汐見夏衛のレビュー一覧
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ネタバレリアル本にて。
「考察する若者たち」で中高生に人気の小説として紹介されていたため、購入。
中学二年生で反抗期真っ只中の現代に生きる少女が、1945年にタイムスリップし、特攻隊に所属する青年、彰と出会い、恋に落ちる。
戦時中、しかも特攻隊が舞台ということで、少しハードルが高く感じられるが、実際読んでみるとすごく読みやすい文体で、分量も多くなく、読書筋力があまり要らない本だった。
個人的に、ラストシーンは腑に落ちなかった。百合は、彰たちの尊い犠牲の上に、現代の平和な生活があると気付いた。一方でら彰は、最後の最後、米兵の恐怖の表情を見ることで、相手にも家族があることに気付き、撃沈することなぐ、自分だ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ✶印象に残った言葉↓
「溶けそうに暑い夏だった。悪夢のような世界で、私は初めての恋をした。強くて優しい瞳のあなたに、死を覚悟したあなたに、全身全霊をかけて、精いっぱいの恋をした。」
「彰といると、どうしてこんなに満ち足りた気持ちになるんだろう。どうしてこんなに幸せな気持ちになるんだろう。でも私は、それを考えるのが怖かった。答えを見つけるのが怖かった。だから、私は自分の気持ちに蓋をして、目を逸らしていたのだ。」
「新しい世界。そうだ。私は、この世界で生きていくんだ。たくさんの苦しみと悲しみと犠牲の上に築かれたこの新しい世界で、私たちは、これからも生きていく。この世界をつないでくれた、数え切れ -
Posted by ブクログ
タイトルからして想像していたものとは違う、深く重たい内容に心がずっしりとしました。
でも悪いずっしり感ではない、考えさせられるずっしり感です。
読みながら安易に「きっと上手くいく」なんて思っていましたが、人の命に関することにそんな簡単に上手くいくはずなんてなく…
色々と、考えさせられる内容です。
高校生くらいの子どもさんたちにも読んでみてもらいたいなぁ、と思いつつ、これを読んで触発されたりしないかな…とも思いつつ…。勧める相手を選ばないといけない本かな、と思います。
で、やはりなずなちゃん、薊くん、鈴白くん、それぞれの登場人物の魅力はありますね!個人的にはなずなちゃんと薊くんは良いパートナ -
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Posted by ブクログ
映画化されてタイトルを知っていたことから、手に取った本。映画は見ていない。
タイムリープするお話と言うのはよくあるけれども、読みやすいお話の中で、戦争や特攻隊について要所要所でわかりやすく書かれており、戦争を知らない世代が戦争を知るためのきっかけとなる教科書にもなる本だったと思う。私も読んで良かったし、子供にも戦争を知る1つの手段として勧めたいと思った。恋愛の要素が強く、10代にも読みやすいと思う。百合の花の丘でのシーンが印象的。読み返すとしたら、特攻に行くなと引き留めるところ。
九州にこのお話のもとになった特攻隊の資料館があることを初めて知った。近くへ行く機会があれば尋ねてみたいと思った -
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Posted by ブクログ
主人公の百合が70年前の過去へタイムリープしてしまう事により、そこで出会う人たちから学ぶ戦争の厳しさ、世の中のありとあらゆる不条理さ。
なぜ彼らはこんなにも笑っていられるのか?
百合にとっては全ての発言に疑問が生まれていた。現代を生きる人たちと、戦時中の人たちに生じる倫理観のズレ。
読み進めていく程に死ぬことを恐れてもなお、全てを背負って彼ら特攻隊の人たちの覚悟に読んでいて圧倒された。
そして物語はフィクションであっても、戦争自体はノンフィクションである。実際にあった出来事だからこそ、物語を通して主人公たちのように、懸命に生きた人たちもいたことを、絶対に風化させてはいけないと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今作は汐見さんの作品をあさりだしたきっかけとも言える作品です。
今作と私の出会いは「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の実写映画を見たことから始まりました
始めてみたとき、
ラストの百合がアキラの手紙を読むシーンでは滝のような涙が出たことをすごく覚えています。
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映画の次に今作を読んだのですが、先程書いたラストの百合がアキラの手紙を読むシーンは、少し原作とは違った文章だったりと、細かいところに違いが見られます。
是非両方見ることをおすすめします。
今作に出会えた御縁に感謝します。