稲垣栄洋のレビュー一覧
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表題にあるナマケモノだけでなく、「みっともない」「にぶい」「ぱっとしない」「こまった」ものとして一般的には考えられている生き物を取り上げて、それぞれの特徴や生存戦略を簡潔にまとめている。
学生向けのためか言葉遣いはとても易しいのだが、書かれている内容は意外に細かい。例えば、ナマケモノはエネルギー消費が最小限に抑えられているためウシの1/1000のエサ量でよく、無理に体温を維持することもない。10000年ほど前に存在したメガテリウムという巨大なナマケモノの仲間は活発に行動し、体を維持するために多くのエサを摂取していたがやがて滅んでしまった。故に、現在のナマケモノの姿が最適解なのだ、という具合に。一つ一つの事例がわかりやすく、サクサク読み進めることができた。
特に印象に残った生き物は、ハゲワシだった。イマイチピンと来なかった生き物だったが、死肉を食らうべく、その胃酸がpH1以下という情報に俄然興味がでてきた。ぜひ実物を見てみたい(ハゲてるかどうかも確認したい) -
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ネタバレふと目に着いた『古池に飛びこんだのはなにガエル?』という書名。
こういう、誰も気づかないようなところに疑問を感ずることができる人を、尊敬しています。
さて、件のカエルはなにガエルだったのかというと、ツチガエルであるというのが定説のようです。
普段は陸にいるが、危険を察知すると水に飛びこむ習性をもったツチガエルとは、俗にイボガエルと呼ばれているカエルのこと。
芭蕉の時代、歌に詠むカエルといえば鳴き声のきれいなカジカガエルが一般的だったのだそうですが、そういう定番の美しさではなく、見たまま聞こえたままを詠んだ中に詫び錆を感じさせたのが芭蕉のすごさ、と言われれば確かにそう。
同じく「山路来て何やらゆかしすみれ草」という句も、すみれは野に咲く花であるという固定概念を無視して、実際に旅の途中に山道で観たのであろうすみれを詠んだもの。
これは、革命的なことだったのだそうです。
そういう、俳句や短歌の味わいを動植物を通じて解説してくれると同時に、例えばモンシロチョウはアブラナ科の、モンキチョウはマメ科の植物の蜜しか吸わない、という生物の不思議についても解説してあり、脳内「へぇ~ボタン」を連打しまくり。
しかし、作品の優劣については述べられていないのがちょっと不満。
例えば夏目漱石の「初蝶や菜の花なくて淋しかろ」という句は、私にとっては小学生にも作れそうな駄作のように思えるのですが、文学的にどうなんでしょう?
漱石の句はいくつも掲載されていますが、ということは漱石は割と観察眼が鋭いということなのかもしれませんが、対していい句だとは思えないのです。
芥川龍之介の「青蛙おのれもペンキぬりたてか」にしても、しかり。
芭蕉の句のように、ここが素晴らしいポイントだよ、と教えてほしかったです。
河東碧梧桐の「赤い椿白い椿と落ちにけり」は、私は「赤い椿が落ちて、白い椿も落ちた」と順に落ちたと解釈していましたが、もうひとつ、「赤い椿も白い椿も落ちた」という解釈があって、どちらとも言えないのが現状だそうです。
そして、椿は花が丸ごとポトリと落ちるから武士は縁起が悪いと嫌っていた、というのは後から言われた説で、実際にはそこが潔いと、武家屋敷にも植えられていたんですって。
私の好きな与謝蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」の月は、満月。
なるほど、脳内に浮かぶイメージの解像度がぐんと上がりました。
やっぱり何でも知っておくのは大切だよね。満足。 -
面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ
- カート
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試し読み
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ハサミムシ…尾の先についた大きなハサミ
ハサミムシの母親は子育て中は石の下で子供を覆い被さるようにして1ヶ月~2ヶ月間以上、卵を守る。その間、飲み食いはしない。そして卵から子供が孵化したら生まれたばかりの子供達に自らの命を投げ出す。そして子供は散り散りに旅立つ。
哺乳類の子供はおでこが広い…全体的に顔のパーツが下に寄ってして、顔が『可愛く見える』、それは大人にかわいいと感じてもらって守ってもらえるようにするため。
生物の成長→何かを獲得することばかりではない
→失うものもある
若い頃はグングン上に成長するがいずれ稲のように頭を垂らして人間は謙虚になる。
「成長」と「成熟」
人間が大切なのは成熟して美しくなること、子供は良い大人になり、大人は良い子供を生む。
瓜の蔓に茄子はならぬ
→平凡な親から非凡な才能をもつ子は生まれない。
だからといってだれが茄子の方がいいと決めたのか?
瓜は瓜らしく成長すればいい。今は瓜はメロンの仲間として見られている。大事なのは置かれた環境でどう花を咲かせるか。そこが人間の本質。 -
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とても勉強になった。面白かった。
・レタスはちぎって食べなければならない。
・ハネムーンサラダの由来はLet us only
・じゃがいもはくき。
・タマネギは切る前に冷蔵庫に入れるとしみない。
・タマネギはレンチンしてもしみない(これをやってみたら号泣したので実証失敗)。
・タマネギをサラダにするときは輪切りにして水にさらす。
・タマネギを煮物にするときはタテに切る。
・山芋のかゆみは酢水で消える。
・山芋は厚くむくとかゆくならない。
・山芋はすり下ろして冷凍するとかゆくならない。
・とろろにはだ液と同じくらい消化能力があるため、かき込んでもよい。
・とろろに消化の悪い麦飯は理にかなっている。
・大根の殺菌作用は加熱すると消える。
・大根は当たらないので「ダイコン役者」という。 -
購入済み
ちょっとしたエッセイ風に
教授と学生のQ&Aという体裁を取ったエッセイ風な外見に仕立ててある。もっとも語られている内容は著者が専門とする植物学全般である。生死とか命とかを扱っているのでやや哲学めいたところもあるが、内容はあくまで生物学 植物学の立場から見たもので哲学分野へは踏み込んでいない。それでも知識面を中心とした著者の既刊と比べると、概念的な問い合わせが多い。
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150冊以上も本を上梓している人気植物学者、稲垣栄洋先生は40歳のときに短歌を詠み始めたそうだ。
同じオールドルーキーとして、親しみを覚える。
こちらの本はエッセイ+短歌。
よくあるタイプの本なんだけど、エッセイの順番が面白くて、犬のお話の次は犬、富士山のエッセイの次は富士山、と言う風にゆるく続いていて、まるで連歌のようなつくり。
そのため、やめ時がわからなくて結局、ほぼ一気読みだった。
タイトルには『短歌教室』とあるが、手取り足取り教えてくれるわけではなく、歌を詠むコツをちょちょいと語る程度。
稲垣先生の御本を読んでいて毎回思うんだけど、ちょっと浮世離れした文章なんだよね。
日常のことを書いていても、どこか遠くを見ているような。
短歌は「デトックス」で「ビジネスツール」で「アンガーマネジメント」と書かれているのには納得。
ご自身は短歌を「上手いか下手かわからない」と謙遜されていますけれど、十分楽しまさせていただきました。