【感想・ネタバレ】真夜中の底で君を待つのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きな汐見先生の本。

高校時代の孤独を感じていたときや、受験勉強のときに本に書かれた言葉に助けられたことを思い出した。
本を読むことによって、現実の行き詰まりの解決策を見いだせたり、心が救われたりした。言葉によって人を傷つけてしまうこともあるけれど、私は言葉によって人を救えるような人になりたい。
また、言葉だけでなく行動によって人を笑顔にできるように心がける。

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2024年05月16日

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2023/11/26
普段から自分の思いを言葉にして伝えることをせずに生きてきた高校生の更紗と、バイト先によく来る社会人の仁科さんを中心とした話。
「自分の思いや考えは言葉にして伝えた方がいい」
というこの一言に尽きる、とても読みやすい小説です。
言葉にしないで、自分で飲み込んでしまったり拡大解釈したり、思い込んじゃったりすることで現代でも色々なすれ違いが生まれてトラブルの元になったしすることも多いですが、そんなことについてもこの小説を読むことで考えることができるように思います。
文字で表記して読むのは簡単ですが、この簡単に書かれたことを実践するのが難しい。
改めて自分の生活でも意識してみなきゃと思うような小説でした。

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2023年11月26日

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言葉の力と人の優しさを感じられた1冊。
汐見さんの作品は改めてとても読みやすい。

2人が成長していく様子がとても良く、あたたかみのあるストーリーだった。
よくある恋愛小説かと思ったらそうではなくそれが逆に心地よかった。
最後の終わり方が 仁科さんが彼女のしあわせを願うもので読み終えてしあわせな気分になれた。

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2023年08月16日

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ネタバレ

どんなに拙くても自分の気持ちをしっかり自分の言葉にして伝えることの大切さを知れた。
私自身も更紗ちゃんと少し似ている性格をしているから、これから人間関係を築いていく上で勝手な思い込みで人の気持ちを決めつけないように気をつけようと思った。

最後お父さんとの電話で泣いた。

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2023年05月10日

購入済み

真夜中の底で君を待つ

この小説を読んで、たくさんの言葉を知りたいと思いました。言葉の力に気付きました。読めて良かったです。

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2022年12月29日

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ネタバレ

お互いがお互いを高め合って、一筋の光をみつけ、真夜中の底から抜け出そうとしているところに感動した。
小説、文字、言葉の大切さを深く感じさせられた。

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2022年11月12日

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辛かった頃の自分にかけてあげたい言葉がいっぱいでした。温かくて優しくて、何度も泣いてしまいました。私も言葉で誰かの悩みを軽くできたらいいなと思いました。

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2022年07月08日

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汐見夏衛さんの小説は、文章がスラスラ読めて言葉がスっと入ってくるのでとても好きです。
読む前は恋愛小説かなと思っていたけど違いました。

あらすじ
家族や友達といるより、喫茶店のアルバイトが好きな17歳の更紗。アイスコーヒーだけで閉店まで粘る常連客の「黒縁さん」。おしゃべりが苦手な二人が、店以外で偶然出会ったのは夜の公園だった。お互いの連絡先も知らないまま始まった特別な時間は、胸に秘めた過去の痛みを解きほぐしていく。愛に飢えた彼女と愛を諦めた彼が織り成す成長の物語。

ひとりでも平気だった。
君の言葉に出会うまでは―。

二人が実は昔にもう出会っていたことに更紗は気づいていなくて、仁科さんは気づいているのがなんか良かったです。
更紗と(元)お母さんの電話での会話に胸が苦しくなったけど、最後、更紗とお父さんとがお互いに本音で話して誤解がとけたのは良かったし、更紗の寂しいという気持ちが少しずつでも無くなっていったらいいなと思います。

仁科さんの「あの小さな少女が、僕を今日まで生かし続けてくれている。」という小説の終わり方が好きでした。
そして、仁科さんにとっての運命の本の一節
『自分に必要のないものは捨てればいい。自分を苦しめるものからは離れればいい。あなたの手足はそのためにあるのだ。そして、失いたくないものは抱きしめる。自分を幸せにしてくれるものには駆け寄る。あなたの手足はそのためにあるのだから』という言葉がとてもいいなと思いました。

