汐見夏衛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
昔から、私は、人間関係や自分自身のことで悩むことが多く、その度に自分が生きる意味なんてあるんだろうか。自分が生きる理由ってなんだろう。私はそもそも生まれてこない方が良かったのではないか、なんで私は生まれてきたんだろう。そんなことをずっと考えていました。この小説を読み始める前もそうでした。
でも、読み進めていくうちに、きららと景が見ていた夢の正体が分かっていって、それまできららと景が抱えていた思い、苦しみが解かれていく場面を読んで、思わず涙してしまいました。 きららと景を今の自分自身と重ねて、色んなことが頭に巡り、最後には文字が見えなくなってしまう程に涙が溢れていました。
読み終わった後、「あぁ、自分は生きる意味があるんだ」と自分を産んでくれた親や家族のことを考えて、また涙が溢れました。
この小説を読んで、過去に自分自身の葛藤で悩んでいた自分、そして今こうして悩んでいる自分の両方が救われたような、そんな気持ちになりました。
これから先、行き詰まった時、私はこの小説を読んできっとまた救われるのだろうと、そう思っています。
自分の生きる意味や価値を見出してくれたこの小説と出逢うことが出来て、とても幸せです。
-
Posted by ブクログ
この世で一番あったかい料理は「夜食」。なるほど、朝昼夕食の習慣的なご飯と違って、夜食は相手を慮ってつくるもの。
作中に何度か出てくる「食べることは生きること」ということばは、食べるという行為が、単に胃を満たすだけでなく、心や人生を豊かにするもの、という意味合いで用いられているのだけれど、それはつくり手の思い、愛情がちゃんと食べる者に伝わってこそのこと。完全無添加自然派の手作りおやつ、罪悪感からの冷蔵庫いっぱいのお菓子や子供が好きな高カロリーメニュー。誰かのために良かれと思ってやっていることは、自分よがりになりがちで、とかく裏目に出やすい。対話の重要性。 -
Posted by ブクログ
虹色の世界見てみたい。
きっと私の想像より遥かに綺麗だと思う。
でも
きららと景が繰り返し観ている虹色の世界は
脳死になってしまった男性が
空で言えるくらい大好きな本の世界で
その本は父親の手作りで世界で1つしかない。
きららと景の夢は
男性から臓器移植を受けた母親
その母親からきららと景へと
繋がっていたってことになる。
ちゃんと命のバトンが繋がってて
ドナーの家族も本当に嬉しかったと思う。
これをきっかけに
きららも景も自分の命に誇りを持てるようになって
気持ちも前向きになって
命や家族と向き合う良い機会だったんだね。
私も投げやりになって時期もあったから
今までの言動を鑑みるきっかけになったし
反省することばかりだなぁと思う。
前向きに生きるって難しいね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ真波は交通事故や学校でのトラブルをきっかけに
家族に劣等感を感じるようになり
学校にも行けなくなってしまった。
それもそうだよ。
事故の時に母親が弟を守る所を見て
その後の母親の行動を知らないんだから
劣等感をもってしまうと思う。
その後も父親も真波も不器用な所があって
お互いの想いを話せないままだから
誤解したまんま月日が経ってしまった。
でも母方の祖父母の家から
高校に通うようになって真波は変わる。
祖父母の家には蓮が下宿してて
同じ高校の同じクラスメイトで
真波がどんな態度を取っても
蓮はずっと気にかけてくれる。
そして
砂浜で出会ったゆうさんと
話しをする中で真波の心が解れていった。
本当に素敵な環境なんだろうなぁ。
❥❥❥❥❥
蓮が両親の元を離れて
海の近くの高校に進学した理由。
それは幼少期に海に落ちてしまい
その時に助けてくれたお姉さんが亡くなり
お姉さんが亡くなった海の近くで暮らす為。
その蓮を助けてくれたお姉さんは
海に願いを風に祈りをそして君に誓いを
の主人公•凪沙さんで
恋人の優海さんは
今は海の近くで『なぎさ』というお店をして
こども食堂もしている。
なんと優海さんは
真波が砂浜で出会ったゆうさんと同一人物。
運命の巡り合わせって凄い!!
