弘兼憲史のレビュー一覧
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インド・ハツシバの視察に来た島耕作と四谷嵐子インドのバンガロール(ベンガルール)駐在所長になる大町久美子と市場調査に協力した電報堂の古波、サーバントの母親の葬式に来た男全、孫の6人のニアミスが面白い。それにしてもやはりインドという国のことについては弘兼先生も言ってる通りいつまでも沐浴とITがすごいブッダが生まれた国、ボリウッド、カレーとガンジー以上の知識はない訳だがこれはやはり地理的な事もあるのかしら。それよりはやはり人種的にも近い中国との関係を重視していくのだろうか?相変わらずニュースは圧倒的に中国の方が多い。ともあれ極東の一小国である島国は今後品証とアニメと観光で生きていくほかないのだろう
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「遊星萌ゆ」東都大学教授の南原春彦は上流家庭に生まれ子供の頃から何不自由のない生活を送り齢も50歳になっていた。ある日偶然入ったメイド喫茶で知り合った金髪の少女ミューと知り合い落とした手帳を家まで届けてくれたことから付き合いが始まる。ミューの方は初めはからかい半分のつもりで近づいただけだったが悪い仲間にそそのかされ美人局をする。女遊びもせず真面目に勉強だけをしてきた春彦は優しいミューがそんなことをするとは疑いもせずに200万もの大金を脅し取られた上大学の権威を失墜させた責任を負い大学を辞職することになるがそれでもさらにミューの裸が流失したことを心配していた。その姿に良心の呵責を感じたミューこと
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ついに専務に選任された島耕作。これまでの中国、インドを見ながらさらにはアメリカまでカバーしなければならない立場となった。中印米てもうほぼ世界やんか。実質ハツシバの海外部門をほぼ全部を見るに等しい。それだけでもかなり大変なことは容易に予想がつくがさらにそこから業績の悪化をV字回復をさせるために「破壊と建設」を掲げ新社長に就任した郡山の右腕となって辣腕を振るわなければならない。自分たちが経営に関わるということはここまでの労力と体力と知力が必要なのか。普通にのほほんと暮らす方がどれだけ幸せか分からない。登り詰めるというのはとてもすごいことだとは思うが、その裏では必ず犠牲になっている人がいるのだろうと
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「武士の星空」その昔、寛政十一年(西暦1799年)大川原藩の出来事。白兼家三男の矢太郎は16才になり三日月家に養子に出されることになる。この時代の下級武士の嫡男以外の人間は、矢太郎のように家督を継ぐ子供が居ない武家に養子に行くか、能力を認められ藩に務め独立するか、金持ちの武家に用人として召し抱えられるか、身を持ち崩して素浪人、用心棒になるか、あるいは野垂死ぬかと結構シビアな世界に生きている。かなり実力や運や人脈に左右されそうだ。そういう意味では芸人の世界に近いかもしれない。腰に真剣こそ差してはいないが。三日月家に入った矢太郎は早速養父藤十郎に挨拶に行くと、勉強の才を買われ藤十郎の参勤交代の代わ
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「星鵠を射る」「星になる前に」「流星メール劇場」変わったストーリー3本立てで面白かった。「星鵠を射る」は元捜査一課の敏腕刑事であった小日向透が日本犯罪研究所という犯罪分析をしているシンクタンクに再就職するところから始まる。元刑事の経験を生かして過去の犯罪を分析しているとある日妙な符号に気がついた。犯罪者の生年月日を調べているとある日生まれた犯罪者が4人もいたのだ。しかも4人ともが同じ病院で同じ日1961年6月19日に生まれている。何という偶然の一致なのかと調べを進めているとある日屋台のおでん屋で知り合った女と懇意になる。その日以来転がり込んだ女の身元を調べてみるとまさに1961年6月19日に生
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「さ迷う惑星」長年の積もりに積もった仕事のストレスから仕事中に意識を失って倒れた時田亮介は気がつくと体が幽体離脱していた。倒れている自分を見ている別の自分。周りの人たちも一切こちらを見ない。まるで透明人間にでもなったようだが、病院に駆けつけた家族が自分の命よりもこれからの病院の手術代や入院費、生命保険の話などをしているところを目の当たりにして、時田はそっとそこから離れ、あてもなく歩き出していた。そんな時たまたま入ったファミレスで1人の女がずっとこちらを見ていた。話をしてみると彼女もまた1ヶ月前に幽体離脱して文字通り現実逃避し続けていたようだ。久しぶりに人と話す感覚、奇妙な境遇に意気投合し瞬く間
