汐見夏衛のレビュー一覧
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遠子を見ていると学生の頃の自分を思い出した。
イジメにあっていたこともある私。
作中に出てきた知らぬ間にライングループから外されていたことや、SNS上に悪口のようなことを書かれているのを見て、今の時代の恐ろしさを改めて疑似体験したような気がした。
香奈と奈々美は本当の友達とは言えないし、遥もそんな2人とつるんでいるのもどうかと思った。
色々な感情が渦巻く中で何が正しい選択なのかはわからないものがあるかもしれないけれど、親友なら困った時や悩んだ時、辛い時には支えてあげることが一番大事なのではないか?
ただ、これら作中のキャラクター達は高校生だというまだ子どもの括りの中にいるからこそ、頑張って立ちあがろうとしている雰囲気が上手に描かれていることに心打たれるものがあった。
何か1つ自分の中にこれを頑張りたい!と強く思えるものがあるのは、自分の心に強さを与えてくれるものだな、と改めて思った。
遠子の絵、彼方の棒高跳びのように。 -
Posted by ブクログ
真昼と影子の名前を最初に見て表と裏の関係のような名前だなと思った。
けれど、この作品を読んでいく中で、お互いに光り輝く存在であると主張するような名前だと知り、とても勉強になった。
光がなければ、影もできないように、影ができなければ、光の存在は寂しいものになってしまうかもしれない。
お互いが、お互いに支え合いながら、表裏一体のものであり、どちらも大事な存在であると言うことを改めて学んだ。
真昼みたいな人間が芸能界で活動していたら、きっと一般の人たちにも元気や希望ややる気、立ち上がるエネルギーを与えることができるのではないだろうか。
今の世の中でも、推し活というものがあるように、この毎日辛く、大変な世の中でも、自分の推しがいるだけで元気がもらえて辛いことにも耐えていけるエネルギーをもらうことができるものだと思うから個々にとって貴重な存在であることには変わりは無いだろう。
取り繕ってキラキラ輝いている真昼よりもメッキを剥がして、ありのままの真昼で活動していった方が、今まで以上に一般の人たちに"自分も何でもできるのではないか" "真昼のように頑張らないといけない!甘えていられない!"と 立ち上がるパワーを与えることができるのではないかと思った。
取り繕った輝きを放つよりも、ありのままの心からの輝きを放ったほうが、より美しいものになるのではないかと思う。
今の世の中、SNSで自分勝手に相手の立場も考えずに発言する人間が多い。悲しい現実だ。
自分の名前を提示することもなく、卑怯にも言いたいことをバンバン言って、相手を傷つけていることに気づいていない。
逆に自分が言われる立場になったことを考える人間はいないのだろうかと思うくらいに、今の世の中は腐っている。
もっと人の心に愛や溢れる優しさと温かさと教養を身に付ける前向きな心を持って、自分のことを大切にできる人が増えていけばいいなと思った。
そして悩みは様々ある現代だが、悩んだ人間に手を差し伸べてあげることができるような人でありたいと私は思う。 -
Posted by ブクログ
美しさをとても感じる小説です。青春だな〜と思いながらにこにこした気持ちで読めました。
明るく有限の儚い青春が美しく描かれており、切なさがトッピングされたこの小説は、短くも満足感がとてもありました。
小説を普段読まない人や、おすすめの小説を聞かれたら迷わず一番にこの小説をオススメしたいです。
田舎の雰囲気や海の潮風を感じる描写は、小説に入り込みやすく、映像がなくとも心の底から青春の美しさを感じれました。
私は作者が込めた想いよりも、小説の美しさや私が楽しめるかどうかを重視してしまいこのような感想になってしまいましたが、とても素敵な作品です。
是非たくさんの人に手に取っていただきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大切な人の幸せを願う少女と少年の物語です。
優等生でしっかり者でちょっとひねくれたところのある主人公の凪沙は、幼馴染の優海と恋人同士。同級生からもラブラブのお似合いカップルと言われるくらい、二人は仲が良くていつも一緒だった。ちょっとおバカなところがあって、能天気に見えて、でも素直で明るくて誰よりも凪沙のことが大好きな優海は、大らかで温かくて、自分の気持ちを隠さない。そんな優海のことが凪沙も大好きで、けれど大好きだからこそ、とあることから彼女は決意した。運命の日が来る、その時のために。
最終盤、ボロボロと泣きながら読み終わって、またループして初めに戻って読みました。とても切なく、苦しく、愛しい物語でした。
初読の時から、色々なことが確定した未来のことのように書かれていたりして、もしや、と思うところが多くありましたが、種明かしはどこなのだろうと思っていたので、随分と終盤まで真実が凪沙から語られないことで、凪沙の頑固で意固地になりやすい性格が見て取れるようでした。
優海の、あまりに大きく深い愛情に、読んでいるこちらが気恥ずかしくなったり、羨ましくなったりしました。こんなにも自分のことを大好きになってくれた人を、こんなにも自分がいなければ生きていけないくらい深い愛情を注いでくれた人を、けれど自分は置いていかなければならないと知った凪沙は、どれほど苦しかっただろうと思うと胸が苦しいです。
自分がいなくなっても大丈夫なように、嫌いになってもらわなくては。そう思ったとしても、幼馴染の効力が強すぎたことに笑ってしまいます。嘘も、ごまかしも、本当の本心ではないことも、自分ではうまくやれたと思っても全く信じてもらえていない辺りに、一緒に育って、何もかも分かってしまうし分かられてしまう、恋人とは違う種類の関係性を見た気がします。
ここまで誰かを好きになれて、ここまで誰かに愛情をもらえて、それが深いから深いだけ、苦しくて。けれど、こんな一世一代のような恋を、してみたいとも思ってしまいます。