松岡圭祐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ディズニーランドで働く者の物語の続編。
今度は清掃アルバイトの19歳、環奈が主人公。
前作から10数年後が舞台となっており、表現も今風で、物語はフィクションだが妙にリアル。
例えば、トヨタのヤリス、鬼滅の刃の禰豆子、ハリーポッターやインスタ映えに、コロナまで。
前作主人公、後藤の登場は続編が故の魅力。
経験を重ね、頼もしさすら覚える成長っぷり。
自己肯定感低めの環奈が、高い目標や夢を持ち、
苦難や葛藤を抱えながら頑張って働く成長物語に、読んでいて勇気をもらえます。
作中に登場するマジシャンは、「マジシャン」という
別作品にも登場とのことで、いつか読みたいです。
-
Posted by ブクログ
松岡圭祐『高校事変 17』角川文庫。
早くも17巻かと驚く間もなく、これまで以上に超過激で驚天動地の展開が描かれる。
もしかしたらそういう可能性もあるのではということが、実際に起きてしまうのだ。これまでの数々の事変など生温いくらいの絶体絶命の危機と数々の悲劇が優莉結衣、瑠那、凛香に容赦なく襲い掛かる。
EL累次体の脅威は去らずに、予測の付かない動きに堪りかねた優莉結衣は日暮里高校に潜入し、雲英亜樹凪からEL累次体の内部情報を聞き出そうとするが、目的は果たせなかった。
一方、瑠那はある日、幼少期にイエメンで体験したことを突然思い出し、自分を日本で養女にする手筈を整えた人物が濱滝医師であ -
Posted by ブクログ
ネタバレ再読。やっぱり面白い。
ヒロインがカッコいい。
作者の知識に裏打ちされた、アクションが凄い。
結衣の生きてる世界が人と違うのが、凄く自然に描写されていた。
なんでこんなに自然なのか?
結衣が人と違うのは、死刑囚の子供だからでも、人殺しの技術があるからでもない。
人殺しの技術を発揮する事に生きがいを見出している。
彼女にとっては普通じゃないのが普通。
その精神性にある。
結衣が分かり合えるのは共闘するクラスメイトより、テロリストなのだ。
結衣は自分の本性と、それに付き纏う困難や孤立を痛みを持って受け入れている。
打算的でありながらも、それを自覚して傷ついている。
この痛みがあるから、私 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何回エピソード0があるねん。わかりやすく言えば力士シールで記された回想がシリーズとしてのエピソード0、10巻で明かされるエメラルド密輸事件が探偵としてのエピソード0(シリーズとしてはエピソード0.5)、今作が万能鑑定士としてのエピソード0(シリーズとしてはエピソード0.75)といったところか。知識を深め、推理力を高めても探偵としてはそれで足りるかもしれないが鑑定士としてはまだ足りない。鑑定という職業にどのように向き合っていくべきか、それが明かされるのが今回の「0」というわけだ。まだ日本でメジャーになってないころのバンクシー、日本ゆかりの画家ゴッホ、国宝金印と鑑定への向き合い方を問う今作に申し
-
Posted by ブクログ
あらま、優莉ファミリーまだまだ引き出したっぷりですね
今回の伊桜里ちゃんはなかなかの純粋ちゃんのようで
素直に結衣姉さんのゆうこと聞いたり、トレーニングに励む姿が
なんとも微笑ましくて、古くはベスト・キッド、今回のこの件だとレオンかな?
からいくつも描かれてきたトレーニングデイを思い起こさせてくれました
あぁ〜、マチルダだわぁ〜って
で、どういう展開?っておもったら、しっかり時事ネタぶち込まれて
最後は、あんちゃん登場で、いよいよ優莉ファミリー物語ってなってきて、
最後の伊桜里の宣言が・・・なんとも眩しすぎて・・・
一気に、雰囲気が黒から白に変わった、高校事変シリーズなのでした。
これからも楽 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明日バイトが朝からあるにも関わらず夜の3時までこの本を読んだ。たまにこんな夜がある。この本は今読んでしまわなければダメだ、と思う夜がある。今回もそんな夜だった。今作のテーマは「変化」だと思う。喜屋武にとって特大の劣等生だった凛田莉子は万能鑑定士に変化していた。喜屋武の思い人は結婚し、家庭を持っていた。ヤニクの最愛の娘アンジェリークは極端な思想に傾倒してしまっていた。自分が思い描いていたイメージからいつの間にかかけ離れてしまっている。そんな残酷な現実をまざまざと突きつけられたように思う。今までも、そしてこれからもそういうことは往々にして起こるだろう。僕は小学校のときある友人2人とずっと幼馴染み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女は泣かなかった。本当は最終回にでもやるような内容を第1話でやりやがった。とんでもない大事件、数多の推理小説の中でも類を見ないくらいの混沌を産み出した大事件の犯人は自分の恩師だった。最後の30ページ弱で明かされる驚愕の真相。気丈に振る舞いながらも最後には泣き崩れるのだと思ってた。でも泣かなかった。最後に笑みを浮かべられるようになるまでに彼女は成長したんだ。これだけの余韻を2巻にしてもたらせられるのは話の構成が上手いんだなぁ。天然無垢な高校時代、博覧強記となりながらも未熟さも残るような成人時代と描き、途中では挫折も描きながら、最後には泣かない彼女を描いた。本当にすごいよ。この話は。また1人、
-
Posted by ブクログ
ネタバレ満を持して読み始めた万能鑑定士Qシリーズ。ぐいぐい読み進めていくつもりの軽めのミステリーのつもりだったがどうやらそうはいかないようだ。まだ前編だからという部分も多いが謎がとにかく魅力的。力士シールの謎、怪しげな輸送会社、そして荒廃した未来。第一作を飾るに相応しいスケールの事件が飛び込んできた。それに、凛田莉子の過去、エピソード0ともいえる話を同時進行で進めていくというのも面白い。名探偵としての莉子とコーデリア・グレイを思わせる一途さ100%の莉子を同時に読み進めていけるのが面白い。彼女の過去から現在までの変化もどのように下巻で描かれるのか、注目したい。