汐見夏衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大切な人の幸せを願う少女と少年の物語です。
優等生でしっかり者でちょっとひねくれたところのある主人公の凪沙は、幼馴染の優海と恋人同士。同級生からもラブラブのお似合いカップルと言われるくらい、二人は仲が良くていつも一緒だった。ちょっとおバカなところがあって、能天気に見えて、でも素直で明るくて誰よりも凪沙のことが大好きな優海は、大らかで温かくて、自分の気持ちを隠さない。そんな優海のことが凪沙も大好きで、けれど大好きだからこそ、とあることから彼女は決意した。運命の日が来る、その時のために。
最終盤、ボロボロと泣きながら読み終わって、またループして初めに戻って読みました。とても切なく、苦しく、愛しい物語でした。
初読の時から、色々なことが確定した未来のことのように書かれていたりして、もしや、と思うところが多くありましたが、種明かしはどこなのだろうと思っていたので、随分と終盤まで真実が凪沙から語られないことで、凪沙の頑固で意固地になりやすい性格が見て取れるようでした。
優海の、あまりに大きく深い愛情に、読んでいるこちらが気恥ずかしくなったり、羨ましくなったりしました。こんなにも自分のことを大好きになってくれた人を、こんなにも自分がいなければ生きていけないくらい深い愛情を注いでくれた人を、けれど自分は置いていかなければならないと知った凪沙は、どれほど苦しかっただろうと思うと胸が苦しいです。
自分がいなくなっても大丈夫なように、嫌いになってもらわなくては。そう思ったとしても、幼馴染の効力が強すぎたことに笑ってしまいます。嘘も、ごまかしも、本当の本心ではないことも、自分ではうまくやれたと思っても全く信じてもらえていない辺りに、一緒に育って、何もかも分かってしまうし分かられてしまう、恋人とは違う種類の関係性を見た気がします。
ここまで誰かを好きになれて、ここまで誰かに愛情をもらえて、それが深いから深いだけ、苦しくて。けれど、こんな一世一代のような恋を、してみたいとも思ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
昔から、私は、人間関係や自分自身のことで悩むことが多く、その度に自分が生きる意味なんてあるんだろうか。自分が生きる理由ってなんだろう。私はそもそも生まれてこない方が良かったのではないか、なんで私は生まれてきたんだろう。そんなことをずっと考えていました。この小説を読み始める前もそうでした。
でも、読み進めていくうちに、きららと景が見ていた夢の正体が分かっていって、それまできららと景が抱えていた思い、苦しみが解かれていく場面を読んで、思わず涙してしまいました。 きららと景を今の自分自身と重ねて、色んなことが頭に巡り、最後には文字が見えなくなってしまう程に涙が溢れていました。
読み終わった後、「あぁ、自分は生きる意味があるんだ」と自分を産んでくれた親や家族のことを考えて、また涙が溢れました。
この小説を読んで、過去に自分自身の葛藤で悩んでいた自分、そして今こうして悩んでいる自分の両方が救われたような、そんな気持ちになりました。
これから先、行き詰まった時、私はこの小説を読んできっとまた救われるのだろうと、そう思っています。
自分の生きる意味や価値を見出してくれたこの小説と出逢うことが出来て、とても幸せです。