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逃げろ。なぜ、弱くても生き残れたのか? 生物に学ぶ画期的な生き残り戦略。敗者――。この言葉に、皆さんはどのような印象を持たれるであろうか。戦いに敗れた敗者は、弱い存在であり、みじめな存在であり、憐れむべき存在に見えるかも知れない。しかし、本当にそうだろうか。38億年に及ぶとされる悠久の生命の歴史の中では、最終的に生き残ったのは常に敗者の方であった。そして、その敗者たちによって、生命の歴史が作られてきたのである(本書より抜粋)。(おもな目次)敗者が紡いだ物語/競争から共生へ/動く必要がなければ動かない/破壊者か創造者か/死の発明/捲土重来の大爆発/敗者たちの楽園/フロンティアへの進出/そして、恐竜は滅んだ/古いタイプの生きる道/哺乳類のニッチ戦略/サルのはじまり/ホモ・サピエンスは弱かった/進化が導き出した答え/結局、敗者が生き残る ナンバーワンではなくオンリーワンを目指せ。
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Posted by ブクログ
敗者の生命史…まさに、地球上に生命が誕生日してから、生き残ったものは敗者だった。
地球に起こった様々な気候変動の中で、わずかなニッチを見つけて進化を遂げた動植物たち。
彼らの進化の歴史がぎゅぎゅぎゅっと詰まった一冊だった。
強者は進化をする必要がなく、サメやワニ、ゴキブリやシロアリなどが長い間そのままの姿で現在にある。
しかし、弱者である哺乳類は小さなネズミのような生き物から現在の人間の姿に至る凄まじ進化を遂げた。
しかし、いつも滅んでいくのはその時代の強者であったことを思うと、作者の言うとおり、現在地球で人間が人為的に起こしている気候変動の後に滅んでいくのは我々人類か…と思ったら、少しゾッとする。
いつかその日が来るかもしれないが、私たち人類の遺伝子はどこかで受け継がれている。
生命とは本当にたくましく、素晴らしい進化を遂げたんだなぁ。
Posted by ブクログ
生命の歴史、特に進化についてしっかりと解説されている入門書です。
簡潔明瞭で大変わかりやすく、気持ち良く勉強できました。
追い込まれた弱者こそが進化しなくてはならない、それは貧乏くじですが革命にもなり得るのですね。
しかし、同じ大きさだったり同じ物を食べたり、同じニッチでの争いで負けることは絶滅を意味するようです。
弱者であったために人類は進化し、ニッチが重なったために他のホモ属が絶滅したのかもしれません。
サメのように進化を必要としない完成された生物、単細胞生物のように変化に伴いすぐに進化する生物、人類のように技術で補正する生物、多様化の素晴らしさと面白さに気付かされた一冊。
Posted by ブクログ
原始生命の誕生から生命の歴史を紐解き、現在に至るまでが描かれている。
「敗者の生命史」という言葉の意味であるが、生命的弱者が常に進化の先端を走っており、現在の生き物の世界を形作っているということだ。
例えば、サメという魚は太古から海の中では強者であり、進化的には完成されてしまっている。つまり、サメが住む世界ではサメが強者でありそれ以上身体を進化させる必要は無かったのだ。だからサメは大昔とほとんど姿が変わっていない。
一方、サメから追われる立場の弱者である小魚たちはありとあらゆる方策を駆使して身体を進化させ、生き残りを目指した。ある者は身体を小さくし、ある者は海を捨て陸地に上がっていった。
進化する際に重要なのは子孫を残す際にエラーをあえて発生させることだ。
エラーという言葉を使うとなんだか悪いもののように感じるが、エラーを発生させるということは「突然変異を発生させる」ということであり、その環境にさらに適応できるような身体や能力を発生させることなのである。つまり、より強い者を出現させることができると言うことだ。もちろんその発生はランダムなので弱い者が発生することもあるが、弱い者はすぐに絶滅する。