序章 真夜中のくらげたち
1章 黒縁さんのこと
2章 夜の公園に浮かぶ月
3章 たったひとつの宝物
4章 僕らを包む雨の音
5章 忘れられない夏の日
6章 私の知らない横顔
7章 あなたと会えない時間
8章 黒猫のキーホルダー
終章 真夜中の底で僕らは出会った

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2022年05月30日

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ガラスみたいに繊細で儚い心を持つ更紗と、哀愁漂う仁科さん、二人の感情が痛いほどよく見えたお話でした。
とにかく、仁科さんが使う言葉とその人としての暖かさに胸が温かくなりました。これほどまでに大人な人が一体何人いるだろう、、

でもそういう人ほど、人よりたくさん傷ついていて、辛い過去を乗り越えてきたからこそ、その人を形成しているのではないか思います。

本当にこの本は、“言葉”の意味を深く考えさせられる本でした。
“言葉は自分を守る鎧“、“誰かの気持ちを温めるためのもの“、などそれぞれの解釈で言葉の持つ意味を自分の中に落とし込んでいく姿が素敵でした。

これを読んだら、誰しもが仁科さんに恋をすると思います(笑)
いつか仁科さんみたいな人になりたい、、

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2022年09月12日

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『これから彼女が歩む道が明るい光に満ちたものであり続けることだけを、僕は祈ろう』最後の終わり方がとても好きだった。昔会ったことあったんだな。彼は途中から気づいていて、公園に会いに行ってたのかと思うと心があたたかくなった。

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2021年12月14日

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昨今の「泣かせればいいんでしょ?」のような内容とは違って、自分が求めていた静かで落ち着いて?読める話でした。あと、「言の葉の庭」に近いものを感じました。
言葉にして伝えないと気持ちは伝わらないことを再認識させられます。しかし、作中にある通り「言葉」は聞き手の捉え方によって武器にも盾にも鎧にもなってしまい、使い方が難しいことを教えてくれます。

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2024年06月13日

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ネタバレ

自分も更紗と同じで、思っていることを言葉にすることがあまり得意ではない。

人に怒られているとき、心では様々な感情や相手に言い返したいことが溢れ出てくるのに、実際には
口に出さず、黙って気持ちを押し殺してしまっている。

また、焦ったり不安になると涙が出てきて止まらなくなる。なんで泣いているのと聞かれたときにも
答えは心の中で決まっているのに口に出すのが難しく、時間がすぎるのを待つことしかできない。

「思っていることは言葉にしないと伝わらない」と親によく言われるが、確かに言葉にしないと相手には伝わらないし、自分の気持ちをわかってもらえないけど、まず言葉にすることにすごく勇気がいるし、自分の気持ちを言葉で表現するってことに難しさを感じる。

でも時には自分から発言したり声をかけることで同じ思いをしている人を見つけられたり、人との関わりがうまく行ったりする。
相手にとってはちょっとしたことでも自分にとっては心の支えになるくらい助けられたり、その経験を活かして他の人を救うことだってできる。

言葉は常に自分達の周りにあって、心を温めてくれるような良いこともある反面、この本の主人公2人の過去みたいに心に深く刺さって抜けないような凶暴な矢にもなる。

実際に自分も心が痛めつけられたことはあるし、無意識に人を傷つけていることも少なくともあると思う。人間関係に悩みはつきものだし、語弊や誤解をうんだりすることも多々あるけど、そのまんまにして後悔したり、ずっと考えるより言葉にして正したり伝えるほうがよっぽどいいと思う。

勇気を出して伝えたのに思った通りにならないことだってあると思うけど、言葉にできたことってすごいし心に少しだけ余裕ができるから、たまには思い切ることも大事だなと考えさせられた作品でした。
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これは他の人にも言っているけど、1番はこれからの自分に向けて書いたことなのでそこまで深く考えないで下さい。

最後まで読んでくれた人はありがとうございます。
長文になってしまい申し訳ございませんでした。


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2024年04月01日

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深呼吸して、とんとんとん。
深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
目を瞑ったまま、軽く握った手で傍らの机に触れ、そっとノックをするように三回叩く。
悪いことが起こりませんように。
何もかもうまくいきますように。
たくさんの幸せが訪れますように。
大丈夫、大丈夫。
もう何も怖くない。
もう何百回、何千回と繰り返してきたから、おまじないの言葉は、まるで息をするようにすらすらと出てくる。
こんなおまじない、効果なんてない。
祈りも励ましも、意味なんてない。
そう分かっているのに、気がつくと私はいつも、誰もいない部屋の片隅で、ひとり机を叩いている。

