上遠野浩平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ブギーポップ」とも戦地調停士の世界とも、「ぼくらは虚空に」の世界とも違う…異世界の短い愛と戦いの記録…。トモル・アドのいうことは普通のことなのに、耳が痛いのは何故なんでしょう。そしてそういう奴に限って鈍いのはなんでなんでしょう。ある意味決定的ですよね、鈍いって。…でもラストは…あれは救いがなさすぎるんじゃないかな…。ちょっと切なくなりました。でも「天と地」のリスキイ兄妹といい「根こそぎ」の夢幻といい…スーパーアドバンストはイキイキしてますね。個人的にはとっても好きな世界の話です。救いのある続編か何かを、ちょっとだけ期待してしまっていたりして…。いけないですか?(笑)
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Posted by ブクログ
魔法が一切使えない都市での創設者殺人事件。
EDたちはほとんど活躍の場がないですね。前の「海賊島事件」で参入した24人目の戦地調停士もちょこっと登場します。この禁涙境は「紫骸城事件」の時の人が作ったわけですが…紫骸城事件の全貌は忘れてしまいましたよ。
EDたちはそんなに活躍しないけれども、かなり重要というかEDの正体まで明かされちゃったりします。なので、終わりかと思ったら、今回登場の残酷号が次の巻のメインの模様(タイトルが「残酷号事件」だし)。
わくわくドキドキで、なんだかんだとアクションもあったり、トリックの解明やらいろいろあったりでやっぱり面白いです。この事件シリーズはいつもどんでん返しが -
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Posted by ブクログ
「事件シリーズ」のつもりで読んだら、『ブギーポップ』とのクロスオーバーでどしよう、となってしまった。『ブギーポップ』はエンブリオ?ぐらいで挫折しています。刊行と同時に読んでいたのだけど、どうも当時の自分には文体が合わずに遠ざかってしまった過去がある。これを機に再び踏み入れるか、踏み入れることができるのか?20巻以上続いている長編作品に。
「事件シリーズ」と言っていますが、公式には「戦地調停士シリーズ」というらしいです。
戦地調停士EDが研究している界面干渉学。その研究の素材となる現象が現れている6篇。そうか、それぞれの上遠野作品に通じて流れているものは、これだったのか、という納得と、奥行き -
Posted by ブクログ
久しぶりの上遠野浩平事件シリーズ「無傷姫事件」。積んであったのを発掘。
この事件シリーズの舞台の世界の成立と、人と竜との関係を縦横にしたタペストリーのような一冊。
表の紋様の見事さが裏地を見ると想像できるけども、真相を見るためには表側からきちんと見なければいけない、ということを感覚として胃s流ことができたように思えます。この場合の表と裏は、今回の事件で明かされたものが表となりますか。
無傷姫が君臨していた国家としての姿が、裏地のぼんやりとした色彩で表されるものであって、物語が進んでゆく中で表の華麗さが現れてくるのが、読み物として引き込まれてゆく。
久しぶりの上遠野浩平作品で、ちょっと迂遠言