望月衣塑子のレビュー一覧
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望月作品を立て続けに読んでみた。本書はもっと具体的で、発言を逐一チェックしていく、というもの。ファクトチェック、分かり易くて良いです。安倍は大半が×で良くて△って評価だったけど、まさに感じているイメージの通り。心象もそんなに間違っちゃいないってことの証左だけど、しっかり文章化してもらうと、納得度もいや増す。当然、お偉方はこういう意見に耳も貸さないんだろうけど、少なくとも自分的には、本書に書かれている中にツッコむべきところは殆ど無いように思えたし、至極全うだと感じた。こういう事実の上で、いけしゃあしゃあとしていられるのは、逆になぜなんだろ?
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追及というと、ちょっとおっかないイメージ。でもこの二人がやっていることは、普通に考えたらおかしいことを、そのまま直截に問うているだけ。国が国民を欺くというモリカケの大問題。とりあえず最初は出まかせを言っておいて、バレたらそのとき謝ればいいや的対応。先日、また新たな不適切発言・不祥事が明るみになって、またとりあえず謝って辞職して、そんなことの繰り返し。本書でも書かれているけど、上が辞めんとこの体質は変わらん。いつまでのさばるんだろ? だからこそ、この二人のような人たちには徹底的に追及してもらって、辞めさせるまで止めないでもらいたい。陰ながらの応援しかできないけど。
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ジャーナリズムに夜明けは来るか
第2次安倍内閣発足以来、時代の空気は重苦しさを増している。無理が通れば通りが引っ込むという諺を地で行くような出来事が続いた。
だが、そんな重苦しい時代に一石を投じてくれたのが、望月さんや前川さんであった。このお二人に、外国人ジャーナリストとして日本で活躍しているファクラー氏が加わっての鼎談は、読み応えがある。また座談会の前に、各氏の論考が掲載されているが、こちらも有益である。評者個人としては、海外のジャーナリズムの状況を踏まえつつ、日本の特殊性を指摘するファクラー氏の視点に、新鮮さを覚えた。
ジャーナリズムが国民を育てるのか、国民がジャーナリストの活躍を支えるのか、鶏と卵の関係と言うしかないが、ひとまず彼らの奮闘に、明日への希望を繋ぎたい。 -
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戦争法が成立し自衛隊に新たな任務が出される・武器輸出3原則が事実上撤廃され防衛装備庁が新設される等、海外で戦争のできる体制が徐々に確実に作られようとしている中、どのような現状にあるのか知りたく手に取りました。
著者は東京新聞社会部記者。加計学園をめぐる問題等に対して官房長官にするどく質問する姿が話題になっていますが、本書もテーマに深く切り込んだ中身になっています。粘り強く丁寧に行われた取材をもとに、武器輸出をめぐる現状が書かれていました。
読み終えて、ほんとうに恐ろしい状態になっているなと背筋が寒くなりました。政治及び経済はすべて人々の暮らしに貢献するのが本来の役割なのに、新自由主義による経済政策のもと、お金のあるなしですべての価値判断を行うという間違った方向が進められています。武器を売ることによって誰が儲かるか、誰が不利益を被るかは明らかなのに。こんな状態を放置はできません。お金の使い方、政治の方向を変えないといけないですね。
「デュアルユース」は、民生用にも軍事用にも使える技術のことと説明がありました。便利だなと思っている技術の背景や方向について、私たち自身がよく考えないといけないですね。
「国の政治に何か重大な変化や転換が起きるときは、その前兆として現れるのがまず教育と学問への干渉と圧迫である」(南原繁)との発言は、今の状況を如実に表していると思いました。
お勧めの一冊です。 -
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随分前だが、ナタデココなる食べ物が爆発的に流行ったときがあった。日本が大量に買ってくれるとして、フィリピンではナタデココ農家が激増した。ところがブームは長くは続かず、ナタデココはたいして売れなくなり、多くの農家が破産した。需要がなければ売れないのは当然のことだ。
