汐見夏衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ親に否定されるとか、そういった境遇は自分も似たような感覚があり、この黒渕さんが勇気を出して自分が進みたい道に進んだのは共感しかなかった。
あとは、主人公が自分の思いをなかなか口にできず、自分の解釈でいろんな誤解が生まれている姿を見て、自分も過去に同じような経験があったから、その苦悩にも共感できた。一人でいるときも必要だけれども、ずっと一人というのはやはり苦しくなっていくだけだと思う。
僕も自分が苦しい時や辛い時に会ってくれた人と話すことで、どれだけ心が救われたか。
そして、「言わなければわからない、気づかない」ということを教えてくれた友人には本当に感謝している。
「僕自身の生き方も間違 -
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ネタバレ退屈な話かと思ったら、よく考えられて作られている小説だった。
読んでよかったな、と思えた。
↓すごくはっとさせられた箇所。
「もしも、たとえ本当に誰からも必要とされてないとしても、生きてていいんだよ。
なんの役にも立たなくても、
例えば世界中の人間から嫌われていても、一日中誰とも話さなくても、
天涯孤独の人でも、親にさえ愛されてない子でも、自分がいてもいなくても何にも変わらないとしても、死んだって誰にも悲しんでくれないとしても、生きてていい。」
「だって人は、誰かの役に立ったり誰かを喜ばせるために生きてるわけじゃない。
自分のために生きてるんだ。
その上で誰かの役に立つことがあるかもしれ -
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ネタバレ綾瀬水月(アヤセ ミヅキ)と羽澄想(ハスミ ソウ)は、高3・同級生。この2人がひょんなことから生物部に入り、ともに過ごす時間が増え、次第に相手を特別な存在と感じるようになってゆく。
綾瀬も羽澄も共にクラスで浮いた存在だが、ある意味正反対のタイプ。綾瀬はいつもへらへらし、よくしゃべり、自分は人魚の末裔だなどと言う。一方、羽澄は、クラスの誰とも関わらず、ほとんど話すこともない。
だが、お互い何か抱えていることには気づくが、そんな2人だからこそ、お互いの踏み込まれたくない部分はそってしておく。その距離感に安心できた。
しかし、互いの重すぎる母親のために、2人はそれぞれ追い詰められ、死を選ぶ。「一 -
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ネタバレ汐見先生らしく、本作も若者に向けたメッセージ性あふれる物語だった。
今回はファンタジー色・スピリチュアル色が強く、主人公の2人(留生と千花)は次のような背景を持っている。ただし、千花には前世の記憶が一切無い。
「数百年以上も昔、ある女性が、愛する男性を助けるために神の怒りを買い、悲惨な死を迎えた。彼女の罪はそれでも許されることはなく、何度生まれ変わろうとつらい境遇で生き、17歳の流星群の日に凄惨な死を遂げるという罰を受けることになる。それを知った男性は、愛しい彼女の罪を背負うと決意、神と次のような契約をする。彼の魂は前世の記憶を持ったまま生まれ変わる。転生するたび、彼女の生まれ変わりを探し出 -
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Posted by ブクログ
今年映画化されて話題になっていたけど、観に行くことができなかったので原作を拝読。
親や学校、すべてにイライラしている中学2年生の百合は、ある日、目を覚ますと戦時中の日本にタイムスリップしていた。そして、特攻隊員の彰に恋をする。
といったあらすじ。
戦時中の当たり前と、現代の当たり前に揉まれながら、苦悩していく百合。
現代を生きる私も、到底納得することができない当たり前が、戦時中は常識として捉えられていたこと。みんな仕方ないと諦め、生きていたことを悲しく思うとともに、現代がいかに裕福であるかを思い知らされました。
戦後80年が経とうとしていて、戦時中のことを知る術が少なくなっている今、甘