片山杜秀のレビュー一覧

  • 大楽必易―わたくしの伊福部昭伝―
    「しかし、私は伊福部研究者でもなければ伊福部批評家でもなく、とどのつまりは単なる伊福部信者なのである。」(86頁)
    愛ある伊福部狂信者の片山杜秀氏が、図々しくも伊福部私邸に入り浸って交わした問答を中心にものした、余りに貴重な資料本になっている。もちろん片山杜秀氏の解説的な部分もふんだんに盛り込まれて...続きを読む
  • 大楽必易―わたくしの伊福部昭伝―
    凄い本ですね、ゴジラ映画のあの音楽、ドシラ、ドシラにハマった、著者、片山杜秀(自称、幼少の頃からの伊福部教信者)による伊福部物語。著者によれば、若き日に、伊福部のお耳係だった折、伊福部の自宅(尾山台)で直接伺った様々な物語を織り込んでの一冊とか。数年前に読んだ、立花隆の武満徹の評伝を思い出しつつ、興...続きを読む
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    面白かった!!!きちんと音楽史として眺めることで、自分の中にある諸々の言語化を突き付けられ、そうですよね、ハイ…となっていました笑

    序章 バッハ以前の一千年はどこに行ったのか
    ポスト・ヒューマン時代には…
    (片山)そうなると、ベートーヴェン的な音楽は「虚偽」に聴こえてくると思うんです。だって、かつ...続きを読む
  • 歴史は予言する(新潮新書)
    連載記事集とは買ってから知ったが、内容は題名の通りだったので良かった。
    難を言えば、トーンが暗い。終始悲観的に思えるところかな。
    けど、面白かった。続きを読みたいです。
  • 歴史は予言する(新潮新書)
    音楽から政治思想まで守備範囲の広い片山杜秀氏が「あの」週刊新潮に「夏裘冬扇」というコラムに書き続けたものをまとめた新書です。
    氏の音楽評論はあちこちで見かけておりましたが、本業の政治思想で「未完のファシズム」を拝読し、プロの学者の凄みを感じさせてもらいました。ビジネスの世界で生業を立ててきましたが、...続きを読む
  • シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 「五箇条の誓文」で解く日本史
    表題から来るイメージで右掛かった内容かと敬遠していたが、とてもインテリジェンスな本でした。もう一度明治維新からの歴史学び直しが必要だと強く思った。
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    音楽評論家と音楽学者が繰り広げるクラシック音楽の深い話。
    まるで酒を飲み爆笑しながら「あいつはあーだこーだ」と言っているようでとても痛快。

    小説に繋がったり、政治に繋がったり、楽器を演奏したりクラシック音楽が好きで聴いているだけでは知り得ないことが満載。
    ちょっとダークな部分もあるが、時代背景から...続きを読む
  • ごまかさないクラシック音楽(新潮選書)
    以前、のだめを許容しない時代遅れの権威主義者に呆れた覚えがあるが、そんな奴がこの本を読んだら、発狂するかな?
    まぁ、片山先生の名前でもって、猫またぎになるんだろうけどね。
    諸井誠は第九の対抗馬を同じ9番の新世界にしてたけど、第九のアンチはタコ5だ、というのは、判りやすい話ではある。
    シルヴェストリの...続きを読む
  • トッド人類史入門 西洋の没落
    新鮮。目から鱗。濁った視野を爽快に洗い流してくれる。そして思いもしなかった視座を提示してくれる。新書で、しかも佐藤優と片山杜秀の対話型解説(贅沢が過ぎる)ということも手伝って、キャッチーに吸引力が凄い。良かったぁ。
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    ゾクゾクするような論理展開。持たざる国である日本を軸に第二次世界大戦に突入し、玉砕覚悟の総力戦に至る思想に迫る。

