あらすじ
「きみが大嫌いだ」心葉【このは】にそう告げられてしまった菜乃。その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。もうひとつの“文学少女”の物語、第2弾!!
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菜乃ちゃんは不思議な魅力の持ち主だと再認識した傷心でした。
菜乃ちゃんって読み始めて中盤くらいまでは本当に苦手意識が先行してしまう珍しいヒロインだと思います。何でしょうね、光が強すぎる故に無粋に感じるのでしょうか。人の心の柔らかいところにズケズケ入り込んで、楽観的な言葉で心を踏み荒らされるような。
彼女が嫌な性格なら良かったのに、これが100の善意だからタチが悪い。
でも、菜乃ちゃんはしっかり「ごめんなさい」ができる子なんですよね。本当に凄い。ごめんなさいってありがとうより勇気がいる言葉ですよ。
だからこそ、物語の中で成長していく菜乃ちゃんを応援したくなるのでしょうね。
今回のテーマはみずうみでしたが、まだしっかり読んだことのないお話なので今度読んでみたいと思います。
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この見習いシリーズの主人公、菜乃ちゃんは巻を追うごとにますます魅力的になっていきますね!
真っ直ぐで一生懸命で明るくて、もうすごく可愛い!
今回は「フランケンシュタイン」の怪物がテーマ。
皆誰しも心の中に怪物が潜んでおり、それまで善良だった人がある日いきなり怪物になってしまうこともある。
それを逃げ続けていても、怪物はいつまでも追ってくる。
自分が自分の意思で怪物と向き合わなければいけないのだと。
そして愛する人の中に怪物のような異質なものがあったとき、こんなのはあの人じゃないと切り捨てるのはとても残酷なことだと、教えてくれました。
どんなにそれが恐ろしいものでも、丸ごとその人を受けとめれる強さが私は欲しい。
いつもこの作品は、テーマが深く色々考えさせられます。
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心を抉るような愛憎。「見習い」である菜乃のキャラクターが物語をふんわり持ち上げてくれるけれど、やっぱり読んでいて、こんなに愛しくてこんなに切ない本は他にない。
「傷心」はシュトルムの『みずうみ』に準えたストーリー。心葉に「大嫌いだ」と言われた菜乃が、それでも文学少女を目指しながら、心葉が好きでたまらない気持ちが溢れて。『みずうみ』のラインハルトとエリザベートは、結ばれない。ラインハルトはエリザベートに心を寄せたまま、結婚したエリザベートが幸せになることを遠くで祈る。エリザベートは彼を心の中では愛しながら、追わない。菜乃なら…本当に、追いかけていた?心葉の幸せを、誰よりも祈っているのに。
菜乃が文学少女になりたくて、なきながら本を食べるところは本当に切なくて。遠子先輩は、心葉の心を持って行っていまったのかな。「見習い」を読んでいると、現金だけれど菜乃を応援したくなる。菜乃は、遠子先輩に、似てる。
「怪物」は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』に準えたストーリー。元ネタは読んでいないのですが、ホラーだと思っていたら、こんなに秘めたる想いが詰まった本だったのですね。怪物を作ってしまった博士。家族を殺され、彼は自らも怪物になったのか。一人怪物を追うと決めた時、もし隣に誰かが居てくれたなら…。
だからこの、心葉が付け加えた台詞が素敵。一人じゃ、ないよ。一緒の道を歩く友がいるから。
心葉が、菜乃が一歩ずつ、歩き初めて。二人はどうなるのかな。最終巻も切ない予感。
