あらすじ
【きっと見つかる、大切なもの。
――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】
遂に、この冬の大本命登場!
著者累計90万部突破!
青春小説の人気No.1作家が贈る完全書き下ろし最新作!
孤独な少女が、幼い頃から繰り返し見る夢。
そこに隠された真実とはいったい……!?
汐見夏衛史上、最も切なく、最も温かい!
愛する人へつなぐ命の物語。
またこの夢か――。
疎外感ばかりの灰色の現実世界に、生きる希望を失った女子高生・緒方きらら。彼女は、不可解な「虹色の世界」の夢を幼い頃から繰り返し見ていた。
自殺を思い訪れた地で彼女は偶然、その「虹色の世界」を描く青年・芳川景と出会う。彼もまた同じ夢を見続けていた。
これはいったい何を意味するのか!?
やがて、夢の謎を追うふたりを待っていたのは、想像を絶する過酷な真実と衝撃の運命で……。
生きる意味、命の尊さにボロ泣き必至!
人知を超え、心揺さぶる「命と再生」の感動作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
命の大切さについて考えさせられた本でした。
お母さんの命と引き換えに生まれてきたきららに対して周りの人達は「お母さんの分もしっかり生きないと」とよく言います。私ももし周りにきららみたいな人がいれば思わず言ってしまうかも知れません。でもきららはそれがなんとなく重しになっていたのです。後半は驚きの連続でした。この本は命に重さなんてない、どんな環境で生まれても精一杯生きるという、メッセージが込められていてとても心に響いた本でした。
Posted by ブクログ
昔から、私は、人間関係や自分自身のことで悩むことが多く、その度に自分が生きる意味なんてあるんだろうか。自分が生きる理由ってなんだろう。私はそもそも生まれてこない方が良かったのではないか、なんで私は生まれてきたんだろう。そんなことをずっと考えていました。この小説を読み始める前もそうでした。
でも、読み進めていくうちに、きららと景が見ていた夢の正体が分かっていって、それまできららと景が抱えていた思い、苦しみが解かれていく場面を読んで、思わず涙してしまいました。 きららと景を今の自分自身と重ねて、色んなことが頭に巡り、最後には文字が見えなくなってしまう程に涙が溢れていました。
読み終わった後、「あぁ、自分は生きる意味があるんだ」と自分を産んでくれた親や家族のことを考えて、また涙が溢れました。
この小説を読んで、過去に自分自身の葛藤で悩んでいた自分、そして今こうして悩んでいる自分の両方が救われたような、そんな気持ちになりました。
これから先、行き詰まった時、私はこの小説を読んできっとまた救われるのだろうと、そう思っています。
自分の生きる意味や価値を見出してくれたこの小説と出逢うことが出来て、とても幸せです。
Posted by ブクログ
丁度辛い時期に読んでいたのでとても勇気づけられる話でした。ーー生まれてきただけで、生きてるだけで、意味がある。価値がある。ーーちょうど幸せもメンタル低下も行き来していたので尚更泣きました…。本当に今の私には感涙でした。ありがとうです。まさかこういう展開でラストがこうくるとは予測も出来ず…本当にとてもよかったです。
Posted by ブクログ
虹色の世界見てみたい。
きっと私の想像より遥かに綺麗だと思う。
でも
きららと景が繰り返し観ている虹色の世界は
脳死になってしまった男性が
空で言えるくらい大好きな本の世界で
その本は父親の手作りで世界で1つしかない。
きららと景の夢は
男性から臓器移植を受けた母親
その母親からきららと景へと
繋がっていたってことになる。
ちゃんと命のバトンが繋がってて
ドナーの家族も本当に嬉しかったと思う。
これをきっかけに
きららも景も自分の命に誇りを持てるようになって
気持ちも前向きになって
命や家族と向き合う良い機会だったんだね。
私も投げやりになって時期もあったから
今までの言動を鑑みるきっかけになったし
反省することばかりだなぁと思う。
前向きに生きるって難しいね。
Posted by ブクログ
とても感動した作品でした。
毎日何気なくしている挨拶も当たり前にできることじゃないんだなと、改めて心の奥底から響くようなものを感じました。
