あらすじ
自然界は弱肉強食の厳しい社会だが、弱そうに見えるたくさんの動植物たちが、優れた戦略を駆使して自然を謳歌している。植物たちの豊かな生き方に楽しく学ぼう。
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Posted by ブクログ
植物のこと、生物のこと、自然のことを体系的に考えさせてくれる。
読んでから外を散歩すると、見えてくる世界や自分が感じることがちょっと変わります。
子供の頃理科で習ったこと、覚えたことを、なぜそうなったのか?が分かりやすく説いてくれるので、次章に繋がって理解しやすい。
人間はエネルギー使いすぎ!って植物は思ってるかも、みたいな視点は面白かったです。確かに、人は活発だし貪欲だよなぁ。と思いました。
Posted by ブクログ
進化は小さい方が有利なんだ
以前読んだ鳥の本にも同じ理由が書かれていた
恐竜は大きすぎたんだなー
裸子植物から被子植物への変化は
恐竜を絶滅に追いやった??なんてオドロキ
↑というのは毒を持つ進化などらしい
裸子植物は維管束無しだが、確実に水を細胞に行き渡せられる
低温に強い
御神木によくある杉や銀杏に大木が多いのはそういうわけ
花を美しいと思うのは文化である
ひまわりに元気をもらったり
五角形の花々を可愛いと思うのはなぜだろう?
文化じゃない何かがあるような??
赤い色は果実が熟しているサインだから
おいしそうに感じる
日本タンポポが西洋タンポポに追いやられて減っているわけではない
都市部に増える西洋タンポポが増えているだけ
生育に適した日本の自然が減っているから
若い人たち向けに執筆された本らしく興味を引きやすい例えを採用している
学校生活とか野球の例が面白い
Posted by ブクログ
植物の繁栄の歴史、恐竜絶滅の理由や昆虫と如何に共存するか工夫してきたことを分かりやすく書いてある。
地球史とも関連付けられているので生命の歴史を俯瞰的に学ぶことができる良書である。
Posted by ブクログ
〈本から〉
イルカとクジラは、単に大きさが三メートルよりも小さい種類をイルカ、三メートルよりも大きのをクジラと呼んでいる。
生物種は、「他の個体群と交配しない生殖的隔離機構があること」で区別
植物は、別種とされていても、種間交雑して種子を作ることがある。
植物は、人間が思う枠を超えて、子孫を残そうとする。そこには、何のルールもない。植物の生き方は、人間が思っているよりも、ずっと自由なのである。
植物の体のつくりは基本パーツが集合したモジュール構造と呼ばれている。
一つの細胞から、すべての器官をつくり上げることができるという植物の細胞の特徴は「全能性」と呼ばれている。
緑藻類が緑色に見えるということは、緑色の光は吸収せずに反射しているということになる。つまり、緑以外の青色と赤色を吸収して光合成をしているのだ。光合成を行う上でもっとも効率が良いのは、青色と赤色の光である。そのため、光の当たる浅瀬に棲む緑藻類は青色と赤色の光を吸収しているのである。ちなみに、水は赤い色を吸収する。
被子植物の激激な変化
種子を作る種子植物には、「被子植物」と「裸子植物」とがある。裸子植物は「胚珠が剥き出しになっている」のに対して、被子植物は「胚珠が子房に包まれ、むき出しにっていない」
現代でも過ぎやヒノキなどの裸子植物が、大量の花粉を撒き散らして、花粉症の原因として問題になるのは、裸子植物が風媒花だからである。
植物は、木から草へと進化していった
私たちの体の細胞には、自ら死ぬためのプログラムが組み込まれている。体の細胞数を一定に保つために、一定の細胞分裂を行うと死滅するようになっているのである。このような細胞死はアポトーシス(プログラムされた死)と呼ばれる。「死」は地球上に生まれた生命が創り出した発明品である。
窒素は、植物の体を構成するタンパク質の原料であり、成長に不可欠
イネ科植物は、葉が固い。イネ科植物は、葉を食べにくくするために、ケイ素で葉を固くしているのである。ケイ素はガラスの原料にもなるような固い物質だ。
ウシだけではなく、ヤギやヒツジ、シカ、キリンなども反芻によって植物を消化する反芻動物である。
ウマは胃を一つしか持たないが、発達した盲腸の中で、微生物が植物の繊維分を分解するようになっている。
