椹野道流のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み小説の方を全部読んでるので、話が分かってるとは言え、最初のところってけっこうしんどい。
濡れ衣を着せられたっていうのもムカついたし、海里の兄もすごく腹が立ったから。
兄として思うところがあったというのを差し引いたとしても、ね。
(物語が進むにつれて、兄だけじゃなくて母親の方がもっと苛立たしく感じてきたけども)
マンガとしては、大部分がそういうしんどい部分で構成されてるので、できればもう少し、海里が頑張ってるところとか入ってれば良かったかな、とも思う。
けど、これ以上進むと、あの作家さんとか絡んでくるので、切り上げどころが難しくなるから、ここで止めるのが妥当なのかも。
ただ、原作もマンガも夏神さんの男前なところとか、ロイドと海里のかけあい?とか、面白い部分もあるので、まぁまぁよかったんじゃないかと思う。 -
Posted by ブクログ
深緑野分作品の中には雑誌で発表しているが本になっていない作品がいくつかある。今回は「石のスープ」が収録されていると言う事で即買いした。帯には「人類と食にまつわる8編のSF小説アンソロジー」と書かれてあった。しかも、この本には人間六度と新井素子の書き下ろしも収録されているのでお得感満載。他の5人は初めて見る作家。書き下ろし作品以外は全て「集英社WebマガジンCobalt」で公開されたものとのこと。このマガジン名は初めて知った。また帯には「豪華執筆陣が贈る空想科学ごはん小説」と書かれてあった。私の知っている3名以外の人も豪華執筆陣なのか。知らなかった、後で読んでみよう。
〇 石のスープ/深緑野分
SFなので、石の機能発現の理由なんて特に説明する必要はないが、元々の素材の味よりも悪くなる理由は知りたかったかな。普通は食材の組み合わせで味が良くなったり悪くなったりもするし、スープの濃さも味の旨さに影響する。単にこのような事は言わなくとも、十分にあり得ることなのかもしれない。しかし、栄養素はあるのだから、あとは調味料でなんとでも味をごまかせると思うのだが。この時代はアミノ酸の合成技術がなかったのだろうか。それよりも、この石に振り回される人たちの心の動きに着目した方が遥かに面白い。全く人間って奴は愚かなのかな。愚かだから本作品は面白いのか。
〇 敗北の味/人間六度
食生活は子供の頃と現在ではまるで異なる。今や野菜ばかり食べていても生きていける。油だけ飲んでも生きていける。体はうまくできているもので、炭水化物を全くとらなくても生きていけるので健全に痩せることができる。食に関する知識が桁違いに増えているからだ。どの様な形でも、食物からエネルギーを得ることで生きていけるが、エネルギーへの変換効率は実に悪い。従って、直接電池でエネルギーを取り込むことができれば生きていくために効率はこの上ない。
味だって、食品は化学物質の集合体なので、成分分析が完璧であればどんな食材の風味を完全コピーできる。食品会社の研究所ではそれが現実化している。そもそも味とか匂いとかなくても生きていける。点滴だけでも生きていける。実際、コロナに罹患した時も味覚が全くない状態で食事をしたし、酢の一気飲みもできたし、CoCoイチの10倍カレーも問題なく食べることができた。
これら食事の究極の形が電池なのだが、人間の体の細胞には記憶が眠っていたようだ。生物はいくら進化したとしても、脳には昔の記憶が片隅に残っていたのだろう。最近、鯨の刺身を食べたが、昔たくさん食べていた頃の記憶が一輝に蘇った。涙は出なかったが、脳全体にビビビと電気が走って、瞳孔が一気に開いた気がした。
〇 切り株のあちらに/新井素子
新井素子のデビュー作、勿論オンタイムで読みましたよ。でも、それ以降は全く読んでいない。何故かというと、新井素子の文体を全く受け付けないから。これは生理的レベルの嫌悪感と言える。それにも拘わらず今回読んだのは、歴史を経てさすがに文体が変化しているだろうと考えたから。しかし、昔と全く変わっていなかった。勿論この文体が良いと思う読者はいる訳だが、私は花粉症レベルのアレルギーがある。もうくしゃみをしたくないので、今後も読まないだろう。新井素子さん、ごめんなさい。
他の作品を一つ読んでみたが、どの作品とは言わないがちょっとレベルが違い過ぎるので残りの作品を読むことを諦めた。途中で諦めるのは、宮内悠介の「スペース金融道」以来だ。 -
Posted by ブクログ
最後の晩ごはんシリーズ第20作!
何と20作まで来た。こんなに長いシリーズになるとは思っても見なかった。なのに海里の道はまだ半ば。彼が役者として再び成功する日が来るのは一体何作目になるのか。
シリーズ本来の設定として、舞台となる定食屋〈ばんめし屋〉へこの世に未練を残した霊が現れて、最後の晩ごはんを食べて成仏していく…というものだったのが、このところは少しそうした設定から離れて海里自身の成長や後輩・李英の試練などが描かれてきた。
今回は小説家・淡海先生の家に突然現れた黒い大きな雌犬が、淡海先生と、一緒にいた海里を突然亡くなってしまった高齢の飼い主の元へと導く。
犬を引き取り『マヤ』と名付け可愛がる淡海だが、不思議な現象が起こりだし、それは海里にも…。
となれば、当然その原因はマヤの元飼い主かと思っていたのだが、真相は別のところにあった。
プロローグで淡海先生が書き下ろした短編を海里が朗読し、その練習した動画を李英に送るシーンがあるのだが、これがこういう形で繋がるとは。
今回の作品のキーとなるマヤは勿論、正体はメガネのロイドのように人間ならざるものにも心はある。
淡海先生が描く短編も新しい視点だが、物語の方も新鮮な描き方で興味深かった。
日本古来の、万物に神が宿るという考え方に繋がるような気がして、様々なものを優しい気持ちで見つめたくなるような、そんな物語だった。
次回は李英に良い兆候が描かれると嬉しい。
※シリーズ全作レビュー投稿あり。