読書感想文なんてね、そんなに気負わなくていいんですよ。
美味しいお店を見つけたり、面白い映画を観たりしたとき、みなさんSNSに感想を書いたりするでしょう。
とっても良かったから、友達におすすめしたい、という純粋な気持ちで。
読書感想文というのは本来そういうものと同じで、自分が気に入った本を友達に紹介するようなものです。
食べ物や映画みたいに、自分の好きな物を誰かに推薦するつもりで分かりやすく丁寧に、でも何より思ったことを素直に、書けばいいんですよ。

大丈夫かと訊かれると、大丈夫と答えてしまいますよね。
どうして人は、本当は全然大丈夫じゃなくても、大丈夫だと言ってしまうんでしょうね。

たいていのことは、言語化してしまえば随分すっきりするんじゃないかなあ、と僕は思います。
自分の中のもやもやした思いを、言葉にしてみるんです。
そうすると、もやもやが形になる。
ぼんやり広がっていたものが少し小さく固まって、そのぶん頭がすっきりして、気持ちが落ち着いてきて、見える景色が広がるんです。
そうしたら、今まで全く気がつかなかった解決策が見えてくることもあります。

悩み事というのは、よく分からないままで心に溜め込んでいるのが、いちばん良くないんじゃないかなと、僕は勝手に思っています。
だから、言葉にして、形を与えて、見やすく、とらえやすくするんです。
誰かに話す必要は必ずしもありません。
自分の中で言語化するだけでも、随分違うはずです。
形のない正体不明のものよりは、形あるもの、はっきり姿が見えるもののほうが、対処しやすいからです。

私は話すのがうまくないので、なんていうか…変な言い方をして、相手に嫌な思いをさせちゃったり、傷つけちゃったりするのが怖いんです。
だから、黙ってたほうがいいかなって思って、余計なことは言わないようにしてます。

言えなかった言葉や、飲み込んだ言葉が、あなたの胸の中には、溢れそうなくらい溜まっているんじゃないでしょうか。

気持ちを言葉にするって簡単じゃないですよね。
でも、「言葉の力」というものがあると思うんです。
自分の感情を的確に表現したり、それを相手にちゃんと伝えたりする力、と言えばいいでしょうか。
たとえば「なんかもやもやする」では、自分を悩ませているものを形にすることができません。
そうすると、自分の気持ちとは違う解釈をされて、全く望んでいないことをされたり言われたりしてしまうかもしれない。
だから、なるべく自分の思いを正確に言語化できるように、本を読んだり映画を観たり人と話したりして、たくさんの言葉を浴びて、たくさんの言葉を覚える必要があるんだと、僕は思っています。

これまで生きてきて、誰かから言われたことが胸に突き刺さって抜けないことは数え切れないほどあったし、逆に誰かの胸に剣を突き立ててしまったこともきっとたくさんあった。
そのせいで、たくさん失敗したから、言葉は怖いと思うし、あえて言葉にすることを避けてきた。

私いつも格好つけて、平気なふりというか、大丈夫なふりをしちゃうので…
それって、相手にばれたらいちばん格好悪いことだよなって、ちょうど最近考えてたところだったので。

僕は言葉に対する向き合い方に真摯さが足りなかったのだと、思い知らされました。
自分とは違う背景や考え方、感じ方をもつ他人の立場に立って考えることができていなかった。
全く悪意のない、希望や祈りを込めた言葉でも、誰かを傷つけることがあると、分かっていなかったんです…。

大人だって、悩んで苦しんで、誰かを羨んで自己嫌悪に陥って、格好悪く足掻いてばかりです。

小説は消費されるものだ。
後世に残り古典となっていく一部の作品を除いて、僕の作品のような有象無象は、消費される一時的な娯楽だ。
何度も読み返されることはほとんどない。
一度読んだら終わりで、十日も経てば内容すら忘れられているかもしれない。
新刊が出るたびに買ってくれていた読者も、みないつかは卒業していく。
それでも全くかまわない。
ただ、僕の小説を読んでくれた誰が、何年も先の遠い未来でも言い、いつかどこかで、悲しみや苦しみを抱えているときに、僕の言葉を思い出して、それが一筋の光になって、その心をほんの少し、ほんの一瞬でも温かくすることができたら、それ以上に幸せなことはない。

