松岡圭祐のレビュー一覧

  • 万能鑑定士Qの短編集I

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    ネタバレ

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     凜田莉子がジャック・オブ・オールドトレーダーズという質屋に出向するという設定で描かれた短編集。もともと,万能鑑定士Qのシリーズは,長編であっても,小さなエピソードを重ねていたので,短編には向いている。短編集1は,ジャック・オブ・オールドトレーダーズという質屋に出向するという設定にしたので,小笠原だけでなく,香河崎慧や駒澤直哉というったキャラクターを登場させている。各短編のレベルはそこそこ。それなりに面白いが,ちょっとしたトリックの話。通勤電車や寝る前にちょっと読む分には最適だろう。トリックは,推理クイズや頭の体操レベルのちょっとした謎。それをそれなりの話にしているのは松岡圭佑の手腕だろう。小笠原と莉子のロマンスを描いたり,津島瑠美という小笠原の昔の彼女を登場させたり,浅倉絢奈という別シリーズの主人公を登場させるなどして,適度に盛り上げている。トータルで見た満足度は★3。まさに可もなく不可もなくという感じの短編集だ。

    ◯メモ
    ◯第1 凜田莉子登場
     ジャック・オブ・オールドトレーダーズという質屋が舞台のシリーズ。香河崎慧とその甥である駒澤直哉が中心となって働いている同質屋に1か月間,莉子が代打の鑑定士として出向するという展開。最初の話は,丹波彰と名乗る人物(笹森健三)が,ニセモノは捨てるというジャック・オブ・オールドトレーダーズのやり方を知って,同店の秘蔵のK.R.Vという腕時計を騙し盗ろうとした話。精巧なニセモノを次々持ち込み,最後にK.R.Vのニセモノを持ち込んで,店にある物もニセモノだと思い込んだ香河崎に捨てさせ,ゴミから回収するという計画。莉子と駒澤は,出張査定として店外におびき出していたが,すんでのところで莉子が気付き,丹波の計画を阻止する。
    ◯第2話 水晶に秘めし詭計
     週刊角川の記者である小笠原悠斗が登場。小笠原は,実家が浸水したので,一時的にお金が必要になる。そこで,家宝の「風と光の女」という水晶をジャック・オブ・オールドトレーダズに質入れする。同店の一部を借り洋書の古書の店を出店していた友岡という男が,ブックボックス(中にものが入るが,外観は数冊の洋書に見える。)と氷細工の「風と光と女」を利用して,水晶の「風と光と女」を奪う。莉子と駒澤は,友岡の詭計を見抜き,水晶を取り戻す。なお,莉子の機転と知識で,古文書の謎を解,小判のあり方を突き止めるエピソードもある。
    ◯第3話バスケットの長い旅
     安斎という男が,海に沈んでいるものをジャック・オブ・トレーダーズに持ち込む。その中に変わった形状のバスケットがあった。使い方が分からない莉子は,万能鑑定士Qのブログに画像をアップする。その後,常連の峰橋という男がバスケットを買いに来る。バイトの栗林はバスケット峰橋に売る。その後,謎の男が万能鑑定士Qのブログを見たとして,バスケットを誰に売ったか教えろと言ってくる。その後,峰橋の家のガレージに泥棒が入る。莉子と駒澤はバスケットが一体どういうものなのか,調査を始める。峰橋の家に脅迫文が届き,莉子達は店にあるバスケットを持ち出す。実は,峰橋は犯人とグルだった。バスケットは視聴率調査会社から依頼を受けたサンプル抽出業者がイカサマをするために使っていたものだった。新犯人の須磨という男は,真相を隠すために莉子を襲おうとするが,すんでのところで小笠原と駒澤に助けられる。なお,この話で,小笠原の中・高校生時代の同級生である津島瑠美が登場する。
    ◯第4話 絵画泥棒と添乗員
     添乗員の浅倉絢奈が登場。河口湖神馬美術館で絵の盗難騒ぎ(贋作へのすり替え)が行われる。絢奈が添乗員をしているツアーの客のふりをして忍び込み,バヨン=ルイの「旅路」などの絵画泥棒をニセモノとすり替えた疑い。犯人は外国人と思われる。いろいろなしがらみから,絢奈と莉子が本物を取り戻すために捜査をする。莉子のロジカルシンキングで,犯人と目されるラウ・フーチョンという人物に行き着くが,同人は既に出国していた。どうやって本物をの絵を海外に持ち出したのか?真相は,そもそも狂言だった。美術館の経営者の神馬は偽物をつかまされたので,保険金を騙し盗るために狂言を計った。絢奈はラテラルシンキングで,ラウ・フーチョンが海外にあっさり出国できたのは何も盗っていなかったからだとつきとめたのだ。
    ◯第5話 長いお別れ
     超人気アイドルグループの選抜48人で編成されたスペシャルユニットJPN48。同ユニットの握手券をめぐるトラブル。大亜印刷株式会社という印刷会社と,甲陵製紙という製紙会社が関わって握手券を作成している。大東亜印刷の岩垣という人物から,甲陵製紙の高須という男が握手券の偽造と販売を行っているという。莉子と小笠原が調査をした結果,高須も騙されており,偽造の真犯人は岩垣だった。岩垣は破棄する必要がある試作品の200枚のチケットを使って,高須を騙して甲陵製紙の開発する紙を手に入れようとしていたのだ。この作品で,小笠原と津島瑠美との関係が終わる。莉子は,1か月の出向を終え,ジャック・オブ・オールドトレーダーズを去る。

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    2017年10月21日
  • 探偵の鑑定I

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    今回は万能鑑定士Qの登場人物は前半は然程活躍せずに探偵の探偵の登場人物の謎が解けたり。発売元の出版社が変わったのに伴い劇中の登場人物の所属まで現実同様に角川から異動になるし目の離せない展開に。

