稲垣栄洋のレビュー一覧

  • 弱者の戦略

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    海洋全蒸発や全球凍結など環境が激変しても生命体は生き残って来た。強者でなく変化してきた逞しい弱者も含まれる。弱いものの取る戦略は強者から見れば嫌悪感をもたらすものかもしれないが自然界においてもそれは存在する事を知ればそれも微笑ましく暖かく見守れる気がする。本書はそんな視点を作ってくれる本である。

    ※群れる→生物界にもある戦略
    ※擬態→シマウマはライオンやヒョウに見えない。
    カサゴの赤色は深海で見えなくなる
    ※逃げる→ガゼルのサイドステップ
    ※ずらす→夜の蝶、日本のタンポポ
    ※棲み分け→平和的共存
    ※弱者の戦略とは→小さな複雑な局地的な戦いにもっていく。
    ※野生動物は比

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    2018年07月23日
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

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    タイトルに惹かれてつい手に取ったが、とても面白かった。雑草は植物としての競争力は弱いが、環境の変化に強く、同じ種の中でも多様性がものすごく大きいそうだ。

    根性論や叩き上げの形容詞として「雑草魂」みたいな言い方をする事に違和感があったので、雑草の実態とはだいぶ違うことがわかり、溜飲が下がったな。ベタだけど、人間社会のメタファーとしても読みたくなる。

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    2018年06月16日
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

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    雑草、その生き様はたくましく生存を賭けて様々な戦略を駆使して生きている。
    特に「ナンバー1になれるオンリー1を探すという生物の世界の営み」は人の生き方として参考になるとの記述があるが、興味深い指摘だと思う。

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    2018年05月29日
  • なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係

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    仏教には植物に関する例え話が多い。仏教では植物にも仏生があると考える。しかし、キリスト教やイスラム教では、人間と人間以外の生物を大きく区別している。植物は人間に利用されるものと考える。一方、日本人にとっては全ての生物が仏生を持った存在だ。
    植物は動かない。種が落ちたところで生きて行く。そこで精一杯生きている。環境が悪くても文句を言わない。環境は簡単に変えられない。変えられるのは植物自身の生き方だけだ。植物は環境に合わせて自分を変えて生きている。
    うん!確かに!植物の生き方は仏教の教えによく似合う。

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    2018年05月28日
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

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    他が生えないところに生える。芝刈りの高さに合わせて伸びる高さを変える。踏まれたら立ち上がらない戦略。

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    2018年05月26日
  • 雑草はなぜそこに生えているのか ──弱さからの戦略

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    ネタバレ

    雑草は遷移の初期段階にだけ生える植物。
     耕したり、草刈りをすると、リセットされてしまう。

    休眠
     土の中でチャンスをうかがっている。
     水、酸素、温度。
     赤色光で周囲に他の植物がいないことを認識。

    多様性
     変えられるものを変える。
     種子を結ぶことは変えない。

    ミツバチ
     頭が良く、働き者、飛翔能力が高い、紫色を好む、
    紫色の花
     たくさんの蜜、蜜標と細長く入り込みにくい花の形

    自殖を避ける
     雌しべの方が長い。
     ウリ科は雌花と雄花、キウイは雄の木と雌の木。

    種子植物
     花粉と種子で移動
     外来種:明治末期から日本に来たもの
     日本の欧米化で帰化植物に有利な環境が増えた
     西

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    2018年05月02日
  • 子どもと一緒に覚えたい 道草の名前

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    子どもと一緒に覚えたいと銘を打っているが,これは完全に大人が読んで楽しむもの.というか,ここに書いてある教養を子どもに聞かせることで,パパ/ママ,すごい!と子どもに良い意味で尊敬されること請け合い.例えば,秋田フキの解説は,アイヌ民謡に登場するコロボックルはアイヌ語でフキの下の住民という意味…ふきのとうには実はオスとメスがある…などキレイなイラストと豊富や写真で一家に一冊ですね.

