望月衣塑子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書の著者は、(元朝日新聞の)南彰さんと(東京新聞の)望月衣塑子さん。
両者とも安倍政権から数多くの圧力を受けているので、「ウソや言いわけ」をかき集めた批判本かも?と思っていた。
読んでみたらそんな自己満足に浸る要素は無く、淡々と事実の列挙に徹した内容だった。
南彰さんは「ファクトチェック」に早くから取り組んでいた人でした。
本書は「ファクトチェック」の手法の実施例だと気づいたので、
途中で中断して「ファクトチェック最前線」という本を先に読み、本書に戻ってきた。
最近はAIが生成した偽情報も蔓延しているから、ファクトチェックの重要度が増していると思う。
信頼する人が偽情報のリツイートやいい -
Posted by ブクログ
望月衣塑子さんは知っているが、前川喜平さんとマーティン・ファクラーさんは何か本を読みたいと思っていた。
メディアの問題を考えたかったこともあり、本書は自身の要求を満たすのにちょうど良かった。
この本は「安倍政権が、いかにメディアや教育に介入してきているか」などをテーマにした議論をまとめたもので、
議論から浮かび上がってきた言葉が「同調圧力」だった。
福島での汚染水放出に対する中国人の反応は、まさに「同調圧力」によるもので、中国の政権やメディアのコントロールが強く感じられる。
「日本の海産物は食べたくないですか?」に対し「その質問には答えたくない」と口を閉ざすのも同調圧力に屈しているからだ。 -
Posted by ブクログ
権力や社会の構造を見据えた幅広い視点からの批判的意見が満載された異色の書籍だが、お二人の視点が多方面に向けられていること、その対象をリスペストしながら辛辣なジャブを繰り出すことに感心した.安倍前首相を例にとると、知性の一かけらもないぼんくらにも拘わらず、長年首相と勤めた背景に、官僚の酷使と選別が忖度という醜い風潮を生み出したと考察していた.楽しい批評だ.報道機関の劣化も争点に上がっていたが、ジョージ・オーウエルの「ジャーナリズムとは報じられたくない事を報じることだ.それ以外のものは広報にすぎない. Journalism is printing what someone does not wan
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ネタバレ今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間でした。
そこにあるものの不穏さを感じ取った人が自分の周りにはあまりにも少なかった、と思います。
それから現在までを振り返ってみるとたった3年の間に自由というものがとても堅苦しく緊張の伴うものになってしまっており今なお進行形であると感じます。
気づいたら周りから固められてて自分は奇特な意見を述べる -
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国会で118の虚偽答弁を行い議会を空費させた安倍元総理。本書でチェックの対象として扱ってるのが、モリカケ、アベノミクス、安保関連、憲法、官房長官会見で、安倍元総理の発言だけでなく、菅元官房長官、稲田元防衛大臣、佐川元理財局長、その他閣僚、野党議員の発言も対象になっている。モリカケとセット(?)のサクラがないし、収賄で逮捕者続出の五輪関連もほぼないのだが、この2つが入ると新書の厚さには収まらないのだろう。なにせサクラだけで118だから。嘘の上塗りで収集がつかなくなっている森友学園問題や、自分に都合のいいように言い募るアベノミクス、安保関連、終始居丈高な菅官房長官の記者会見など、作為的な嘘もあれば
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一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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Posted by ブクログ
Netflixの「新聞記者」でも話題をさらう東京新聞の望月衣塑子記者。報道に対する熱い思いを具体例豊富に語る。
とにかく正義感の強い方。ちょっと思い込みが激しすぎるようにも思える。AだからB、だからCに違いない、と言ったように論理が飛躍する。質問された方も答えられないのだろう。熱い思いは伝わるのだが。
記者クラブだったりそもそも東京新聞の中での存在が微妙。会見に一社一人の出席を求められて内閣府に文句を言ったり、ジェンダー視点で男女のバランスを語ろうとしてマスメディアの保守性には少ししか触れなかったり。政府の前に身近な問題が山積みのように思えてしまう。
筆者には反論、バッシングも多いが賛同