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"文学少女"外伝の第二弾。夏の文芸部の合宿?を描く短編と、文化祭でまたもや劇に参加することになった文芸部を描く長編の二本立て。天使の歌声を持つ彼の再登場にはとても驚いた、複線の回収が素晴らしかった。
ななせちゃんの恋心もまた前に進み始めたようで先が気になる。
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文学少女見習いシリーズの2作目。
個人的には美羽とか千愛が再登場してくれたのが嬉しいです。
文学少女見習いシリーズは本編に比べてミステリー要素が多い気がしますね。
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心葉と菜乃という新しい先輩後輩の絆が育まれていく過程は良いですね。
でも菜乃にとっては、それがたった一年間しかないのは、可哀そうな気がする。
ななせが、舞台に立てた事は、本編での想いを遂げれて良かった。
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本編1巻の「飢え渇く幽霊」と比べるとビックリするボリュームだが、いつも通りの読みやすさですぐに読み終われた。
表題である「傷心」は短編で遠子先輩の過去や心葉君の新たな一面に触れた菜乃が必死に文学少女になろうとする様が心苦しくなってくる。読んでる側からすれば絶対叶わないとわかっているから余計。
それでも諦めない菜乃、恐ろしい子だ・・・
そしてある意味本編?な「怪物」。今回も本格ミステリーが・・・はもはやどうでもよく、菜乃が心葉とどうなるかだけが気になって仕方なくなってきたw
「傷心」で本当の顔を見れたと思ってた菜乃がある意味心葉に裏切られる、「傷心」以上の展開。
それでも諦めない菜乃、なんだかんだで菜乃の事を気にしてる心葉。なんだかんだでいい感じに(ただし恋愛的な意味では論外)。
てか、もう琴吹さんが直視できない、涙なしには読めない。こんな可哀想な子今までいたでしょうか・・・
今回はあの懐かしのキャラも登場する。
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なぜ、こうも菜乃を応援したくなるのか。
もちろん、木葉は遠子と結ばれるべきだし、周囲の登場人物も、そう思っている。
もちろん読者にも「木葉と遠子の関係に割り込む女?許せない!認めない!」と思う人はいるだろう。
菜乃の味方は、作中にも、作外にも(?)少ない。
しかし、読んでいるうちに、「文学少女」に似て非なる少女・菜乃を応援せずにはいられなくなるのだ。
それは、どんなに菜乃が努力したところで木葉の気持ちは変わることはないという安心感もあるせいなのかもしれないが、菜乃の素直でひたむきな性格が、そういう気持ちを起こさせるのだろう。
アンチ菜乃の「文学少女」ファンの人、だまされたつもりで読んでみることをおすすめします。
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見習いシリーズでは2作目。2部構成のメインストーリーと千愛がメインの短篇が1篇。
相変わらず人間の暗い面を主軸にしたストーリーテリングは素晴らしく、目を離せない緊張感の中で飽きること無くグイグイと引き込まれるように読んでしまった。大変満足。
前作ではヒロインの菜乃は登場人物のなかでは唯一暗い面を知らない幸せなキャラクタであり、自分勝手でどうにも好きになれなかったが、今作では自分を崩すことなく立派に成長しとても魅力的なキャラクタになりました。遠子がいなくても立派に“文学少女”シリーズです。
次回作「“文学少女”見習いの、卒業。」でシリーズ完結の様ですが、菜乃や心葉のだす答えがとても楽しみ。
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通常版にて本編の感想。
コラボ表紙もいいけど、こっちのが表紙も好きかも…色合いも凄く綺麗。
うん、やっぱり、菜乃ちゃんはいい!