イネ科植物は、単子葉植物である。単子葉植物は、双子葉植物から進化を遂げた植物である。
植物は「食べられること」を利用して成功してきたのである。
植物の戦略は、Cタイプ(競争型)、Sタイプ(ストレス耐性型)、Rタイプ(撹乱適応型)の三つ
生物の世界では、ナンバー1しか生きられないというのが鉄則
「ガウゼの法則」
「棲み分け」
全ての生物がナンバー1
生物のニッチ戦略
たくさんの生物のニッチで埋め尽くされて「生物の多様性」と呼ばれる世界が作られている
ニッチは小さい方が良い
たくさんの生物がニッチを分け合うことができる
弱者は変化を好む
複雑な環境にチャンスは宿る
「収斂進化」
植物学の分野では、雑草は強い植物であるとはされていない。
雑草をなくす方法
実は、一つだけ雑草をなくす方法があると言われている。それは、あろうことか「雑草をとらないいこと」
雑草は、草刈りや草取りなど逆境によって繁殖する。草取りをやめてしまえば、雑草だけではなく、さまざまな植物が生えてくる。そうなると、競争に弱い雑草は、立つ瀬がない。
雑草は踏まれたら立ち上がらない
Posted by ブクログ
植物は動かずに生きている。動物は動かなければ生きていけない。植物は動けないので敵や災害からは逃げられないが、実にダイナミックにたくましく生きている。
…著書はそんな話を公園に生えていた雑草から聞いたので、弱そうで強い生き方をしている植物の話を読者みなさんにお伝えします。
❐そもそも植物とは?
植物とは光合成で栄養をえる。その光合成を行う植物細胞の葉緑体は、昔は独立する生物だった。
他の大きな単細胞生物が、葉緑体となるバクテリアを取り込み、細胞とバクテリア(葉緑体)との共生生活が始まったのではないだろうか?⇒人間と大腸菌などと同じ。
❐動く、動かない
植物は「固着性」。自分で栄養を作るので餌を求めて動き回る必要はない。しかし天敵や災害からは逃げられない。では居心地良くなるには、植物自身を変えて生きてゆく。植物は同じ種類であっても大きかったり小さかったり自由自在。
❐動物と植物の間
動物と植物の中間のような生物もある。
・ミドリムシ(またはユーグレナ)
葉緑体を持つ植物の特長と、鞭毛を持ち動き回る動物の特長を持っている。鞭毛生物と葉緑体バクテリアとが共生生活することになったのだろう。
・?(和名はてな、学名HATENA)という生物は、鞭毛と緑藻類との両方がある。しかも細胞分裂すると、片方は緑藻類を体内に持ち、もう片方は持たないので口を作って餌を食べる。その餌から緑藻類を取り込み…(??)
❐動物植物の器官
動物:それぞれの器官が役割分担しながら一つの体を作る。
植物:同じパーツの集まりで、すべての期間が独立しても成立する。
動物は頭がなくなったら死ぬが、植物は切り取っても植樹でまた伸びる。
❐木と草
植物は、コケ⇒シダ⇒巨大な木となった。
恐竜と植物は、お互いに巨大化していった。
しかし地核と気候の変動により、巨大な木になる余裕がなかったり、光合成をゆっくりできなかったりしたので、短期間で成長して種子を残して更新してゆく草へと進化した。
❐裸子植物、被子植物
植物はもともと、趣旨のもとになる胚珠がむき出しの裸子植物で、花粉を風に乗せて飛ばして受粉していた。
その後胚珠が子房に包まれた被子植物へと変化した。一つの植物で雄しべ雌しべがあり、体内で素早く受精できる。
❐花
徐々に効率よく昆虫に花粉を運んでもらうために花を咲かせた。特に来てもらいたい昆虫用に特化した花を咲かせる植物もある。こうして植物と昆虫は進化していった。
花も昆虫も自分のために生きて進化したら互いに助け合う結果となった。これが自然の営み。
❐果実
被子植物は、胚珠を守っていた子房を発達させて果実を作った。そのために大事な胚珠は無防備になるのだが、子房ごと種子を食べた哺乳類が、糞として趣旨を排出することにより、植物が別の場所に移動したり増えることになった。
また、鳥類は果実を丸呑みするので、種子が無事であることが多い。
そこで植物は、まだ種子が成熟していないので食べられたら困る果実を緑色、もう種子が成熟して動物に食べてもらいたいサインとして果実を赤くした。
