稲垣栄洋のレビュー一覧
-
雑草手帳 散歩が楽しくなる
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ以下読んで学びになったことのメモ
### 1. 雑草という戦略
- 少よく大を制す
- 大きいのがいい時代から小さく変化に柔軟に対応できる雑草のほうが津小美時代になってきた
- 自分の得意なところで勝負する
- ナンバー1になれるオンリー1の場所で勝負
- 弱者の戦略
- 弱者が勝つには、「選択と集中」が大事
- 平場は強者が強い。環境、条件が悪いほど弱者にチャンスが生まれる
### 2. 雑草の成功法則
- 逆境をチャンスに変える
- 平場は強者が強い。環境、条件が悪いほど弱者にチャンスが生まれる
- 多様性
- 正解のない場合はいろいろな多様性を受けいれたほうが生存確率は上がる
- 戦う場所は選ぶ。武器は絞らない
- ドミナント戦略
- 同じ地域に同じようなお店を集中させる
- そこにいけば適当なお店に行っても手に入る、みたいな戦略
- コスモポリタン戦略
- スペシャリストではなく、ジェネラリストとなることで変化に強い人材になる
- ロゼット戦略
- みなが好まないストレスのある環境であえて勝負する戦略
- パラサイト戦略
- 自分で稼がず相手に養ってもらう戦略
- つる戦略
- アサガオのようにつるを立てる力は使わず茎に巻いてもらうように行きていく。その代わり成長速度だけは早い -
Posted by ブクログ
稲垣さんが売れっ子(学者なのにこう言うのもなんですが)なのは、やっぱり読みやすくて面白いから。さらにためになるし、入試にも出るなら、読まなきゃソンだね、中高生は。
稲垣さんは、専門は植物学、専攻が「雑草生態学」なので、これは一番詳しい分野を書いた本でもある。
雑草がなぜ繁茂するのかが、よくわかった。
イギリスのジョン・フィリップ・グライムが、成功する植物の要素を三つに分類した。
Competitive(競合型:植物同士の競争に強い→大木になるものなど)
Stress tolerance (ストレス耐性型:サボテンや高山植物など厳しい自然状態でも生きられるもの)
Ruderal(撹乱依存型:予測不可能な環境変化に強い)
雑草は最後のR、環境変化に適応する能力が高い、から成功しているのだそうだ。(P27-30)
植物は自殖(自分の雌しべに自分の花粉をつけて種を作ること)を繰り返すと劣性のホモ結合体が多くなり、生存率が下がる。そのため、自殖しないよう、様々な工夫をしている。その方法を紹介ところも面白いが、雑草はとにかく種を残すことに優れた植物なので、自殖しなければ種が残せない場合は自殖する。同じ種類でも自殖するものと他殖するものに分かれたり(スズメノテッポウなど)、夕方まで虫が来なかった場合自殖するもの(ハコベ、オオイヌノフグリなど)、夏になり、春より虫が減ると閉鎖花となり自殖するもの(スミレ、ホトケノザなど)などバラエティ豊か。(P100-110)
雑草自体がとても身近な植物なので、この本で得た知識を確認しやすいのも嬉しい。
稲垣さんがこれまでどんな人生を歩んできたかも巻末にあって、若い人の参考になると思う。
個人的には、植物を人間に喩えすぎじゃないかな、と思ったけど、その方が面白い、読みやすい、と思う人が多いだろうから、まあ、いいか。 -
Posted by ブクログ
家で飼っているグッピーが最近子どもを産んでいます。
生まれるとすぐに泳げるし、エサも自分で探して食べます。
これって凄いことだと見ていて感心します。
2~3ミリくらいの体が日に日に大きくなり、いつの間にか3~4センチ程に育ちます。
生まれた時から小さな大人という感じでしょうか。
生むのは卵か赤ちゃんか。
子育てをするか否か。
大きくなるのか質を変えるのか。
子ども時代が長いか短いか。
本能のみにたよるか知能を活用するか。
生き物に関して、このような話題について書かれている本を読むのが好きです。
昆虫はトンボやチョウやカブトムシのように親子が別の生物にしか思えない不思議な成長をします。
カエルもそうですが、親子で明確に形態が違う生き物は、大人になった時期が明確です。
なぜ、このような成長の仕方になったのかという疑問は解決されないままですが、興味が失せることはありません。
『第3章 「ふつう」ってなんだろう』 あたりから、人間という生き物を見つめなおす方向に話が進んでいきます。
普通の犬ってどんな犬?ふつうの花やふつうの顔って何?
