中一の息子は、中学生になってスマホを手にして以来、うちにいるときはほとんどの時間スマホを見ている。ゲームをしたり、ショート動画をひたすらみたり、YouTubeを見たり。学校の成績はというと、笑えないくらい低い。本人の危機感もうすい。ルールを決めても効果なし。もうスマホを取り上げるしかないのかもしれない。
さて、そんな息子が年に数冊読んだ貴重な一冊が、この『植物に死はあるのか』、である。
息子と一緒に本屋に行ったとき、自分で見つけてきて面白そうだからと図書カードで買っていた。
読み終わって、「おもしろかった」という程度の感想しか聞けていないが、ママも読んでみたらと勧められて長い間後回しになっていたのだが、息子と共有できるものをつくりたいと思い、今になってやっと読んでみた。
著者の稲垣さんが学生からの質問メールを機に、一週間毎日生物の生と死について考えた過程がとても簡易な言葉で綴られている。木は死ぬのか、なぜ人は死ぬのか。植物と動物の違いは何か。
最終的には宇宙の話につながっていき、思わぬところに連れて行かれた。
木と人間は何が違うのか。どうして野菜は同じ形のものができるのか。
そんな「当たり前」と思っていたことにクエスチョンマークがつくと、そういえばどうしてだろう、とかどういうことなんだろう、とはっとさせられる。人間は地球の上に生きていて、地球は宇宙に存在しているのだから、人と宇宙が繋がっているのは当たり前のことなのだけど、日常的に宇宙のつながりを感じているわけではないから、とても新鮮な驚きというか気づきだった。
稲垣栄洋さんは、たくさん本を出していて、教科書にも使用されているくらい有名な方らしい。息子は最近、ちょっとだけ宇宙にも興味があるらしく、稲垣さんの他の作品や宇宙関連の本を薦めてみたいと思うが、親が薦めてみたところで携帯を手放して読むとも思えないが、少しでも息子の学習意欲を引き出したいと親としては四苦八苦する日々だ。
でもそんな私は宇宙と言われてもぴんとこなさすぎて、あまり興味を持っていなかったのだけど、今年に入ってSFを数作品読み、宇宙の話に触れる機会があった。また、NHKで放送した『宇わたる教室』は、人生で何度もつまづいてきた定時制の生徒たちが、科学部での宇宙への探求を通して成長と、それを指導する先生の生きなおしを描いており、とてもいいドラマだった。
知識を学ぶことは、人にとって喜びであり、生きる世界を広げること、思考を深めること、可能性を大きくすることなのだな、と改めて思わせてくれるドラマだった。
ドラマの話に脱線してしまったが、息子が宇宙のことを考えるようになったのは、この本がきっかけかもしれない。私にとっても新たな興味や気づきをくれた一冊。大事にしたい。