この子は好き嫌い分かれるでしょうね、千愛ちゃんが嫉妬したように
真っ白で綺麗。
でもそんな彼女だからこそかけられる言葉もある。
綺麗事だと鼻で笑われても、「ウザイ」と言われても、
それで諦めてしまっては開かない扉もある。
その扉を開くことを諦めない菜乃ちゃんは、真っ白だからという
だけでなく、彼女のポジティブな性格によるものだということに
彼女に触れるうち皆気が付いていくのが心地よい。
何だかんだで登場人物全員が彼女に根負けしてるのがいいです(笑)。
ただ、今回、「天使」はクライマックスの某シーン以外邪魔だった
気がするぞ…
自分は今回のゲスト2人は最初から「ボク」が怪しいと思って読んでいたのですが
「天使」のせいでもう一人のイメージが中々つかめなかったよ。
そりゃこいつなら菜乃ちゃんも怖かろう、と思いますが、
菜乃ちゃんにこいつがかけた言葉はとても怖い。
そしてゲストの「ボク」もかなり嫌いなタイプですね。
この子は無意識にいじめっ子になってるタイプと思うぞ…
今回のゲストはじめこの作品で病んでいるキャラは皆
「相手への強い依存」が原因なんですよね。
ほとんどの原因がやはり「家族」に起因しているのが切ない…
前にも書きましたが「憎しみや嫉妬」は教わらなくても出せてしまうと
いうことがとても辛いですね…
本能的に「愛情」を求めるように人間は出来てるのかもと感じました。
そんな中菜乃ちゃんは「依存」があまりない。
だから強いのかもしれない。
そして「依存」が強い人間の抱く葛藤も理解するのに時間がかかる。
でもそんな彼女だから「依存」しなくても開ける道を示せる。
ななせたんが救われていくに彼女の登場は必須だったのかもとも感じます。
最終巻は「“文学少女“見習いの、卒業。」だそうです。
今回読んで余計に思ったんですが、“文学少女“見習いて、心葉君でない?
Posted by ブクログ
嫌いだ、と言われた次の日から、完全に仮面をかぶった先輩。
それがとても嫌で、色々行動を起こしてみる後輩。
最初の短編は、何だか懐かしいものがあります。
場所と条件?
そしてメイドさんをしてくれている、ちっちゃな彼女。
手紙のやり取りは、主に身長の話でしょうか?w
文化祭は、まさかの合同。
しかもその背景にあった陰湿なものにびっくりです。
まぁ腹の探り合いが通常装備の人達ですから
当然と言ってはその通り、なのですが。
最後に登場して、綺麗に去って行った彼。
と思いきや…最初っから周囲にいたのか! という落ち。
あちらもいいように使われている気がする…w
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やっぱり面白かった。心葉くんは大人になったのか心の中が見えにくくなったような、でも菜乃ちゃんと同じでたまにくる笑顔にキュンとしちゃうのだ。傷心。に出てきたみずうみも気になる。
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これぞ文学少女という感じです。
遠子先輩は出ないものの菜乃の変態ぶりや、
懐かしい面々も出てきて大満足。
でもやっぱななせだね。
彼女の不遇っぷりは泣けてきます。
しかしあの終わり方はなんだ!
続きがめちゃくちゃ気になります。
しかも次巻の前に挿話集3巻があるとか。
遠子先輩が読めるのはいいけど、次巻は夏くらい?
焦らしプレイは嫌いじゃないけど、夏は遠いなぁ。
Posted by ブクログ
見習い②。
短編と長編の2本立て。
[傷心]
前回ラストの「君が嫌いだ」発言から、貼り付けた笑顔しか見せなくなったコノハについて麻貴先輩と共謀して合宿をする話。
かつて遠子先輩と被る部分も多く懐かしく感じられた。
コノハにデレて、怯える魚谷さんが可愛かった。
[怪物]
最作はフランケンシュタイン。
この作品は人が悪魔や怪物に成り果てるものが多い。
本作はまだ救いがあった方ではないかな?