熟れた果実の色である赤は人間の味覚を刺激する。そのため赤提灯など飲食店の赤系統の看板を赤にする。(←アメリカ映画やドラマで”青いケーキ”などを食べるのはあれはなんなんだ。私としてはなぜあんな物をわざわざ作るのかわからないのだが、映画やドラマでは喜んでるよね)
❐恐竜
裸子植物が被子植物になったことにより、花を食べられない恐竜が追いついていけなくなった。
❐毒、味覚
植物は、種を食べられて運ばれることにより増やしていくが、食べられすぎても困る。
そのため毒や苦味をつくった。
しかし毒ばかり創ると成長できなくなってしまう。さらに一部の動物は、その毒に抗体を作り他のライバルとの食物争いを避ける。
もともと味覚とは、美味しいものを味わうためでなく、体に危険なものが苦い辛いなどわかるように発達した。
人間のように、苦味を喜ぶのは生物としても珍しい。
❐競争型、ストレス耐性型、撹乱適応型
・競争型:同じ環境に違う種類の生物がいたら、一番強いものしか生き残れない。
・ストレス耐性型:他の種類の生物と微妙に違うところに行けば、それぞれが生き残れる。そこで生物は自分だけが生き残れる「すきま」を見つける。この「すきま」は狭いほうが良い(広いと競争相手も増える)。そのために砂漠など他の競争相手がいない場所で生きられるために、水が少ないというストレスに耐久する力を得る。
ストレス対応に必要なのは「逃避」「回避」「耐性」。逃避⇒感想から逃れるため、葉や花を枯らせて土の下で球根となって力を蓄える。回避⇒根を張って水を蓄えておく。必要な時に対応できるので、ストレスが軽減される。耐性⇒水を節約しておくために、水分が逃げない作りに変化する。
・撹乱適応型:英語では「荒れ地に生きる」で、撹乱とは激しく環境が変化するということ。安定した環境では強い生物が強いので、弱い生物は予測不安定な環境を選び、臨機応変に変化する。弱者こそが変化する。
❐でも変化しないことも大事
植物は変化して生存競争を生き延びてきた。
しかしそれは「種子を残す」という根本の目的だけはけっして変えずに、その目的のための手段を自由に変えてきた。
生きてゆくうえで、変えてよいものと、変えてはいけないものがある。変化するためには、変化しないものが大事。
❐共生関係
植物は、増えるため、身を守るために、生物と共生関係を結ぶことになった。甘い果実を作り鳥の餌になることにより、植物も増えることができる。相手のために変化したことが結局自分のためになった。
❐脳の数
人間は脳は一つしかない。感覚器官で得たすべての情報を脳という情報システムに集約して判断する。
昆虫は複数の脳をそれぞれの足の付根に持っている。そのため昆虫は刺激を受けるとすぐに行動に移すことができる。
❐植物と人間との地球環境破壊
太古の地球で生命が生まれて、葉緑体を持つ植物プランクトンが、光合成を行い、二酸化炭素と水からエネルギー源を作り出すようになった。しかし光合成を作ると老廃物である酸素が生まれる、酸素はあらゆる物を錆びつかせる毒性物質だ。
すると植物の出した酵素を体内に取り込んで生命活動を行う生物が登場する。それが動物の祖先となる動物プランクトン。酸素は毒性があるが、爆発的なエネルギーを生み出す地Kらもある。酸素を体内に入れて、強力なエネルギーで活発な動き、体の巨大化が可能になった。
さらに酸素は紫外線に当たりオゾンになり地球を覆った。これは地球環境の大きな変貌であり、それまでの環境のある意味破壊でもある。
現在の地球生命は、オゾン層により有害な紫外線を吸収された環境で生きている。
人間は酸素消費を早め二酸化炭素を増やし、オゾン層を破壊し、酸素を作る森林を伐採している。ある意味地球最初の姿、二酸化炭素に満ち溢れ紫外線が降り注いだ生命誕生前の地球に戻そうとしているようだ。
しかしそうなったら人間は生きられない。
❐死を創った。
生き物は個別には死にたくないのだが、種としては死ぬシステムを創った。
生物の細胞は、細胞数を一定に保つために、一定の細胞分裂を行うと死滅するようになっている。⇒アポトーシス(プログラムされた死)
時代の変化に合わせて自らを変えるために、もとの個体のまま増殖するよりも、古い個体を壊してあたらいい個体を創っていかなければいけない。
生命は永遠であるために、自らを壊し、新しく作り直す。
❐人間が人間であること。
