上遠野浩平のレビュー一覧
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ネタバレファンタジー世界だと思ったら、実はシミュレーション世界でしたという、SFですね。
魔法とはちょっと違う、詠韻技術という力が使える世界です。
若き皇帝が、古代遺産(実はオーバーテクノロジー)に惹かれて、そのおかげで暗殺を逃れ、帝国を廃止していく物語です。
オーバーテクノロジー対オーバーテクノロジーの戦いが面白いです。
皇帝についているバイパーは、皇帝のデッドコピーでなかなかおもしろいキャラクターです。
フィアンセについているジャグヘッドは、虚空シリーズで出てくるような超兵器でした。ジャグヘッドは銀河の彼方から攻めてくる敵とたたかうための兵器なので、虚空シリーズと繋がってるの?とか思ってしまいまし -
Posted by ブクログ
ネタバレかなり久々の上遠野浩平。
今までの人生で一番冊数を読んだかもしれないのが上遠野浩平作品。
この人の作品スゴいところは
「ものすごい面白くて夢中で最後まで読むのだが、読み終わったあと何一つ内容を覚えていない」
というところ。
ある意味魔法だと思います。
コレはバカにしてるわけではありません。
それどころか尊敬しています。
むしろこういう作品というのが世の中には必要だということ。
読書が趣味というのは何かを得るためにするわけではなく。
ただ呼吸をするように本を読むということ。
酸素を吸っていることを意識しながら生活している人はいないのです。
この人の作品は同じ本を何度でも楽しめるのです。
いつでも -
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上遠野浩平の本はファンなのである程度は読んでいるのだが、それでも最後の展開にはいつも「してやられたー!」と思ってしまう。
今回の「無傷姫事件」もその中の1つ。
上遠野浩平があとがきで述べているように、「お姫様」というものに対して、女の子は憧れを抱くもの(らしい)だけど、実際はどうなのか?という問いへの答えとしての本だと思う。
このお話に出てくるお姫様みたいな生き方は、かっこいいなぁ、可憐だなぁと思う一方で、「英雄」とか「主人公!」って感じではなくて「お姫様」でもあるのが自分の中では素敵だと思った。
また、物語も非常に面白いのだが、やはり「事件シリーズ」の最新刊であり、長い間待っていた甲斐も -
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ネタバレ統和機構によってNPスクールに集められた異能の少年少女たち、謎の存在エンペロイダーを追い始めた彼らを待ち受けるのものは。
ブギーポップシリーズと同一世界観での新シリーズ、最強さん、人間破壊兵器、〈おせっかい〉の奇蹟使い、百面相など馴染みのキャラも続々登場、新作として紹介されているが新規の人も楽しめるのだろうか。
枢機王の登場や、酸素は鏡に映らないでも登場したエンぺロイド金貨など作品間のリンクも健在、関連作品をフォローした方がより楽しめるかと。
名前で色々勘ぐってしまう才牙虚宇介、そして、たれ目のナイスガイ日高迅八郎の二人をメインに今後は進んでいくのかな、どのあたりの時系列なのかはまだ不明。
連 -
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ネタバレ戦闘用合成人間/兵器として闘うために生み出された少女たち、彼女たちが見出した戦いの意味とは一目惚れから始まった恋に殉ずるものだった。
文芸誌ファウスト、メフィストで発表されていたものに書き下ろしを加えた連作短編集。
上遠野さんの手がけている別シリーズも追っかけている読者ならば、散りばめられた作品間のリンクやキャラクターたちをより楽しんで読めるかと。
願わくは、事件シリーズで今後の二人の姿に触れられることを。
収録作品群と密接な関係を持つ短編“アウトランドスの戀”が収録されていないことだけが残念。事件シリーズに関わりのある短編をまとめたものが出版されることを切に願う。 -
Posted by ブクログ
ソウルドロップシリーズ第3弾です。
今回はペイパーカットがほとんど出てきませんね。
序盤の序盤で出てくるあのアイテムが、あんな重要なアイテムだとは思いませんでしたね。
双季蓮生という不思議な老人と、西秋有香という家出少女が話の中心です。
そして、その二人に、東澱の兄弟も、伊佐たちサーカムも振り回されます。
その途中で千条の秘密も少し見えてみたり、東澱奈緒瀬の性格もいろいろ出てきたり。
最後は綺麗な終わり方でした。
伊佐が最後の方で言っているけど、今回の事件はすでに終わっていることを追跡しているだけです。
なので、実質謎解きが無かったり。ちゃんとどんでん返しはありましたがね。
家出少女も含めて、 -
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Posted by ブクログ
これほどまでに曖昧な物語というのもない気がする。
ちなみにこれは褒め言葉である。
このシリーズはこれまでのブギーポップからの登場人物が今昔を問わずに結構出てくるので、キャラクター名だけ読んでも「この人どんな人だったっけ?」となることもしばしば。
けれども、本書においてはそういうキャラクター達は所詮脇役と今後の伏線に過ぎないのでわからなくても問題はない。
「神」とか「悪魔」とか「魔女」とか呼び方はなんでもいいけれど、絶対的な存在が仮にいたとして、じゃあそれってどんな存在なんだろう?
少しスケールの小さい話で例えば、打率10割のバッターがいたとして、確かにそれって異次元の人間かもし