あらすじ
自然界は弱肉強食の厳しい社会だが、弱そうに見えるたくさんの動植物たちが、優れた戦略を駆使して自然を謳歌している。植物たちの豊かな生き方に楽しく学ぼう。
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Posted by ブクログ
動けないから自由がなく、動物に食べられるばかりの植物。もちろん花の美しさに癒されるけれど、生命体としては見下していたかもしれない。しかし、その驚異の進化とメカニズムを知り、目からうろこなのだ。そもそもは動き回っていた単細胞生物が、摂取した葉緑体と共生し、二酸化炭素と日光から体内で栄養分を作ることができるよう進化したのが植物だという。動物は基本的にエサを食べるために動かざるを得ないのだ。動かなくても腹が満たされるなら動かないのだ。また、岩石、石、砂はもとから地球を形成する物質だが、土は有機物、すなわち生物の死骸からできている。よって、生命が誕生する前の地球には土がまったくなかったってのも、言われりゃそうだけど、なるほどである。
Posted by ブクログ
「強さ」とはなにか。
それを雑草から学ぼうという、これからを生きる若者に向けて書かれた本。
これからあらゆる逆境に遭遇する若者にむけて書かれた本ではあるものの、日々の競争やノルマ、あらゆるストレスに疲れた社会人にも、ちょっと染みる本だと思う。
無理に同じ土俵で戦うことが強さではないし、「戦う」とはそういうものではないことが、植物を研究していると見えてくるという。
植物は、ナンバー1以外は生き残れない世界で生きているゆえに、競争は不可避であるように思われるが、ナンバー1になれる場所を探してそこで生きることを選べば、戦わずしてナンバー1になれる。
「戦う」とは「場所を選ぶ事」ということになる。
植物は、芽吹く場所を選べないが、人間は選べるのだから、今いる場所が苦しく何の成果も得られないような場所なら、場所を変えてしまえばいいわけだ。
転職や転校、より自分が花開ける場所を選べばいい。
自分がすっぽりハマれるニッチを探して、あれこれ彷徨うのも、楽しいことかもしれない。
多様性が叫ばれる中、オンリー1にもナンバー1にもなかなかなれないかもしれないけれど、もともと自分という存在がオンリー1なのだから、無理して争う必要はないのかもしれないな。
なんて、この本を読みながら思った。