人間は、食べるわけでもないのに植物の花を美しいと思う。生物学や進化学でも、人間が花を愛する合理的な理由は見当たらないのだそうだ、それでも人間は花を美しいと思う。生存に関係のないもの、花、音楽、絵画、文学を美しいと思い楽しむことが文化であり、人間がが人間であること。
Posted by ブクログ
毎晩寝る前にちょっとずつ読み進めてたら、すごい面白いのにすぐ寝落ちするから、中々読み進まず、あんな薄い本なのに半年以上かかった。
すごくよくわかった。
単子葉、双子葉とか植物の変遷とか、学生の時に無理やり単語覚えてたのが、一回読んだだけで、めっちゃ理解が深まった。
強いものが生き延びるわけではないことも。
植物ってすごい。
稲垣さん好きになって積読が増えた。
Posted by ブクログ
生存のための戦略や、ニッチを見つけるということが印象的であった。
ビジネスにおけるマーケティングは、生物の生存戦略の理論と共通する部分が多々あるのではないかということを、読んでいて感じた。
結局マーケティングとはビジネスの世界で生き残る方法を説いたものと言えるだろうから、植物の生存戦略の内容と被るのはごく自然なことであろう。
そんなことをこの本を読んで考えた。
Posted by ブクログ
全自営業者必読の名著!全ての生物はナンバー1であり!オンリー1であり!極限のニッチに生きている!少なくとも今は(来年には絶滅してるかも、ナンバー2は絶滅する)!雑草魂とは踏まれても踏まれても無駄に立ち上がるような根性の事を指すのではない、むしろ踏まれないと困るような「変化」を起こす進化である。
植物は、生物は、「変化してよいもの」と「変化してはいけないもの」を知っている。知らないものは全て絶滅した(ナンバー2は絶滅する)!
安定した環境で圧倒的パワーを発揮する植物、他の誰もが寄り付かないような極限状況へ逃げ込んで「尚も」戦う植物、安定地帯では秒で負けてしまうが常に逆境と変化に晒されている限り無限に生き残る(つまり逆境に晒されていないと困る)植物。
日が当たらない、やたらと暑い、水が足りない、風が強い、競争相手がやたらと多い、植物も常にストレスに晒されている。でもそのストレスとの向き合い方は「根性」ではない。
弱いのは誰だ?強いのは誰だ?太陽に晒されるだけで感じる生きている実感とは?
常にメインストリームのランキング1位(それは音楽チャートの1位か?pixivのデイリーランキングの1位か?Youtubeの閲覧数か?ツイートのバズか?)を狙わないといけないと思い込んでいるクリエイターも、この本を一度読んでしまえば、もう二度と私の「内閣総理大臣賞」なんて曲は聴く必要はないだろう。この本こそが全てを語っている。
学生向けの生物学入門書、と書いてあるけれど、これぞ全年齢に通ずる正に「教育的」な一冊。フリーな生き方に迷った時の必読書。
激ヤバ鬼マスト!
Posted by ブクログ
もともと学生向けに書かれているとあって、非常にわかりやすい。植物の強さは、良く詩の題材(J-POPの歌詞にも結構あるし)として使われますが、食物連鎖の底辺なのに、したたかな生存戦略に裏打ちされた植物の生き方に触れるキッカケの教材になると思います。
Posted by ブクログ
植物の魅力がふんだんに。最後の雑草の所が強いメッセージを発しているが、全編を通して興味深い語り口だ。植物を通して、生物と生命の生き残り戦略も、活き活きと綴っている。
・昆虫は複数の脳を持っている。
・現在の陸上植物が緑色の葉を持っているのは、青色と赤色の光を光合成に用いる緑藻類が祖先だから。
・土は有機物からできている。そのため、地球に陸地ができたときに、陸地には土がまったくなかった。
・恐竜時代には、裸子植物だったため、花はない。植物が美しい花を咲かせるのは、昆虫を呼び寄せて受粉させるためだから。
・果実を食べて、植物の種子を最初に運んだのは、哺乳類だったと言われている。哺乳類はもともと昆虫食だったが、果実を食するものも出てきた。
・哺乳動物で唯一、赤色を見ることが出来のは、サルの仲間である霊長類の一部。
・木から草が進化した。
・ライムギの根は、620キロメートルもあった。毛根まで含めると地球の直径ほども。
・サボテンなどのCAM植物は、気温が低い夜に気孔を開き、二酸化炭素を取り入れ、昼は気孔を閉じて、光合成をする。
・雑草は逆境にこそ生きる道を選んだ植物。逆境に生きる知恵を進化させた植物。
Posted by ブクログ