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ハツシバ側と労働組合の対立が中国各地で頻繁に起こりその対策に追われ日中間を行き来する耕作。そんな毎日の中でひょんなことから仲良くなった中華料理屋の女主人ト(サンズイに余)紫雷の弟に国籍を与える方法がないかと動いてあげる耕作と万亀会長(どんだけ優しいねや)と思ったが、その努力の甲斐なくマフィアに両手を切断され!出血多量で死亡してしまう。もう二度と祖国には帰れなくなった弟の為に二十年ぶりに西安に帰る決心をする紫雷。再会した母親はわが娘を見、わが息子の訃報を聞いても謝りもせずむしろ子供たちを責めるかのような口調で紫雷を詰った。こんな悲しい再会ならしないほうがマシだったかもしれないとショックでふさぎ込
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2005年当時の日中関係ではまだ日本の企業が雇う側で中国人は従業員側というのが"普通"であった感覚が見て取れる。2019年現在その関係にもはや違和感さえ感じるほどだ。「慣れ」とはそういうものだ。道頓堀界隈が薬局とホテル通りに化したことももはや当たり前の情景として受け容れ始めて久しい。それがこの時代の"普通"になった。たった15年でここまで変わるのかと驚くが、逆転された経済はおそらくもう二度とひっくり返ることはないし未曾有の少子高齢化社会で日本は今後衰退の一途を辿るしかないのだろう。というより存続さえ危ぶまれる。消滅してしまっても決して不思議ではない。そん
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「星空研究会」大学時代、気の合う仲間で作った星空研究会というサークルに集い来る男たち。そこに突然現れた歳下の可憐な女性。1人の女性を中心に星座のようにその周りを取り囲む4人の男たち。男たちは皆遠慮して決して口外しないが、全員がその女性に惚れていた。だがある日何の前触れもなく、その女性は男たちの前から姿を消す。行方をくらましたまま20星霜、ある日男たちの元へ一通の手紙が届く。あの女性が再び4人に会いたいと言う。当然の如く女性に会いに行く4人だったが、そこへ行ってみると若い頃の姿のままの女性が立っていた。実の娘だという。その娘曰く、その女性はもうすでに病気で他界し遺品を整理していたところ、この会の
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前巻とはガラリと変わって一気に劇画タッチのキナ臭い内容に。出発集団の若手No.1の呼び声高い曽烈生が現れたからだ。彼は表向きは出発集団の若手筆頭株のカリスマ的な社員ではあるが、実は裏の顔を持ちヘロインの密輸に関わっているようだ。お久しぶりのグレちゃん登場。待ってました。部長シリーズの時は丸々出ていなかったのですっかり死んだのかと思っていた(失礼)がご存命で何より。今回も安定した仕事っぷりで貢献する。ここへ来て日本のライバル企業東立も密輸に関わっていることを知った耕作はこの後どのような対応を取るのだろうか?命をかけたやり取りが待っている。サラリーマンと言えども命をかけなければ何も得られないだろう
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「社長の星春」株式会社フォーイーストは運動靴の分野でシェアトップを誇る一流スポーツメーカーである。その会社の代表取締役社長を務める中津川修三はある日、自分の身一つで築きあげたこの会社がファンド会社によって敵対的買収を仕掛けられたことを知る。実直な人柄と仕事ぶりで今の地位を築いてきた修三はこの会社を守るためTOB(株式公開買付)で対抗する。ちょうどその頃通りがかりで初めて入ったイメクラ風俗店でめぐみと言う女と昵懇になり一息も気が休まらない緊張の毎日を送る修三にとってオアシスのような存在になる。だが結局TOBは思惑通りに進まず、古くからの付き合いのある会社も今回の騒動を静観している。どうやら内部に
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上海で暮らし始めた耕作は徐々に現地での生活にも慣れ中国の実情をおぼろげながらも掴み始めた。それは多くの日本人が10年後20年後まで気づく事が出来なかった残酷な現実である。ようやく目下2019年の現在では当たり前の認識として受け入れられつつあるが(というよりなし崩し的に受け入れざるを得なかった方が正しいが)日本はこのままゆっくりと衰退に向かって行くという現実である。この時期にそれに気づいていた耕作と弘兼先生の慧眼は流石だが、ここからどんな日本になっていくのだろうか。おそらくこのまま日本は観光立国を目指し外国人を受け入れ、徐々にその外圧に押される形で日本としての個性を変貌させつつ折衷しながら新たな
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課長→部長ときてこれでついに3役職目に突入。「取締役島耕作」2002年当時。日本社会はいまだ不況が続き年間自殺者数が3万人を超える「失われた20年」の真っただ中に居る島耕作と日本。当然といえば当然ではあるが、このタイミングで周りにも色々な変化があった。大泉会長夫人が亡くなり、大町久美子が日本に戻ってきた。色々あった今野さん(ほんとに色々あった)が引退し、だが最後の出勤日にスポーツカーで出迎える粋なサプライズをするのはさすが島耕作。(何故スポーツカー?とは思ったが…)利害関係を行動の規範にしていたら絶対この判断にはならない。とても見習いたい人として大事なところ(それゆえなかなか難しいのだが)だ。