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Posted by ブクログ
生命には理由がある――生物の驚くべき多様性を「進化」を基軸に解き明かそうとしてくれる本。
なぜ「進化」かというと、進化メカニズムは全ての生物現象の基盤となっているから。
ぐっとくるのは、「生物はあえてミスを犯すシステムを採用することで、自らの存続性を確保する道を選んだのかもしれない」という考え方。
遺伝情報はコピーされて受け継がれていきますが、そのとき、ごく低い確率でミスコピーが起こります。もしこれが完全なら、何世代経っても同じってことに……そんな「進化しない生き物」がいたとしたら、ほんの少しずつミスコピーをしながら、何世代にもわたって少しずつ、そのときの環境に最適なカタチに進化し続けるもののほうが勝ち残るのにどう考えても有利。
何事にも理由がある。そして世界の理由を明らかにする(説明する)ことこそ、学問が目指す目標だと考えている著者ならではの論理。
間違える。人は間違える。それをこんなふうに肯定されると救われます。
マイナス面にしか目が向かない鬱状態についても、適応的意義はよくわからないと前置きしつつ、以下の3つが紹介されます。
・鬱になったザリガニ
・悲観的なミツバチ
・抗鬱剤成分が川に流れたときの魚の行動
鬱状態の生理的メカニズムはヒト同じように起きているそうです。だとすればこんな心の動きもまた、脳を初めて持った祖先から受け継がれて進化してきたことを示していると考えるのが自然だと著者は言います。魚の例からは、鬱状態は逆に生存率を上げる効果を読み取ることさえ可能です。
生物のすべてをまずそのまんま見つめて、そこにある意味を見出していく姿勢に、惚れます。
Posted by ブクログ
生物現象の基盤には進化がある。DNAにしても、分離の法則にしても、進化に関わる事実や法則の上に相互に関連して起こってくるもの。だからまず基盤となる進化について理解することが生物学を理解する早道 だと。しかし生物教師の多くは進化についての理解がない場合が多かったり、教科書は関連性もないまま、知識羅列されているだけになっているのが現状だとか…(たしかに…)
他に昆虫も魚も人間と同じように鬱になることや、オスがメスにアピールをしたりメスがオス選びに慎重な理由は配偶子が関係して いたことなど、今回も大変興味深い内容でした。
また私たち人間にも身近に関わる性についても、それがなぜ存在するのか証明されていないことは意外でした。今もまだ明らかにされていないことって案外多いんだな…と。未知だからこそ神秘的で奥が深い。
Posted by ブクログ
今の『生物』の教科書は、進化と言う生物を貫く軸を顧慮せず、生物が示す現象をバラバラに置いた構成になっている。生物学とは単に暗記する物ではなく、理解し何故そうなるのかを知ることにより分かりやすくなる。本書はその手助けをするガイド本なのである。
人に限らず、生き物の大多数のオスとメスは協力し子孫を残していくものだと思っていましたが、それは当たり前ではなかったのですね。両者の間にも熾烈な戦略合戦があったとは・・・理解し合えないのも無理からぬことなのかもしれません。
常日頃社会性昆虫は何故に自己よりもコロニーを優先するのか?と不思議でなりませんでした。これを読んで謎が解けたわけではありませんが、人体でも細胞レベルで考えれば同じことが言えるとは驚きです。本当に生命とは奥が深い。
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