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    2017年10月04日
  • 人造人間キカイダー The Novel

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    懐かしい、アニメがTVで放映していた当時、ラジカセでテーマ曲を録音していたことを想いだす。キカイダーの変身前の姿が有機ELの立体映像って・・・時代がやっとキカイダーに追いついてきた(笑 

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    2017年10月05日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 IV

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    連続する放火事件。
    狙われたのはいずれも貴重な映画グッズだった。
    犯人はなぜ燃やすのか? その目的は?
    臨床心理士の嵯峨敏也と共に凜田莉子は知略をつくして犯人を追う。

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    2017年09月05日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 XII

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    ネタバレ

    〇 総合評価
     蓬莱瑞樹の失踪の謎,太陽の塔から盗まれた金属片の謎,ハリスがなぜ絡んでくるのか,凜田莉子に謎の鑑定をしている人物(団体?)は何者…といくつもの魅力的な謎で引っ張る。しかし,真相が脱力モノ。蓬莱瑞樹の失踪の謎は,永友エンジニアリングがマシンの開発ができず,中に人を入れて作業をさせるという計画を立て,蓬莱瑞樹はその「中の人」の1人であり,バイトを辞めたいと言ったので,ばれないようにかくまったというもの。金属片はGPSで,空輸中に落としてしまったもの。これを捜索するためにミステリーサークルを作ってしまったが,ミステリーサークルの元祖がアメリカ政府だとばれると損害賠償請求とかされてしまう可能性があるから盗んだというもの。これもバカミスチック。トータルで見ると,謎の魅力に真相が追い付いていない。凜田莉子と小笠原悠斗の仲が,シリーズ後半で急接近しているのは微笑ましい。ミステリとしては,高いレベルではないがエンターテイメントとしては及第点。このシリーズらしい作品。★3で。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     蓬莱瑞樹の失踪事件の真相,ハリスが絡んできた理由,太陽の塔から盗まれた謎の物体の真相など,サプライズはそれなりにある。真相そのものは,バカミス的なオチではあるのだが…。サプライズは★3で。

    〇 熱中度 ★★★★☆
     蓬莱瑞樹が失踪したのはなぜか?太陽の塔にはどのような謎が隠されているのか?ハリスは何を企んでいるのか?といった謎で引っ張る。莉子が鑑定のテストをされるという展開もある。雨森花蓮まで絡んでくるなど,読者サービスはたっぷり。最後まで楽しく読める極上のエンターテイメント。熱中度は高い。★4で。

    〇 インパクト ★★★★☆
     蓬莱瑞樹の失踪の真相が,「太陽の塔で展示されるマシンの中の人として働くバイトをしていた」という脱力モノの真相だったというのは,ある意味インパクトがある。さらに,ハリスが絡んできた理由が,GPSの空輸中の落下に端を発するミステリーサークル騒ぎの元祖がアメリカ政府であることを隠すため…というこちらもバカミスチックなオチで,これもなかなかインパクトがある。あまり,いい意味ではないが,インパクトはあるので★4

    〇 読後感 ★★★★☆
     凜田莉子と小笠原悠斗の関係がシリーズを重ねることに親密になり,この作品のラストは,ウェディング姿の写真撮影をしているという。この展開そのものは微笑ましく,この点の読後感は悪くない。雨森花蓮の絡みもよい。作品全体としても,永友エンジニアリングの今回の不祥事(マシン開発ができず,中の人を使おうとした)を隠す代わりに,ハリスの企み(GPSの金属片をこっそり回収。ミステリーサークル騒ぎの元祖がアメリカ政府であることを隠そうとした)を隠すことにしたというラストも,まぁ,悪くない読後感。そこそこ。★4

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズのラスト。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 蓬莱浩志が,万能鑑定士Qの事務所を訪れる。太陽の塔のニュースを見た翌日,妻が太陽の塔に連れ去られ,そのまま失踪したとのこと。捜査のため,莉子に太陽の塔の鑑定を依頼する。
    〇 莉子は依頼を受け,警察の立ち合いのもと,太陽の塔を鑑定するが,何も見つからない。
    〇 蓬莱浩志の家での捜査。「6114 6111 6108 6105」という謎の数字を見つける。
    〇 蓬莱浩志の家に「凜田莉子様」宛ての手紙が投函される。千里高校前に午後7時に来るようにという内容
    〇 千里高校では,さまざまな紙の鑑定が行われる。最後にフランク紙の表裏の鑑定があり,莉子が鑑定できないと答えると区民センターに来るように言われる。
    〇 区民センターではフランク紙の表裏の識別をできるという丹内という人物がいたが,これはいかさま。紙の角の堅さが違うことを利用したトリック
    〇 太陽の塔の展示品が盗まれる盗難事件が発生する。蓬莱浩志は容疑者となる。
    〇 莉子は太陽の塔を警備している日本統合警備で捜査をする。
    〇 スペイン料理店で太陽の塔に関心があるハリス教授に話を聞く。
    〇 莉子は再び,謎の人物に呼び出され,日用品の鑑定のテストをされる。
    〇 蓬莱浩志の家に,莉子宛の手紙が投函される。1000万円の報酬で仕事をしてほしいとの依頼
    〇 莉子は,呼び出された箕面のホテルに出向くが,仕事の説明会には参加せずに帰る。
    〇 莉子はジャンク品の販売主であるAstr00017に話を聞きに行く。ネットオークションに@地名で出品できるように静岡県の「地名(ちな)」という土地に住んでいた。
    〇 笠松刑務所にいる雨森花蓮に,写真から盗難された部品の作成を依頼する。
    〇 雨森花蓮と莉子の推理。太陽の塔事件で,警備員は全員グル。花蓮は贋作を完成させ,出品者がイギリスの農場の持ち主のイギリス人と分かる。
    〇 大阪府知事の太陽の塔の訪問。太陽の塔での謎解き。蓬莱浩志の妻,瑞希は,太陽の塔の機械の中で作業をするバイトをしていた。
    〇 真相は太陽の塔の展示マシンの中に人が入っているという秘密を隠すための騒動だった。ハリスは,そのことに気付いたが,展示されていたGPS装置を盗み出すために,
    恩義を売った。
    〇 ハリスは1978年に空輸の際の事故でイギリスの農地に落ちたGPS装置がネットオークションで売りに出されていたことをしり,回収を図ったのだった。このときのGPSの捜査でミステリーサークルができた。
    〇 ハリスと莉子の取引き。お互いに知りえたことを口外しないことにした。ハリスは,ミステリーサークル騒ぎの賠償金をアメリカ政府に負わせないため,莉子は,日本の技術が息の根を止められないため。
    〇 莉子は花蓮に礼を言いに行く。花蓮からは「コピア」にだけは近づくなと助言を受ける。
    〇 エピローグ。角川書店の建物で,小笠原と莉子がウェディング姿での撮影。そこでもダイヤの盗難事件が起こり…。というところでエンド