戦争があれば、武器に関係する企業は儲かる。設備も人員も大幅に増やし、業務を拡張する。ところが、戦争が終わってしまうとこれらは無用となる。それは困る。ある種の企業は、収益を維持し、増やすために、戦争を必要としているのである。
本書は、武器輸出の歴史、背景、現状、問題点を的確に教えてくれる好著である。どんな理屈を並べようと、武器のそもそもの目的が殺戮であることは、争えない事実だ。こんなものを持つ必要がなければ、それにこしたことはない。人間世界の現状が必要悪として武器の存在を認めざるをえないのならば、我々は武器とどのように向き合っていくべきなのか、本書はそれを考えるきっかけを与えてくれる。
武器の問題の難しさのひとつは、別の用途で開発されたものが武器にされてしまうことにある。例えば、米軍がベトナム戦争でスマート爆弾に装着したのはソニーのビデオカメラであり、湾岸戦争以降投入されているステルス機には、本州四国連絡橋が船のレーダーを攪乱しないよう開発されたTDKの塗料「フェライト」が大きな役割を果たしているとのことだ。
こうしたことに目を光らせ、歯止めをかけるのは政府の仕事なのだが、「デュアルユース」「防衛設備移転」(武器輸出のこと)などと言葉をもてあそび、オスプレイなどという粗悪な商品を買わされている現政権は、残念ながら人の命には大して関心がないようだ。
結局、防波堤は個々の科学者や技術者の倫理観のみなのだが、そんなものはとっくに放棄している科学者がいる一方で、少なくない人々がこの国のこうした流れに抵抗していることに希望が見いだせる。例えば新潟大学は、政府のくれる金に飛びつく大学や研究機関を横目に見ながら、武器開発に関する研究を行わないことを新たに申し合わせている。
もう一度言うが、武器は殺すためのものであり、ない方がよいのだ。間違っても金儲けの手段にしてはいけない。そうした途端、武器も、どれだけ効率よく人を殺せるかという性能も、必然的に自己増殖し、暴走するからである。子ども、配偶者、恋人、友だち、猫など、自分が大切に思う命が身近にある人には、ぜひ読んでもらいたい本である。 -
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日本企業も、海外子会社が武器会社を買収することには歯止めがこれまでもなかった。
武器のファミリー化が日本で進んでこなかったのは、防衛省の天下り先が減るから。
フェライト
潜水艦には音の出ないポンプがある。ポンプを開ければ構造が分かるが、これは機密中の機密で、特許にもできていない。
当初アメリカは日本をオーストラリア政府に推していたが、後に同盟国ならどこでもOKというスタンスになった。
フランス製が採用されたとはいえ、それはフランスの原子力潜水艦を通常型に切り替えたうえで。これは設計がひじょうに難しく、7,8年はかかるとも言われている。
糸川ひでおも、チェコにロケット製品を売っていた。 -
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最近の政治的なトピックからの内田樹氏の鋭い洞察をテンポ良く読む事ができました。
筆者が以前から語っている大事なポイントは、右か左かや正しいか間違いかなどと言う極端な考えに陥る事なく、どちらの意見も冷静に判断し、ちゃんと落とし所を見つけることが大事だと思っていたのですが、本書の巻末のまとめは、最終的な希望は世の中は積極的に変えようと戦っている人たちと言うふうに感じて少しがっかりしました。
別に戦うことだけが正しく、今のシステムをハックする事だけが間違いと言うわけではないはずなのですが…
私は今の社会からもしっかりと利益を得ながら、それでも未来に向けて変わる努力を続けられる、そんな中間層であり続けたいと思いますし、自身のキリスト教徒であると言うアイデンティティが、二項対立しがちな物事でも、想像力を失うことなくうまく個人の中で繋いでくれるものだと思っています。
筆者の武道とか私の信仰とか、利害関係や勝ち負けと言うこの世の価値観とは別のところに、常に置き石のような価値観があるのはありがたいなと思います。