稲垣栄洋のレビュー一覧

  • 植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間

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    とても読みやすい。大学教授の一週間、学生からのメールの質問に対する回答を考えるプロセスで、読者を考察の世界に誘い込む。
    植物と人間の対比が気付きをもたらせてくれる。
    人間は上半身から摂取して下半身から排泄する。子孫を残す機能は下半身に宿す。これに対して植物は真逆の構造になっている。下半身(根)から摂取して上半身に栄養が届けられる。植物の上半身(花や種)には子孫を残すための機能がある。
    また細胞分裂も真逆である。人間は古い細胞が外側から抜け落ちていく。これに対して植物は、例えば木であれば、幹の中の細胞は死んでいて、外側に新しい細胞が広がっていく。細胞レベルで選択されたこの仕組みに意思が感じられる

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    2024年01月11日
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論

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    人間だけに与えられた特権。それが「老い」。
    誰もが日々老いている。様々な生き物や植物の事例から、人間がいかに進化した存在であるかを述べ、またその進化をもってしても「死」「老い」は必然であることが述べられている。

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    2023年12月27日
  • 植物たちのフシギすぎる進化 ──木が草になったって本当?

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    高校生の頃出会いたかった本。生物を丸暗記ではなく理屈を知って理解できる本でした。
    「生物は、必要のない個性は持ちません。」が凄く納得させられた。

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    2023年12月26日
  • 面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ

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    植物学の父と称される牧野富太郎の「雑草という草はない」という刺すようなパンチラインからの導入でワクワクしながら本書を読み進めました。
    20種類の雑草から様々な生き方を学ぶ。
    生き方に答えがないことを知っている「雑な草」はまさしく現代人の師となる存在だと知りました。
    p222からはじまるオニタビラコという雑草学ぶ「個性があるのは多様性の維持が正解だから」。第5章のこの節は
    人生観をまた一つ深くしてくれたように感じました。

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    2023年12月20日
  • 世界史を大きく動かした植物

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    ネタバレ

    タイトルにもある通り、本作は主に食物(植物)を取り扱います。

    やや劇的なタイトルではありますが、確かに歴史にインパクトのあった食物がフィーチャーされています。

    列記しますと、コムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、ワタ、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、チューリップ、トウモロコシ、サクラ、となります。

    ・・・
    何が良いかというと、やはり稲垣先生の徹底的な植物好き、植物に関する深く広い知識が面白くてよいですね。

    植物の生態だったり形状だったり進化の理由とかを説明しちゃう。そしてそれがまた非常に合理なのでついつい「へぇー」となる、という感じです。

    例えば、イネ科の植物に

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    2023年12月20日
  • 怖くて眠れなくなる植物学

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    植物学者の稲垣栄洋さんの著書で、本書は「怖い」をテーマにした短編集になっている。怖いとは掲げているものの危険な品種や事例の紹介は少なく、「仕組み的に怖いと言える」「よく考えると怖い」「ある意味怖い」といったニュアンスが多いので、特に怖がらず楽しく読めた。
    著者のほかの本や動画ですでに知っている話が複数あり、私は少し退屈だったが、話のチョイスは私の好みのものだったのでらまだ読んでいない人にはダイジェスト版的な意味で強く勧めたい。

    「植物と動物の違い」より
    60ページ
    「進化論を唱えたイギリスの博物学者チャールズ・ダーウィン(一八〇九-一八八二)は、この議論を「もともと分けられないものを分けよう

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    2023年12月03日
  • 都会の雑草、発見と楽しみ方

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    スミレ ハコベ カタバミ ヨモギ セイヨウタンポポ
    スズメノカタビラ ハキダメギク エノコログサ カモガヤ
    シロツメクサ ツメクサ マンジュシャゲ

    ほとんど知らない。でもすごい

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    2023年12月02日
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

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    植物は大人しい存在ではない。その生存戦略には驚かされる。
    たたかう相手として、植物相手だけでなく、その環境、病原菌、昆虫、動物、人間など様々なものに戦いを挑んでいるのだ。植物の専門家だけあって、その記述は詳細にわたり、植物のしたたかさに興味は尽きない。
    意思を持っているわけではないだろうが、戦いに勝ち抜いたものが残っていくことで、植物はその様相を変えていく。人間にとっては、食用であり薬であり、そして毒でもある。そんな植物の多面的な様は、子孫を残していくための結果にすぎないのである。
    植物に興味のある人には、おすすめの一冊。

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    2023年11月21日
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

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    静かに平和に生きていると思っていた植物も、色んな敵とたたかって生き残っているということが分かった。
    植物だけでなくほかの生物の特徴なども学べて面白かった。

    みんな生き残っていくことに必死で自分中心に生きているのに、結果助け合いや共生出来ているのはすごいと思った。

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    2023年11月19日
  • 生き物が大人になるまで~「成長」をめぐる生物学

