本の分量は少なく、さらっと聴くことができたし、内容自体も理解を定着させるという意味では良かったと思うが、それ以上ではない。

    0
    2025年05月29日
  • 11人の考える日本人 吉田松陰から丸山眞男まで

    Posted by ブクログ

    ここ数年、精力的に執筆活動を加速させている片山杜秀氏。従来は主として音楽評論・政治評論を手掛けてきた(特に『未完のファシズム』が名高い)ので、本書のように単なる「政治」カテゴリーに収まらない――なんてったって西田幾多郎や小林秀雄までもが論及されている――ある種、畑違いの著作は珍しい気がする。
    タイトル(ちなみに、この本のタイトルは、おそらく映画『12人の怒れる男』をもじったものだろう)にもあるように、この本は、11人の著名な思想家達を一章ずつ取り上げて、その代表的著作を丁寧に――しかし時には掻い摘みながら――紐解いて、彼らの思想の核心に迫っていく日本近現代思想の入門書である。似たような類書はい

    0
    2025年04月27日
  • 左京・遼太郎・安二郎 見果てぬ日本(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    小松左京、司馬遼太郎、小津安二郎という、一見関係が無さそうに見える3人の創作者を通じて、昭和の日本を眺めてみるという面白い切り口の著作。関係なさそうでいて、色々共通点も見いだされるところが、年齢の幅はありながらも、同じ時代を生きた故か。

    0
    2025年01月14日
  • 11人の考える日本人 吉田松陰から丸山眞男まで

    Posted by ブクログ

    吉田松陰。欧米列強は日本にたいして船など高額なもの売る。値は張るが、資金は貸してやるという。しかし借金が返せない場合、日本の土地に租借権を要求。部分的に植民地にしてしまう。徳川幕府は米と通商を結ぼうとしているが、隙あらば侵略を仕掛ける欧米列強のやり方に無防備すぎる。p.26 水戸学では日本を守るのは侍(エリート)であり愚民は反乱を起こさないよう統治するという発想だが、日本を守るためには身分関係なく教育しなければならない。p.28▼丸山まさお。天皇はヒトラーのような独裁者ではない。天皇は万世一系の血統で威光を発しているのでり、天皇自身が主体ではない。天皇は自らの意志によって何かをする気持ちがない

    0
    2024年12月19日
  • 歴史は予言する(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    日本の歴史に沿った話。それに現象がこうだと言っているだけで、将来どうなると言ったことには触れられていない。

    0
    2024年10月20日
  • 別冊NHK100分de名著 宗教とは何か

    Posted by ブクログ

    4人の作家がそれぞれ宗教についての学びの深い本を1冊ずつ取りあげて紹介・解説している本。とりわけ各章末の考察欄が非常によい。

    「宗教は社会や家庭と対話を重ねながら価値観をすり合わせて共に成熟していくことが重要」
    「宗教に対して疑いがあって当然、逆に100%疑いがない方が危うい」
    「信仰は信じる・信じないの間で揺れ動くが、離れられないと思った時に本物になっていく」
    「論理を超えた妄信があるからこそ宗教と呼ぶ。」
    「宗教には体感できる非日常性がなければならない。」
    「念仏とは与えられるもの(与格的)であり、自分の無力さに絶望し祈ろうという気さえ起きないようなときに初めて他力が開かれる」
    要約する

    0
    2024年09月05日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

    Posted by ブクログ

    2024.07.01
    確かに西洋は没落するのかもしれない。しかし、それは日本が興隆するというわけではない。その答えが見えない時代だという認識が必要なのはわかった。答えは自分で探さないといけないのだ。

    0
    2024年07月01日
  • 歴史は予言する(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    興味や関心のあるテーマは、割りにあるのに何か読み辛い。これは、新潮っぽいのかな。周りくどい感じがして、意識に上手く反映されてこない。

    歴史事件の博識さと著者自身の同時代性を感じさせる着眼は面白いテーマなのに、新鮮だが、こちらに馴染みが無いゆえなのか、どこか無理に組み込んでいるような感じがある。
    インタープリター的というか、逐次的な話に感じがあり飛ばして読んでいけない。もっとコンパイル感というか、一括した、癖を感じさせない自然さが欲しい。

    これは、毒味的?、それとも重箱弁当って感じか?。
    どこか、お節介なんかな。

    0
    2024年06月10日