片山杜秀のレビュー一覧
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最初にざっと読もうとしたときは、面白いのは序章だけかな〜なんて思ったけど、本腰入れて読もうとするとためになる。
・「アウシュヴィッツ以後、詩作は野蛮である」
テオドール・アドルノの箴言
・アウシュヴィッツは究極の合理主義だった。それはソ連にとってのシベリア的なるものであり、強制労働空間だった。
映画でも強制労働させられてるシーンをわりと見ていたはずなのに、テキスト化されてようやく理解できた…。
・ルイ・オーギュスト・ブランキ
19世紀のフランスの革命家。フランソワ・バブーフの影響を強く受けた。共産主義の始祖とも呼ばれる。
1830年はシャルル10世を倒した七月革命にブランキあり。1839 -
購入済み
歴史の本ではなく教養の本
本書は様々な歴史の見方について長所や短所、関係性が類型別に分かりやすくまとめられている。
しかし、著者の主張の中心は「教養としての」歴史はどんなものなのかにある。
教養とは「自由な視野を持って世の中をこぎわたっていく」ための力のこと。
現代社会の様々な課題に対応し生き抜いていくために、歴史を学ぶことがどんな役割を果たすのか。
学生でも読みやすく分かりやすい内容でした。 -
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何が起きたか、なぜ起きたか。同時代に生きる二人が政治、経済、事件、皇室、文化を縦横無尽に語り尽くす。時代を通覧することで平成の因果が見えてくる。バブル崩壊、オウムテロ、二度の大震災、安倍一強ほか、すべては、裏で繋がっていた。
お二人の知識や教養の広さに慄きながら、自分の無知具合を恥じました。これだけ物事を深く捉えられたら世界が面白くて仕方ないんじゃないかなあ。少なくとも表面上にだまされる私は不安になる。選挙のたびに大勝と大敗を繰り返すのはどうしてなんだろうとずっと考えてきましたが、ようやく納得のいく答えが書いてあってすっきりした。小泉内閣のやったことの意味も分かった。平成生まれの私はこれから何 -
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日本社会は、長いものにまかれろ、勝ち馬に乗れ、的な「勢い」史観で動いているんだろうなぁ、とがっかりすると同時に反論できない説得力をもって、感じさせられた。歴史とか教養というと、日常生活とは一歩離れたところにありそうな印象がある。でも本書を読むと、そうではないと思う。勢いとか、流れにあらがいにくいからこそ、一歩踏みとどまって、そこから先に進んでもいいか?と考えるだけの知性は必要だ。そのとき、決して予言にはならないにしても、考えるための手がかりになってくれるのが、歴史とか教養なんだろうね。ちょっと難しかったけど、深みを感じさせる内容を、詩のようなリズムのある文章でわかりやすく観させてくれたと思う。
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日本の近現代史に少しだけ興味を持った時期に、「ことば」から歴史を見るというのは果たしてどんな取り組みなんだろう?と気になり手に取りました。
おそらく多様な解釈が存在している分野であり、ナビゲートするお二人の思想や、お考えも強く反映されている箇所も多いと思いますが、そこは冷静に見つつ…。
とはいえは、素人としては「史料はそういう風に読み解けばいいのか」と勉強にはなったと思います。
また、一つ一つの文書を細かく研究したものは沢山あると思いますが、日本国憲法へ繋がる一本の道を意識しながら複数の文章を一気に解釈するものは少ないのではないか?と思うと取り組みは面白い。
読んでいて特に感じたこと。
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ネタバレ<目次>
序章 「歴史」が足りない人は野蛮である
第1章 「温故知新主義」のすすめ
第2章 「歴史好き」にご用心
第3章 歴史が、ない
第4章 ニヒリズムがやってくる
第5章 歴史と付き合うための六つのヒント
第6章 これだけ知っておきたい、五つの「史観」パターン
終章 教養としての「温故知新」
<内容>
著者の言う「温故知新」は、過去にあったいろいろなことを学び(ただ先生から学ぶだけでなく、自らの意思で)、過去とは重ならない新しい出来事を新しい発想で対処しようとする、こと。
それ以外の批判が第2章以降続きます。ある程度納得。 -
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ネタバレ3.11のあと被害規模が明らかになるにつれ、また、被災地とは離れた首都圏や西日本にまで影響が出てくるにつれ、"日本が非常事態に陥った"、"いよいよ滅びの一途を辿るのか、"と不安に感じた人は少なくないと思う。
非常事態、国の滅亡――「現在から想起される過去について書くことで、現在を思う糧が得られるようにやってみたい」(p.217)
・・という考えの元、行われた連載をまとめた一冊。
中世~近世~近代の日本、加えてナチスドイツ・ソ連の政治史をかいつまみながら、国家の衰亡をプロセスを辿る。
面白かったです。
特に6~8章の保険と関東大震災・戦災について書かれた