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    2017年09月16日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 XI

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    ネタバレ

    〇 総合評価
     シリーズ11作目は,凜田莉子の兄弟子にあたる水無瀬瞬という住職との対決。水無瀬瞬も,チープグッズの瀬戸内陸から学んだ,有機的自問自答と,無機的検証という論理的思考を武器に,京都の単立の弱小寺院,「音韻時」を人気寺院に成長させていく。
     過去に入れておいたはずの祈願文で,閣僚の名前や最近結婚した有名人カップルを当てるというトリックは,ファックスを利用した物理トリック。ややチープ。安倍晴明の式盤を見つけるためのちょっとした謎解きがあるが,
    これも,ちょっとした数字パズルという感じ。そもそも,国宝といっていい安倍晴明の式盤があっさり見つかってしまうというのも,御都合主義な感じである。そのほか,水無瀬瞬が結婚したいと思っている女性を櫂麻耶ではなく,凜田莉子だと思わせる,ちょっとした叙述トリックや,櫂麻耶のマンションをお金を掛けずに改修する話などがテンポよく描かれる。
     トータルで見ると,よくできた話。それ以上でもそれ以下でもない。このシリーズにおける平均的なデキの作品。★3で。

    〇 サプライズ ★★☆☆☆
     水無瀬瞬が結婚したいと思っていた相手を,櫂麻耶ではなく凜田莉子だと誤認させる叙述トリックがある。さらっと読んでいたので騙されたのだが…サプライズはその程度。安倍晴明の式盤があっさり見つかってしまうのもサプライズと言えばサプライズだが…。★2で。

    〇 熱中度 ★★★★☆
     莉子と兄弟子に当たる水瀬瞬との対決がテンポよく描かれており,熱中度は高い。櫂麻耶のアパートをお金を掛けずにリフォームするシーンも面白い。安倍晴明の式盤をめぐる謎解きは,ややあっさりだが,テンポがよいと言えなくもない。このシリーズはどれもそうだが,最後までさらっと読める。★4で。

    〇 インパクト ★★☆☆☆
     水無瀬瞬の存在はそれなりにインパクトがある。莉子の兄弟子にふさわしく,能力が非常に高い。話としては,祈願文のトリックがファックスによる物理トリックというチープなもので,そこまでのインパクトがない。安倍晴明の式盤もあっさり見つかってしまう。インパクトという点では薄い。★2で。

    〇 キャラクター ★★★★☆
     シリーズおなじみのキャラクターに加え,水無瀬瞬というスーパーキャラが登場。櫂麻耶もかなり魅力的。キャラクターはそろっている。★4で。

    〇 読後感 ★★★★☆
     水無瀬瞬が改心するというエンディング。莉子の助けもあって告発も避けられるし,櫂麻耶とのいい感じになっているので,読後感は良好。★4で。

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズ。希少価値はない。
     
    〇 メモ
    〇 プロローグは水無瀬瞬が実家の寺である音韻寺に帰るシーン。水無瀬瞬は,チープグッズの瀬戸内陸の教え子。水無瀬は5年で実家の音韻時を,京都一の集客力のある人気スポットにしてみせると心に誓う。
    〇 水無瀬瞬は,音韻寺の祈願文をテレビで紹介する。報道されたばかりの入閣人事が,2か月前に入れられた箱の中の祈願文に書かれていた。
    〇 ローカルテレビで紹介されてから5年後,成功した音韻寺は,旧勢力の圧力を受けている。音韻時が次に狙っているのは安倍晴明が愛用した純金の式盤だという。
    〇 凜田莉子と小笠原がヘチマ水のトラブルを解決。トリックは,水が氷になると1割体積が増えるというもの
    〇 ヘチマ水のトラブルを解決した小笠原と莉子はひょんなことから音韻寺へ。音韻寺では祈願文の公表があり,莉子は
    トリックを暴くために動く。
    〇 莉子は,祈願文は,ファックスとすり替えを使ったトリックだと推理する。
    〇 莉子と水無瀬の会話。莉子の追求を,水無瀬は交わす。そこにアパート経営について相談に女性がやってくる。
    〇 櫂麻耶という女性の相談を受け,莉子はアパート経営の再生に乗り出す。オークションサイトで1円で入札できる家具をそろえ,家具付きの物件として貸し出そうとする。
    〇 水無瀬は,安倍晴明の愛用の純金の式盤の情報を手に入れる。ここで,水無瀬が莉子との結婚を希望しているとのミスディレクションあり。実際は,櫂麻耶が結婚を希望している相手
    〇 櫂麻耶のマンションをお金を掛けずに改装する。最後は,水無瀬の協力もあって,多数の入居希望者が来る。
    〇 水無瀬と莉子と真相と短冊(または食事)を掛けての京サイコロを使ったゲーム。水無瀬が勝利。サイコロの組合せで,水無瀬が18対15の確率で勝つというトリック
    〇 水無瀬と小笠原の対決。水無瀬が鴨川に捨てた短冊を小笠原が回収する。
    〇 小笠原と莉子は,東大寺の大仏の肩に書いてあるという安倍晴明の愛用の純金の式盤の情報を得て,調査に行く。
    〇 奈良の大仏は,千葉の市原にもあった。水無瀬に続いて莉子達も確認する。
    〇 水無瀬は,安倍晴明の愛用の純金の式盤の隠し場所である地下通路に行き、そこで意識を失う。
    〇 櫂麻耶と水無瀬は付き合ており,結納も済ませていた。麻耶は祈願文を書いている人物だった。
    〇 安倍晴明の式盤が隠されているという亥趙塚神社に行き,いくつかの暗号を解いて,水無瀬を助け,安倍晴明の式盤を手に入れる。
    〇 エピローグ。水無瀬は住職を辞める。莉子の助けもあって,他の寺の住職からの告発もされなかった。