シリーズではないのに
時を超えて繋がっている物語を読むと
今自分がしている行動が
巡りめぐって顔も声も知らない誰かに
繋がっていくかもしれないと思うと
誰にでも優しく親切になることにワクワクする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み初めから凪沙が何かを決意してて
何か様子が違うなぁとは思ってたけど
まさか凪沙の決意は
優海が独りでも生きていけるように
厳しく鍛えることだったなんて。
凪沙は高校1年生の夏
灯籠流しの前日に海で亡くなった。
凪沙を亡くした優海は
何も出来なくなってしまった。
そんな優海を心配して後悔して
優海のために死に直すチャンスをもらった。
つまりある時期からやり直して
もう一度同じ場所で同じ事故で死ぬ。
想像しただけで恐ろしいのに
凪沙はそんな恐怖よりも
優海のために心を鬼にすることを決断した。
本当に凪沙は強いと思った。
同じ高校1年生の頃に同じ状況になったら
私だったら凪沙と同じ決断できないと思うから。
そして
優海は凪沙の決断を知らないけど
凪沙の言葉に素直に応えて努力してて
いつまでも素直なままでいて欲しいし
優海と凪沙の様子が微笑ましい。
❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥
凪沙と優海は幼馴染みで恋人。
青春小説でよくある展開って思ってたけど
凪沙と優海はただの幼馴染みじゃない。
凪沙が周囲から親に捨てられた子と言われて
傷ついていた時に優海が側で支えた。
優海が1度に家族を亡くして
苦しんでいた時に凪沙が支えた。
ふたりだから凪沙と優海だから
高校生になるまで成長できたんだと思う。
これからも凪沙と優海には
辛い過去を支え合いながらも
仲良く楽しく大人になって
幸せになって欲しかったなぁ。
ふたりの状況を考えたら涙止まらなかった。
だけど
お互いのことを想いあっているのが伝わるから
涙が流れているのに心が温かくなった。
❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥❥
汐見夏衛さんの物語は
とっても大切なメッセージが込められていて
読み終えたあとは心が温かくなって好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ❥❥❥
読み終わった後のこの感覚何だろう?
沢山のことをいっぱい考えながら読んでた。
数年前までの私は
『芸能界を引退して一般人に戻ります』
って言葉に影子と同じ様なことを思ってた。
自分が何かに埋もれて
誰からも見えなくなるような感覚が嫌で
普通って何?輝くって何?
ってずっと考えてたような気がする。
でも目立つ存在になるって
常に見られているってことで
それは監視されているのと似てる。
影子は真昼の
全ての主人公みたいな輝きを羨んでいて
私もどこかで憧れている部分だと思う。
だけど
世間一般的な主人公要素に囚われてたら
本当に大切なものを見失うんだろうなぁ。
自分なりの輝き方を見つければいいんだと思った。
❥❥❥
真昼は世間を賑わすアイドル。
だけど
実は虐待されていた過去があって
弟を亡くしたクリスマスの日に
助けを求めても誰も立ち止まってくれない中で
ある人が助けたくれた。
その人が影子のお父さんだったなんて
しかも高校の同級生だなんて
運命的過ぎるというか
滅多にこんなことないよね。
影子の
ケーキを買ってくるお父さんの帰りが遅い
次の日に起きたらケーキはぐちゃぐちゃ
おまけにプレゼントは揃ってない
っていうクリスマスの思い出の裏では
真昼のことがあった。
そこからの真昼の頑張りも
本当に凄いなと思ったし尊敬する。
見えている部分だけでは
分からない真実は沢山あると思うし
見えている部分だけで決めつけてしまうのは
その人を追い込むだけで良くないよなぁ。
ちゃんと事実を確かめていないのに
噂とか人づてだけで判断するのはよそうと思う。
-
Posted by ブクログ
とても感動した作品でした。
毎日何気なくしている挨拶も当たり前にできることじゃないんだなと、改めて心の奥底から響くようなものを感じました。
"挨拶は明日への祈り"または"今ここに存在しているという祈り"のように思えてなりませんでした。
また臓器提供や臓器移植について久しぶりに考えるきっかけを与えていただけました。
常日頃何とも思わない、当たり前かのように自分の身体が動いているからこそ、感謝が薄れてしまうことかもしれません。
だけど、健康で居られる自分の身体に本当に感謝しないといけない、また、健康な身体に産んでくれた両親に感謝しなきゃいけないな、と思い出すことができました。
本当に読書っていいもんだなと、純粋に感じられた心温かな1冊となりました。