汐見夏衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔から、私は、人間関係や自分自身のことで悩むことが多く、その度に自分が生きる意味なんてあるんだろうか。自分が生きる理由ってなんだろう。私はそもそも生まれてこない方が良かったのではないか、なんで私は生まれてきたんだろう。そんなことをずっと考えていました。この小説を読み始める前もそうでした。
でも、読み進めていくうちに、きららと景が見ていた夢の正体が分かっていって、それまできららと景が抱えていた思い、苦しみが解かれていく場面を読んで、思わず涙してしまいました。 きららと景を今の自分自身と重ねて、色んなことが頭に巡り、最後には文字が見えなくなってしまう程に涙が溢れていました。
読み終わった後、「あぁ -
Posted by ブクログ
ネタバレ反抗的な女子中学生の百合が大東亜戦争終戦前夜の1945年の真夏に突然タイムスリップしてしまう。そこで特攻隊員の彰に出会い、やがて否応なく訪れる「出撃」という別れ。
戦争という現実。
百合は、南の空へ『特攻』として死に往く彰を愛してしまい、もがき苦しむ。
彰は戦争という現実に直面するなかで『特攻』という使命を見出し、死することを決意する。その彰の悲しみ、憤り、そして愛を知る悦びと苦悩。
戦争の悲惨さを知らない世代に戦争というものを疑似体験させることができるいい作品といえる。
戦争は絶対に起こしてはならないし、ましてや巻き込まれてもならない。しかし、口先で反戦を訴えるだけでは決して国 -
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Posted by ブクログ
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。と、あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。の主な登場人物たち、一人一人の‘’その後‘’を集めたお話です。
あの花〜と、あの星〜、の2作を読んだのでせっかくならこちらも読みたいと思っていましたが、なかなか手につきませんでした。
というのも、あの花〜や、あの星〜から得た戦争の姿に怖さを感じたからです。
ただ、経験した事も無いのに文字だけでも怖さを感じれるなんて、現実で、その目で見た人たちはどれほど怖かった日々なのだろう…と思いました。
ましてや国の為に、死ぬとわかっていながら毎日毎日、1分1秒を過ごした特攻隊員たちはどんな気持ちだったのだろうかと想像もつきま -