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    2017年09月10日
  • 千里眼 マジシャンの少女 完全版 クラシックシリーズ6

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    ネタバレ

    600p越えの長編。カジノを舞台にした籠城事件、潜水艦バトル、鬼芭阿諛子の再登場と見所盛りだくさん。始め読んだ時には「何じゃこりゃ」と思ったが、6冊目にもなるとこの何でもありのごった煮感が不思議に面白く思えてくる。次はどんな話なのだろうか?。続きは手に入れていないが、いつか読み進めたいと思う。

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    2017年08月25日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 IX

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    ネタバレ

    〇 概要
     凜田莉子は,37年ぶりに日本で開催されるモナ・リザ展の臨時学芸員の候補に選ばれる。万能鑑定士として,これまで培ってきたノウハウと,高い感受性を持つ莉子ならではの直観を鍛え,龍泉寺里桜ともに,ルーブル美術館の学芸員,ブレのもとで試練ともいうべきテストをクリアする。しかし,その後,モナ・リザの瞳の中の文字を見た莉子はスランプに陥ってしまい…背後に隠された恐るべき陰謀。果たして,莉子はモナ・リザの危機に立ち向かえるのか?

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     日本で開催されるモナ・リザ展を狙って,モナ・リザを偽物にすり替えるという話のスケールは大きいが,描かれているトリックが小粒。莉子が鑑定能力を失ってしまって,波照間島に帰ってしまうという展開は予想外で,インパクトはある。どうしてこうなってしまったのか,予想がつかないが,真相がやや平凡。しかし,直観で真作を選ぶ訓練を繰り返すことで,間違った形でしか知覚が働かなくなるか…?ややリアリティにも欠ける。モナ・リザのすり替え部分は電卓のキーを利用したやや稚拙なトリック。海外へは,ダヴィンチ・コードの宣伝用看板に模して搬出しようとしたものだったというのは,バカミス感がある。総じて,面白くないわけではないのだが,シリーズ随一の傑作といえるほどではないと思う。駄作というほどでもないので,シリーズの1作品として普通に読めば,普通に楽しめる。小笠原が思いのほか活躍する話なので,彼のファンなら評価も高まるか。★3で。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     話全体としては,臨時学芸員になるはずの莉子がスランプに陥り,万能鑑定士Qの店を閉めて波照間島に帰っていしまうという予想外の展開を見せるので,ややサプライズはある。しかし,全体としてはそこまでのサプライズはない。ブレのふりをしていたウラジミール・ツェネヴァと龍泉寺里桜の企みは,ミステリとしては平凡だし,12枚の中から真作を選ばせるトリックも,そこまで驚けない。サプライズはおまけの★3程度

    〇 熱中度
     小笠原がカサンドラ・メイスフィールドの同行取材に連れ出されたり,途中,莉子が波照間島に帰ってしまうなど,ストーリーは予想外の展開を見せるが,莉子と里桜のブレとの間とのやり取りはやや平凡。そこまでのリーダビリティはない。普通。★3

    〇 インパクト
     モナ・リザの瞳の文字を見て,莉子が鑑定能力を失うという展開はインパクトがある。しかし,物語のメイントリックであるモナ・リザのすり替えのインパクトは平凡。トータルでは★3か。

    〇 キャラクター ★★★☆☆
     レギュラーキャラは安定。この作品のキャラとしてはルーブルの学芸員のケネス・アリンガム,黒幕のウラジミール・ツェネヴァや,莉子と同じ臨時学芸員候補となった龍泉寺里桜といった面々。それなりのキャラクター性はあるがその程度。堰代延男がいい味出している。★3かな。

