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Posted by ブクログ
この世で一番あったかい料理は「夜食」。なるほど、朝昼夕食の習慣的なご飯と違って、夜食は相手を慮ってつくるもの。
作中に何度か出てくる「食べることは生きること」ということばは、食べるという行為が、単に胃を満たすだけでなく、心や人生を豊かにするもの、という意味合いで用いられているのだけれど、それはつくり手の思い、愛情がちゃんと食べる者に伝わってこそのこと。完全無添加自然派の手作りおやつ、罪悪感からの冷蔵庫いっぱいのお菓子や子供が好きな高カロリーメニュー。誰かのために良かれと思ってやっていることは、自分よがりになりがちで、とかく裏目に出やすい。対話の重要性。
Posted by ブクログ
食に関する(親問題も含めて)トラウマ?なお話をやさしく解きほぐしていく作品。本書は私にとって親関係でとてもとても共感してしまいました。泣きたくなるくらいに。最後のひと文でもうないてしまっていましたが…。これは最後の一文ではないですが、″この世でいちばんあったかくて優しい食事は『夜食』だと思うから″この言葉にすごく救われた私がいます。
やっぱり、何か抱えてる時には少しでもいいから何か口にしてみるのがいいのかもしれませんね…。悲しみは、悲しみの塊のままじゃ、いつまで経っても消えない。そのままじゃ消化できないんだ、のくだりの文章はとても納得してとても心に響きました。
食べると生きるはイコールなのですね…。
とても共感して読めました。
Posted by ブクログ
つらくて、悲しくて、優しいご飯を求めている人がふと誘われる、あたたかい『お夜食』を出してくれる料理屋さんと、そのお店に誘われた女の子の物語です。
主人公は、志望校に合格できず、受験を失敗したことを引け目に感じている高校一年生の女の子。自分のせいで家の中はぎくしゃくし、せめて大学受験はがんばらなければと必死に勉強をするも、学校の部活や友人関係はうまくいかず、家族との関係も悪くなっていくばかりで、毎日の塾通いも嫌になっていってしまう。段々食べるごはんまで味を感じなくなってしまっていったある夜、『お夜食処あさひ』に誘われて、自分のためのお夜食を作ってもらうことに。
そのお店にやってくるのは、常連さんの他に、特別に『誘われた』人。ダイエットのために「食べたくない」女の子、健康志向の親に普通のお菓子を「食べさせてもらえない」男の子、愛犬を亡くした悲しみで「食べられなくなった」男の人。さまざまな人の気持ちにそっと寄り添う、優しくてあたたかいその人のためのお夜食を通して、ほっとお腹の中が温まるような話が続く。
作中で、『本当の夜はこれから始まる』というようなフレーズが何度かあるのだけれど、この言葉だけを見ると『本当の夜』⇒『辛くて苦しい暗いもの』というイメージを思い描いてしまいそうなところ、この作品では『ぽっと灯りがともるような優しく包み込んでくれるもの』という位置づけで描かれているのが印象的です。
寒い夜、眠れない時に誰かが作ってくれた優しい味を思い出します。
お話自体は淡々と進むため、起伏は少なく感じるかもしれませんが、とても優しく染み入る作品でした。
作中で出てくるお夜食レシピ、私も真似したいと思ってしまいます。
誰かに優しくしてほしい時、誰かに優しくできなかった時、そっと読み返してみたい一冊です。
Posted by ブクログ
「ごはん」という文字を見てから気になっていた作品。
表紙の絵が可愛らしくて、また帯には青春物語とあって、手に取るのを躊躇していたのですが買ってしまった。
でも、買って読んで良かったと思っています。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが。
舞台は、「お食事処あさひ」お夜食を出してくれます。
そこに各々の事情で「食べたくない」「食べちゃだめ」「食べてみたい」「食べられない」そんな思いを抱えた人がやって来ます。
辛く、心の奥で凝り固まった気持ちを店主の差し出すお夜食で優しく解いていきます。
似たような設定の作品はあるかもしれませんが、描かれている店主の人柄が良いです。私は好きですね。
また、作られるお夜食も、真似したくなるくらい簡単に作られるものが多くて勉強になります。
読み終わる頃には、簡単でも良いので、義務感ではなくて食べてくれる相手を思って楽しく料理をしたいな~と思いました。
来年の春に続巻が出るようなので楽しみです。
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