僕にはまだ語れる言葉がある。
語りたい言葉が、語らなくてはいけない言葉がある。

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2024年02月07日

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ネタバレ

言葉は自分を守る盾にもなるし、誰かを傷つける槍にもなる。
傷つけるから、心配掛けるから言わないって封じ込めた言葉たち。
思い切って言ってみたら、案外相手は全然違うことを考えていたり気にしていなかったり様々なことが多い。
更紗が自分に対して抱いていたマイナスな考えは、自己完結した思い込みで(言い方は悪いですが…)周りは一つ一つの丁寧な言動をちゃんと見てくれていた。

周りは自己完結した評価とは当然別軸で自分のことを評価してくる。
自分は周りの人が普段どんなことをしているか知らないからそれを評価することはできない。でもその人たちと過ごした時間から仕事を放棄しないのを知ってるから、落ち込んでても「大丈夫、なんとかなる」って言うことができる。
自分の中でこのことを言語化することができなかったけどこの本を読んで確信を得た気がします。

作中には、自分が内々に思っていることをちゃんと伝えることの大切さがこれでもかと出てきますね。
言いたいことがなかなか言えない時には読み返したいなとおもいます。
更紗がお母さんにもう一度連絡して、どうなるかが気になってちょっとモヤモヤしたなぁ…。
成長の物語だから『電話しようと思う』で確かに完結できるからおかしい!!と批判するつもりはないんですがあったら良かったな〜って思いました。
長文失礼します。

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉の大切さがわかる物語だった。
綺麗事を諦観するよりも行動してみることが自分を嫌いにならない1つの道なのかなと思った。
「格好つけるのって、いちばん格好悪いですよね」がなんかわかるし、良い言葉だなと思った。

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2023年07月16日

Posted by ブクログ

言葉の大切さを強く感じた。
自分も感謝の気持ちを伝えられてなかった人に、今さらだけど遅くなってもいいから伝えようと決めた。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

言葉にして伝えることの難しさや大切さを感じる本でした。
仁科さんの暖かい人柄に、更紗の優しい気持ちに読んでいて暖かくなり、そんな人もいるのに自分は何て冷たい人間なのか、冷たい感情を持っているのか反省してしまいました。何も言わずに相手の気持ちを自分なりに解釈して思い込んでしまったが故のお父さんとのすれ違い。言葉って本当に大切で難しい、そして優しいと感じました。


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2023年03月05日

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成長をメインテーマにした若い人向けの本かなと感じるお話でした。
すぐ感情移入してしまうので、夜に読んで泣いてしまって目が腫れてしまいました。
優しく見守りたくなる話でした。

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2023年01月19日

Posted by ブクログ

登場人物がみんな優しくて、始終心が温まるようなお話でした。
作品の雰囲気がすごく好きだったので、同じ作者さんの他の本も読んでみたくなりました!!

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2022年10月08日

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『言葉』
それは人に勇気を与える魔法そのものである。
考えたこと感じたこと…それを言葉で伝えないと変わらないことも沢山ある。言葉にするのって難しいけど、それ以上に大切な何かを掴むことができる。まさに魔法。

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2022年07月27日

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ネタバレ

親に否定されるとか、そういった境遇は自分も似たような感覚があり、この黒渕さんが勇気を出して自分が進みたい道に進んだのは共感しかなかった。

あとは、主人公が自分の思いをなかなか口にできず、自分の解釈でいろんな誤解が生まれている姿を見て、自分も過去に同じような経験があったから、その苦悩にも共感できた。一人でいるときも必要だけれども、ずっと一人というのはやはり苦しくなっていくだけだと思う。

僕も自分が苦しい時や辛い時に会ってくれた人と話すことで、どれだけ心が救われたか。

そして、「言わなければわからない、気づかない」ということを教えてくれた友人には本当に感謝している。

「僕自身の生き方も間違っていなかった」と実感できるストーリーだった。ただ、欲を言えば、最終章で「過去に出会っていたことを確認するシーンとかで、盛り上げてくれてたら」とか思いましたが、作者も意図があって最後の結びを描いてるだろうし、全体的に良いお話でした。学生とか子供、そして子育てをしているご両親が読むのに良いお話だと思います。親子の人間関係を見直させてくれるはずです。

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2022年05月04日

Posted by ブクログ

他の作品とは違う良さが出ていると思いました。汐見さんにしか出せない表現がとても好きです。汐見さんの作品がお好きな方にオススメします!

