稲垣栄洋のレビュー一覧

  • 世界史を大きく動かした植物
    農作物が文明を支えたのはある程度一般常識だが、それ以外にも様々な植物が歴史に紐づけられていて非常に面白い。古代オリエントはコムギ・オオムギ、インダス文明はイネ、黄河文明はダイズ・ムギ、長江文明はイネ、アステカ・マヤはトウモロコシ、インカはジャガイモ。生産量トップ5は当然入ってくる(トウモロコシ、コム...続きを読む
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    閉経した女性のおかげで子どもの生存率が高まるという「おばあちゃん仮説」。人間とシャチとゴンドウクジラしか、閉経しないらしい。あとはもう死んでいくという。ジャガイモのようにクローンで無限に増えては同一種を駆逐する疫病で全滅してしまうが、人間は有限の生命を生きる代わりに、他の生き物とは違い老いることがで...続きを読む
  • 雑草学のセンセイは「みちくさ研究家」
    「生き物の死にざま」大ヒット。150冊以上の著作のある植物学者の専門は雑草学。雑草と呼ばれる植物の話から自身の学問への道など、縦横無尽に語る。

    学ぶことの楽しさ、人生における出会いを植物学とうまくミックスして伝える作品。学生への講義のように進む文体が心地よい。
  • 面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ
    本書では題名の通り雑草が中心に扱われているが、雑草に限らず植物、そしてもっと幅広く生物の生態や進化は本当に不思議で、そして精密な世界だなと思う。よく言われることではあるが、絶妙なバランスの上に生物の多様性が成り立っていることを考えると、やはり人類はもっともっと環境に配慮した生活をすべきなのだと思う。...続きを読む
  • 雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々
    「雑草魂」
    雑草のように、踏まれても、厳しい環境にあっても立ち上がる、不屈の精神を指す。

    ところが、雑草の研究者である著者によると、
    雑草は、踏まれたら、すぐには立ち上がらず、
    種を温存して、時期が来てから立ち上がる。
    雑草の種類によって、種のつけ方が違うように、
    種の多様性は、居場所の多様性。
    ...続きを読む
  • 雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々
    ユーモアもあって、とっても面白い。
    これから大学に入る高校生とかにもおすすめしたい。

    よく、雑草は踏まれても踏まれても立ち上がるというけれど、実は、そうでもなくて、雑草は、倒れたまま、一番重要なことのためにエネルギーを取っておくらしい。
    雑草は、種子のまま環境が整うまで待っていて、無理して芽を出さ...続きを読む
  • 世界史を大きく動かした植物
    高校生の頃、オリーブの研究をしている先生が「ローマ時代のオリーブの役割と交易にもたらした影響」といったテーマで講演をしてくれた。とても印象に残っていて面白い講演で、まさにこの本のはなしに通じるな、と。
    そしてこの本も面白かった!
    普段食べているものだからこそ歴史を身近に感じる。
  • Learned from Life History 38億年の生命史に学ぶ生存戦略
    適切な大学に入ることは、実現ニッチではなく、基本ニッチを手に入れることができ、本来のポテンシャルを活かせるということなのか。
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    とても良かった。
    プリマー新書でも子どもが読むにはハードルが高いものもあが、本書は中学生ならだれでも読めるし、漢字が読めれば小学校高学年でも読めるだろう。多くの子どもたちに向けて書かれているのがとてもよい。
    前半は子ども向けベストセラーシリーズの「すごい動物」本を気に入って読んでいる子なら楽しく読み...続きを読む
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    今の場所で咲けない人たちに、植物学の根拠をもって優しく語りかけてくださっている。ふつうの人はいない。平均値もない。あるのは多様性。人間は本来自然界の生き物だから、好きな方向に伸びていきたい。ちょうど家族の不登校で心が乱れていたため、「8時間目」「9時間目」と「おわりに」で、とても励まされた。生きてい...続きを読む
  • 生物に学ぶ ガラパゴス・イノベーション
    1540

    稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)
    1968年、静岡県生まれ。1993年、岡山大学大学院農学研究科(当時)修了。農学博士。専攻は雑草生態学。1993年農林水産省入省。1995年静岡県入庁、農林技術研究所などを経て、2013年より静岡大学大学院教授。研究分野は農業生態学、雑草科学。農業研究に携...続きを読む
  • 世界史を大きく動かした植物
    今年度はどうやら「社会科」に興味があるようで、歴史、地理、政治、経済などにまつわる書物を主に読み耽っております。
    こちらは、いくつかの食材になる植物を題材にザッと「社会科」が学べる作品でした。
    イネとかコショウとか…どのような質で、どこから来たのか、どんな国を渡り歩いてポピュラーになったのか。この植...続きを読む
  • けなげな野菜図鑑
    動物は体内にビタミンCを創り出す仕組みがあるのだが、サル類は果物を食べるようになって、ビタミンCを創り出す仕組みを失ったそうだ。あらあら、そんなわけで人間は野菜や果物を食べないとだめなんだねえ。
    ジャガイモは茎や葉まで食べていて毒があったので、悪魔の植物と呼ばれていたそうだ。
    トマトはその鮮やかな赤...続きを読む
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    とて読みやすい。著者は農学部の教授である。文章の表現から筆者がきっと学生にとって優しい先生なのではないかと感じさせられる(激しい思い込みかもしれないですね、すいません)。難解な漢語も言い回しもせず、ゼミで話をしているかのような文体なので、自分のゼミを懐かしく思い出してしまった。個性というものが自然と...続きを読む
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略
    植物がいかにして自然界での生存競争に生き残ってきたか。その戦略を分析している。動物や昆虫の力をしたたかに利用して進化してきた様は実に見事だ。

    植物の進化は同時に動物や昆虫の進化でもある。どちらが先かわからないが、相手からの補食を防ぎ、あるいはその防御を突破し、お互いの利点を利用し合うことで自然界で...続きを読む
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    植物を通じて個性とは?多様性とは?らしさとは?を語っている。
    人と植物を比較しているので読みやすいです。
    中学入試頻出文とはいえ、大人も読むと惹きつけられることが多いです。
    頻出文なる理由がわかります。
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    今のままでいいのかと悩んでいたり、どうしても周囲と比較して落ち込んでしまう人が目の前にいたら、よければどうぞと勧めたい本。もしかしたら霧が晴れるかもしれない。純粋に生物の個性という知的好奇心を満たすもよし。生きとし生けるものに価値があることを、単なる精神論ではなく、生物の進化とその合理性をもって主張...続きを読む
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    タイトルだけ見るとナマケモノについての専門書と思うが、実際は29種類の生物昆虫雑草の不思議な生態とその進化発達の理由を解説している。一生物につき3-6pほどの解説。一つの解説が細かすぎるわけでないので、サクサク読める。逆に細かく知りたいと期待する人には物足りない、一般書れべるだろう。

    一つ一つの生...続きを読む
  • 生き物が大人になるまで~「成長」をめぐる生物学
    さまざまな著作を非常にわかりやすく整理されていると感じたうえに、ときおり「はっ」とさせられる

    「稲作」「子育て」という言葉 なんか簡単に使っていたけど 成長とは何かということを考えると、また違って見える

    目に見えない成長 の大切さ
    大切にしていきたい視点であった。
  • モンスターにされた生き物たち 妖怪・怪物の正体とは?
    モンスターにされた生き物たち 妖怪・怪物の正体とは?。稲垣 栄洋先生の著書。人間の想像力は無限。人間の想像力はすごい。人間の想像力でモンスターにされた生き物たちや妖怪・怪物はたくさんいるけれどどれも個性的で楽しい。本当に怖くて仕方のないモンスターにされた生き物たちや妖怪・怪物もいればどこかかわいらし...続きを読む