日本タンポポが減少しているのは、西洋タンポポのせいではなく、ヒトが都市化を進めたため、育つのに適した環境が失われたから。
強者は現在の環境に適合した勝者であり、環境の安定を望む。雑草は強者の植物が生きにくい環境で全力で生きる弱者。
雑草は踏まれたら無理して立ち上がらない。いかにして種子を作るかにエネルギーを使う。さらに、雑草は良い環境に置かれても手を抜かず全力で種子を作る。
Posted by ブクログ
ととも良い内容だと思います。
植物はなぜ動かないのか、それは動かなくてもいいから・・
というところから、生命の進化・植物の進化、植物の
生物学的仕組み。それぞれの植物の生命種的な戦略。
(CSR戦略:競争・ストレス耐性・攪乱適応)
がわかりやすくかかれてあります。そればかりか
それらから導かれる、人類の哲学。処世術。啓発的な
内容までが書かれてあります。
自分の息子も、あまり強い方ではないのに、強さへの
憧れか、不正や変化環境を受け入れられないようで
それらによる苦しみや生きづらさがあるタイプ
のようです。
植物の変化対応力。ずらすということ。逃れること。
耐性をつけること。。。これらを学んで身につけて
くれたらいいなあと思います。読んでほしいと
思いました。
ナンバー1にならないと生き残れない。だからナンバー1に
なれるようにオンリー1をめざす。という戦略は
非常に示唆のあるものであると思います。
Posted by ブクログ
動けないから自由がなく、動物に食べられるばかりの植物。もちろん花の美しさに癒されるけれど、生命体としては見下していたかもしれない。しかし、その驚異の進化とメカニズムを知り、目からうろこなのだ。そもそもは動き回っていた単細胞生物が、摂取した葉緑体と共生し、二酸化炭素と日光から体内で栄養分を作ることができるよう進化したのが植物だという。動物は基本的にエサを食べるために動かざるを得ないのだ。動かなくても腹が満たされるなら動かないのだ。また、岩石、石、砂はもとから地球を形成する物質だが、土は有機物、すなわち生物の死骸からできている。よって、生命が誕生する前の地球には土がまったくなかったってのも、言われりゃそうだけど、なるほどである。
Posted by ブクログ
「強さ」とはなにか。
それを雑草から学ぼうという、これからを生きる若者に向けて書かれた本。
これからあらゆる逆境に遭遇する若者にむけて書かれた本ではあるものの、日々の競争やノルマ、あらゆるストレスに疲れた社会人にも、ちょっと染みる本だと思う。
無理に同じ土俵で戦うことが強さではないし、「戦う」とはそういうものではないことが、植物を研究していると見えてくるという。
植物は、ナンバー1以外は生き残れない世界で生きているゆえに、競争は不可避であるように思われるが、ナンバー1になれる場所を探してそこで生きることを選べば、戦わずしてナンバー1になれる。
「戦う」とは「場所を選ぶ事」ということになる。
植物は、芽吹く場所を選べないが、人間は選べるのだから、今いる場所が苦しく何の成果も得られないような場所なら、場所を変えてしまえばいいわけだ。
転職や転校、より自分が花開ける場所を選べばいい。
自分がすっぽりハマれるニッチを探して、あれこれ彷徨うのも、楽しいことかもしれない。
多様性が叫ばれる中、オンリー1にもナンバー1にもなかなかなれないかもしれないけれど、もともと自分という存在がオンリー1なのだから、無理して争う必要はないのかもしれないな。
なんて、この本を読みながら思った。
Posted by ブクログ
そもそも植物とはどういう存在なのか、ということをいろいろな視点から分かりやすく解説してくれています。この著者の本はどれも好きで、植物学に興味を持つようになりました。
Posted by ブクログ
「雑草というのは踏まれても踏まれても立ち上がるイメージがあるが、実際は踏まれて立ち上がる無駄なことにエネルギーを使うよりも、踏まれながらどうやって種子を残そうか考える」と聞いてなるほど。
変えてはいけないものが分かっている植物界の流儀を知ることができる一冊だった。
Posted by ブクログ
