稲垣栄洋のレビュー一覧

  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    全ての生物の生命活動は、遺伝子に支配されている。しかし、私たちが獲得した「老後の時代」は、生物学の常識からも、遺伝子の支配からも、完全に解き放たれた時間である。何のしがらみも、呪縛もない。
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    答えがない時は答えをたくさん用意する
    自分にふさわしい環境は自分で作れる
    1~4章があるから5、6章に説得力が出る
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    人から嫌われたり笑われたりする生き物たち。そんな生き物も進化の過程でそうなって、ゆえに今も生き続けているということを教えてくれる。そして、進化は、他の生き物と競合しない生活環境に適応するように進み、だから今のままでいいんだという優しい結論に達する。興味深く、面白く、そしてほっこりする一冊。
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    雑草は強い、、、のではなく弱いのだ。
    弱いからこそ生き延びられた。
    ホモ・サピエンスもそう。ネアンデルタール人は協力できなかったから生き延びられなかったが、ホモ・サピエンスは弱いところがあり、一人では生きていけなかったので協力して助け合うことで補い合って生活していた。そのおかげで、危機に対応でき、生...続きを読む
  • 生物に学ぶ ガラパゴス・イノベーション
    稲垣栄洋氏の本は分かりやすく、未知の世界に触れられるので面白い。今回はガラパゴス諸島。しかし、植物学者の著者、本作ではビジネス本に挑戦!という趣の内容で、しかし、これが中々どうしてこの二つの分野の共通点を発見し、更に読書が面白さを増す。

    ガラパゴス諸島では、体重200キロを超えるような「ガラパゴス...続きを読む
  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―(新潮文庫)
    現行の光村国語教科書中1に、ダイコンは大きな根?という説明的文章が載っているのだが、この本からの出典だったとは。知らずに読んでいたので驚き。シンプルで分かりやすい文体。
    食べ物、料理、生物分野に興味のある人におすすめ。ついつい誰かに話したくなる知識満載の一冊。特に、赤は食欲増進の色だから、ファストフ...続きを読む
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    若いとは単に老いのプログラムのスイッチがオフの状態なのである。若さとはただ老いていないだけ。というのはパワーワードだった。

    しかし他の本では若い人の血を混ぜると若返る話が出てたけどなぁ….。

    ちょっと鵜呑みにできない部分もあるけど老いも死も考えられて作られた素敵なものだと思わせてくれる本だった。...続きを読む
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略
    「雑草魂」は力強さのことではなく、多様性のことだった!

    「雑草魂」という言葉があるように、雑草には力強いイメージがありますが、そんな雑草も実は巧みな戦略をもってサバイブしていることに、この本を読んで驚きました。

    商品として売り出される野菜や花などの作物は、人間があつらえてくれた良質な土壌に植えら...続きを読む
  • ナマケモノは、なぜ怠けるのか? ──生き物の個性と進化のふしぎ
    標題のナマケモノをはじめ、人間からすると不思議な生き物や迷惑な生き物の進化の過程を概説する。カタツムリの進化の先にナメクジが位置付けられるってことを、初めて知った。もちろん双方にメリットがあり、棲み分けの理由が存在する。すべての生命に存在理由があることが分かる良書だ。
    小学生でも分かる書きっぷりもい...続きを読む
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    「老いることができる」という進化は何かしら合理的なんだから、ポジティブに老いていこうぜというお話。

    結論から言ってしまえば、なぜヒトは老いるのかは分からず、結局「生命の神秘」に落ち着くんですが、植物も動物も進化の形はその種にとって有利な方向へ向かうもの。老いてからも生きられる長い寿命と環境を手に入...続きを読む
  • 世界史を大きく動かした植物
    そもそも世界史をよくわかっていないので、世界史の入門として面白く読めた。切り口が身近な植物ということで生き物や自然に興味のある人の世界史入門書です。amzon primeでサクッと読めます。
  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―(新潮文庫)
    食材の味や栄養、調理法について、食材が植物や動物として生きていたときの性質や進化の過程およびヒトの歴史を踏まえて科学的に説明されている。本書も稲垣先生の著作として期待どおりの楽しさと学びが得られた。