    〇 読後感 ★★★★☆
     ハッピーエンド。雨森花蓮もちょっと出てきて,読後感は良好

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     ベストセラーシリーズの代表作。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 プロローグは,ルーブル美術館に20年間務めたケネス・アリンガムという学芸員と凜田莉子との出会い。
    〇 角川書店の宣材課(街頭看板の管理をする部署)の課長,堰代延男と小笠原悠斗とのシーン。
    〇 小笠原悠斗からの紹介で,凜田莉子は,モナ・リザについてのアンケートに答える。その結果,莉子は文化庁に呼ばれ,日本で開催されるモナ・リザ展のスタッフの候補者に推薦される。2週間後にパリで行われるテストに参加することになる。
    〇 ルーブル美術館で,いつもの場所との異なる場所に展示されたモナ・リザ。7個所に展示された贋作を含むモナ・リザの中から,本物を見つけるというテスト
    〇 莉子は7枚のモナ・リザは全て偽物と鑑定し,モナ・リザの縮小写真が掲載されていたギリシャ陶器の展示室に本物があったと鑑定する。
    〇 小笠原は,翌朝,散歩中の老婦人に,チワワを引き渡す。
    〇 結果。莉子の鑑定は正解。鑑定に正解したのは100人余りの鑑定人の中から,凜田莉子と,龍泉寺里桜の2名だけだった。
    〇 日本に戻り,ルーブルの学芸員,ブレから莉子と里桜は指導を受けることになる。
    〇 小笠原悠斗は,フランスで偶然に出会い,散歩中のチワワを引き渡したカサンドラ・メイスフィールド女史から,日本滞在中の同行取材を許可される。
    〇 莉子と里桜は,ブレからモナ・リザについての講義を受けながら,鑑定に必要な直観を伸ばすテストを受ける。それは11個の贋作を含む12個の中から,二人が交互に偽物を直観で選び,最後に真作を残すというテストだった。
    〇 小笠原は,カサンドラ・メイスフィールド一家が日本中のお忍びの旅行に同行する。
    〇 莉子は,モナ・リザの瞳の中の文字を見ると脳機能が低下するという記事を見る。
    〇 莉子と里桜の講義及びテスト,小笠原の同行取材が続く。
    〇 莉子と桜里のテストの精度は上がっていく。最後にモナ・リザを使ったテストをし,合格する。その後,莉子はモナ・リザの目の中の文字を見る。
    〇 カサンドラ・メイスフィールド一家は偽物であり,公安の警察に追われる。
    〇 莉子は万能鑑定士の営業を再開するが,極度のスランプに見舞われる。莉子は,モナ・リザの瞳の中の文字を見てしまったことが原因であると考え,モナ・リザ展の臨時学芸員を辞退する。
    〇 小笠原は,メイスフィールド一家が偽物だったことが分かり,もとのつかいぱしりに近い立場に戻る。
    〇 モナ・リザの瞳の中の文字を見たせいで鑑定ができなくなったと思い,莉子は,万能鑑定士Qの店を閉め,波照間島に帰る。
    〇 小笠原のところに,メイスフィールド一家のふりをしていた俳優一家の1人から詫びの電話は入る。おそらく偽名だが,スミスと名乗った人物が依頼人。莉子との接触を避けるために,小笠原を同行させていたのではないか…と小笠原は疑う。
    〇 小笠原は,凜田莉子に何があったか相談するために,刑務所にいる雨森花蓮に会う。小笠原は,凜田莉子を臨時学芸員にしないように,最初から仕組まれていた罠だと考えている。龍泉寺里桜もその罠に加担している。小笠原は,雨森花蓮から伝言を受ける。
    〇 小笠原は,波照間島に向かい,莉子に会う。花蓮からのヒントをもとに,真相に気付く。12枚から1枚を選ぶトリックは,最初の位置が分かって入れば,先に相手に選ばせることで,最後に本物を残すことができる。莉子は真相に気付く。ブレは偽物。里桜達は,莉子を臨時学芸員から外すことで,何を企んでいるのか。企みを阻止するために,東京に戻る。
    〇 里桜は,ルーブルにあるモナ・リザは偽物だと思い,本物を日本で展示するため…に行動していた。しかし,里桜も騙されていた。100年前の盗難の際に偽物がルーブルに返された…と騙されていた。
    〇 今回のモナ・リザ盗難騒ぎの主犯は,ウラジミール・ツェネヴァというブルガリア人。角川書店にある中古の映画の宣伝用看板,そのうちダヴィンチ・コードの看板に模することで,ブルガリアにモナ・リザを運搬しようとしていた。小笠原を連れ出したのは,この工作をするためだった。
    〇 モナ・リザ展は成功に終わる。莉子は臨時学芸員には復帰せず,万能鑑定士Qの店で仕事を続ける。

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    2017年08月19日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 XII

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    一応、一区切り。 あの現象?に結びつけてるのはなかなかおもしろかった。 しかしこのシリーズ、終盤(10巻くらいから?)は少し盛り上がりに欠けてたかな。 それでも十分おもしろいんだけど。

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    2017年08月18日
  • 黄砂の籠城(上)

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    義和団の乱のお話。私は歴史は苦手分野なので書き手によって、はまり度合いが違う。緊張感や盛り上がりがイマイチで、単純なヒーローを求めているわけではないけれど、登場人物にのめりこめるものがない。ただ、歴史を深く掘り下げた読み物として、読み進めた。その後どう展開していくかと下巻も読むとしますかね。

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    2017年07月10日
  • 千里眼の復讐 クラシックシリーズ4

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    ネタバレ

    クラシックシリーズ第4弾。今回は恒星天球教の教祖友里佐知子が仕組んだトンネル崩落事故に岬美由紀らが巻き込まれ、中に閉じ込められる。トンネル内に放たれた刺客に苦しめられながらも戦い、陰謀の真相を暴いていくという話。強くて賢いヒロイン。ハリウッド映画のパニックムービーを思わせるようなスリリングな展開。現実世界では起こり得ない話ながらも読むのを止められない。もはやミステリーというよりアクション小説となっているこの作品。教祖友里佐知子は次にどのような陰謀を企んでいるのか?。引き続き読んでいきたい。

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    2017年07月10日
  • 千里眼 運命の暗示 完全版 クラシックシリーズ3

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    ネタバレ

    メフィストの拷問により、心神耗弱状態になった岬美由紀。中国へ送られる途中で、蒲生と嵯峨に助けられれ自分を取り戻し、日中間に起こりそうになる戦争を回避する為奔走する話の流れ。美由紀が スーパーマン並みに活躍して物事を解決する為、 文章を読んでいてもあまり親近感がわかない。でも、物語の最後の辺りで明らかになる恒星天球教教主と今回の騒動の黒幕との関係が物語の壮大さを感じさせる。話の展開が破天荒過ぎてついていけるかわからないが、引き続きシリーズを読んでいきたいと思う。

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    2017年07月03日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 VII

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    ネタバレ

    〇 概要
     純金が無価値の合金に変わってしまうという「逆錬金術」の謎と,脱税の容疑を捜査するため,凜田莉子は万能鑑定士Qの店舗を閉め,有名ファッション誌のカリスマ編集長に接近する。小説盗難騒ぎ,5億円のペンダントの紛失などの事件,そして最後に残る逆錬金術の謎とは?