自然界の法則は、生きていく上での教科書みたいなものだね。で、植物の、というか生物の生存戦略は、社会での生き抜き方にそのまま通用するのよね。会社や組織、商品、サービスなど、どうすれば長く生き残っていけるのか。その回答がずばり書かれているわけ。まあ、私がそういう目線で読んでいるからかもしれないけど。
特におもしろかったのは、「第五章 生物にとって「強さ」とは何か?」のところでした。
Posted by ブクログ
「弱者」とは何か。植物たちの生き残り戦術
動物と植物との大きな違いは、
動物は、動き回り、自分に合った環境を探し回るのに対し、
植物は、動き回らず、自分が環境に合わせる。
動物は、長い世代をかけて環境に応じて変化するのに対し、
植物は、一代で環境になじむ。
植物は、いつも、搾取される。動物に食われる。ほかの植物との生存競争にもさらされる。その場で生き残ることが「勝ち」であり「価値」だ。
植物には、さほど複雑な構造はない。動物に比べ、パーツは「繰り返し」でできている。
とにかく、植物は、人とは大違いだ。
なのに、とある歌では、世界に一つだけだの、どれもみんなきれいだの、ナンバーワンになりたがるだの、人と比べている。
しかし、植物は、
オンリーワンかつナンバーワン
なのだという。
自分らしさにおいてナンバーワンでなければ生き残れない。その環境、その場において、オンリーワンかつナンバーワンを求められる。むしろ、もっと過酷な世界だ。人間なんて、ナンバーワンになれなくても、死にはしないからね。
植物の生存戦略は、主に3つ。
Cタイプは、競争型。とにかく強い。通常やれば敵なし。ぐんぐん育ち、他を圧倒する。
しかし、それでは弱者にチャンスはないのか、というとそうでもない。環境は変化する。絶対王者のボルトだって、転ぶ条件が整えば転ぶ。
そこで、まずは、Sタイプ。ストレス耐性型だ。例えば、極端に水のない環境、氷雪の多い環境など、強い悪条件に耐えうる力だ。
最後にRタイプ。攪乱適応型である。つまり、環境が激変する場で生き延びる。
そして、この3つのタイプの割合が違うことでオンリーワンになり、ナンバーワンになる。そして、それを植物界では「ニッチ」という。
競争型は、安定環境下での勝負で、他の植物を出し抜くが、ストレス耐性型と攪乱適応型は、ほかの植物とは戦わない。勝負は、環境という、植物ではないものとなのだ。
だから、「どれが一番強い?」と問うのに意味はない。
生き残っていること、それがそのものの、その場においての強さなのだ。
Posted by ブクログ
植物がコケ,シダ植物,裸子植物,被子植物と変化してきたことと,恐竜を含めて地球上の動物との関係などがうまく解説してあり,楽しく読めた.雑草の成功戦略で逆境×変化×多様性を挙げて説明していたが,教えられるところが多い.
Posted by ブクログ
初学者向けに平易に書かれているのでとても読みやすかったです。被子植物裸子植物等、懐かしい用語が連発です。本作では、植物の生存戦略や進化の経緯を人間の生活に結びつけて教えてくれます。
たとえば、よくいわれる雑草魂は雑草魂ではないんですね。雑草は賢く考え抜いた上であの場所で咲き誇っているわけで、特に何かに耐えていたり、戦っていたりするわけではありません。人間に踏まれるのだって、足の裏に種子を付けて繁殖するためです。今後植物の見方が変わる気がしています。
Posted by ブクログ
植物のたくましさがよくわかりました。
自分が動けないからこそ、環境に合わせて多様な進化を見せる植物の進化は、人間が学ぶべきことも多いと思います。
Posted by ブクログ
分類学の父リンネが、学名を母国語じゃなくラテン語で表そうって決めた理由が、
①ラテン語を口語として使う人がいないから、世界中の人が使うのにフェア
②口語として使う人がいないっちゅーことは、時代によって言語が変化することがない
っちゅーのが本当に素晴らしい
サボテンのトゲは葉が変化したもの
光合成は茎でしている
サボテンおもれぇ!
収斂進化しゅうれん
まったく異なる生物種なのに、環境に適応して進化した結果、よく似た姿になること
サボテンとアロエ、サメとイルカ、モグラとケラ
知識として知れてよかったっちゅー内容てんこもりでその点めっちゃいい本なんだが、ちょいちょい「本当の強さとは」とか「ストレス社会で闘うあなたへ」的なのが出てきて、そんなんいらーん!興醒め
あと校閲してる?と思うぐらい誤字とか表記揺れが目についた