    「明るくなったろう」お札を燃やして灯りを点す。有名な教科書の挿絵、第一次世界大戦の特需に沸いた成金が出発点だ。日露戦争による巨大な外国債務により日本経済は青息吐息。企業の倒産が相次いで...続きを読む
  • トッド人類史入門 西洋の没落
    題名の「トッド」とは、フランスのエマニュエル・トッドのことである。独自な研究で世界を語るという感のエマニュエル・トッドである。近年『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』という人類の歴史を鳥瞰しながら、幾分掘り下げて行くという、長きに亘る研究の集大成的な本を上梓している。日本語版も登場して然程の時...続きを読む
  • 片山杜秀のクラシック大音楽家15講
    才気煥発だけど、「俺は他人とは違う」ところを見せたがる目立ちたがり屋の片山杜秀少年の音楽遍歴をベースに15人の音楽家について好き放題に、極めて主観的に喋りまくるというスタイルでまとめた、たいへんに面白く楽しめる本です。
    自分の本なら付箋を貼って起きそうなところは

    わたしが未だに馴染めないモーツァル...続きを読む
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    玉砕する軍隊こそが、「持たざる国」の必勝兵器だったのです。

    世界大戦時の歴史に無知すぎるので勉強。
    第二次世界大戦の日本といえば、物資がない国なのに、長期戦争する、過剰な精神論、命と補給の軽視、アジアを広範囲に侵略、戦争のゴール設定がない、ファシズムといいつつ誰が束ねていたのかよく分からない…と、...続きを読む
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    音楽はそもそも教会、王侯貴族、ブルジョア階級の権威を表す手段であったから、今日でもなんとなく権威があるように捉えられている。
    古代以前の音楽は楽譜が残っていなため詳細不明。判明している起源は教皇が編纂したグレゴリオ聖歌であり、9世紀頃の成立。ネウマ譜に残されており今日の楽譜の起源。単旋律(モノフォニ...続きを読む
  • 平成史
    平成を多方面から振り返った対談本。500ページ強あり、少し時間がかかったが、平成とはどんな時代だったのだろうか?と自問しながら、楽しく読めた。各章の終わりに、その年ごとの出来事、流行語、流行歌、映画、本などがまとめてあり、懐かしくなった。
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    日本が持てざる国だったからこそ、たどった歴史の筋道を丁寧にたどっていく。思い描いていたようなファナティック一色では無く、理性的、合理的な人もいたことに驚きでした。国柱会の面白い主張にも惹かれました。力作です。
  • 平成音楽史
    昭和が終わり平成が始まる1989年を象徴する音楽として取り上げられたのが、
    カルロス・クライバー:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団:ニューイヤー・コンサート。
    このCDは発売されてすぐに買いました。

    このあとカラヤン(1989.7)とバーンスタイン(1990.10)が相次いで亡くなっています。
    ...続きを読む
  • ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる
    タイトルを見て面白そうだったので衝動買い。
    でも、これは良かった。

    読みやすい。
    そして的を得た指摘。

    およそ芸術と名の付くものに共通する点も多い事柄。
    その作品は誰のために作られたのか。歴史の流れに於ける聴く側と作る側の関係の変遷を概観する事で新たな視点が加わった。

    多くの場合、今までは作品...続きを読む
  • 現代に生きるファシズム(小学館新書)
    これまで「ファシズム」なるものをいかに曖昧に理解していたのかを痛感しました。ファシズム朋全体主義とナチズムとがごっちゃになっていました。行きすぎた資本主義を是正する劇薬として、また、日本は未完のファシズムであったことなど、新たな知見を多く得られました。
  • 未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命―
    数年前から全体主義について、ボチボチ読んでいるところ。きっかけは、トランプ大統領の就任とか、移民問題とか、ヨーロッパでのポピュリズム的な動きとか。

    まずは、全体主義が一番徹底していたと思われるナティスドイツを学んで、その後、共産主義国を経由して、日本にたどり着く予定だったのだが、ナティズムを読むな...続きを読む