稲垣栄洋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
稲垣栄洋さんは沢山の本を書いているが、本書は若者向けに著した「植物はなぜ動かないのか」「雑草はなぜそこに生えているのか」に続く3冊目の本らしい。
前半はイネと言う植物についての生物学、後半はイネを育てる田んぼと収穫物のコメについての歴史や文化といった内容。
去年はコメが高騰し社会問題になったが、日本人なのにコメのことをあまり知らないことに気づかされた。
植物としてのコメのみならず、日本の文化や生活、社会構造などコメが果たした役割を知ることができる。
簡潔に、広く浅く「コメ」に関するうんちくを身につけるのに最適な本だ。
例えば、
「イネ」は奇妙な植物だ。
植物は種子を地面に落として子孫を残す。
が、イネは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という句が詠まれるほど種子を落とさない。
これは突然変異で種子を落とさないイネを選択してきたからだそう。
その他、田んぼに水を張る理由や、種をまくのではなく少し育った苗を植える理由など、稲作にまつわる蘊蓄が満載だ。
「イネ」って水田で育つ。
大量な水が欠かせない作物としては、イネのほかにはレンコンとワサビくらいしか思いつかない。
水田は日本の風景の一つになっているし、日本人にとって「ご飯」といえば「コメ」だ。
「おにぎり」や「おすし」は日本食の代表だ。
「せんべい」や「もち」も種類の違うコメから作られている。
東京を離れ電車に乗って旅行に行くと、遠くに山が見えるが何もない景色が車窓から見える。
だが、何もないのではなく「田んぼ」があるのだ。
空気と同じように「田んぼ」は、あることが当たり前になっているのだ。
苗字の"苗"はイネの苗、
そして、日本人の苗字に最も多く使われている漢字は"田"
文字通り田んぼに由来していて、田中、前田、横田、上田、平田、神田、池田、吉田、芦田など、"田"はさまざまな苗字に使われている。
おでんを漢字で書くと"御田"と"田"が使われている。
ナイフやフォーク・スプーン、皿などは家族で同じものが多いが、茶碗と箸は個人個人で別々とコメを食べる道具は特別な存在。
コメと日本人について書かれた本は沢山あるが、コメ(イネ)という植物を生物学的にも知りたい人には本書がよさそう。 -
面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ
- カート
-
試し読み
-
購入済み
お酒にまつわるいろいろなことを知ることができて
とても面白かった。
思わずひと息に読んでしまった。
各章ごとにその章で取り上げられた種類のお酒を呑みながら読めばよかったなと思う。 -
Posted by ブクログ
中高生向けに、植物学への誘いとして書かれた入門書。
動物と違って動くことができず、食物連鎖のピラミッドでは最下層に位置する植物。
では、植物は「弱い」生命体なのか?
決してそんなことはなく、実に強かに進化し、しぶとく生き延びるための知恵を身につけてきたのだということを分かりやすく解いていく。
生物の授業で習う、植物の様々な特性。
例えば、裸子植物と被子植物、双子葉類と単子葉類、花や果実、ニッチ戦略…が、なぜそうなったのか?について、地球環境の変遷と、その中で生存競争に勝ち抜くため…つまり種としての存続を図るにあたって最も合理的な進化を遂げてきた結果であることを説明していく。
全ては環境適合の賜物であることは、ストーリー性があり、単に用語を暗記するのに比べぐっと面白く感じられるであろう。
特に、環境適合のスピードを上げるための進化の一つとして(これは動物も含めて)、あえて「死ぬ構造に進化してきた」という指摘は面白かった。
世代交代が行われれば行われるほど、スピーディーに進化していけるためであり、種として存続するために個としては寿命を設けて死ぬことを選んだのである。
また、本書の特徴として、中高生向けということもあり、植物の様々な生存戦略に触れながら、そこから人生訓めいたものも折に触れて混ぜ込んでくる。
本当に講堂で授業を聞いているかのような、親しみやすい一冊だった。 -
Posted by ブクログ
昨年の春、「植物に死はあるのか 生命の不思議をめぐる1週間」という本で初めて知った植物学者の稲垣栄洋さん。
この本がとてもエキサイティングで面白かった。
いつもの工夫舎さんで、まず「コメと日本人」というタイトルに惹かれて手に取り、著者名を確認。流れるようにレジへ直行。
…はい、やっぱり面白いー!
