片山杜秀のレビュー一覧

  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    「持たざる国」であることに自覚的であった陸軍の上層部が作り上げた建前(乏しい物量により苦しい戦いを強いられるが、それは強い精神で凌駕できる)で戦争を遂行したのだから、かれらの罪は重い。現代社会でも「それを言っちゃお終いよ」というような場面が多々あり、みんな分かっていても口には出さず、ずるずると流され...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    陸軍軍人の認識がかくも醒めたものであったとすれば、何故戦争に突入したのか、という疑問は、変わらずついて回る。
  • 国の死に方
    3.11のあと被害規模が明らかになるにつれ、また、被災地とは離れた首都圏や西日本にまで影響が出てくるにつれ、"日本が非常事態に陥った"、"いよいよ滅びの一途を辿るのか、"と不安に感じた人は少なくないと思う。
    非常事態、国の滅亡――「現在から想起される過去について書くことで、現在を思う糧が得られるよう...続きを読む
  • 国の死に方
    連載記事を集めたものなので、章ごとに内容の統一感はないが、昨年の衆院選前に掲載されたという「舌先三寸と気分の衆愚選挙、普通選挙で国滅ぶ」の章は興味深かった。
    曰く、
    有権者の判断能力が劣悪ならば、候補者のとる戦略は、まずは小口買収、次にどうせ実行できるはずもないその場しのぎの公約の連発。
    判断能力の...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    第1次世界大戦を横目に見ながら、その後、如何に第2次世界大戦に向けて「もたざる国」が如何に坂の上の雲を目指すような精神構造を培うに至ったか…といったいわば集団心理の過程をうまく考察している。法華経やまごころといった当時の宗教や心情をうまくくみ取って(操って?)、玉砕を正当化するような精神につながって...続きを読む
  • 国の死に方
    歴史を知ることで、色んなことが腑に落ちた。

    韓国でお米を食べても日本と同じ味がするのは1920年からの「朝鮮産米増殖十五か年計画」のお陰かと思う。
    しかし、裏ではたくさんの血が流されており、現代において最低限ご飯が美味しく食べられていることはとっても幸せなことだ。

    冒頭から『ゴジラ』と東日本大震...続きを読む
  • 文藝春秋2023年9月号

    秋篠宮家の娘たちの擁護記事

    どんな内容かと思って購入しましたが、A宮一家の娘たちがいかに大変で悲壮感たっぷりで辛い目に遭っているかという話がつらつら書かれていただけでした。残念です。皇族の方々が並々ならぬ重圧の中で役目を果たしてくださっているのは最もですが、この一家の人々と他の皇族の方々を並べて語ることは許せません。やたらと、...続きを読む