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    2018年11月30日
  • 弱者の戦略

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    ネタバレ

    雑草は、植物同士の生存競争には弱い。

    生物にとっては生き残ることが一番重要な事であり、強弱は問題にはならない。

    強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ。~ベッケンバウアー

    大きい者に対しては大きさで勝負しては勝ち目がない。小ささで勝負すべき。
    ※強者と同じ土俵に上がってはいけない!
    cf.ランチェスター戦略

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    2017年06月20日
  • たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

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    植物自身、環境、病原菌、昆虫、動物、人間。その闘う相手を変えながら、植物は常に生き残る道を作ってきた。留保はあるが、ただし、人間を除いて。「与えよ、さらば与えられん」という一句になぞられられるのは、興味深い。

    CSR戦略、日本人の雑草愛、サボテンの話しは稲垣氏の他の本にも出てきたネタだった。しかし、それ以外の圧倒的な量のネタは初見である。

    ・酸素が引き起こした進化。植物による酸素の発生→オゾン層の作成→紫外線の遮断→有害である酸素呼吸する生物の発生
    ・最強の昆虫はアリ。だから植物はアリを利用しようと進化してきた。
    ・恐竜絶滅の一つの原因は裸子植物から被子植物の進化。エサとなる裸子植物が減少

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    2017年06月09日
  • 弱者の戦略

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    弱者の取った生き残りのための戦略。蘊蓄が豊富で、読んでいて飽きない。偶然が重なって進化が起きたとは思えない複雑さ、巧妙さだ。

    ただ、CSR戦略、ナンバー1でオンリー1のところは、同著者のちくまプリマー新書と一緒だった。

    ・「強いものは単純に。弱いものは複雑に」これは勝負の鉄則。
    ・カゲロウは生きた化石と言われるほど古く、現在知られている昆虫としては最も古い化石がある。3億年前から変わらない。命が短いのがそのひみつ。
    ・ミミズは、もともとは頭や足のような器官のある生物だったと考えられている。ところが土の中で土を食べて棲むというニッチに合うように、そのような姿になった。
    ・自然が破壊された環境

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    2017年06月08日
  • 弱者の戦略

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    植物の戦略

    1植物のCSR戦略
    Competitive Stress tolerant Ruderal
    2生物のrK 戦略
    rN(1-N/K)



    赤の女王仮説
    「 最も強いものが生き残るのではなく最も賢いものが生き延びるのでもない唯一生き残るのは変化できるものである」
    「 1番強いものは自分の弱さを忘れないものだ」

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    2017年04月15日
  • オスとメスはどちらが得か?

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    ネタバレ

    『モテる構造』という社会学の本で、「できる男はモテるが、できる女はモテるとは限らない」と言っていて、生物学的にはどうなのだろうと読んでみる。もともと生物学的は、子孫を残すのはメスなので、メスにオスを選ぶ権利がある場合がほとんどで、だから、オスは孔雀のように羽をきれいにしたり、他のオスと戦ったりして、「できる」ことを主張するのだと。オスは、メスの資質に関係なく、数を打てるので、浮気性だと。『モテる構造』は生物学的にも言えている気がした。それにしても、オスとして生まれてきて、あまり、どちらが得かとか、考えたことはなかったが、この本によると、メスにはメスの、オスにはオスの役割があると。わかりやすい説

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    2017年01月23日
  • 植物はなぜ動かないのか ──弱くて強い植物のはなし

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    植物がコケ,シダ植物,裸子植物,被子植物と変化してきたことと,恐竜を含めて地球上の動物との関係などがうまく解説してあり,楽しく読めた.雑草の成功戦略で逆境×変化×多様性を挙げて説明していたが,教えられるところが多い.

