汐見夏衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
深呼吸して、とんとんとん。
深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。
目を瞑ったまま、軽く握った手で傍らの机に触れ、そっとノックをするように三回叩く。
悪いことが起こりませんように。
何もかもうまくいきますように。
たくさんの幸せが訪れますように。
大丈夫、大丈夫。
もう何も怖くない。
もう何百回、何千回と繰り返してきたから、おまじないの言葉は、まるで息をするようにすらすらと出てくる。
こんなおまじない、効果なんてない。
祈りも励ましも、意味なんてない。
そう分かっているのに、気がつくと私はいつも、誰もいない部屋の片隅で、ひとり机を叩いている。
読書感想文なんてね、そんなに気負わなくていいん -
Posted by ブクログ
ネタバレ言葉は自分を守る盾にもなるし、誰かを傷つける槍にもなる。
傷つけるから、心配掛けるから言わないって封じ込めた言葉たち。
思い切って言ってみたら、案外相手は全然違うことを考えていたり気にしていなかったり様々なことが多い。
更紗が自分に対して抱いていたマイナスな考えは、自己完結した思い込みで(言い方は悪いですが…)周りは一つ一つの丁寧な言動をちゃんと見てくれていた。
周りは自己完結した評価とは当然別軸で自分のことを評価してくる。
自分は周りの人が普段どんなことをしているか知らないからそれを評価することはできない。でもその人たちと過ごした時間から仕事を放棄しないのを知ってるから、落ち込んでても「大 -
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Posted by ブクログ
泣いた。
ジブリの猫の恩返しのような、繁華街にひっそりと佇む一食100円の夜食食堂には、今夜も「呼ばれた」人たちが温かい優しさに包み込まれにやってくる。どれもじんわりと心に沁みるストーリーばかりで涙腺が緩んだ。予想外で嬉しい誤算だ。
── 食べ物と同じように、悲しみも咀嚼して、反芻して、消化して、吸収しないと自分の中に取り込めない。
あぁ、うまい言い方だなと思う。
たとえ逃げ続けて時間が経ったとしたも、月日は悲しみを癒やしてくれない。噛んで噛んで、少しずつ消化するんだね。たぶんそれが、成長と呼べるもののひとつなのかもしれないな、と思った。
食べることは生きることだとしたら、悲しむことまた、