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    面白くて読みやすい本だった。具体的な例を挙げて説明されていて勉強になった。”子供は育てるものではなく、育つもの。大人にできることは子供が育つ環境を作ってあげること”という言葉が心に残った。

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    2023年11月19日
  • 雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々

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    稲垣先生の学生さんへの眼差しが伝わってきてとても素敵な本だった。

    そして、思いがけず倉貫さんのザッソウが取り上げられていてびっくり。倉貫さん、稲垣先生と知己なのですね。

    自分も農学部出身で、学生の時に雑草学という講義を取ったのも思い出した。確か、その年に定年退官される教授の最後の講義でもあった。最終日に先生と記念撮影したなぁ。懐かしい。

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    2023年11月11日
  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―(新潮文庫)

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    野菜ばかりでなく、食べもの全般の豆知識がたくさん書かれています。
    今まで知らない知識ばかりだったので、とても面白かったです。でも、この蘊蓄を人に話すとなると、もう少し知識が必要かな。

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    2023年10月14日
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密

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    大人が読んでも楽しめますが、子供が読むともっと楽しめる思います。「個性」とは何か、生物や雑草から深く理解できます。

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    2023年10月07日
  • 植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間

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    人間から見ると不思議に見える植物の特性も、進化の過程で選択されてきたものであり、植物にとっては何の不思議もないはずだ、ということが面白く読みやすく綴られている。中に大学教授の生活の一端が垣間見えるところも興味深い。
    著者紹介の中で、既に読んだことのある本が幾つかあったことに気が付いた。著者の語り口や一般向けに分かりやすく説明するところが各書に共通しているのだろう。

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    2023年10月01日
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ

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    答えがない時は答えをたくさん用意する
    自分にふさわしい環境は自分で作れる
    1~4章があるから5、6章に説得力が出る

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    2023年10月01日
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論

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    全ての生物の生命活動は、遺伝子に支配されている。しかし、私たちが獲得した「老後の時代」は、生物学の常識からも、遺伝子の支配からも、完全に解き放たれた時間である。何のしがらみも、呪縛もない。

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    2023年10月01日
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ

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    人から嫌われたり笑われたりする生き物たち。そんな生き物も進化の過程でそうなって、ゆえに今も生き続けているということを教えてくれる。そして、進化は、他の生き物と競合しない生活環境に適応するように進み、だから今のままでいいんだという優しい結論に達する。興味深く、面白く、そしてほっこりする一冊。

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    2023年09月18日
  • 植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる一週間

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    植物は死なない!?植物学者が思索する生命論
    人気植物学者が贈るサイエンスミステリー。 生命の本質に迫る一週間には、驚きの結末が…極上の読書体験間違いなし‼︎大学で植物学を教える教授のもとに ある日届いた一通のメール。 内容は植物にまつわる素朴な質問のはずだった質問に誠実に答えようとすると、 どうしても考えなければならない問題がある。 生命とは何か? 死とは何か? 生きるとは何か? ある一週間における 植物学者の思索の物語。
    プロローグ 命を考える一週間
    月曜日 どうして植物は動かないのか?
    ・ 大学教授の朝 ・どうして植物は動かないのか?
    ・植物が動かない理由
    ・独立栄養生物と従属

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    2025年05月29日
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密

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    ネタバレ

    雑草は強い、、、のではなく弱いのだ。
    弱いからこそ生き延びられた。
    ホモ・サピエンスもそう。ネアンデルタール人は協力できなかったから生き延びられなかったが、ホモ・サピエンスは弱いところがあり、一人では生きていけなかったので協力して助け合うことで補い合って生活していた。そのおかげで、危機に対応でき、生き延びられたということが書かれていた。
    弱くて逃げて、「生きられる場所を探して」生きてきたのが、今残っている生物種なのである、というのには、目を見開く思いだった。

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    2023年09月03日
  • 生物に学ぶ ガラパゴス・イノベーション

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    稲垣栄洋氏の本は分かりやすく、未知の世界に触れられるので面白い。今回はガラパゴス諸島。しかし、植物学者の著者、本作ではビジネス本に挑戦!という趣の内容で、しかし、これが中々どうしてこの二つの分野の共通点を発見し、更に読書が面白さを増す。

    ガラパゴス諸島では、体重200キロを超えるような「ガラパゴスゾウガメ」が草食動物のように草を食べている。ガラパゴスとは、そもそもスペイン語でゾウガメを意味する。ガラパゴスには、飛べない鳥がいる。赤道下なのにペンギンもいる。

    ガラパゴスだけではなく、島嶼で進化を遂げた生物たちの多くは、大陸からやってきた外来種に追いやられて絶滅の危機に瀕している。島の中の競争

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    2023年08月05日