コメ、お米、白米…ごはん…美味しいよね。ここ数年来わたしをときめかせる食べ物のひとつが塩むすびだったりする。
植物としてのイネの話、うるち米ともち米の違いをアミロペクチンとアミロースの割合からわかりやすく教えてくれる。
イラストもかわいいし、直感的な理解を助けてくれるのでありがたい。
田んぼというシステムについても、目から鱗の内容だった。
見慣れた普通の景色に鮮やかな色がつくみたいに、知ることの楽しさが体感できる。
特に面白かったのは、第四章「米で読み解く日本の歴史」そして第五章の「米と日本人」。不思議なんだけど、最近興味が湧いて読んできた本や、触れてきたカルチャーに全方位で繋がる内容だったので、美味しいお米みたいに「美味いなぁ、美味いなぁ」と思いながら読んだ。
きわめつけの解説、小泉武夫先生。
発酵業界では大御所らしいが、
小倉ヒラクさんの本や、関連からそのお名前を耳にする機会があったので、
「おおっ、ご本人登場?!」と、その文章に大興奮してしまった。
(内容はもう一回読み返そ)
読書って、本との出会いって、
こういうことがわりとあるんだよな。
今回も最高の出会いになりました。
-
Posted by ブクログ
専門家的に研究結果を教えてくれる感じの本だと思って読みはじめたけど、体感としては、
植物の知識:ライフハック=3:7
ぐらいでおもしろかった。
雑草の生き方は人間にも応用できることを、著者の経験も踏まえて教えてくれる優しい本だと思った。
「脳科学的に」とか「先人の教えを通して」生き方を教えられるより、「植物はこうやって生きてるよ」の方が、私には納得感があった。
なんでか理由を考えてみた。
私は想像もつかないものが苦手だ。
「自分の1部でありながら、見ることができないので想像するしかない脳」や「知らない人間の人生」よりも、「私が見たことがある植物の話」なのでするする入ってきたのではないかと思う。
「人生に悩んでるけど、よくわからないことに触れたり、他人に説教されたりは嫌!」という、私みたいなわがままな人に、とてもおすすめな自己啓発本かもしれない。
あと、「植物図鑑には人間の解釈が載っていて、植物の生き方が必ずそのとおりであるとは限らない」という内容が好きだなと思った。
-
Posted by ブクログ
見た目はレシピ本やグルメ本だけど著者は植物の先生だもんね
うっかり勘違いして読んでも楽しめる内容です
きっと毎日いただくご飯が興味深く感じられる事でしょう!
おいしいご飯を「いただきます」。
○トウガラシは辛いけど鳥には感じない
飛べる鳥に種を運んでもらうようにしている
消化管が短いので種が無事に通り抜けられる利点もある
○ジャガイモが一晩で染み出してとろみをつけるとカレーの味が舌に残るようになる
○玉ねぎを縦にきると細胞が壊れる数が少ないので辛味成分が出にくい
逆にサラダにするときは横に切って辛味成分を水にさらす
大根おろしも細胞を壊さないようにそっとおろすと辛くない
○メッセージビーンズというものがある
刀豆の種にレーザーで刻印するとできる
○ニンニクが元気になる理由
実はニンニクは毒があってそれを排除しようと生理作用が活性化して眠っている防御能力が高まる
○細いのはウインナー羊
フランクフルト豚
ボロニア牛 の腸
○ヤマイモのかゆいのは酢水で取れる
○夏ソバールチン多い 秋ソバー風味がいい
○ネギの葉っぱは内側が外 -
Posted by ブクログ
『雑草という戦略』を読んで、強さとは何かについて考えさせられました。この本でいう強さとは、他と競って勝つことではなく、どんな環境でも生き残り続ける力のことです。
雑草は、踏まれたり刈られたりする厳しい環境の中でも生きています。その理由は、無理に戦わず、自分に合った場所を選んで生きているからです。特に印象に残ったのは、オオバコの話です。オオバコは踏まれることに適応し、「踏まれる場所」で一番強い植物になっています。この話から、環境を変えようとするのではなく、環境に合わせて自分を変えることの大切さを学びました。
また、雑草は小さな種をたくさん残します。一つ一つは小さくても、数多く試すことで生き残る可能性を高めています。これは、仕事や人生でも同じだと思いました。大きな挑戦を一度するよりも、小さな挑戦を何度も繰り返す方が、失敗を恐れずに前に進めると感じました。
さらに、雑草は多様な子孫を残します。どんな成功も、その環境にたまたま合っていただけだと考え、変化に備えています。この考え方は、変化の多い現代社会を生きる私たちにとって、とても大切だと思いました。
この本を通して、私は「勝つこと」よりも「生き続けること」が大切だと気づきました。力で無理に押し通すのではなく、しなやかに環境に適応する雑草の生き方は、仕事や人生のヒントになると感じました。