あらすじ
家出中の少女・西秋有香は双季蓮生という不思議な老人と出会い、詐欺罪で服役中の有香の父が計画していた犯罪を実行することになった。「生命と同等の価値のあるものを盗む」と書かれた謎の怪盗ペイパーカットの偽造予告状を使い、保険会社から補償金を騙し取ろうというのだ。双季は保険会社の調査員・伊佐俊一と千条雅人に接触。しかし、双季の正体は強大な権力を持つ東澱家に命を狙われる脱獄囚であった。外人傭兵、ベテラン刑事も双季を追う中、やがて彼の哀しい過去が明らかに…。
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Posted by ブクログ
ソウルドロップシリーズ第3弾です。
今回はペイパーカットがほとんど出てきませんね。
序盤の序盤で出てくるあのアイテムが、あんな重要なアイテムだとは思いませんでしたね。
双季蓮生という不思議な老人と、西秋有香という家出少女が話の中心です。
そして、その二人に、東澱の兄弟も、伊佐たちサーカムも振り回されます。
その途中で千条の秘密も少し見えてみたり、東澱奈緒瀬の性格もいろいろ出てきたり。
最後は綺麗な終わり方でした。
伊佐が最後の方で言っているけど、今回の事件はすでに終わっていることを追跡しているだけです。
なので、実質謎解きが無かったり。ちゃんとどんでん返しはありましたがね。
家出少女も含めて、今後のレギュラーメンバーになりそうなのがいくつか出てきましたね。
非常に面白かったです。
Posted by ブクログ
2007.11.19。今回はブラック千条?がたくさん登場して嬉しかったです(大好き)。刊行ペースが遅いのが寂しいですが、大好きなシリーズ。ちなみに一番好きな上遠野さんのシリーズは、事件シリーズです。続きまだかなー。
Posted by ブクログ
サブタイトルが違う理由は最後まで読めばわかるかと。
が、お話は別に番外編というわけでもなく、いつものメンバーがちゃんとペイパーカットさんに振り回されてました。
Posted by ブクログ
家出中の少女・西秋有香は双季蓮生という不思議な老人と出会い、詐欺罪で服役中の有香の父が計画していた犯罪を実行することになった。「生命と同等の価値のあるものを盗む」と書かれた謎の怪盗ペイパーカットの偽造予告状を使い、保険会社から補償金を騙し取ろうというのだ。双季は保険会社の調査員伊佐俊一と千条雅人に接触。しかし、双季の正体は強大な権力を持つ東澱家に命を狙われる脱獄囚であった。外人傭兵、ベテラン刑事も双季を追う中、やがて彼の哀しい過去が明らかに……。
Posted by ブクログ
シリーズ第3作。他の方のレビューを見ると「伊佐が可愛い」という女性はけっこういるようで、男性から観ても伊佐というキャラはなかなか好感が持てる。コミカライズを担当した幻冬舎にもっと商売する気があったら、巷に伊佐と千条の薄い本が出回るような状況になってたかもなあ、という妄想。
Posted by ブクログ
今回も伊佐さんの可愛さが際立ちました!
うーって!うーって何そんな可愛い唸り方してんですか伊佐さん!w
千条は姉の姿をした存在に動揺したり舌打ちしたり、彼に関してはまだまだ謎が多いのでこれからが見物です。
奈緒瀬お嬢様の方は部下との絆が垣間見えるのがすごい微笑ましかったです。彼女可愛くて優しくて大好きです。祖母がどんな育て方したのかが気になる。
有香は終盤人格整形したみたいに人が変わりましたが、あのさっぱりとした終りは好きでした。あと千条に対する態度も飄々として殻を破れたみたいな
全く意味違うしシリーズも若干違うけど、エンブリオ壊したみたいな印象でした。彼女の今後が気になります。あと双季が帰れたのかも。
ペイパーカットは……今回ほぼ目立ちませんでしたね(笑
Posted by ブクログ
2008/12/11追記
2日で読み終わった。
今回の話は、これから起こることについての話だけでなく、半年前のある事件との同時・並行的なお話。
伊佐さんは、千条くんにとってお母さん的存在らしい。
もう、公式認定ですね。
さくっと内容を説明するならば、掴み所のない脱獄したおじいさんと、家出娘の話。
おもろかったです。
Posted by ブクログ
ソウルドロップシリーズその3。
囚人と少女のお話。ペーパーカットの超能力がなんかパワーアップしている気がする。パワーアップしすぎていて、これ以上追いかけてなんか意味あるん?(そもそもなんで追いかけてるんだっけ?)とちょっと思ってしまったところ。
Posted by ブクログ
命よりも大切なものを奪う、ペイパーカット。
魂の一滴、ソウルドロップシリーズ。
虜囚とある通り、獄中のお話から始まる。
なんとなく脱獄に成功してしまうくだりが、なんともこのシリーズらしくてよかった。
シリーズを支えているのは、他の誰でもなくペイパーカットその人であると思い知った一冊。面白かった。
Posted by ブクログ
読みながら、柴田よしきの緑子シリーズに出てくる練を思い出しました。
犯人ではないのに、刑務所に入れられた、という点で類似性があるけれど、
刑務所の中での心境にはえらい差があるな、と対比できるので……。
Posted by ブクログ
人ってのは迷宮の中にいるよーなもんである。
迷って迷って出口を探している。
出口というのはなんというか人生における『解答』みたいなものらしい。
しかしじゃあどうして人は迷宮なんぞにいるのだろうか。
それは人が本当の『答え』から目を逸らしているからに他ならない。
人というものはそこに決定的な答えがある時。
それを先延ばしにしたがる癖がある。
なんというか。
そこには勿体無いような、辿り付いたら終わりみたいな心が漂っている。
それが人々を彷徨わせ、いつしか迷宮にいるようにしているのだ。
決定的なことから目を逸らしたい。
本当の答えなんて見たくない。
逸らして逃げようとする心が迷宮を生む。
そしていつしかどうして迷っていたのかすら忘却してしまって、本当に彷徨ってしまうなんていう本末転倒な事態に陥ったりするのである。
そんな迷宮の中で頼れるのはなんだろうか。
おそらくそれは己を支えているものに他ならない。
しかしそれは他人から見たら取るに足らないものに過ぎないかもしれない。
薄汚れた人形なんていう場合もあるだろう。
しかしそれは人を確実に生かし、そしてその人がその人であると決定付ける要因に他ならない。
ゆえにそれがある限り、その人は存在し続けることができる。
逆に言えば、それがあり続ける限り、その人は迷宮の中にいるということだ。
これは迷っている人たちの話だ。
迷走してどこへいったら良いのか分からない。
でも出口だけはなんとなく見えている気がして。
そんな迷いから迷宮を作り出してしまった者達。
この者達が最後に辿り付いた出口というものは果たして『答え』だったのだろうか。
それを迷宮を読破したのなら考えて欲しい。