稲垣栄洋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とても読みやすい。大学教授の一週間、学生からのメールの質問に対する回答を考えるプロセスで、読者を考察の世界に誘い込む。
植物と人間の対比が気付きをもたらせてくれる。
人間は上半身から摂取して下半身から排泄する。子孫を残す機能は下半身に宿す。これに対して植物は真逆の構造になっている。下半身(根)から摂取して上半身に栄養が届けられる。植物の上半身(花や種)には子孫を残すための機能がある。
また細胞分裂も真逆である。人間は古い細胞が外側から抜け落ちていく。これに対して植物は、例えば木であれば、幹の中の細胞は死んでいて、外側に新しい細胞が広がっていく。細胞レベルで選択されたこの仕組みに意思が感じられる -
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルにもある通り、本作は主に食物(植物)を取り扱います。
やや劇的なタイトルではありますが、確かに歴史にインパクトのあった食物がフィーチャーされています。
列記しますと、コムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、ワタ、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、チューリップ、トウモロコシ、サクラ、となります。
・・・
何が良いかというと、やはり稲垣先生の徹底的な植物好き、植物に関する深く広い知識が面白くてよいですね。
植物の生態だったり形状だったり進化の理由とかを説明しちゃう。そしてそれがまた非常に合理なのでついつい「へぇー」となる、という感じです。
例えば、イネ科の植物に -
Posted by ブクログ
植物学者の稲垣栄洋さんの著書で、本書は「怖い」をテーマにした短編集になっている。怖いとは掲げているものの危険な品種や事例の紹介は少なく、「仕組み的に怖いと言える」「よく考えると怖い」「ある意味怖い」といったニュアンスが多いので、特に怖がらず楽しく読めた。
著者のほかの本や動画ですでに知っている話が複数あり、私は少し退屈だったが、話のチョイスは私の好みのものだったのでらまだ読んでいない人にはダイジェスト版的な意味で強く勧めたい。
「植物と動物の違い」より
60ページ
「進化論を唱えたイギリスの博物学者チャールズ・ダーウィン(一八〇九-一八八二)は、この議論を「もともと分けられないものを分けよう -
Posted by ブクログ
植物は死なない!?植物学者が思索する生命論
人気植物学者が贈るサイエンスミステリー。 生命の本質に迫る一週間には、驚きの結末が…極上の読書体験間違いなし‼︎大学で植物学を教える教授のもとに ある日届いた一通のメール。 内容は植物にまつわる素朴な質問のはずだった質問に誠実に答えようとすると、 どうしても考えなければならない問題がある。 生命とは何か? 死とは何か? 生きるとは何か? ある一週間における 植物学者の思索の物語。
プロローグ 命を考える一週間
月曜日 どうして植物は動かないのか?
・ 大学教授の朝 ・どうして植物は動かないのか?
・植物が動かない理由
・独立栄養生物と従属 -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
稲垣栄洋氏の本は分かりやすく、未知の世界に触れられるので面白い。今回はガラパゴス諸島。しかし、植物学者の著者、本作ではビジネス本に挑戦!という趣の内容で、しかし、これが中々どうしてこの二つの分野の共通点を発見し、更に読書が面白さを増す。
ガラパゴス諸島では、体重200キロを超えるような「ガラパゴスゾウガメ」が草食動物のように草を食べている。ガラパゴスとは、そもそもスペイン語でゾウガメを意味する。ガラパゴスには、飛べない鳥がいる。赤道下なのにペンギンもいる。
ガラパゴスだけではなく、島嶼で進化を遂げた生物たちの多くは、大陸からやってきた外来種に追いやられて絶滅の危機に瀕している。島の中の競争