    〇 総合評価
     プロローグ部分から,ちょっとしたサプライズ。凜田莉子が,万能鑑定士Qの店を閉め,ステファニー出版という出版社のカリスマ社長の秘書になるという,驚きの設定
     実は,脱税の疑いがあるステファニー出版を内部から調査するために,国税局から依頼され,同社に就職するという話。その中で,盗作騒ぎ,逆錬金術騒ぎ,ペンダント紛失騒ぎなどの事件が起こる。まるで短編集のような作り。シリーズも7作目ということもあり,安定のデキ。そこそこのサプライズとエンターテイメント,うんちくがあって,十分に楽しめる。今回は,万能鑑定士Qの店を閉めるなど,これまでと違った展開で,マンネリ感を薄めようとしている。
     それなりの面白さはあるが,傑作というほどの出来でもない。このシリーズでは平均的な作品といえる。★3

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     ペンダント紛失事件の真犯人が雲居課長だったという部分は驚いた。そのほかの部分にはさほど驚きはない。

    〇 熱中度 ★★★★☆
     雑学知識をちりばめたり,盗作騒ぎ,ペンダント紛失騒ぎ,逆錬金術事件と,小粒ながら立て続けに事件,謎を提示して読者を引っ張る。なかなか。

    〇 インパクト ★★☆☆☆
     薄い。雑学は所詮雑学。盗作騒ぎは,印刷会社のボンボンが犯人。ペンダント紛失はGPS付の手提げ金庫のすり替え。逆錬金術事件も,切断面を見せているように見せかけるという物理トリック。トリックが弱く,インパクトに残らない。

    〇 キャラクター ★★★☆☆ 
     城ヶ崎編集長が相手役なんだろうが,登場シーンが少ない上に,カリスマ編集長っぽさがあまり描かれない。明らかに莉子より格下扱い。これに対し,園部遥菜は,能力では莉子に遠く及ばないのだが,弱さを存分に見せることで,逆に魅力的に描かれている。雲居課長,菊原琢磨などクセのある人物もいて,キャラクターはそこそこ。

    〇 読後感 ★★★★☆
     城ヶ崎編集長は改心し,園部遥菜はいいポジションに付く。読後感はよい。

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズなので,希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 プロローグは,ステファニー出版の編集長第1秘書である園部遥菜の視点による月刊誌イザベルのクリスマスイブ号の電子出版の発行の際のシーン。編集長の指示で,遥菜は対応に苦慮している。
    〇 課長の雲伊司が,手提げ金庫を借りに来ているシーン。第2秘書である凜田莉子の居場所を遥菜から聞かれる。
    〇 編集長の指示どおりに,記事の修正を行う。アメリカでも郵便配達の車は右ハンドルというのが決め手
    〇 菊原琢磨の小説の盗作騒ぎがあり,同人のコラムが打ち切られる。
    〇 莉子の店に,合金の鑑定の依頼がくる。氷室に科学鑑定をしてもらったところ,重さだけは金と同じの合金であることが分かる。
    〇 莉子のところに,小説の盗作疑惑がある菊原琢磨が相談にくる。
    〇 薮野実に盗作された関係で,莉子は,菊原と横畑という弁護士に相談に行く。
    〇 脱税疑惑のある会社を捜査する警察の描写。そこに,金の延べ棒ではなく合金が見つかる。
    〇 喫茶店で薮野が嗅覚のテストを行う。横畑がいかさまをする。莉子は横畑と薮野の共犯関係を暴く。
    〇 菊原は盗作の誤解が解け,ステファニー出版のコラムも継続することになる。ステファニー出版から出てきたところを,国税局調査部の人物から声を掛けられる。脱税者が金の延べ棒だと思って保管していたものが合金になっているという。
    〇 ステファニー出版には脱税の疑惑がある。合金に変わった金は,悪質な脱税者に売り込みに来られているという。莉子は,ステファニー出版に就職し,内部から調査をしてほしいと国税局調査部から依頼される。
    〇 莉子はステファニー出版に就職。第2秘書としてリモコンが壊れたエアコンを作動させたり,そうめんとひやむぎの違いをみぬくなどして活躍する。
    〇 時系列としては,ここでプロローグ部分の後につながる。クリスマスイブ号の発行を終えたステファニー出版のクリスマスパーティの描写。ここで,天王寺会長から借りたペンダントが無くなる。
    〇 ペンダント紛失事件の犯人は,いかにも怪しかった鴨立係長ではなく,雲居課長だった。
    〇 莉子はペンダント紛失事件を解決したことから,第1秘書になり、城ヶ崎編集長との関係も近いものになる。
    〇 第1秘書となった莉子は城ヶ崎と金の延べ棒の交渉の場に立ち会う。莉子は,金の延べ棒のトリックを見抜き,口座を凍結させることに成功する。
    〇 莉子は,城ヶ崎に脱税していた税金を納めるように進言し,ステファニー出版を去る。
    〇 ステファニー出版は角川に買収され,イザベルは出版を続ける。遥奈は,小笠原に「莉子は高根の花なんてものじゃないから,心して」と伝える。

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    2017年11月10日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 IV