    15ページ
    →レタスを包丁で切ってはいけない理由

    29ページ
    じつは、多くの動物は、ビタミンCを...続きを読む
  • 植物たちのフシギすぎる進化 ──木が草になったって本当?
    本文は88pですぐ読みおわる分量。語り掛け調で雑談も多いので、好みの分かれるところかもしれないが、切り口と内容は興味深い。しかし雑談が多い。こんなに話題が飛んで、子どもたちはついていけるのだろうか。雑談しか記憶に残っていないということにならないか不安がある。通読してもらうことに成功すれば、よい読後感...続きを読む
  • 生き物が老いるということ 死と長寿の進化論
    当たり前のことだけれども
    この地球上では
    さまざまな生き物たちが
    生を営んでいる

    木も草も
    鳥も虫も
    目に見えるものたち
    目に見えぬ微細な生き物たち

    研究の対象として
    さまざまな生物を
    見つめておられる方の
    思考、お言葉は
    いつも 心に沁みてくる

    また そんな一冊に
    出逢えたことに 感謝
  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―(新潮文庫)
    単行本は2010年に家の光協会から刊行されている。
    それがこの度、新潮文庫に入ったということだ。

    どうしてレタスを刃物で切ってはいけないのか。
    玉ねぎを切ったとき目に刺激が少ないのは縦に切ったときか、横に切ったときか。
    グリーンピースの臭みの元は何か。
    ねぎの葉の「表」とは、筒の内側か外側か。
    ...続きを読む
  • 面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ
    稲垣先生の雑草の本が好きなので本書も期待して読み始めた。
    20種類以上の雑草について生存戦略の術が説明されている。
    ほかの著書との重複もあるが、初めて見る話も多かったため新たな学びを得ることができた。
    雑草の性質をヒトの営みに活かす教訓を学ぶような書き方になっているが、全テーマに学びを設定するのは少...続きを読む
  • 一晩置いたカレーはなぜおいしいのか―食材と料理のサイエンス―(新潮文庫)
    果実食のサルはビタミンCを体内で作る能力を失った。
    肉食動物は肉を分解するために人類の20倍の胃酸濃度。腸は体長の3~4倍と短い。
    植物食の人類の腸は12倍、有毒物質が発生しやすい。
    食物繊維が排出し、餌としている善玉菌も増える。

    葉菜類 
     冬を越しやすいロゼット形状 根っこを太らせる 旬は冬か...続きを読む
  • 世界史を大きく動かした植物
    身近な農作物である麦やイネなど歴史との関わりを解説。トウモロコシ怖い。樹木よりも草の方が進化した生物なんですってよ。
    不連続な歴史知識が、植物で繋がるのは快感。お金、お酒、科学技術とかこういう切り口は色々ありそうなので手を出してみたい。
    コショウ、トウガラシ(大航海時代)、ジャガイモ(フランス革命〜...続きを読む
  • 植物たちのフシギすぎる進化 ──木が草になったって本当?
    ちくまQブックスとは、どうやら10代向けの本のようだ。本をあえて薄くし、読破できるようにしているのも特徴で、面白い試みだと思った。内容はというと、一言で稲垣先生の良質な講義を受けている気持ちになれた本。先生らしく、大変わかりやすい例えと表現で植物の世界を説いている。ここからさらに踏み込むとちくまプリ...続きを読む
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    コロナ禍や不景気、色々生きづらい世の中ということもあり、普通の生活を送ることがしんどく感じることがある。適応障害やうつなど、心の課題を抱えるのは環境やタイミングの問題なんじゃないかと感じるくらい身近な存在になったし、それくらい社暗く感じる今の社会。
    「普通」に働いて、「普通」に結婚する。
    自分の親世...続きを読む