"挨拶は明日への祈り"または"今ここに存在しているという祈り"のように思えてなりませんでした。
また臓器提供や臓器移植について久しぶりに考えるきっかけを与えていただけました。
常日頃何とも思わない、当たり前かのように自分の身体が動いているからこそ、感謝が薄れてしまうことかもしれません。
だけど、健康で居られる自分の身体に本当に感謝しないといけない、また、健康な身体に産んでくれた両親に感謝しなきゃいけないな、と思い出すことができました。
本当に読書っていいもんだなと、純粋に感じられた心温かな1冊となりました。
Posted by ブクログ
生きてるって当たり前じゃないないんだなと思える小説。
自分が生まれてすぐに亡くなった母親を「母」と思えないわたし。
自己肯定感が低く、ネガティブ思考の塊だった女の子。
でも、偶然同じ虹色の夢を見た男の子と出会うことによって変わっていく。
2人でその謎を追っていく中で、自分が生きている価値を見出していく。
母に対する思いが大きく変わってよかった。
Posted by ブクログ
「生きているだけでいい」この言葉に救われる人はこの物語の主人公だけではないのでは。自分には何も価値がないと辛い思いをしている息子・娘を目の当たりにした親は、子どもに対してそのようにきっと思うだろう。実際私も親にそのように言われた経験がある。自分には何も無いと思っている人は大きな間違いである。生きているだけで価値があるのだから。
Posted by ブクログ
みんな、重荷を背負っているのかもしれない。
でもきっと、人それぞれ、色も形もちがうから、他人の荷物には気づきにくい。
重荷を背負ってるのは、自分だけじゃない。
手ぶらで軽やかに歩いているように見える人でも、目に見えない重荷を背負っているかもしれない。
それを忘れずに、相手を思いやれる人が、優しい人のんだろう、と思った。
このままの自分じゃだめだ。
変わらなきゃ。
自分の可能性を、自分の限界を、自分で決めるのは、とても楽だ。
限界を決めてしまえば、それ以上は頑張らなくてもよくなるから。
高いハードルに挑戦しなくてよくなるから。
ときには、自分の心や身体や未来を守るために、そうやって限界を見定めることが必要なこともある。
でも、わたしは___きっと景くんも、挑戦するまえに諦めてしまっていた。
まだまだ頑張れる余力があるのにまだまだ成長できる余力があるかもしれないのに、それを自分自身で塗りつぶしてしまっていたのだ。
臆病だった。
わたしも、景くんも。
臆病だから、傷つかないように予防線を張って、あるかもしれない未来から目を逸らしていた。
でも、そんなの、もったいない。
心から『楽しく幸せに』生きていくために、わたしたちには、もっともっとやれることがある。
今につながるたくさんの命や思いが積み重なった上に、わたしはいる。
わたしの命は、たくさんの命に背負われている。
だから、生きなきゃいけない。
わたしの命は無価値なんかじゃない。
たとえどんなにわたしが、なんの取り柄もない役立たずでもわたしには、ここにいる意味がある。
価値がある。
たくさんの命に背負われて生まれてきた、そして生まれてきた、という価値がある。
生まれてきただけで、生きているだけで、意味がある。
価値がある。
自分の存在は無価値で無意味だなんて、思っちゃだめだ。
そんなふうに卑下するのは、わたしの命をつないでくれたたくさんの命に対して失礼だ。
ちゃんと自分の命の価値を、生きる意味を、真正面から認めて、受け入れて、ちゃんと生きる。
それが、わたしを背負ってくれた命に報いることになるのだ。
Posted by ブクログ
中盤まで物語が全く動かなかったから、あまり楽しくなかった。後半はいっきに真相が見えてきて、命がつながっているということ、その尊さを考えさせられた。奇跡ってあるのかななんて考えたりもした作品だった。
Posted by ブクログ
同じ夢を見続けてきた2人が、夢の風景を探し求める物語。よくあるお話だと言ってしまえばそれまでですが、やさしく前向きなエンディングはなんかホッとしました。
ところで表紙はギターを持った音楽少女が描かれていますが、音楽的な要素はこの作品にはありません。ちょっと表紙詐欺ですね。