片山杜秀のレビュー一覧

  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 「五箇条の誓文」で解く日本史
    自身に日本史の知識がなさすぎるのか、難しいと感じた。
    五箇条の誓文をベースにした、近代日本の大きな流れはなんとなく分かったし、日本が敗戦に至った理由も理解できたと思う。
    端的にいうと、内閣と立法府と陸海軍そして国民が同じ方向を向き、同じ目的を持って行動しないと国は破滅に向かう、ということだと理解した...続きを読む
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    表題は引きつけるためのもので、内容は少し違う。
    いわゆるクラシックの歴史を、世界の歴史の流れの中で説明しました、という本。
    ベートーヴェン関連の部分は知っていたが、ワーグナー関連の部分は知らないこともあり、なるほどと思えた。
    クラシックを聞く耳が変わる。
  • 歴史という教養
    なぜ歴史教育が必要なのか。ただの歴史的事実を知ることが歴史教育ではない。歴史は繰り返す、という史観のもと過去を学ぶ姿勢を否定している。その背景に見え隠れしている思想を理解することで過去を背負い、新しい歴史を歩んでいくために我々は歴史を学ばなければならない。ということに気付かされた本。実際に今まで世界...続きを読む
  • 皇国史観
    後期水戸学から明治維新、南北朝正閏論争、天皇機関説問題と、背景や流れが非常に分かりやすく説明されている。譲位の大きな意義もクリアになった。ただ柳田・折口の見解や網野説の意義付けについては、やや疑問に感じたところ。
  • 歴史という教養
    最初にざっと読もうとしたときは、面白いのは序章だけかな〜なんて思ったけど、本腰入れて読もうとするとためになる。

    ・「アウシュヴィッツ以後、詩作は野蛮である」
    テオドール・アドルノの箴言

    ・アウシュヴィッツは究極の合理主義だった。それはソ連にとってのシベリア的なるものであり、強制労働空間だった。
    ...続きを読む
  • 歴史という教養

    歴史の本ではなく教養の本

    本書は様々な歴史の見方について長所や短所、関係性が類型別に分かりやすくまとめられている。

    しかし、著者の主張の中心は「教養としての」歴史はどんなものなのかにある。
    教養とは「自由な視野を持って世の中をこぎわたっていく」ための力のこと。
    現代社会の様々な課題に対応し生き抜いていくために、歴史...続きを読む
  • 平成史
    何が起きたか、なぜ起きたか。同時代に生きる二人が政治、経済、事件、皇室、文化を縦横無尽に語り尽くす。時代を通覧することで平成の因果が見えてくる。バブル崩壊、オウムテロ、二度の大震災、安倍一強ほか、すべては、裏で繋がっていた。
    お二人の知識や教養の広さに慄きながら、自分の無知具合を恥じました。これだけ...続きを読む
  • 歴史という教養
    日本社会は、長いものにまかれろ、勝ち馬に乗れ、的な「勢い」史観で動いているんだろうなぁ、とがっかりすると同時に反論できない説得力をもって、感じさせられた。歴史とか教養というと、日常生活とは一歩離れたところにありそうな印象がある。でも本書を読むと、そうではないと思う。勢いとか、流れにあらがいにくいから...続きを読む
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    インタビューから文字起こししたという経緯の本らしく、随所に「え?そうなの?」というようなエピソード(特にシェーンベルク!)が散りばめられていて、なかなかに読ませる。ただし、題名の「世界史がわかる」はオーバーな題名。正確には、世界史の「一部がわかる」程度で、世界史というよりは音楽史の本である。
  • 歴史という教養
    歴史に学ぶ、とはいうものの
    自分に都合良く歴史を扱いがち、
    その類型が保守主義だったり、ロマン主義だったり、
    という分析はなるほどと思った。

    英雄中心史観ではなく、
    スパンと主語、視点に自覚的に歴史を見る
    大切さを感じた。
  • 歴史という教養
    歴史を知っても先が見通せるわけではないが、歴史の中から現在の状況の類似例を探し、できる範囲で対処することはできる。
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    西洋音楽史がそれぞれの時代背景と共に俯瞰できる。興味深く読めたが、タイトルからして、ベートーヴェンについて深掘りした本だと期待していたのに、そうではなかったのが残念。最近、タイトルがキャッチーで内容を表していない本が多くて困る。
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    音楽の変遷が社会情勢に大きく影響していることがよくわかった。こんな社会だったからこんな曲が生まれたのだと知ればクラシック音楽がより奥深く楽しめる気がした。
  • 現代語訳 近代日本を形作った22の言葉 五箇条の御誓文から日本国憲法まで
    日本の近現代史に少しだけ興味を持った時期に、「ことば」から歴史を見るというのは果たしてどんな取り組みなんだろう?と気になり手に取りました。

    おそらく多様な解釈が存在している分野であり、ナビゲートするお二人の思想や、お考えも強く反映されている箇所も多いと思いますが、そこは冷静に見つつ…。
    とはいえは...続きを読む
  • 歴史という教養
    <目次>
    序章  「歴史」が足りない人は野蛮である
    第1章  「温故知新主義」のすすめ
    第2章  「歴史好き」にご用心
    第3章  歴史が、ない
    第4章  ニヒリズムがやってくる
    第5章  歴史と付き合うための六つのヒント
    第6章  これだけ知っておきたい、五つの「史観」パターン
    終章   教養として...続きを読む
  • 平成精神史 天皇・災害・ナショナリズム
    平成を日本が後退した暗い時代としてとらえ、今後についても、昭和初期と重ねて悲観的な見方をしている。
    AIが支配する資本主義社会では、人間の役割がなくなるとしているが、供給側の側面のみ強調しすぎていないか。需要側、すなわち、モノやコトの消費は人間しかできない。AIによる生産性向上の分け前を人間に再分配...続きを読む
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    表題とはことなり内容は西洋音楽史をグレゴリオ聖歌あたりからラヴェルまで概観したもの。新書というボリュームの限られた本で長い音楽史を書いているので、非常に著者の独断的見解が強い。
    ベートーヴェンやワーグナーについては、それなりに記述が大がそれでも薄い感じがする。
    西洋音楽は19世紀に頂点を迎えここにク...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    誰も本気で勝てるとは思っていなかった戦争へ、なぜ引きずり込まれていったのか?
    そこが知りたかったが、前提となった諸要素の解説に留まり、知りたいことが、もう一つ明確になっていなかった。戦争の直接の要因については書かれているものは他に多いため、違う切り口でのアプローチをされたのであろうと推測する。
    私は...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    国の死に方もそうだったが、歴史への視点がなかなか新鮮な著者。日本史の中での第一次世界大戦をスポットにあて、第二次世界大戦への敗北へ繋がる日本陸軍に流れた考えをつぶさに見ていく。ほかの作品も気になるところ、作品というか論文。決して気軽に読めるというわけではないけど苦笑
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    ファシズムと題していながら、なぜ陸軍が第一次大戦の戦果から学ばずに玉砕戦術に陥ったかのみを掘り下げた本。
    この部分だけなら精密な分析ですが、内容そのものが未完です。