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    2016年09月10日
  • 弱者の戦略

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    強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ。
    強いものは単純に、弱いものは複雑に。

    体が小さいと隠れやすい。
    いくつかのオプションを残す。
    時間軸をずらしてすみわけする。競争を避ける。条件の良いところは競争が激しい。競争を避けて「ずらす」ことこそが弱者の戦略。他の生物がナンバーワンになれない場所を探して、自らがナンバーワンになれる場所を探す。どんなに小さい場所でもそこでナンバーワンになれるほどの力はつけなくてはいけない。

    弱者は変化がある場所でパイオニア的に生きる。変化をチャンスと捉えて、常に新しい椅子へ乗り換える。挑戦し続けることの宿命づけ。人気が出てきたら別の未開の場所に移行する。

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    2016年05月01日
  • 徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか―家康のあっぱれな植物知識

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    読書録「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」4

    著者 稲垣栄洋
    出版 東洋経済新報社

    p88より引用
    “ 日本の主食である米は、炭水化物を豊富
    に含み、栄養バランスに優れている。
     一方、大豆は「畑の肉」と言われるほど、
    たんぱく質や脂質を豊富に含んでいる。その
    ため、米と大豆を組み合わせると三大栄養素
    である炭水化物とたんぱく質と脂質がバラン
    スよく揃うのである。”

    目次から抜粋引用
    “徳川家康はなぜ江戸を都に選んだのか
     完全リサイクルの循環型社会ができるまで
     お城にはなぜ松が植えられているのか
     織田信長はトウモロコシが好き
     ヨーロッパ人を驚かせた園芸大国”

     みちくさ研究家で

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    2015年11月03日
  • なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係

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    植物のトリビア本としても、様々な蘊蓄が開陳され、面白さは半端ない。
    しかしこの本のすごいところは、それらの植物や昆虫と、仏教ひいては人間の思想や心とかかわりの問題、最終的には地球や宇宙の存在まで到達するその哲学的思考であろう。
    西洋思想やキリスト教との差異にも触れ、仏性の深淵に誘い、人間の存在を穏やかに感じさせてくれる良書。

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    2015年06月05日
  • 弱者の戦略

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    弱ければ生き残れないはずの弱肉強食の自然界。しかし弱者には弱者なりに生き残るための戦略を駆使している。
    天敵や他種が生存できない厳しい環境をあえて選択することで、自分だけのの「ニッチ」を獲得する。そこでは「ナンバーワンでありオンリーワン」でいられるのだ。
    同種間の競争でいえば、強いオスだけが遺伝子を残せるのではなく、弱いオスも遺伝子を残す為の戦略がある。
    メスに偽装して強いオスもメスすらも騙して思いを遂げる弱いオスがいたり、別種かと思うほど個体を小さくして目立たないように強いオスの隙を狙って掠め取るオスがいたり。

    人間界においても置き変えられる戦略が多く、ビジネス本として読むのもありかと。他

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    2015年02月06日
  • 弱者の戦略

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    生物学的な観点から展開されている本書。
    難解な表現も少なく、軽快に読み進められる。
    一方で、ビジネス的な観点からの考察が少し甘かったように思う。

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    2015年01月11日
  • 弱者の戦略

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     先日、稲垣 栄洋 氏 による「弱者の戦略」を読み終えました。
     新聞の書評欄を見て興味をもったので読んでみた本です。
     「弱者」に焦点を当てた視点は斬新で、多くの新しい気づきを得ることができました。
     自然界は「弱肉強食」の世界だと言われますが、現実的には「弱い」とされる生物も数多く生存しています。
     「弱者」は、さまざまな知恵と工夫で生き残ってきました。そのキーワードは「変化への対応」です。変化を受け入れその困難を乗り越えたもののみが生存競争を勝ち抜くことができるのです。彼らは「たくましき弱者」なのです。

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    2014年12月11日
  • 雑草手帳 散歩が楽しくなる

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    ネタバレ

    見開きの右ページが図鑑的な写真や同定情報。左が名前の由来や特徴、歴史的逸話など。
    左ページの話はおもしろい。
    一方、右ページの情報は図鑑としては写真が小さく、花単独の写真も小さくて、「同定のための図鑑」としてはいささか不十分。
    名前を聞いたことある人が「あ、あれか!」と思い出すためにある程度。
    図鑑的に名前を知りたいのであれば、別の大きな図鑑が必要。
    もう少し雑草に詳しくなったら、手元に購入しよう。
    3割程度の飛ばし読み。

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    2014年11月05日