野村美月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
住宅地に凛と佇むその洋菓子店には、ストーリーテラーと美しいシェフがいる。
以前は地味なシェフが一人、地味な日持ちのしそうな茶色い焼き菓子しか売っていなかった、今にも潰れそうなそのケーキ屋。でも味は良かったのでもう一度訪れたところ、そのお店はガラリと様子を変えていた。
インスタ映えする看板に驚き、何より、ストーリーテラーと称する美形の執事のような人がいるお店へと様変わりしていた。
ケーキが食べたくなる、するすると読めてほんのり温かい気持ちになれるお話でした。何より、ケーキが食べたくなる、それに尽きます。
オムニバス形式で主人公が代わり、その都度その人に合ったケーキが提供されます。ケーキ -
Posted by ブクログ
今年一、
どストライクな作品に出会ってしまった…
『ものがたり洋菓子 月と私』を看板に掲げる
洋菓子店のお話。
作中にはウィークエンドやレイヤーケーキ、
クイニーアマン、ミゼラブルなどなど
様々な洋菓子が登場する本書。
そして描写が何より美味しそうで…。
満月のウイークエンドとキャラメリゼが
食べたくなったあああ
読みながら
『こんな洋菓子店が近くにあれば…』と
思ってしまうほど素敵なお店。
また描写もとても素敵だが、
登場人物たちもまた素敵で可愛くほのぼのする。
早くシリーズを追いかけて
月と私 洋菓子店のや登場人物たちの
恋の行方がとても気になります!! -
Posted by ブクログ
一つ一つの話が温かくて、ほっこりする。
登場人物が個性的で、でも愛おしく思える。
みんなそれぞれ愛情深く、紅茶やお菓子を通してさまざまな困難に向き合い、立ち向かう物語。
「笑里は世界一可愛い、お母さんのプリンセスよ」
「大人になったらね、愛されるよりも、愛するの。家族や、友達や、仕事や、場所や趣味でもいいわ。自分から愛するの。そうしたら世界が愛するものでいっぱいになって、毎日楽しく過ごせるでしょう?」
一つ一つの言葉が温かい紅茶を飲んだ時のようにじんわり染み渡っていく。読み終わった後も余韻に浸りながら紅茶とマドレーヌを食べたい。
やっぱり野村美月さんの本は大好き。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて衝動買いした一冊!
お嬢様育ちの姫乃さん、ある日突然夫が借金を残して秘書と失踪…タワマンで時々お茶会をしながら優雅に暮らしていた生活は一転、高校受験を控えた娘と二人途方に暮れる。
そして選んだ人生は、大好きな焼き菓子と紅茶のお店をオープンし、そこで生きていく事だった。
そーんなに人生甘くない!
出来すぎたおとぎ話のようなストーリー…でも癒し系小説だからコレも良し!
最後まで綺麗で素敵なお話を楽しませてもらいました。
「エミリー」オープンまでの辺りはもうページを捲る手がスルスルと進み、姫乃さんの興奮がこちらにも伝わり、読んでいてワクワクした!
紅茶とマドレーヌ、そしてスコー -
Posted by ブクログ
すごくいいストーリーでした。
お嬢様育ちでポワポワした主人公かと思いきや、思い切りのよさと、常に前向きに生きる逞しさを持ち、娘や友人、まわりの人に温かな愛情を注げるレディ。
ティーパーティーやアフタヌーンティー、焼き菓子に辛めながら、友人たちの悩みを誰も悲しませることなく解決していく。
さすがダイヤモンドプリンセス!
夢見がちな女の子がそのまま大人になるのは、良くも悪くも、現実を生きているとなかなか難しいものだけれど、「自分」を持っているからこそできる業。
学生時代の友人たち、その娘や息子たちとも交流が続くって、羨ましい限り。
年齢を重ねることに引け目を感じる人(私自身もそう)が多いと思