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    〇 総合評価
     シリーズ3作目は倒叙モノっぽいつくりでサプライズがなかったが,シリーズ4作目は,サプライズを狙った作りだと思われる。エピローグから,「催眠」シリーズの嵯峨が登場!とあおっておいて,莉子と一緒に捜査する嵯峨は偽物。その偽物の嵯峨が犯人という作り。驚けることは驚けるのだが,地の文章でも「嵯峨」と表記していたり,それほどフェアではない。ミスディレクションもなく,犯行ができるのは嵯峨だけなので,消去法で嵯峨が犯人だと分かってしまう。サプライズだけを追求するなら,もう一工夫いる。
     ノストラダムスの大予言という幻の映画のポスターを狙って放火する放火犯がいるという魅力的な謎で話をひっぱる。しかし,その真相が,ポスターの裏にあったあぶりだしで書かれた5億円の財産の在りかを探すためという動機はバカミスっぽい。謎と真相のバランスが取れていない。
     トータルで見ると,やや粗が目立つデキ。叙述トリックっぽく,上石慧を嵯峨と誤認させようとしているので,慧のキャラクターも掘り下げられていない。キャラクターの魅力がウリのライトノベルでこれはマイナス。ぎりぎり★3かな。

    〇 サプライズ ★★★☆☆
     上石慧が嵯峨になりすましており,莉子と一緒に行動していた嵯峨が犯人だったという展開は,そこそこ驚ける。しかし,地の文章でも「嵯峨」と記述するなど,それほどフェアではない。ミスディレクションはなく,偽の嵯峨以外に犯人がありえないのも,サプライズ感を下げている。「嵯峨」が偽物だと分かる伏線はあったが。

    〇 熱中度 ★★★★☆
     ノストラダムスの大予言のポスターを燃やす連続放火犯という魅力的な謎で引っ張る。リーダビリティはさすがのデキ

    〇 インパクト ★★★★☆
     あぶりだしって…。真相はインパクトがあるといえばあるが,バカミスチックなリアリティの薄さがある。

    〇 キャラクター ★★☆☆☆
     嵯峨先生=上石慧の叙述トリックのせいで,キャラクターが掘り下げられていない。その上,莉子にやられっぱなし。キャラクターの魅力は薄い。

    〇 読後感 ★★★☆☆
     いつもながら,読後感は悪くない。

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズ。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 プリティ・ウーマンのポスターについてのうんちく。ボディダブル使用前のポスターのうち,4つがオークションで流通している。
    〇 コレクターの茅根涼太の家が火事に見舞われる。
    〇 週刊角川の記者,小笠原は昭和の鼠小僧,上石玄についての記事を書いていたが,近くの火事の取材に行くように命じられる。
    〇 ムービーアレイという映画グッズ専門店の老舗も火事に見舞われる。
    〇 茅根とムービーアレイの映画グッズの鑑定のために,万能鑑定士の凜田莉子が呼ばれる。
    〇 放火事件が知能犯なのか粗暴犯なのか,精神科医の意見がないと捜査2課が捜査できるか分からない。葉山からそう聞いた莉子は,臨床心理士の嵯峨俊也に会いに行く。
    〇 莉子と小笠原は,嵯峨と助手の池川が一緒にいるところに出会う。
    〇 嵯峨と莉子は昼食を取りながら,火事についての見解を話し合う。そこで歯科医と称する女性から,子供が虐待を受けている話を聞く。
    〇 嵯峨は虐待を受けている子供の件で母親と話をしに行く。そのとき,第3の火事が起こる。
    〇 第3の火事の現場に莉子が着くと,母親との話を終えた嵯峨もついていた。捜査を行う。放火されていたポスターは「ノストラダムスの大予言」のポスターらしいとの情報を得る。また,現場で暗号のような記号が羅列されたメモが見つかる。
    〇 日比谷グラビティホテルにも「ノストラダムスの大予言」のポスターがあると分かったので,莉子は警察,嵯峨と一緒に同ホテルに向かう。
    〇 警察,嵯峨,莉子は日比谷グラビティホテルに泊まる。
    〇 小笠原は,新宿ゴールデン街で,ノストラダムスの大予言の撮影現場に立ち会った人物が経営するバーで取材。ここで,ノストラダムスの大予言のポスターに火を付けられる事件に遭遇
    〇 日比谷グラビティホテルでも,密室状態の部屋で,ノストラダムスの大予言のポスターの放火事件が起こる。
    〇 謎の人物が,ツイッターで「ノストラダムスの大予言」のポスターを探していたことが分かる。
    〇 放火事件の被害者である茅根から,名古屋に住む「スタシャワー(鯉淵)」という人物が,犯行について,情報を持っていると聞く。
    〇 莉子と嵯峨は,名古屋に行き,鯉淵と会う。特に情報はない。
    〇 小笠原,警察の記者会見で,連続放火事件の容疑者が野間一真(上石玄の妻の連れ子)であると知る。
    〇 鯉淵の家のポスターが盗まれ,近所の空き地で燃やされる。
    〇 野間一真の部屋を捜査し,謎のメモが見つかる。
    〇 嵯峨が,知人のNHKのディレクターからもらったものとして,放火犯の狙いが「ノストラダムスの大予言」のポスターであると,NHKがニュースで放送しようとしているという情報があり,小笠原がこのことを嵯峨に頼まれ警察に伝える。
    〇 莉子は,NHKのニュース原稿から「がさがさ」という音が聞こえることから,このニュースが偽物であることを見抜く。
    〇 莉子は,暗号メモの解読のカギを得るため,嵯峨に偽の情報(ノストラダムスの大予言のポスターの保管場所)を伝える。
    〇 偽のノストラダムスの大予言のポスターの保管場所に,野間一真と上石慧(=嵯峨の助手,池川。嵯峨になりすまし,莉子と一緒に行動していた人物)が現れる。逮捕。
    〇 事件の真相は,ノストラダムスの大予言のポスターの裏にあぶりだしで描かれた上石玄の5億円の財産の隠し場所を探していたというものだった。莉子は,暗号メモの解読にも成功する。

