稲垣栄洋のレビュー一覧
-
小学校6年生の時、担任の先生から道端に生えている雑草にも名前があることを教わり、それ以来雑草に興味を持った。自然を慈しむ習慣のある日本人はいにしえの昔から博物学を研究している学者がたくさんいて、植物にいちいち日本語で名前が付けられ分類されていることは、日本人として秘かな誇りである。
この本は綺麗な写...続きを読むPosted by ブクログ -
雑草に限らないが、生物が子孫を残すための執念は凄い。特に雑草はその戦略がユニークで、読んでいて飽きさせない。絶妙な比喩で分かりやすい解説による所も大きいのだが。
雑草は競争力が弱いが故に、他人(他草?)の嫌がる場所を選んで根を下ろし、少々環境の変化が起こっても種子を残せるよう特異な進化を遂げているの...続きを読むPosted by ブクログ -
毒にも薬にもなる。何事も背中合わせのものが多い。植物もそうなのだ。植物と人間との関わりにウエイトを置いてかかれているように思う。Part1植物という不気味な生き物「何度でも甦る」「不老不死の生き物」「超大国を作ったイモ」「命短く進化する」「トウモロコシの陰謀」「利用しているのは、どっちだ」「人類が働...続きを読むPosted by ブクログ
-
随分前になるが、関根勉さんが「人(=自分)と同じ大きさになった生き物と戦う」話をしていた記憶がふと蘇った。
アリvsヒト、カマキリvsヒト、インコvsヒト、ハリネズミvsヒト、などなど...
どの相手も、とてもじゃないが勝てそうにない。こんな世界に放り込まれたら自分は敗者の中の敗者だ。
死なないため...続きを読むPosted by ブクログ -
日本が古来より国づくりの基本としてきたコメ、イネについて広範囲に分かり易く読みやすく書いてある。
単に植物学的な観点からだけではなく、日本史との絡みも書いてあって面白い。 -
植物がどう戦っているのかよくわかって面白い。
雑草は草むしりされる事で、土の中にある雑草が光を浴びて、雑草が生えてくるという無限ループの仕組みに納得。
草むしり、どーするかな…Posted by ブクログ -
生物学になるんだろうか。一読して、壮大な規模で語られる脆弱な生命の叙情詩のようだった。
「ニッチ」という言葉の意味、オンリーワンの重要さなど、面白い箇所がたくさんあるけど、なにより、『繁栄したものは必ず滅んでいく』というサイクルに感嘆した。Posted by ブクログ -
本書は、仏教と植物、またそれにまつわる人々の暮らしについてとても分かりやすく解説してあり、専門知識が無くとも楽しく読めます。
何故マンジュシャゲは暮らしに身近な場所に生えているのか、何故蓮は清浄な花とされるのか、等改めて問われると答えに詰まってしまう事柄の回答がここにあります。
仏教や植物、日本文...続きを読むPosted by ブクログ -
衣食住に絡めた植物学だったので、興味を持ちやすく面白かったです。どちらかというと、雑学に近い感じのないようでしょうか。また一部専門的な部分もありましたが、全体的に読みやすかったです。Posted by ブクログ
-
生命は不思議に満ちている。
不思議だからこそ面白い。
その生命の不思議に迫る一つの手段が、生命の進化を知ることである。
本書は、「敗者」というキーワードから生命の進化を読み解いていく。
僻地へと追いやられてしまう「敗者」だからこそ、スノーボール・アースなど地球が危機的状況に陥ったときに、環境に適応し...続きを読むPosted by ブクログ -
怖い。けど、もっとジャパニーズホラー的な怖さの話が多いと良かったなぁ。暗くてジメジメした(笑)
西洋的な怖さが多かったですね。
私は日本人だから、そういうのが一番怖い。
全体的にナス科怖ぇ。。。Posted by ブクログ -
〈本から〉
すっかり都会暮らしに馴染んだ女子大生 スミレ
戦国の雑草界を生き抜く小さな強者 カタバミ
都会に生きる孤高のヨーロピアン セイヨウタンポポ
オトリを駆使する騙しのファンタジスタ ツユクサ
踏まれても元気なラッキーガール シロツメクサ
真夏でも雑草のアスリートはパワー全開! エノ...続きを読むPosted by ブクログ -
自然界の法則は、生きていく上での教科書みたいなものだね。で、植物の、というか生物の生存戦略は、社会での生き抜き方にそのまま通用するのよね。会社や組織、商品、サービスなど、どうすれば長く生き残っていけるのか。その回答がずばり書かれているわけ。まあ、私がそういう目線で読んでいるからかもしれないけど。
特...続きを読むPosted by ブクログ -
意外と知らない植物の話が多く載っており興味深く読んだ。やさしく書かれているので誰でも理解できると思う。ただ面白くて眠れなくなるほどではないので☆4。Posted by ブクログ
-
農学博士による、オスとメスの性別に関する話。いろいろな生物の性別に関する事柄を取り上げており面白い。気楽に読めた。
「オスにとっては、パートナーの数が重要である。メスにとっては、パートナーの質が重要となる」p59Posted by ブクログ -
「弱者」とは何か。植物たちの生き残り戦術
動物と植物との大きな違いは、
動物は、動き回り、自分に合った環境を探し回るのに対し、
植物は、動き回らず、自分が環境に合わせる。
動物は、長い世代をかけて環境に応じて変化するのに対し、
植物は、一代で環境になじむ。
植物は、いつも、搾取される。動物...続きを読むPosted by ブクログ -
第3章の"雑草の発芽戦略"は意外な事実が満載で非常に楽しめた.確かに言われてみると,援助なしに育つためには様々な選択肢を持っておくことが生き延びるために重要なのだ.また第6章の"繁殖戦略"はさらに面白かった.雑草の生き方は人のそれにつながるような気がしてきた.Posted by ブクログ