さらに、ある個体の寿命があまりに長すぎると突然変異の発生の頻度が落ちてしまうので個体の種全体として考えるとあまり効率的では無い。適度に短い寿命で多くの生死のサイクルを経験することが種の保存には重要なのだ。
本書を読んで、生物の種がいかにしてこの過酷な地球環境(純粋に環境だけでは無く、捕食されたり、食べ物を探すといったことも含めて)を生き抜く為に努力してきたかが非常に良く理解できた。
生命史の初学書としておすすめ。このような本の中で一番分かりやすかった。
Posted by ブクログ
プロローグ 敗者が紡いだ物語‒‒‒‒‒38億年前
競争から共生へ‒‒‒‒‒22億年前
単細胞のチーム・ビルディング‒‒‒‒‒10億~6億年前
動く必要がなければ動かない‒‒‒‒‒22億年前
破壊者か創造者か‒‒‒‒‒27億年前
死の発明‒‒‒‒‒10億年前
逆境の後の飛躍‒‒‒‒‒7億年前
捲土重来の大爆発‒‒‒‒‒5億5000年前
敗者たちの楽園‒‒‒‒‒4億年前
フロンティアへの進出‒‒‒‒‒5億年前
乾いた大地への挑戦‒‒‒‒‒5億年前
そして、恐竜は滅んだ‒‒‒‒‒1億4000万年前
恐竜を滅ぼした花‒‒‒‒‒2億年前
花と虫との共生関係の出現‒‒‒‒‒2億年前
古いタイプの生きる道‒‒‒‒‒1億年前
哺乳類のニッチ戦略‒‒‒‒‒1億年前
大空というニッチ‒‒‒‒‒2億年前
サルのはじまり‒‒‒‒‒2600万年前
逆境で進化した草‒‒‒‒‒600万年前
ホモ・サピエンスは弱かった‒‒‒‒‒400万年前
進化が導き出した答え
あとがき 結局、敗者が生き残る
Posted by ブクログ
生物の歴史がわかりやすく記されています。そしてその変遷がマーケティングにもなぞらえ、比較して説明されているのが、マーケターとして面白かったです。「ニッチ戦略」や生きていくにはフィールドを少し「ずらす」等は、既にものの本で書かれていることであり、それらの著者はもしかしてここからヒント得たかなあ?と思うくらい。あと、他の種類の生物と関わりを持った方が長く生き延びると言うのも。多様性あっての社会であり地球。人も昔は魚類であったり、はたまた草木に通ずるという。自然淘汰を繰り返して今に至ること。パンデミックに苦しむ今、長い歴史で見れば、これもままある自然界の出来事、となるのだろうか。
Posted by ブクログ
随分前になるが、関根勉さんが「人(=自分)と同じ大きさになった生き物と戦う」話をしていた記憶がふと蘇った。
アリvsヒト、カマキリvsヒト、インコvsヒト、ハリネズミvsヒト、などなど...
どの相手も、とてもじゃないが勝てそうにない。こんな世界に放り込まれたら自分は敗者の中の敗者だ。
死なないためには、まずは逃げきる。そして出会わないように隠れる。これがニッチの場所となる。
そこは、おそらく厳しい環境だ。極寒、酷暑、悪臭、暗闇、など生き続けるには辛すぎる場所だろう。
敗者が生き延びるためには変わらなくてはいけない。
命のバトンをつなぐために生物が発明したのが新しいものを作る雌雄の「性」と古いものをなくしていく「死」。
運よく生態系の上層部に生まれてきたものは危機感に乏しく変わるための要因が少ない。
生態系の最下部に近いものほど、わずかな環境の変化にも敏感で、その時々の環境に適応することにコストをかけて生きている。
自然環境が急激に変わる時代に遭遇すれば、日頃から対応準備をしてきたものが生き延びるのは当然だ。
限られた環境下でぬくぬくと生きてきたものは、環境変化のスピードについていけない。
このようなテーマでは動物の話が中心となりがちだが、稲垣さんならではの植物の立場での切り口も豊富で勉強になった。
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