「ふつう」は、平均値という便利な道具を作り出した人間が好んで使う言葉。
これが「ふつう」なんて明確な定義ありません。
どんな動物でも3~4年もあれば立派な大人になるのが「ふつう」ですか?
「5歳になったら一人前になって独り立ちするなど、人間ではとても考えられない。」言われてみれば確かにそうです。
ヒトは、なんと成長が遅い生き物なんだろうと思います。
10歳でも子ども。20歳でやっと成人?
ゆっくり大人になる戦略をとった人間は奇妙な生き物です。
親のために子供が犠牲になる生き物はいません。
未来の世代を犠牲にして今を生きようとする生き物はいません。
これが「ふつう」の生き物だとすると、「ふつう」でないのは人間だけです。
そして、「成長するってどういうこと?」という話題に入っていきます。
成熟してこそが成長、いくら体が大きくなっても未熟のままでは成長とは言えません。
生き物は単に大きくなることでなく、質を変え成熟することを目指しています。
経済や社会も同じではないでしょうか。単に右上がりに数字が伸びていくことが成長でしょうか?と問題提起しています。
生き物には成長する力が備わっています。頑張ったから成長できたわけではありません。
草が芽を出し、葉を茂らせ、花を咲かせるのは頑張ったからではありません。
人がハイハイし、立てるようになり、歩いたり走ったりできるようになるのは頑張ったからではありません。
時期が来れば自然とそうなるようになっているのです。と、頑張ることを美化しすぎる社会を風刺しています。
この本の表紙をめくると、そでの部分に「知ると、人間が見えてくる。」と書かれています。
さまざまな生物の多様な成長の仕方を題材にして、人間にとって大切なことを考えてみようといった子供向け(小学生には無理かな)の本です。
この本のカテゴリは"生物学"になるのでしょうが、本質はチョット違っていました。
生物としてのヒトの特性や成長戦略と、他の生物が選択している成長の姿(生存戦略)を根拠として、人間の生き方を考えるという新鮮な体験ができました。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
世界を、地球を支配しているのは植物である!
水と岩と窒素に覆われた惑星環境を変化させた、その多様性としたたかさに瞠目する。
爆発的なスピードで世代交代――進化――することで得たそれら。
全ては己(植物)の繁栄のため、昆虫、動物様々に利用する。
そして人間との関りも興味深い。
カフェイン(ある意味、毒。アルカロイド系)や香辛料に魅了され(言及されていないけれどもっと言っちゃえば大麻も)、自然界では拡散に不向きな非脱粒性のムギを見つけ栽培しせっせと増やした……
学問では人間の分類が便宜上にすぎないこと、芸術の面では「神は永遠に幾何学する」植物の法則性に魅了され生み出された文様に至るまで……
義務教育の理科で習った話を深堀したような、でも植物学という細分化され専門的な分野に留まらない。
台所の科学のような野菜の話など、様々なトリビア。 -
Posted by ブクログ
生物の歴史がわかりやすく記されています。そしてその変遷がマーケティングにもなぞらえ、比較して説明されているのが、マーケターとして面白かったです。「ニッチ戦略」や生きていくにはフィールドを少し「ずらす」等は、既にものの本で書かれていることであり、それらの著者はもしかしてここからヒント得たかなあ?と思うくらい。あと、他の種類の生物と関わりを持った方が長く生き延びると言うのも。多様性あっての社会であり地球。人も昔は魚類であったり、はたまた草木に通ずるという。自然淘汰を繰り返して今に至ること。パンデミックに苦しむ今、長い歴史で見れば、これもままある自然界の出来事、となるのだろうか。