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    2017年07月01日
  • 黄砂の籠城(上)

    Posted by ブクログ

    何だかいつもの松岡作品とはちょっと一味違う感じ。
    史実を元に作られた小説。
    本書を読んで、柴五郎という人物がいたことを知る。検索してみると、凛々しくてかなりの男前。
    私は本当に歴史を知らないなぁと痛切に感じる。
    下巻へ。

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    2017年06月24日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 I

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    〇 概要
     不気味な「力士シール」を誰が,なぜ貼っているのか。取材をしていた雑誌記者「小笠原」は,万能鑑定士の「凜田莉子」に出会う。凜田莉子がいかにして「万能鑑定士」になったのか。莉子が上京してからの様子と小笠原との出会いなどについて描かれた万能鑑定士シリーズの第1弾

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     万能鑑定士シリーズの第1弾。1と2は二つで一つのエピソードを描いている。メインとなる日本の経済破たんのエピソードは,おおむね2の方で描かれている。1は,その伏線となる莉子と小笠原の出会い,莉子の高校時代と上京直後の頃のエピソード,チープグッズとの出会いなどが描かれている。
     氷室拓真もちょっと出ている。ラスト間近で,イオナフーズという会社の料理教室を使ったオートロックマンションへの忍び込み計画が示され,そのトリックを莉子が解いている。この部分が1のミステリ的なハイライトか。
     1と2で一つのエピソードであり,1だけで評価するのは困難。あえて評価するなら,最後のミステリ的な謎解きと数ある伏線,そして莉子のエピソードなどについての評価であり★3というところだろう。

    〇 サプライズ ★★☆☆☆
     1作目は,2作目とセットになっており前編的な位置付け。一応,料理教室を利用したオートロックマンションへの忍び込みという事件と,その謎解きがある。力士シールや断片的に描かれる経済が破たんした日本の描写が何を意味するかは明かされない。よって,この段階ではサプライズはほとんどない。

    〇 熱中度 ★★★★☆
     力士シールをめぐる謎の話の幕間に,経済が破たんした日本の描写がある。また,高校時代や上京してすぐの莉子についての描写もあり,落ちこぼれだった莉子がどうやって聡明な万能鑑定士になったのかという点に引き込まれる。総じて熱中度は高い。話のテンポもスピーディで引き込まれる。

    〇 インパクト ★★★☆☆
     ときおり挟まれる,経済が破たんした日本の描写のインパクトがすごい。そのほかは普通

    〇 読後感 ★★☆☆☆
     1と2で一つのエピソードであり,これは明らかに途中。ラストシーンは経済が破たんした日本から莉子が沖縄を目指すシーンで,これからどうなるのか非常に気になる終わり方をする。

    〇 キャラクター ★★★★☆
     凜田莉子,小笠原悠斗,喜屋武友禅,瀬戸内陸,氷室拓真,葉山翔太など,魅力的なキャラクターがそろっている。キャラクターの魅力は十分」

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     映画化もされた超人気シリーズの第1弾。希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 小笠原と莉子との出会い
    〇 5年前の莉子の様子(波照間島)
    〇 上京後の莉子。チープグッズ(=瀬戸内陸)との出会い
    〇 未来のシーン→小笠原と莉子が出会ってから1週間後の荒廃した日本の様子
    〇 力士シールの鑑定。2種類あってどちらも手書き
    〇 莉子,ツアコンのための就職試験を受験。抜群の知識を発揮するが,数学の応用がだめで落ちる。
    〇 莉子,チープグッズに就職
    〇 不動産の抽選会。両方裏のエラーコインを利用したいかさまで,株式会社イオナ・フーズが権利を得る。
    〇 就職から2年後,20歳になったときに,莉子はチープグッズから独立し,万能鑑定士Q(クイーン)を始める。
    〇 イオナ・フーズが料理教室を実施。地中海風バナナの天ぷら造りをする。
    〇 豆知識
    〇 フランスでは4を示すときに小指を曲げるが,親指を曲げているところから日本人が描いた絵画と推理
    〇 ランプを反射させる鏡を身だしなみ用の鏡と勘違い
    〇 ソーセージに日本風に斜めの切り込みを入れる。
    〇 摩周湖は,法律上は大きな水たまり扱いとなっている。
    〇 イオナ・フーズの料理教室は,オートロックマンションの2階の一室に忍び込むための偽装工作だった。
    〇 ラストシーンは経済が破たんした東京から,沖縄に飛行機で戻ろうとする莉子の姿を描くシーン

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    2017年06月18日
  • 探偵の探偵IV

    Posted by ブクログ

    壮絶なフィナーレ。
    というわりにはいつも通り
    なんかよくわからないうちに
    バタバタ終結した印象。
    でも4作中で1番好きかも。

    ダイナミックさはだいぶ薄れている分
    ☆3かなぁ。

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    2017年06月09日
  • 催眠 完全版

    購入済み

    催眠

    男性が主人公になっているのがこの作者では珍しい作品です。

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    2017年06月05日
  • 万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    うーん、長くシリーズが続いた物語の最終巻なだけに、いろいろと消化不良だった。

    結局最後までコピアの贋作を見抜けないまま終わってしまったこと、あとコピアと莉子の昔の関係がどこかの巻で暗示されてたと感じたんだけど、それも触れられず。

    小笠原くんの探偵になった意味もイマイチピンとこなかった。

    まぁ、いつものように大団円なので、読後感はよし。

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    2017年05月20日
  • 黄砂の籠城(上)

    Posted by ブクログ

    日本人の本質、
    日本人の国民性、
    確かにあるもので、
    ずっと大切にしたいもの。
    ただ、節度も思いやりも
    だれかのためのものでない、
    みんなのためのものだ。

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    2017年05月15日