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2024年03月29日

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ネタバレ

黒縁さんが出てきて、ああこの人が多分汐見さんなんだろうとおもった。何も知らないから何も言えないけど、きっとそうやってこの人も言葉を紡いできたんだろうなと
高校生みたいな本だったな

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2024年03月03日

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言葉は人それぞれ受け取り方が違うが、
言葉にすることで思いを共有できるため、
伝えることの大切さを感じた。

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2023年10月13日

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波風立てず、静かに、最低限の人付き合いを好む女子高生が、バイト先の常連さんと会話したことをきっかけに、少しずつ世界が動いていく…
さらっと読めます。最終章であらっ♪となりました。

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2023年03月02日

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言葉の大切さ、そして脆さ、2面の顔も持つ『言葉』にまずは向き合うことの大事さを再認識する、そういうお話でした。

辛い境遇の2人が『言葉』に対して強いきっかけを与える同士になっていて、そういう存在に出会えた素敵なストーリーでした。

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2022年05月22日

Posted by ブクログ

ラノベ(軽く読めてお若い方向けという認識です)系です。
いわゆる〝コミュ症〟な17歳の孤独な少女。
両親との関係やクラスメイトとの関わりを上手に築けない彼女の唯一のよりどころはアルバイト先の喫茶店。
そこで出会う青年もまた孤独と絶望の中にいた。
知らず知らずにお互いを支え合う関係となる2人の再生物語
と、ざっくりストーリーは良くある話し。
に、エピソードも身近にありそうで分かりやすい。

言葉は人を救うこともできるけど、傷付けることも容易だ。
言葉にすること、しないこと…その選択で人との関わりは構築される。
言葉にできないもどかしい展開を優しい言葉たちが救ってくれる。
大人でも十分に優しい気持ちになれる1冊です。

ひとつ難癖をつけるとするなら、8章の終わりと終章の終わりをひとつにして欲しかったなぁ…。
そうすれば私はもっとスッキリとした気持ちで本を閉じれたと思う。
個人的には…です。作者の意図を汲みきれていないだけかもしれません笑

今年の3冊目
2022.1.22

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

喫茶店でバイトしている高校生の更紗は、両親の離婚で父親の方につくのだが、父親が夜に働いていることもあり、心の擦れ違いが生じていた。また、高校の同級生とも距離をとっていたのだが、喫茶店では懸命に働いていた。そんな時、常連客と新人バイトとのいざこざに入ったものの、どうすれば解決できるのか迷っている時、別の常連客「黒縁さん」に助けられた。「黒縁さん」はアイスコーヒーだけで閉店までいる若者で、それ以外はあまり知らなかった。
その後も、更紗の憩いの場である夜の公園にも出会うようになり、二人の心の成長物語が始まる。


汐見さんの小説は、情景描写の表現が美しく、透明感が溢れている印象があるのですが、今回も発揮されていました。

「言葉」によって翻弄される二人。更紗は言葉が少ないことの気持ちの擦れ違い。「黒縁さん」は、(正体が明らかになるのですが)あらゆる言葉によって精神を傷つくことになります。

どちらも共通しているのですが、「伝える」ことの難しさを感じました。
やっぱり面と向かってのコミュニケーションがいかに大事なのか。全てを理解することは難しいですが、意識が大事だなあと思いました。
二人の心理描写があまり急ぐことなく丁寧で、辛い場面もありましたが、段々と癒されていく過程が楽しめるので、読み終わった後は清々しさがありました。

二人だけでなく、バイト先の従業員の面々も、良い味を出していて、良い現場だなと羨ましく思いました。

二人の心の成長物語だけでなく、純粋な恋愛小説としても楽しめました。
恋愛が発展するというわけではないのですが、徐々に二人の距離が近づいていくので、応援したくもなりました。

後半はまさかの展開(読み進めていくと、もしかしてと思うことがあります)で驚きでしたが、良い意味で繋がっていて、良い感動がありました。そこで結末を迎えたので、その先の二人の今後が気になりました。
お互い良い人生を歩んでほしいなと思いました。

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2021年12月07日

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