片山杜秀のレビュー一覧
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「天皇陛下万歳!」が明治や大正以上に昭和で叫ばれなくてはいけなくなったのは一体なぜなのか?
時代が下がれば下がるほど、近代化が進展すればするほど、神がかってしまうとは、いったいどういう理屈に基づくのか・・・
重要なキッカケになったのは101年前に勃発した第一次世界大戦だったと、著者は言う・・・
去年は勃発100年だったので、いろいろ書物が出てたけども、日本史の勉強ではあまり重要視されない第一次大戦・・・
欧州が戦場であり、日本は大戦景気に沸き、経済が絶好調で、参戦国とはいえ、青島でドイツ軍と戦ったぐらいで、実質は遠くから見守る観客であった・・・
国民の多くは大戦景気に踊るだけで、第一次世界大 -
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アジア・太平洋戦争における日本の悲惨なまでの敗北は、第一次世界大戦、いわゆる総力戦に学ばなかったことが原因のひとつという認識であったが、本書では少なくとも第一次世界大戦から来るべき次の戦争が総力戦になることは学んでいた。(→青島要塞攻略戦など)しかし、資源や工業力を持たない日本が、持つ国と戦うには、資源や工業力が無くとも戦える(補給線や多量の鉄量を考えない)速戦速決の殲滅戦とそれを補う無限の精神力が重視された。ところが、そこには顕教(建前)と密教(本音)の二面性が存在した。密教ではいくつかの条件が満たされねばならず、その条件が満たされなかったためにあの敗北が訪れたとしている。
小畑敏四朗ら皇 -
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自民党の高市早苗氏が内閣総理大臣となり、お隣中国とのちょっとしたイザコザはあるものの、国民からの人気は絶大(今のところは)、何かこの国を良い方向へと導いてくれるのではないかという、淡い期待を抱いてしまう。高市総理は何と言っても日本最初の女性総理であるし、かつて絶大な人気を誇り、その存在感を対世界に対しても発揮してきた今は亡き安倍元総理の面影を思い起こさせる。期待はしてみたいが、またいつもの様に裏切られたら嫌だから、がっかりしない様に冷めた目で見ている自分がいる。とは言え、この先の日本の在り方、超高齢社会、エネルギーや食料の確保と自給自足、地方の過疎化や都市への一極集中、そして災害やサイバーテロ
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ここ数年、精力的に執筆活動を加速させている片山杜秀氏。従来は主として音楽評論・政治評論を手掛けてきた(特に『未完のファシズム』が名高い)ので、本書のように単なる「政治」カテゴリーに収まらない――なんてったって西田幾多郎や小林秀雄までもが論及されている――ある種、畑違いの著作は珍しい気がする。
タイトル(ちなみに、この本のタイトルは、おそらく映画『12人の怒れる男』をもじったものだろう)にもあるように、この本は、11人の著名な思想家達を一章ずつ取り上げて、その代表的著作を丁寧に――しかし時には掻い摘みながら――紐解いて、彼らの思想の核心に迫っていく日本近現代思想の入門書である。似たような類書はい -
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吉田松陰。欧米列強は日本にたいして船など高額なもの売る。値は張るが、資金は貸してやるという。しかし借金が返せない場合、日本の土地に租借権を要求。部分的に植民地にしてしまう。徳川幕府は米と通商を結ぼうとしているが、隙あらば侵略を仕掛ける欧米列強のやり方に無防備すぎる。p.26 水戸学では日本を守るのは侍(エリート)であり愚民は反乱を起こさないよう統治するという発想だが、日本を守るためには身分関係なく教育しなければならない。p.28▼丸山まさお。天皇はヒトラーのような独裁者ではない。天皇は万世一系の血統で威光を発しているのでり、天皇自身が主体ではない。天皇は自らの意志によって何かをする気持ちがない
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4人の作家がそれぞれ宗教についての学びの深い本を1冊ずつ取りあげて紹介・解説している本。とりわけ各章末の考察欄が非常によい。
「宗教は社会や家庭と対話を重ねながら価値観をすり合わせて共に成熟していくことが重要」
「宗教に対して疑いがあって当然、逆に100%疑いがない方が危うい」
「信仰は信じる・信じないの間で揺れ動くが、離れられないと思った時に本物になっていく」
「論理を超えた妄信があるからこそ宗教と呼ぶ。」
「宗教には体感できる非日常性がなければならない。」
「念仏とは与えられるもの(与格的)であり、自分の無力さに絶望し祈ろうという気さえ起きないようなときに初めて他力が開かれる」
要約する -