上遠野浩平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョジョ5部で途中離脱したフーゴのその後を描いた小説。パープルヘイズが大好きだったので、本編での戦闘は一度きり、かつチームを抜けてその後はほぼ全く登場なしという扱いに寂しさを感じていた私にとっては救いの1冊でした。
本編ではチームについていったメンバーが、それぞれ戦いの中で精神的にも成長をしていく姿が描かれていましたが、フーゴに関しては途中で抜け、人としての成長の機会がないまま終わってしまったので、スタンドは好きだけどキャラクターは微妙だなぁというのが当時の私の感想でした。
しかし、この物語を読んで、ほかのメンバーたちに遅れをとる形ではあったけれど、フーゴ自身も理解できていなかった感情に答えを見つけることができたようでスッキリしました。 -
Posted by ブクログ
「事件シリーズ」のつもりで読んだら、『ブギーポップ』とのクロスオーバーでどしよう、となってしまった。『ブギーポップ』はエンブリオ?ぐらいで挫折しています。刊行と同時に読んでいたのだけど、どうも当時の自分には文体が合わずに遠ざかってしまった過去がある。これを機に再び踏み入れるか、踏み入れることができるのか?20巻以上続いている長編作品に。
「事件シリーズ」と言っていますが、公式には「戦地調停士シリーズ」というらしいです。
戦地調停士EDが研究している界面干渉学。その研究の素材となる現象が現れている6篇。そうか、それぞれの上遠野作品に通じて流れているものは、これだったのか、という納得と、奥行きと深さの計り知れなさを知ってしまう。
バタフライエフェクトが、次元を超えて作用しているということなのかしら。単純に言葉で言ってしまうと。
世界の、次元のか。界面を超えて現れた現象に選ばれてしまった6篇の主人公たち。彼や彼女たちが得てしまったものは、特別な力と言えるもので、場合によっては何かの大きな物語の主人公になってしまうのだけれども、あくまで一風変わった日常の風景に溶け込んでいるのが、気持ちの悪い部分であります。JOJO第4部にある、隣人の恐怖感がある。知らなければ存在しないことなので、どんな危惧もないのですがね。
得体がしれないけども確実に存在しているもの。それを存在していないようにするためのカウンターとしての存在もあるけど、十全に機能しているかと言われると紙一重だったりするのか。ここら辺の機微は『ブギーポップ』読んだ方がよさそうです。
紙一重さがどんどん薄くなってゆくだけかもしれないけどさ。
好きなのは「ジャックポットの匙」。
異能に触れて理解し、それに溺れず淡々と日常へ戻ってゆくラストが素敵でした。
昨日までの自分とは確実に変わってしまったことを自覚しながら、その異質のルールのもとで、平穏さを求めるのは、覚悟があって良い。
そんな大それた気持ちなんて少しもないでしょうけどね本人には。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの上遠野浩平事件シリーズ「無傷姫事件」。積んであったのを発掘。
この事件シリーズの舞台の世界の成立と、人と竜との関係を縦横にしたタペストリーのような一冊。
表の紋様の見事さが裏地を見ると想像できるけども、真相を見るためには表側からきちんと見なければいけない、ということを感覚として胃s流ことができたように思えます。この場合の表と裏は、今回の事件で明かされたものが表となりますか。
無傷姫が君臨していた国家としての姿が、裏地のぼんやりとした色彩で表されるものであって、物語が進んでゆく中で表の華麗さが現れてくるのが、読み物として引き込まれてゆく。
久しぶりの上遠野浩平作品で、ちょっと迂遠言い回しの文体に馴染むことができるのか、読者としての感をトロ戻すことができるのか、というのが不安でありましたが、するする読めてしまった。
作品の魅力というものでしょうね。