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「文学少女見習い」シリーズの第2弾。
合唱部の仙道十望子(せんどう・ともこ)が、文化祭のためのコーラス劇の脚本執筆と、劇の出演を依頼します。題材はシェリーの『フランケンシュタイン』。仕方なく依頼を引き受けた心葉ですが、菜乃ばかりかななせも出演することになります。
ところが、劇の練習を始めると、不気味な出来事が立て続けに起こります。合唱部の部員たちは、劇で使われる曲にまつわる「怪物」の仕業だと言い、菜乃は「怪物」の正体を探ることになります。
やがて菜乃は、十望子の親友だった烏丸雫(からすま・しずく)を名乗る少女と出会い、彼女と十望子の間にあった確執を知るようになります。しかし、彼女が雫だと思い込んでいたのは、麻貴先輩が呼び出した、別の人物でした。
というストーリーですが、臣くんを再登場させた意図がいま一つ把握できませんでした。続編シリーズでのななせのポジションにも、これ以上続けるとますます不憫になってしまうだけなのになあ、と思ってしまいます。
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心葉と合わせ鏡のような存在の、天使。そんな伏線とも言えないような描写を見事に使っています。ななせの変化も痛々しく、棘が刺さったようです。愛ゆえの憎しみ。攻撃。ななせが不憫キャラまっしぐら。
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“「怪物なんて、いない。人が怪物になるんじゃないか」
わたしを見つめる瞳は黒い翳りを帯びている。そこに胸を刺すような、痛みが浮かんでゆく。
「……もしかしたら、ぼくも怪物かもしれないよ」
一瞬、部屋の中がシンと冷たくなった。
怪物?
心葉先輩が?
窓の外は、赤と黒が混じりあったような暗い夕暮れの色に沈んでいた。それがだんだんと夜の闇の色に変化してゆく。人が怪物に変わってもおかしくないような、怪しい風景で……音楽室に二人きりで……。
わたしは夕日のように、ぽっと赤くなった。
「それって、わたしを襲いたくなっちゃったとかですか?大胆すぎです」
心葉先輩が、「へ?」と目をむく。
わたしは両手を頬にあて、ますます照れて、
「でも、心葉先輩ならわたしはいつでも準備万端で……っ。あれ?なんで、肩を落として、がっかりしてるんですか?」
心葉先輩は、その場にがっくりとうずくまってしまった。
「もういい……。きみには、まともな女子高生にあるべき恐怖が欠落してるんだ」
「そんなことないですよー。ホラー映画を見ると、背中がぞぞっとしちゃいます。
あ、数学の時間に、先生が『誰にやってもらおうかなぁ』って、教室を見渡すときも、ぞぉぉぉぉっとします。その日の日付がちょうどわたしの出席番号と同じだたりすると、もう、鳥肌立っちゃって、神様にお祈りとかしちゃいます」
心葉先輩がさらにうなだれ、膝に顔を埋める。
「心葉先輩?どうしました?もしもしー」”
天使の意外な登場に驚いたり。
菜乃ちゃんの性格は憎めないなー。
瞳ちゃんの行動がいきなりすぎてついていけない。
“あたしは今も、白い粉をまぶした黒い羊のままで、風で粉が飛ばされてしまうことに怯えている。
心が空っぽになる感覚は、いつもふいに訪れる。
あたしは、人と同じものを喜んだり悲しんだりできないお化けなんじゃないかって、恥ずかしくなることが、まだまだいっぱいある。
それでも、そんな自分とのつきあいかたが、前よりちょっとだけうまくなっている。
人はきっと、少しずつ変わってゆく。
ホントウは今日、姫倉先輩のところへ行くって知ってて、わざと『夕飯作りに行くね!』ってメールしたのは、流くんには秘密だ。
そう、人は、変わることができる。
図書室で会った菜乃ちゃんは、あたしに意地悪されたのに、明るく挨拶をしていた。
タフな子だ。心葉先輩がまいるわけだ。
けど、まだ菜乃ちゃんと心葉先輩の勝負は、ついていない。
流くんにキスを返しながら、あたしはつぶやいた。
「菜乃ちゃんは、“文学少女”になれるのかなぁ」”
Posted by ブクログ
まあさすがに全巻読んでれば誰が何をするのか
どんな感じなのかわかっちゃいますね。
犯人とかw
このははなんであんなモテんだろう。
男にも女にも。
文学少女シリーズは稚拙すぎる表現と巧緻すぎる表現が多いイメージです。
Posted by ブクログ
健気で一生懸命でかわいいけど、やっぱりちょっとまっすぐすぎて近くにいたら痛いんだろうなぁ。心葉くんの気持ちはよくわかるけど、高校生であんな人の拒絶の仕方を身につけちゃだめだ。