汐見夏衛のレビュー一覧
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私も中学生の頃に凄まじい虐めを体験した一人です。
主人公である光夏の気持ちが凄くよくわかり、むしろ過去の辛い体験を思い出すかのような気持ちでした。
でも、光夏のように千秋や春乃、冬哉のような存在があったら私もまた違った未来があったのかな?と考えたり。
私は光夏のように飛び降りることは無かったのですが、飛び降りようと考えたこともあったので、あの時は思いとどまって本当に良かったと思いました。
虐めとは実際に体験のある人間にしかわからない繊細な思いがあります。
それを汐見先生はオブラートに包んだ表現の仕方で上手に書かれているなーと感じました。
いつの時代にも失くならない"虐め" -
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Posted by ブクログ
商店街に佇む夜食専門店の「お夜食処あさひ」
ここに吸い込まれるのは、食にまつわる様々な悩みを抱える人々。
「食べたくない」「食べちゃだめ」「食べてみたい」「食べられない」「食べてほしい」
食べることに様々な想いを抱え、悲しみや寂しさを抱えて寒く固まった心に、お夜食処で作られた心のこもった一皿が深く染み入る。
食べることは生きることにつながるからこそ、そして自分の心も食べたい食べたくないという気持ちと結びつくからこそ、食に対して様々な悩みを抱える人が多くいる。
そんな中、自分のために考えられた温かいごはんを食べることで、止まっていた時が動き出す。そして一歩踏み出すことで、闇に染まった夜から -
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ネタバレ自分も更紗と同じで、思っていることを言葉にすることがあまり得意ではない。
人に怒られているとき、心では様々な感情や相手に言い返したいことが溢れ出てくるのに、実際には
口に出さず、黙って気持ちを押し殺してしまっている。
また、焦ったり不安になると涙が出てきて止まらなくなる。なんで泣いているのと聞かれたときにも
答えは心の中で決まっているのに口に出すのが難しく、時間がすぎるのを待つことしかできない。
「思っていることは言葉にしないと伝わらない」と親によく言われるが、確かに言葉にしないと相手には伝わらないし、自分の気持ちをわかってもらえないけど、まず言葉にすることにすごく勇気がいるし、自分の気 -
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ネタバレ作者あとがきより
思春期のころ進路や人間関係で悩みを抱えていた時、いろいろな小説を読んで、そこに登場する人物の生き方や、彼らのセリフに救われたことが何度もありました。
以下本文より
きれいな景色はこんなにも近くに、いつもここにあったのだ。
私がそれを見ていなかっただけで、見ようとしていなかっただけで。
いつだって、美しい世界はそこにあった。
正しいかどうかよりも、好かれるかどうかのほうが、この社会で生きていく上では大事なのだ。
人から嫌われないように、言いたいことも言わず我慢して、細心の注意を払って生きていたのに、青磁は嫌われることなんてこれっぽっちも怖れずに、言いたい放題やりたい放題で -
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深呼吸して、とんとんとん。
深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
目を瞑ったまま、軽く握った手で傍らの机に触れ、そっとノックをするように三回叩く。
悪いことが起こりませんように。
何もかもうまくいきますように。
たくさんの幸せが訪れますように。
大丈夫、大丈夫。
もう何も怖くない。
もう何百回、何千回と繰り返してきたから、おまじないの言葉は、まるで息をするようにすらすらと出てくる。
こんなおまじない、効果なんてない。
祈りも励ましも、意味なんてない。
そう分かっているのに、気がつくと私はいつも、誰もいない部屋の片隅で、ひとり机を叩いている。
読書感想文なんてね、そんなに気負わなくていいん -
Posted by ブクログ
ネタバレ言葉は自分を守る盾にもなるし、誰かを傷つける槍にもなる。
傷つけるから、心配掛けるから言わないって封じ込めた言葉たち。
思い切って言ってみたら、案外相手は全然違うことを考えていたり気にしていなかったり様々なことが多い。
更紗が自分に対して抱いていたマイナスな考えは、自己完結した思い込みで(言い方は悪いですが…)周りは一つ一つの丁寧な言動をちゃんと見てくれていた。
周りは自己完結した評価とは当然別軸で自分のことを評価してくる。
自分は周りの人が普段どんなことをしているか知らないからそれを評価することはできない。でもその人たちと過ごした時間から仕事を放棄しないのを知ってるから、落ち込んでても「大